2013年4月27日土曜日

最悪の老化物質「AGE」⑱


糖化ヘモグロビン(HbA1c)と2,3-DPG

 酸素を運ぶ赤血球にとって、2,3-DPG(2,3-ジホスホグリセリン酸)は非常に重要な役割をもって赤血球にとって貴重なATP産生のエネルギー源だからです。さらに2,3-DPGにはヘモグロビンと酸素との親和性の調節という重要な役割があります。
います。この2,3-DPGは,赤血球内では他の細胞に比べて高濃度で存在しています。なぜなら2,3-DPGは、ミトコンドリアを持たない
 赤血球内にあるヘモグロビンは、肺で酸素と結合して身体の細胞すべてに酸素を運びます。2,3-DPGはそのヘモグロビンと酸素との親和性を低下させる(ヘモグロビンから酸素を切り離す)働きをします。そうすることによって各組織に酸素を供給しています。
 高血糖により糖化したヘモグロビンHbA1cは、糖尿病のコントロールを知る指標としての意味はありますが、実は体には大変な悪影響を及ぼしています。HbA1cは酸素との結合に大きな特徴があります。HbA1cが多くなると酸素結合能を増加させてヘモグロビンから酸素を切離す働きが低下してしまい、末梢で酸素を放出しにくくなります。つまりは組織に酸素を供給する濃度が低下します。さらにこのHbA1cの多い赤血球は、毛細血管での血液の流れを悪くします。それは、赤血球の変形能が低下して粘着性が高くなり、微小循環の血流を阻害します。
 2,3-DPGはこのHbA1cにも影響を与えるデータがあります。


最悪の老化物質「AGE」⑱

■対策:糖化ヘモグロビンHbA1C

 ヘモグロビンは、酸素と結びついて細胞に酸素を届けます。高血糖で糖化したヘモグロビン(糖酸素をヘモグロビンから切離し、細胞へ効率よく供給するのが2,3-DPGという物質です。
化ヘモグロビン:右図)は、酸素を寄せ付けなくなってしまい細胞に酸素が行き届かない状態になってしまいます。しかも、せっかく吸収した酸素も細胞に供給できない場合もあります。結果として酸素不足になってしまいます。その

霊芝のHbA1cに対する影響

2,3-DPGの非酵素的HbA1cの生成に及ぼす影響について(独協医科大ME部)
(抜粋)糖尿病患者さんで空腹時の血糖値が180~200なのにHbA1c含有が正常、またアルブミンに対して糖化は普通の糖尿病患者さんと同じであった。このことから異常なHbが存在するのではないかとの検索があった(省略)
【結果】明らかに患者さんのHbのHbA1cへの修飾(様々な変化)は、通常の赤血球に比べ修飾され難いことがわかった。これらのことから次のようなことが考えられる。
1.グルコースの赤血球膜透過が悪く糖修飾が進まない。
2.赤血球内に入ったグルコースが速やかに代謝されてしまい糖化が遅い。
(省略)もう一つの糖代謝の指標として2,3-DPGの濃度を測定してみた。患者のDPG濃度はヘム濃度を基準として通常の血液と比較して1.2倍ほど高濃度であった。(省略)その結果、2,3-DPGのHbA1c生成阻害作用を確認することができた。

霊芝の2,3-DPGへの影響 (in vivo)


 高血糖で糖化したヘモグロビン(HbA1c)は、寿命の間はずっと糖化反応した赤血球が体内を巡ることになり、AGEが溜まり続け、血管障害などを引き起こします。康復医学学会が研究する「霊芝」には上記のようにHbA1c生成阻害作用のある2,3-DPGの生成促進に影響を与えるデータがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月25日木曜日

最悪の老化物質「AGE」⑰


AGEとNO(一酸化窒素)

