2016年2月3日水曜日

ジカ熱、WHOが緊急事態宣言!

ジカ熱の影響? 新生児の〝小頭症〟が急増

世界保健機関(WHO)は、ジカ熱の国内で感染が確認されている国や地域が24に上ると公表しました。南米のブラジル、パラグアイ、コロンビア、中米のメキシコやエルサルバドルなど、広い範囲にわたって感染が広がっており、今後1年間で、感染者が「300万~400万人」と爆発的に増加する可能性を警告しています。

 蚊を媒介して感染するジカ熱は、アメリカ全土でも増加傾向にあり保健当局では懸念されています。
 一般的にこのウイルスは命を脅かすものではありませんが、ブラジルとフランス領ポリネシアで最近増加している先天的欠損症が、ジカ熱の影響による可能性もあるといいます。この地域では、(他と比べて)ジカ熱の感染は一般的です。

 ジカ熱は、デング熱や黄熱病、ウエストナイル(ウイルス)感染症を引き起こすウイルスに近いものです。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、ジカ熱の症状には、発熱発疹関節痛などがあり、一般的に、感染した蚊に刺された後、3~7日で症状が出て、最長1週間ほど続くそうです。
 症状を和らげる治療はできますが、現状、ジカ熱のワクチンや治療薬は開発されていません

 この感染症は、やぶ蚊に刺されることで人に感染します。ネッタイシマカとヒトスジシマカのカ科が、ジカ熱の主なキャリア(保有者)であり、南極大陸を除く全ての大陸に生息しています。

 2013年、フランス領ポリネシアで大発生が起き、1年間に1万9,000件の(感染が疑われる)疑似症患者が報告され、この地域でデング熱以外の感染症が発生したことが明らかになりました。
 同地域で感染した日本人も帰国後に発症し、国内初のジカ熱患者が確認されました。以降、ジカ熱はアメリカ全土でも急速に広まったのです。

 ブラジル保健当局は2015年10月、ジカ熱の感染により、脳と頭の未発達を伴う「小頭症」と呼ばれる先天的欠損症が多く発見されたと指摘。汎アメリカ保健機構(PAHO)によると、特にブラジルの地域で、ジカ熱感染による影響が大きかったそうです。
 ウイルスの影響は、新生児の羊水で見られました。これは、ジカ熱が先天的欠損症に関連があったという保健当局の懸念を裏付けるものです。
 研究グループは、小頭症の新生児が2010年と比べて、2015年に20倍に増加していると報告しています。特に2015年10月以降、症例数が急増。ブラジル26州中14州で、計7人の死亡例を含め1,248件の小頭症の症例が報告されています(2015年は1年間で3,500人)。

■ジカ熱の感染は予防できるのか!?

小頭症のほか、ギラン・バレーの症例も

WHOは2月1日、ジカ熱の急拡大にに関し「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言しました。WHOの緊急事態宣言は、エボラ出血熱の大流行に伴う2014年8月の宣言以来です。
 日本でも、海外渡航する人の増加により感染者が出る可能性もありますし、温暖化などによる環境の変化で、今後日本でもジカウイルスを持った蚊が発生しないとは限りません。

 ジカウイルスの感染が原因とみられる小頭症の急増ばかりに目が向きがちですが、実はポリネシア連邦やブラジルの流行時には、ギラン・バレー症候群*神経症状を認める症例が報告されています。

*ギラン・バレー症候群:一般的には細菌・ウイルスなどによる上気道の感染や下痢などの感染により、急速に発症する神経系の病気で、左右対称性の四肢筋力の低下と腱反射の消失を主徴とする。

特に妊婦は注意が必要

国立国際医療研究センター国際感染症センターも、妊娠中のジカ熱への感染と胎児の小頭症との関連性は十分に考えられるとしています。また、アメリカの保健当局は、ジカ熱に感染が報告されている地域の妊婦は、特に妊娠初期の場合、感染の可能性を特に警戒するよう促しています。
 アメリカ疾病管理予防センター(CDC)も、旅行者に対して、特に南アメリカやメキシコ、中央アメリカの国々を訪れる予定の妊婦に対して注意を呼びかけています。

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現状できるジカ熱の治療と予防

 今のところ、ジカ熱に対して有効な治療薬はありません。病院では、頭痛や発熱などに対して対症療法が行われます。また、ジカ熱に有効とされるようなワクチンも開発されていませんので、流行地域に渡航する場合、その地で蚊に刺されないことが唯一の重要な対策となります。

 国立国際医療研究センターでは「オリンピックもあり、ブラジルなどの流行地域に向かう人も多いと思う。感染を防ぐためには、蚊に刺されない対策が重要だ。虫よけをしっかり使い、肌の露出を避け、寝る時は蚊帳を使うようにしてほしい。また妊娠中の人は流行地への渡航を控え、中南米にいる場合には帰国を検討したほうがよい」と話しています。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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