2020年7月30日木曜日

エネルギー代謝

夏、基礎代謝量が落ちる季節

 夏本番を迎えるこの時期、「猛暑の影響で体調は良くないのに、体重が増えてしまった」と嘆く人が毎年増えてくるようです。夏の健康に関する調査を行なったところ、5人に1人が「昨年の夏、体重が増加した」と回答しています(生活トレンド研究所)。
 実は、夏は一年の中で基礎代謝が一番落ちる時期だったのです。

 基礎代謝とは「何もせずにじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギーのこと」です。例えば、呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つためなどのエネルギーです。基礎代謝低下の原因は、"筋肉の衰え""心肺機能の低下"と言われています。

 人間は恒温動物です。常に体温を一定に保とうとします。冬は外気温が低いので、体温保持のために体内における熱の生産・発散が活発になり、基礎代謝は高くなります。逆に、夏は外気温が高く、体温を保つための熱の生産・発散の必要性がないので、基礎代謝は低くなるのです。夏は冬にくらべ、なんと10%もダウンするといわれます。そこへ「暑いから食べないと身体がもたない」とか「今、食べとかなくちゃ」などと、身体を気づかってつい食べ過ぎてしまう‥‥。すると「夏は基礎代謝量が低下している」ので「消費エネルギーが少ない」=「太りやすい」となります。

 また、夏は汗をかくから体重も減ってくるのでは、と思いがちですが、夏に自然にかく汗は体温調節が目的で、運動してかく汗のようにエネルギーは消費していないので痩せません。また、汗をかくことが多い夏は、汗と一緒にカリウムが奪われたり、冷たい飲み物を摂る機会が増えたりするため、むくみやすくなってしまいます。むくみは、太って見え、セルライトの原因にもなります。

 暑い季節は、熱中症や夏バテなどに注意が必要であり、健康面にも気をつけなければいけません。対策としては、夏場に低下する基礎代謝を上げ、エネルギーを産生することです。夏太り予防は、夏バテ予防と共通する部分が多いので、夏太りを予防しながら、夏バテを防ぎ、健康的に夏を乗り切りましょう。

■エネルギー代謝について

 夏場は基礎代謝が低いのですが、これは体内で行われるエネルギー代謝というものが大きく影響しています。エネルギー代謝が高ければ高いほど、夏場の健康管理に有効です。

エネルギー代謝の種類

生活活動代謝 
 通勤や通学、家事、仕事など身体を使って行う運動による代謝が生活活動代謝ですが、通常、意外に少ないのです。

食事誘導性熱代謝 
 食事をすると身体が温かくなりますが、そのエネルギー代謝が食事誘導性熱代謝です。自律神経の興奮によって引き起こされます。

基礎代謝 
 体温の保持、各臓器の働きや血液の循環など、生命の維持に不可欠なエネルギーの全てが基礎代謝エネルギーです。そのため、活動時だけではなく就寝時でも消費されます。夏場には低下する基礎代謝エネルギーは、加齢でも減少していきます。

エネルギー産生システム

解糖系
 炭水化物(糖質)を利用してエネルギーを産生するしくみを解糖系と呼びます。酸素がなくても素早くエネルギーを産生できますが、産生量は少なくなります。瞬発力向きエネルギー

TCA回路(クエン酸回路)・電子伝達系 
 解糖系は血中の糖分やグリコーゲンを利用し、ピルビン酸を作ります。ピルビン酸からいくつかの物質に変化しクエン酸がつくられます。クエン酸が代謝されて、TCA回路・電子伝達系を回し続けます。これが基礎代謝を上げ、エネルギーを産生し遅いですが産生量が多いのが解糖系との違いです。持久力向きエネルギー。これを回し続けるためには十分な酸素と燃料(栄養素)が必要です。

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 夏場に低下する基礎代謝は、夏太りや夏バテなどのトラブルの原因になります。対策としては、基礎代謝を上げエネルギー産生を促進することです。エネルギー産生システムは、ミトコンドリアが関与していますので、ミトコンドリアを活性させることがエネルギー産生促進に有効なのです。

いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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