 2型糖尿病は、インスリン抵抗性が原因で血糖値が高くなる疾病ですが、現在では血糖値の増加による直接的な死亡はほとんどありません。糖尿病による死亡の原因は、動脈硬化による種々の合併症によるところが大です。

 糖尿病の三大合併症として知られるのは、激しい痛みなどを伴う網膜症、腎障害、神経障害です。これらの合併症は細小血管障害によるものです。一方、大血管障害としては、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽など種々ありますが、いずれも血管障害です。高血糖や糖尿病病態では、AGE(終末糖化産物)が顕著に増加し、これが血管の内皮細胞を障害します。

 血糖値が高くなると、まずブドウ糖(グルコース)とタンパク質が酵素によるところなく結合し、反応が進んでAGEを生じます。そして、AGEの特徴は、受容体が存在することです。この受容体RAGEは、少なくとも4種類の存在が知られており、血管内皮細胞やマクロファージその他に発現してしまいます。例えば、内皮細胞上の受容にAGEが結合すると、内皮細胞は糖化ストレスを受けます。内皮細胞が糖化ストレスを受け内皮細胞が障害されると、血管の緊張増加による血管収縮、動脈硬化、血栓形成などが生じ、これらの原因によって臓器の血流障害が生じ、臓器機能不全となり、合併症が誘発されることになります。通常、NO(一酸化窒素) はこれを抑制しますが、AGEにより内皮細胞の機能が障害し、NOの産生そのものが低下したり、NOが活性酸素によって活性が低下すると血管障害が進行することになるのです。


最悪の老化物質「AGE」⑰

■対策:AGEによる微小血管障害

AGEによる血管障害は、微小血管障害から、太い血管へと進行していきます。微小血管障害とは毛細血管レベルの血管がおかされる病態で、腎障、網膜症、神経障害などがあります。太い血管は、脳卒中、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などへ進行します。

対策のポイントは、血管内皮細胞!

 血管内皮細胞は、通常は微小循環を円滑に維持しています。しかし、高血糖によりAGEが増加す血管内皮細胞が阻害され、NO(一酸化窒素)の産生が低下し、血管が収縮し炎症を起こし易くなります。そして、血栓が形成され易い血管になってしまうのです。

※血小板の表面は糖たんぱく質に覆われていて、血管内皮細胞は陰性荷電を帯びています。そのため正常な血管内では、血小板と血管内皮細胞は結合しないので、血小板凝集は起こらないようになっています。
※血管内皮細胞は、糖化や酸素ストレスにより強くダメージを受け、血管透過性が亢進したり微小血栓を形成したりして微小循環障害を起こします。

霊芝とNO(一酸化窒素)

 霊芝は、血管を円滑に維持する血漿一酸化窒素を産生させる可能性を有するデータを持っています。
霊芝の患者血漿一酸化窒素産生への影響

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 康復医学学会では、AGE対策として安全で無理なく糖質制限ができる甘味調味料『甘みストレスフリー』を推奨しています。この商品の主原料はアミノ酸で“糖質ゼロ”。安全性も確認されています。リラックスハーブ「ラフマ」と一緒に摂ることで「睡眠の質」の改善にも影響を与えます。
 AGEは微小循環に障害を与え、さまざまな症状や疾病を生じる元凶です。このような微小循環の血管障害に対しては、康復医学学会が研究を続けている「霊芝」が有効なデータを持っています。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月20日土曜日

最悪の老化物質「AGE」⑯


高血糖とセロトニンの関係

睡眠障害は、代謝を狂わせて血糖値を上げてしまいます。質の良い睡眠」が、体温や食欲、新陳代謝などのリズムを調節し、インスリンの分泌を正常にして血糖値を安定させているのです。わずか三日三晩“深い眠り”を妨げただけで、健常者でも血糖値が23%も上昇することがわかっています。

