2021年10月13日水曜日

オステオカルシン

 骨が分泌する“若返り物質”

 運動により骨に力をかけると、骨を作る細胞が新しくできるだけでなく、「オステオカルシン」というたんぱく質の分泌も促されることがわかっています(2018年岡山大学)。オステオカルシンは、運動による筋肉増強、認知機能の改善、精力のアップなどに関係します。

 骨には、運動などの負荷をかけると強くなり、逆に負荷をかけないと弱くなるという性質があります。骨を丈夫にするために効果的な運動は、衝撃や負荷の大きい運動です。逆に、寝たきりの人や、無重力で過ごす宇宙飛行士などでは、骨密度が急激に減少します。運動の転倒予防の効果は骨折予防のために重要ですが、運動の効果はそれだけではありません。

 骨は単なる体の支柱ではなく、重要な臓器のひとつです。骨の主な成分はコラーゲン線維とそこに沈着しているリン酸カルシウムですが、そのほかにも「オステオカルシン」や「オステオポンチン」などの微量成分が含まれていて、骨の硬さを調節したり、骨の細胞が接合しやすい足場を作ったりしています。最近の研究では、これらの微量成分は、骨から溶け出して全身の臓器に働きかけるメッセージ物質として機能していることが分かってきました。特に骨芽細胞から分泌される「オステオカルシン」は重要な物質で、脳、精巣、筋肉、膵臓などに働きかけ、記憶力、筋力、精力などをアップする「若返り物質」として働くことが知られています。

 また「オステオカルシン」は、インスリン分泌および感受性も促し、全身の糖代謝をコントロールしています。一方、インスリンは、骨芽細胞内のインスリン受容体を介して破骨細胞の骨吸収を活発させます。

 骨に力をかけると、新しく骨を作る細胞が増えてくるだけでなく、それらの細胞が「オステオカルシン」を作るタイミングが早まることが発見されています。運動により若さを保つ方法を発見できる可能性があるのです。

 骨は運動や重力などで力が加わると太く丈夫になり、逆に運動不足や微小重力下では細く弱くなります。骨の継ぎ目(縫合部)を広げるように伸展力を加えると、広がった縫合部を埋めようと、骨を作る細胞が新しくリクルートされてきて急速に骨を作ります。

 ネズミを使った実験で、骨縫合部に伸展力をかけると、引っ張られた方向に新しい骨が急速に作られ、このとき骨を作る骨芽細胞が増えるだけではなく、通常より早いタイミングで「オステオカルシン」を分泌する骨芽細胞が現れることが確認されています。

 運動で骨に力を加えることで、骨の全身に及ぼす働きに違いが出てくることが示されています。今後の研究で、骨と運動という観点から、寝たきりで骨が失われるのを防ぐなど、超高齢化社会を健康で若々しく生き抜くためのヒントがみつかる可能性があるのです。

(出典:http://www.seikatsusyukanbyo.com/)


■骨活でオステオカルシンを増やす

 オステオカルシンは、ホルモンの一種。血液を通して全身に運ばれ、多くの臓器に活性化メッセージを送っています。


オステオカルシンの働き

 オステオカルシンは、その血糖値を下げる働きによって、「糖尿病・メタボの予防」「動脈硬化の予防」「認知症の予防」など、多くの事例が報告されています。さらに、コラーゲン生成もサポートするため、ハリのある美肌づくりにも役立ちます。

 骨は、新たな骨を生成する“骨芽細胞”と、古い骨を壊す“破骨細胞”がバランスよく働くことで新陳代謝を繰り返しており、この新陳代謝が活発なほど、丈夫な骨が形成され、オステオカルシンもよく分泌されます。オステオカルシンの正体は、骨芽細胞から分泌されるたんぱく質の一種です。


オステオカルシンの減少により高まるリスク

●免疫力が低下する:オステオカルシンには、免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えるという研究結果がある

●寝たきり生活のリスク:オステオカルシンは筋肉を増やす働きもあるため、減ると筋肉が衰えて運動能力が低下し、寝たきり生活のリスクも高まる

●太りやすくなる:オステオカルシンが不足すると血糖値が上昇しやすく、太りやすい体質に。急上昇した血糖値がガクンと下がり、甘い物を欲するようになる

●認知症のリスクが増す:脳にも働きかけるオステオカルシン。ニューロン(神経細胞)を活性化させ、記憶力や認知機能を高める

●しわやたるみが増える:骨がやせて縮小すると、皮膚が余ってしわやたるみの原因に。良質のコラーゲンを生成するオステオカルシンが不足すると、ハリのない肌に。


骨活は下半身の運動と食事から

 オステオカルシンは、下肢の骨からたくさん分泌されるので、下半身に刺激を与える軽い運動がお勧めです。効果的なのは「かかと落とし」と「ミニジャンプ」。

■ かかと落とし :背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、両足のかかとを高く上げてつま先立ちに。全体重をかかとに伝えるようなイメージで、ストンとかかとを落とす(右図)。1日30回を目標に。

■ ミニジャンプ :高さ10cmくらいの台の上から両足でストンと飛び降りる。体重の何倍もの負荷がかかるので、かかと落としより刺激は強い。台がなければその場でジャンプも可。

※ 食事も大事 :骨ごと食べられてカルシウムが豊富なさば缶や、骨の生成に役立つビタミンD、ビタミンKを豊富に含む納豆やきのこ、豆苗などの食材を積極的に摂りましょう。

 美と健康のためのスーパーホルモン・オステオカルシンを増やすために、食事、運動で毎日の生活を心がけましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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