2022年6月3日金曜日

老人性うつ

 “老人性うつ”米国では高齢者の10%

 俳優の渡辺裕之さん(享年66)、お笑いタレントの上島竜兵さん(同61)が相次いで急死しました。いずれも自殺だとみられていますが、「老人性うつ(高齢者うつ病)」が大きく影響しているのでは、との報道もあります。

 65歳以上がかかるうつ病は、正式な病名ではありませんが「老人性うつ」と言われます。

 症状は一般的なうつ病と同様、「気分が落ち込む」又は「興味が湧かない/喜べない」のいずれかがあり、体重減少・増加、食欲減退・増加、睡眠障害、疲労感、気力低下、集中力低下などの症状が見られます。

「高齢者うつでは、一般的なうつ病と比べ身体症状がより強く出やすい。疲労感、倦怠感、動悸、めまい、頭痛、胃痛などの不定愁訴だ。病院の検査でも画像上は悪いところが見つからない。『年のせい』と見過ごされてしまいがち」(高齢者うつ病の専門医師)

 個人差はあるものの60歳を越えたあたりから、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下を実感し、喪失感を覚えることが増えてきます。これがストレスとなり、うつ病を招きやすくなるのです。さらに、定年や仕事の減少などで、社会的な役割喪失への不安も生じます。さらに、年を重ねるほどに、配偶者や親友など、身近な人を亡くす経験も増えます。

 うつと生活習慣病との関係も明らかになっています。老人性うつのリスクとして、喫煙、拡張期血圧、肥満、高血圧、糖尿病が知られています。特にうつ病と糖尿病は相互関係にあり、うつ病の人の糖尿病の発症リスクは1・6倍、糖尿病の人ではうつ病発症リスクが1・15倍との報告があります。

「高齢者はどこかひとつバランスを崩すと他の臓器にも影響し、身体的な辛さが増す。それが精神状態に影響を与え、うつ病へと至るケースもある」(同医師)

 高齢者は、うつ病の要因をたくさん抱えているとも言えます。アメリカの研究では、65歳以上の高齢者の10%には何らかのうつ病性障害が認められるという報告があります。

「高齢者のうつでは身体症状(不定愁訴)が先に強く出るケースが多い。病院で検査を受けたが異常は見つからなかった場合は、うつ病が背景にあることを疑った方がいい。検査では原因がみつからない不定愁訴は、自律神経失調症と診断されがち。そう言われた場合も、心療内科または精神科、高齢者のうつ病をよく診ている内科などの受診をお勧めする」

 身体症状の出たタイミングが、配偶者の死、親しい友人の死、定年退職など「うつ病を発症しやすい状況」と同時期であれば、よりうつ病が疑われます。

 コロナ禍で人との交流が減りました。高齢者なら、なおさらではないでしょうか。うつのリスクは高まっていると考えた方がいいかもしれません。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com)


■老人性うつと認知症

 うつ病は、年齢を問わず誰もが発症する可能性のある病気です。うつ病になるきっかけは様々ですが、中には年を重ねることで経験する出来事が影響し、高齢になってからうつ病を発症することも決して珍しくありません。

 よく、高齢者のうつ病は、認知症と間違われることがあります。それは、老人性うつの症状の中には認知症の症状に似たものがあることや、老人性うつと認知症を同時に発症していることも少なくないからです。さらに、老人性うつの症状の原因が、服用中の薬の影響で起こる可能性もあるため、専門家でも見分けが難しいことがあります。そのため、素人が判断することは困難です。認知症の治療とうつ病の治療は異なるため、勝手な判断をせずに専門的な診断のもと適切な対応をすることが重要です。

 老人性うつの場合、初期症状としては身体的な不調や抑うつが見られることが多いです。症状は何らかのきっかけにより起こることが多いため、思い返すとそのきっかけとなる出来事に心当たりがある場合も多いです。1日のうちでも調子の波があり、朝方は調子が悪くても夕方には調子を取り戻す様子が見られることも多いです。

 一方で、認知症の場合は、発症のきっかけとなる出来事がわかりづらく、気がついたら進行していたということも少なくありません。それほどゆっくりと進行していき、初期症状としては性格の変化や記憶障害が主となります。1日の中で調子の波があることは少なく、人によっては攻撃的になることもあります。

 認知症の場合、記憶障害が目立つようになり周囲が気づくことも多いですが、老人性うつの場合でも記憶障害は起こることがあります。しかし、大きな違いは、老人性うつの場合は記憶障害があることに自覚があり、自ら訴えることができます。認知症の記憶障害の場合、忘れているという自覚がなく、取り繕ってカバーしようとする傾向にあります。

 老人性うつの治療は、薬物療法、精神療法、環境調整の3つが軸となります。

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 うつ病は、神経伝達物質のセロトニンと大きな関わりがあります。セロトニンは脳内神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる働きがあります。

 康復医学学会の主要研究素材「ラフマ葉」は、脳内セロトニンの増加を促し、精神疲労の軽減睡眠の改善に効果的な影響が確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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