 そのインスリンに、脳内伝達物質「セロトニン」(睡眠を司るホルモン「メラトニン」を作る)が関わっているという研究発表があります。妊娠に伴い、血糖値を下げるインスリンの効果が低下しますが、インスリン分泌細胞が増えて血糖値上昇を抑えています。この細胞増殖は、セロトニンの作用によることをマウス実験で解明したと、綿田裕孝順天堂大教授と弘前大など日米のチームが米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表しています(2010年6月)。綿田教授は「セロトニンの働きを促進させることで妊娠糖尿病の治療法になる可能性がある。(インスリンの分泌低下や肥満などで起きる)2型糖尿病の治療にもつながるかもしれない」と話しています。 綿田教授らは、妊娠期のマウスでは、インスリンを分泌するすい臓のベータ細胞で、セロトニン合成酵素に関係する遺伝子がよく働いていることを見つけました。培養したベータ細胞にセロトニンを投与する実験でベータ細胞が増殖。また妊娠期のマウスにセロトニンの働きを抑える薬を投与すると、ベータ細胞が増えず血糖値が上がりました。

 睡眠障害はセロトニンの分泌を低下させることがわかっています。睡眠障害→セロトニン分泌低下→インスリン分泌の低下になるということです。


最悪の老化物質「AGE」⑯

■セロトニンとインスリンの関係

脳で作られるセロトニンは腸管でも作られます。腸管で作られたセロトニンはそのほとんどが腸インスリン脳内にトリプトファンを取り込むことを促進します。したがって、インスリンの少ない高血糖や糖尿病の状態では、トリプトファンの脳内取り込みが減少しセロトニン不足を招きます。そして結果的に、睡眠の質を低下させ血糖値を上げることになるという悪循環を起こしてしまうのです。
内で使われてしまいますし、脳につながる血管には不要なものが入らないように「血液脳関門」があるので脳内に入ることはできません。脳内でセロトニンの原料となるのは必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」です。そして

ラフマ錠剤組の短期/長期投与による5-HT(セロトニン)の変化(ng/g) 


 セロトニン(5-HT)はイミプラミン(三環系抗うつ薬)組とラフマ低、中用量組の8週目に増加の結果が見られた。以上の実験により、ラフマは5-HT及びその代謝物(5-HIAA)に対して、低、中用量のラフマは増加作用を有することが確認された。

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 AGE対策には安全で無理なくできる糖質制限と供に、「睡眠の質」の改善が必要です。康復医学学会が研究している「ラフマ葉エキス」は、上記データのようにセロトニンの分泌を促進させ、睡眠の質の向上に期待できます。
 また、同学会が推奨する甘味調味料商品『甘みストレスフリー』は、主原料がアミノ酸の一種「グリシン」なので、ショ糖(砂糖)の約70%の甘みがあります。しかも気になる糖質はゼロです。グリシンは安全性も確認されていて、食品添加物としても使われています。ダイエットや高血糖などの糖質制限で甘みを摂れない人のストレスも軽減できます。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月18日木曜日

最悪の疲労物質「AGE」⑮


アルツハイマーは“第三の糖尿病”?

アルツハイマー病で医療機関を受診した人は、平成20年は24万人、そして平成23年には36万6
千人と、たった3年で1.5倍に増えています。

 最近、治療法がないといわれてきたこの厄介な病気・アルツハイマーを「脳の糖尿病」だとする研究成果が発表されました。
 米ペンシルバニア大学医学部精神医学・神経学のスティーブン・アーノルド教授らの研究チームによるもので、「これまで糖尿病は、インスリンがまったく分泌できない1型糖尿病と、インスリンの効きが悪くなる2型糖尿病とに分類されてきたが、アルツハイマー病は“3型糖尿病”と呼ばれるべき証拠が得られた」という内容です。脳の中で記憶を司っているのは、大脳辺縁系の海馬と呼ばれる部分です。同教授らがこの脳の神経細胞におけるインスリン抵抗性を調べた結果、アルツハイマー病を発症するとこの海馬に「老人斑(シミ)」が現れることが分かったのです。これは海馬の神経細胞が死滅して、記憶障害を起こしている状態です。教授らの研究チームは、糖尿病ではないアルツハイマー病患者の脳の海馬を調べました。すると、糖尿病ではないのに脳内のインスリンの効きが悪く、神経細胞がグルコース(ブドウ糖)を使えなくなっていることがわかったのです。すなわち、“脳の糖尿病”といえる状態でした。インスリンの効きが悪いのは、高血糖の継続によるものです。
 また、アルツハイマー病の老人班からAGEが多く検出されていることもよく知られています。


