2020年4月1日水曜日

鉄欠乏症状

ひじきの鉄分が9分の1に!?

鉄分が豊富な食材として、ひじき、あさりの水煮、しじみ、レバー、きくらげなどがあげられます。ところが、「ひじきは鉄分が多い食材」というのは過去の話だったということがわかりました。以前は、ひじきには鉄分が多いといわれていたのに、なぜ!?

 3~4月が旬のひじきは栄養豊富な食品です。100gあたりの含有量を見てみると、カルシウムが牛乳の12倍、食物繊維がごぼうの7倍、マグネシウムがアーモンドの2倍も含んでいます。そのほか、ビタミンBや葉酸なども豊富、しかも低カロリー。そして、なんといっても鉄分が豊富なので、「鉄分の王様」と言われてきました。しかし、現在のひじきには、そんなに鉄分が含まれていないのです。

 文部科学省は2015年、「日本食品標準成分表」の改訂版を公表しています。初版の1950年以来、15年ぶり7回目の改訂です。これによると、干しひじきに含まれる鉄分が、改訂前の9分の1以下に減っていることがわかりました。
 具体的には、従来は、干しひじきに含まれる鉄分は、100gあたり58.2mgとされてきましたが、改訂後は、そのおよそ9分の1、100gあたり6.2mgとなっていたのです。
 干しひじきは、原料の海藻を鉄製の釜で煮て渋みを取り、乾燥して作られます。以前はひじきを煮るとき、鉄製の釜が使われていました。しかし近年、使われる釜が鉄製からステンレス製に代わりました。それで、ひじきに含まれる鉄分が減ったというのです。鉄釜で茹でていたから、ひじきの鉄分が多かった。つまり、ひじき自体には鉄分は多くなかったのです。
 改訂された成分表を見ると、ステンレス釜で加工されたひじきには、100gあたりの鉄は6.2mgしか含まれていません。一方、鉄釜での加工だと58.2mgです。
鉄分という観点でひじきを利用したい場合は、原材料の表記で、ステンレス製の釜で加工したのか、鉄製の釜で加工したのかをチェックしたほうがいいでしょう。
ひじきのほかに、切り干し大根について見てみると、100gあたりの鉄分は3.1mgで、以前の9.7mgのおよそ3分の1となっています。これも、以前は鉄製の包丁で加工していましたが、ステンレス製の包丁にとってかわったため、鉄分が減ったと考えられています。

 ひじきは「鉄分の王様」とは言えなくなりましたが、食物繊維やカルシウムなどが豊富な食品です。4月からひじき漁が解禁されます。
(出典:https://www.sankei.com/premium/)

※日本ひじき協議会では、ひじきの「蒸煮」の場合、釜の材質によって鉄分含有量は変わらないと推測しています。同会では今後、鉄分含有量について、詳しく研究するとしています。

■鉄欠乏症状について 

人間は鉄が無くては生きていけません。なぜなら鉄は体内の酸素の運搬・貯蓄に強く関わる栄養素だからです。欧米では小麦粉などの日常食材に鉄分を添加したり、鉄不足の女性に妊娠を控えるよう勧めたりする国もあるのに対し、日本はこれといった鉄不足対策は行われていません。特に55歳以下の有経女性の大半は鉄不足となっているのが現状です。
 鉄不足でまず思い浮かぶ症状は貧血(男性:Hb値<13g/dl、女性:Hb値<12g/dl)です。検査で貧血と判定されるほどの鉄不足はすでに重症レベルと考えるべきです。「フェリチン」という体内の鉄貯蔵量を反映するタンパク質を測定してみると、ほぼ底を付いているケースがほとんどです。鉄不足はほかにも次のような様々な症状を起こします。

 ●骨・皮膚・粘膜の障害(あざ、コラーゲン低下による骨・肌異常、爪・毛髪・舌異常)
 ●知能・情動への影響(不眠・集中力低下・学習障害・うつ・パニック障害)
 ●ホルモンへの影響(甲状腺ホルモンの成熟障害、不妊症)
 ●白血球・免疫への影響(抵抗力の減少)
 ●消化系に及ぼす影響(嚥下障害、食欲不振、下痢、便秘、氷を好んで食べる)
 ●いわゆる不定愁訴(頭痛、イライラ、耳鳴り、肩こり、寝坊癖、疲労、むずむず脚など)

 これらの症状が鉄不足からくることに気付いてない方が大勢いますので要注意です。
貧血ではないから鉄不足ではないと考えがちですが、貧血でなくとも潜在的鉄欠乏の人は多いのです。血液検査項目の赤血球数Hb値などに続いて「MCV(平均赤血球容積)」という項目があれば注意してみてください。〔異常なし〕とされていてもMCVが95(fl)を下回り、かつ上記のような症状がある人は、鉄不足を疑って受診してみてください。

 貧血治療経験のある45歳の有経女性が特にわけもなく気が滅入ってきたとします。更年期?などと軽く済まさず鉄欠乏再発を疑いましょう。鉄不足でメンタルが不安定になるのは、やる気を高めるノルアドレナリンやドーパミン、興奮と抑制をバランス調整するセロトニンなどの脳内神経伝達物質が、たんぱく質を原料として造られる際に鉄が必要だからです。
 女性が出産後、情緒不安定に陥るのも鉄不足の悪化が一因と考えられています。妊婦が鉄不足だと胎児も鉄不足となり早産や低出生体重児の原因となるため、妊婦の鉄不足はあらかじめ十分に改善しておく必要があります。

 鉄欠乏の対応法ですが、まず、鉄分豊富な食材を意識的に摂ります。牛・豚・まぐろなどの赤身肉やレバーに含まれる動物由来「ヘム鉄」小松菜、海苔、パセリなどの植物系食材に含まれる「非ヘム鉄」、吸収がよいのは前者ですが、両方一緒に摂るのが効果的です。病院では鉄剤が処方されますが、むかつきや便秘などの副作用が苦手な人もいます。そういう場合は上記の食材に加えて「ヘム鉄」サプリメントの服用も有効です。鉄が充足されれば吸収しなくなるだけなので鉄過剰とはなりません。出来れば血液検査でフェリチン値(貯蔵鉄)が60~100ng/ml以上になるまで補充したいところです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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