最悪の疲労物質「AGE」⑮

 ここまで連載してきました「最悪の老化物質AGE」では、身近に潜んでいるAGEとはどんな物で、その危険性は何か…などをお送りしてきました。今回より、AGEに対する対応策などを中心にご紹介していきます。

■基本は“糖質の摂取”に注意すること!

糖質の摂取で注意したいのは、食品パッケージなどに書いてある「糖類ゼロ」という表記には注意が必要です。「糖類ゼロ」と表記してあっても、「糖質ゼロ」ではありません。
(詳しくは3月1日号「最悪の老化物質「AGE」②」をご覧ください)

 また、ノンシュガー商品・人工甘味料商品も、還元麦芽糖(マルチトース等)を使っていると血糖値を上げてしまいます。よく使われる人工甘味料の「ソルビトール」「マルチトール」「キシリトール」「還元水飴」なども血糖値を上げますので注意が必要です。

人工甘味料は糖分以外にも注意が必要!

人工甘味料は、糖分以外にも注意が必要です。さまざまなメディアで宣伝されている影響で、多くの人が未だに体に良いと信じている「カロリーゼロ商品」ですが、実はこれらに使われている人工甘味料には有害性が指摘されているものも少なくありません。

安全に安心して摂取できる甘み

毎日の生活で少しずつ体内に溜まっていくAGE。これを少しでも溜めないようにするには、糖質の
摂取に気をつけなければなりません。しかし、“甘み”に対する制限は、逆にストレスを生じ、ひいては「睡眠の質の低下」~血糖値の上昇にもつながりかねません。

 康復医学学会の推奨している甘味調味料商品『甘みストレスフリー』(和漢生薬研究所)の原料はアミノ酸で、人工甘味料特有の有害性がないので安心・安全です。しかも十分な甘みがあり、“ホッとしたいとき”にはお薦めです。しかも炭水化物ゼロ(=糖質ゼロ)なので、無理なく糖質制限ができます。AGE対策には“とっておきの甘み”と言えるでしょう。


『最悪の老化物質AGE』(康復医学通信・別冊)が発行されました!
 現在、連載中の「最悪物質AGE」の別冊「最悪の老化物質AGE」が康復医学学会より発行されました。1冊400円+税で微小循環研究所出版局が発売しています。AGEをより詳しく解説した専門書ともいえる小冊子です。詳細、ご希望の方は康復医学学会のホームページをご覧ください。
(康復医学学会HP ⇒ http://www.koufukuigaku.org)


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月12日金曜日

最悪の老化物質「AGE」⑭


マイルドドラッグ!?

中毒性が非常に高く、健康を害したり日常生活への支障をきたしたりする麻薬などのドラッグを
「ハードドラッグ」と言います。そして、ニコチンやアルコールのように、ハードドラッグよりも中毒性は低いけれど習慣性になりやすく、依存症をもたらすものは「ソフトドラッグ」と言われています。
 ハードードラッグについては、言うまでもなく激しい中毒性があるので、日本では使用や所持、製造が厳しく規制されています。ソフトドラッグはハードードラッグほどの危険性がないため規制こそされていませんが、中毒性があることに変わりはありません。健康への悪影響はもちろん大きいものですが、禁煙や禁酒できない場合、お酒やタバコがきれたときにイライラしたりする中毒症状が現れると、アルコール依存症、ニコチン依存症と診断されてしまいます。

 そして、現代社会で今最も心配されているのが、ソフトドラッグ以上に身近な食べ物による中毒です。それが「マイルドドラッグ」といわれる砂糖、塩、油などによる中毒症状です。
 ドラッグの中毒症状には、脳の側坐核(そくざかく)が、関係しています。側坐核は大脳半球の左右に一つずつ存在し、快楽を強く感じる部位として知られています。別名“快楽中枢”と呼ばれています。快楽中枢はさらに報酬回路とも呼ばれ、モチベーションを高めたりやる気を生み出したりする脳といわれています。例えば、難しい商談や面倒な仕事があるときに、それらを達成したら自分に何かご褒美を与えるようにすると、やる気やモチペーションが高まります。ご褒美は、以前から欲しかったものを買う、おいしいものを食べに行く、旅行をするなど、自分か楽しい、心地よいと感じるものであれば何でもあてはまります。

 実は、ハードードラッグやソフトドラッグ、砂糖、塩、油などのマイルドドラッグなどによって生じる「心地よい」という刺激も、すべて側坐核に伝わります。一度でもその刺激を体験すると、それがないと耐えられないと感じるようになり、この報酬回路が良くない方向に働くと、中毒症状(依存症)を引き起こしてしまいます。砂糖中毒について20年以上研究しでいるプリンストン大学では、マウスを使った実験で、薬物中毒に陥ると脳の側坐核での快楽物質・ドーパミンが大量に異常分泌すること、甘いものを食べたときにもドーパミンが異常分泌することに着目した結果、砂糖が麻薬中毒と同様の反応を引き起こす危険性があることを明らかにしています。
 お酒、タバコ、砂糖、塩、油など、これがないと耐えられないという方は依存症に陥っているかもしれません! 単なる好みではないのです。


最悪の老化物質「AGE」⑭

■糖質中毒に陥っていませんか?

 炭水化物や糖質などのマイルドドラッグは、身近に潜んでいます。次のような症状に悩まされる前食生活の見直しや糖質制限をすることをおすすめします。
に、

①イライラしたときには甘いものが欲しくなる

イライラした時は、甘いものが欲しくなるものと考えがちですが、糖質中毒に陥っている人がそれを解消するためにチョコレートやケーキ、アイスなど甘いものを摂ると、さらなる糖質中毒を招く悪循環に陥っています。

②食事のときには白いごはんがないとイヤだ

白いごはんには炭水化物が多く含まれています。毎日食べるものなので、知らず知らずのうちに中毒に陥っている可能性が高い食べ物の代表です。1日3回食べている人は、糖質摂取量がそれだけ多くなり、中毒に陥るリスクも高くなります。

③ウインナーやハムが大好き

ウインナーやハムには砂糖が意外と多く含まれています。さらに、食塩や脂も多く、マイルドドラッグが3つも入っているのですから、中毒性がかなり高い食べ物と言えるでしょう。

④ケチャップやマヨネーズをたっぷり使う

調味料も要注意食材です。調味料には砂糖が含まれているものもあります。また、ケチャップやマヨネーズは、大量に摂取していると中毒に陥るので注意が必要です。

⑤食後に眠くなることが多い

食後の眠気は血糖値の上昇によるものです。多少の眠気におそわれるのは自然なことですが、毎日強烈な眠気におそわれる方は、血糖値が上昇しすぎている恐れがあります。

糖分依存はドーパミンの異常分泌!

糖分を過剰に摂取すると、ドーパミン神経からドーパミンが放出され“快楽”を得ます。この快楽に溺れて糖分を摂取し続けると、さらにドーパミンが増えます。脳は、過剰なドーパミンのバランスを整えようとしますが、すると今度は今までの糖分摂取量では満足感が得られなくなり摂取量が増えてしまい依存状態に進行します。この状態になってから急激に糖分の摂取を制限すると、ドーパミン系の神経伝達が低下した状態になるため、離脱症状になり、上記①~⑤のような症状が表れるのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月11日木曜日

最悪の老化物質「AGE」⑬


食事のしかたと糖質の制限

 消化のサイクルや体内時計のサイクルを考えると、食事の習慣(毎日ある程度同じ時間帯に食事をすること)は、体にとっては優しいことです。しかし、糖化に関していえば、規則正しい食習慣より、食後、血糖値を上げないようにすることが、大切です。高血糖のときが最も糖化反応が起こりやすいからです。
 食後血糖値はおよそ1時問ほど経った頃にピークとなります。注意しなければいけないのは、食後1時間の時間帯に、追加して糖質を摂ってしまうことです。血糖値のピークはすぐには落ちないので、高血糖状態が継続してしまいます。例えば、外で昼食を摂った後、職場に戻ってからさらにおやつを食べるなど、追加で甘いものを摂るのは、タイミングとしては最悪です。より糖化反応を起しやすい状況を作ってしまいます、食間は少なくとも2~3時間空けましょう。
 食事の仕方に関しては、“早食い”が糖化のリスクを高めます。早食いをしたときの体内では、腸で糖が一気に吸収されるため、インスリンの分泌量も増え、血液内に糖がたくさん取り込まれていきます。ゆっくり食べると、血糖値の上がり方はゆるやかですが、早食いした後は短時間で上がってしまいます。
 また、“噛む”という行為は脳の満腹中枢を剌激します。その信号は食べ始めて15~20分後に脳血糖値が急激に上がった反動で、その後一気に下がります。それが原因で空腹感を感じてしまいます。これでは糖化が進むだけでなく、体にも負担がかかります。
に到達するので、15分以内に食べ終わってしまうような早食いだと、まだ脳が満腹感を感じていませんから、どうしても食べ過ぎてしまう傾向があります。早食いによりたくさんの量を一気に食べると、
 夜食を摂る場合は、就寝する2~3時間前までに済ませましょう。糖化リスクを減らすことができます。寝ている間は消費エネルギーが減るため、糖もあまり使われません。夜食を摂ってすぐに寝てしまうと、余分な糖が血管にあふれて高血糖の状態のままになります。
 以上のような食べ方を意識して糖質を制限することが、糖化リスクを軽減する理想的な「AGE対応食事法」です。


最悪の老化物質「AGE」⑬

血糖値は1日単位で要注意!

血糖値は“上げ過ぎない”ことが基本ですが、“上げた状態を保たない”ことも大切です。食事1回分の上昇を抑えるだけでなく、1日を通しての上下の動きも注目しましょう。間食をすると、血糖値は上昇と下降の山が増えて山並みが乱れ、高血糖状態が続くため糖化反応が起き、体内にAGEが蓄積してしまいます(下グラフ)。


就寝中の急激な血糖値の低下は睡眠に影響

急激な血糖値の低下によって、就寝中に空腹で目を覚ましてしまうこともあります。自律神経に影響を及ぼしているのです。自律神経が乱れると、眠りが浅くなってしまい「睡眠の質」の低下にもつながります。不眠症で「睡眠薬を飲んでいるのに、どうしても安定した眠りが得られない」などという人は、就寝中の急激な血糖値の低下が原因の一つと考えられます。1日の糖質制限は昼~夕食をポイントにして、就寝中に血糖値を穏やかに下降させるようにするのが効果的です。

睡眠の質が糖代謝を悪くする!

睡眠時間は血糖値や糖代謝にも関係します。睡眠時間が7~8時間の人は糖尿病と糖代謝異常が少ないという研究グループのデータ(右図)があり、この結果はAGEの生成にも影響します。
 AGE対策には、糖質制限だけでなく、「睡眠の質」の改善も必要なのです。



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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年4月6日土曜日

最悪の老化物質「AGE」⑫


ストレスとAGEの関係


新年度、職場や生活の環境が変わり、何かとストレスが溜まりやすい季節でもあります。特に今
年は、気温や気候の変動が激しくストレスに拍車をかけているようです。
 ストレス状態になると、過食になったり飲酒量が増加したり、甘い物に手が伸びたりして、血糖値を悪化させる大きな原因になります。また、暴飲暴食をしなくても、ストレス自体が血糖値を高める大きな要因になります。

「人間の体はストレス状態に陥るとアドレナリンが分泌され、体を守ろうとする。この時、別名戦闘ホルモンと呼ばれるアドレナリンは、血圧や心機能を上げて、肝臓を刺激しブドウ糖を血中に放出し筋肉にエネルギーを送ろうとする。この状態はインスリンの作用不足を起こし血中の糖が筋肉に取り込まれにくいので、結果として血糖値が上昇するのです」(糖尿病専門医院「ふくだ内科クリニック」福田正博院長)。
 このように、ストレスは血糖値を高めます。ストレスが加わることで精神的な状態の悪化が起こり、不安が増大して気が滅入ってきます。すると、過食・飲酒などが増えて血糖値がさらに上昇し、いろいろな身体的症状が表れるという悪循環になってしまうこともあります。

 さらに継続的なストレスは、自律神経のバランスを崩し、睡眠の質が低下します。睡眠とAGEの関係では、6時間以上睡眠をとる人の群と、それ以下の群では皮膚中に沈着しているAGEの量に差が出て、6時間未満の睡眠の群の方がAGEの量が多かったというデータがあります。また、睡眠障害はインスリンの感受性を著しく低下させることが知られています。
 ストレスやストレスによる睡眠障害は、高血糖リスクをさらに高め、最悪の老化物質AGEの生成を促進させてしまいます。


最悪の老化物質「AGE」⑫

■糖化ヘモグロビン:HbA1c

糖とたんぱく質が結合してできるAGEですが、血液中の赤血球のヘモグロビン(酸素と結合するたんぱく質)と糖が結合するのが「糖化ヘモグロビン(HbA1c)」です。
 糖化ヘモグロビンは採血時点の血糖値に左右されず、過去に遡って血糖レベルを調べられる検査数値です。検査数値は、国際標準化に伴い2012年4月より、日本基準(JDS)6.1%から国際基準(NGPS)6.5%に変更されています。(日本糖尿病対策推進会議)

長期にわたり、糖化反応にさらされる!

 AGEを生成する糖化反応は酵素によらない反応なので、爆発的には反応せず、じわじわ増えて不可逆反応(元に戻らない反応)です。たんぱく質が糖化していったんAGEを生じる、そのたんぱく質の寿命が尽きるまでAGEは存在し続けます。ここからAGE(終末糖化物質)の名が付いたのです。
きます。そして、AGEは
 赤血球もたんぱく質です。赤血球の寿命は約120日なので、その間はずっと糖化した赤血球=糖化ヘモグロビンとして体内を巡ることになります。つまり新しく作り替えられるまで、AGEが溜まり続けることになるのです。

高血糖が血管に及ぼす影響!

 高血糖が長く続くと血液中のブドウ糖が血管にこびりつき、これが溜まると細い血管が詰まり微小循環の環境が疎外されます(左画像)。これが様々な症状を招いて糖尿病の合併症の原因となり、大血管障害の動脈硬化、脳梗塞・心筋梗塞などへと波及していくことになるのです。





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2013年4月3日水曜日

最悪の老化物質「AGE」⑪


AGE:肝臓とメタボ

過去、肝臓の病気は、ウィルス性のもの以外では「飲酒」が大きな原因と言われていました。しかし、30年ほど前から、付き合い程度しか飲まないのに肝臓が壊れていく人が目立ち始めています。中には一滴もお酒を飲まないのに肝障害が起きて、肝硬変からがんになる人もいます。

 実は近年、この肝臓病にもAGEがからんでいることがわかってきました。アルコールも飲まない脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝がんへと移行する進行性の病気になります。この病気は「非アルコール性脂肪性肝炎」という疾患で、単純な脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎になる、そのきっかけにAGEが関わっていたのです。いずれも毛細血管の内皮細胞をガードする「サポート細胞」がやられたために、反応の連鎖が働き病気が進行していくようです。そして、患者のAGEを測ってみたところ、非アルコール性脂肪性肝炎の人の数値は高かったのです。また、この研究で思わぬこともわかりました。
のに肝臓病になるのは太った人に多く、「肥満が肝臓病に関係があるらしい」というところから、犯人の正体が少しずつわかってきました。栄養過多になると、肝臓に脂肪が沈着して脂肪肝になります。普通はそこで止まるのですが、何かきっかけがあるとそこに激しい炎症が加わり、
 血液の中には、脂肪細胞から作られる物質で、老化を予防する効果があるアディポネクチンという善玉物質があります。そのアディクポネクチンの量を測ってみたところ、AGEの値が高い人はこのアディポネクチンの量が少なかったのです。AGEはアディクポネクチンの産生もブロックしていました。メタボによって内臓脂肪が増え、AGEによって内臓脂肪が悪玉化することで、血圧を上げたり、インスリンの働きを阻止したりする物質が大量に分泌されることになります。これまでAGEは高血糖になると作られると考えられていたわけですが、実は、メタボのかなり早い時期から体の中で作られ、悪さをし始めるようです。
 そして、そのAGEがさらに病気を進行させます。メタボになれば、脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変へ進行していく可能性も大きくなりますので早めの対応が必要です。


最悪の老化物質「AGE」⑪

■AGEと肥満

通常、身体は糖質を摂取すると、血中の血糖値が上がりすぎないような仕組みをインスリンが担います。血糖値を調節するために、インスリンは主に筋肉や肝臓などの細胞に血糖を取り込ませる働きをします。

脂質より糖質の方が体脂肪になる!

筋肉と肝臓の細胞は、摂り入れた糖質を「グリコーゲン」という物質に変えて貯蔵します。しかし筋肉と肝臓が一杯になるとインスリンの働きで血糖を「脂肪細胞」内部に溜め込みます。脂肪細胞に取り込まれたグリコーゲンは、「中性脂肪」に変わり体脂肪になります。体脂肪がたまりすぎると肥満になりますが、その原因の多くは糖質の過剰摂取なのです。
 食事で脂質を摂りすぎていない場合でも、糖質を摂りすぎると体脂肪はたまっていくのです。

インスリンレベルが、高くなると痩せにくい

糖質の摂取過剰でインスリンの分泌が増えると、インスリンは体脂肪よりも燃えやすい血中の糖を優先してエネルギーにするため、運動しても体脂肪が燃焼されない傾向になって痩せにくくなってしまいます。

AGEで低下するアディポネクチンとレプチン

アディポネクチンとレプチンは、共に脂肪細胞から分泌されるホルモンです。アディポネクチンには脂肪を燃焼させる働きがあり、レプチンは食欲の抑制やエネルギー代謝の亢進によって体脂肪量の調節を行う働きがあります。
 内臓脂肪が増えて脂肪細胞が肥大化したり、AGEにより脂肪細胞が悪玉化したりすると、アディポネクチンもレプチンも分泌量が減ってしまいます。すると食欲の抑制がきかなくなり、脂肪の燃焼効率も悪くなって、余計に太りやすくなってしまいます。
 ダイエットを何度も失敗している人、しっかり運動をしているのに体脂肪が落ちない人は、生活習慣の中で脂肪燃焼を阻害するような原因を作っているのかもしれません。特に糖分や炭水化物をたくさん摂るような食生活を送っている人は要注意です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