2022年12月9日金曜日

水と健康

 冬の水分補給

 コロナ禍が続いても落ち着いても、何かとあわただしい師走。唐突ですが、水分補給していますか? 夏場は熱中症対策などでせっせと水分を補給していたのに‥‥と考える人は多いことでしょう。

 人間の体の約60%は水分です。毎日食べ物や飲み物などから2~2.5リットルの水分を摂取し、尿や便、汗などで同じくらいの量の水分を体から排出しています。これは季節が変わってもあまり変化ありません。この時期、熱中症の危険は去りましたが、水分補給の重要性は夏場と変わってはいないのです。

 コロナだけではなく、寒くなってきてからというもの、職場で、街中で、風邪を引いている人をよく見かけるようになりました。風邪対策の王道であるうがい、手洗いに加えて「水分補給」も大事な予防策のひとつです。風邪やインフルエンザの原因となるウイルスは、乾燥した状態で活発に活動します。反対に湿度50%以上になると活動が急激に低下します。水分補給は喉や鼻の粘膜をうるおしてウイルスの侵入を防ぐと同時に、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。また、風邪をひいてしまったら発熱や食欲低下、下痢、嘔吐などの症状により体からの水分排出が多くなりますので、普段以上にきちんと水分を補給するようにしましょう。

 冬場には脳卒中や心筋梗塞の発症が増えます。これは寒くなって血圧が上昇することも一因ではありますが、水分補給も大いに関わっています。寒くなって汗をかかなくなり、のどの乾きを自覚しにくくなる冬場は水分摂取が少なくなります。水分摂取が少ないと、血液の粘度が上がり、いわゆる「ドロドロ」の状態となります。ドロドロ血液によって血管が詰まりやすくなり、結果として脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。

 この時期、忘年会や新年会など飲酒の機会が多くなります。お酒を飲むと喉が渇くことは多くの方が経験されていると思いますが、アルコールには利尿作用があるため、飲酒が過ぎると体は脱水状態となります。アルコールを飲んだら意識的に水分を補給して、脱水状態を防ぎましょう。また日本酒造組合中央会では、悪酔いをしないとして飲酒の合間に水分を取る「和らぎ水」を勧めています。一年の疲れをお酒で流しても、水分補給をお忘れなく。

…2022年もあとわずか。来年も心身ともにうるおいに満ちた年にしたいものですね!

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■水と健康の基本情報

1. 人の水収支 

 成人男子が比較的安静にしていたときの水収支は右図のとおりとされています。ここで「体内でつくられる水」とは、たんぱく質や炭水化物、脂肪などの代謝によって得られる水を指します。

運動や温熱環境のために発汗量が通常より多いときには、それに見合う水分量の確保が必要となります。

 2. 脱水と健康障害 

 尿、汗等の喪失量に見合う水分を適量摂取できれば、血漿浸透圧は一定に保たれますが、水分摂取量が不足すると血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮されます。水分の摂取量不足は、健康障害や重大な事故の大きなリスク要因の一つとなります。

【熱中症】:発汗によって血液中の水分が減少すると、生体内では細胞外液と内液の移動によって循環機能に支障を来さないような体液を維持するような調整が行われます。しかし、水分補給を行わないと、脱水による血液の濃縮のために循環不全を起こし、酸素や栄養素の運搬あるいは体温調節にも重篤な障害を起こして、熱中症を起こすことがあります。

熱中症とは高温環境下での障害の総称で、重症度により、通常、「熱疲労」、「熱痙攣」、「熱射病」の3種類に分けられています。

【脳梗塞】:脳梗塞とは、脳血管が閉塞又は狭窄し、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる疾患を言います。後遺症を残して介護が必要となることが多く、福祉の面でも大きな課題を伴う疾患です。発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてで、これは、就寝中には水分をとらないために脱水傾向になることと関わっているとされています。また、年間を通じては夏と冬に多く、夏は脱水、冬は体を動かさなくなることが発症と関わっているとされています。

【心筋梗塞】:心筋梗塞とは、虚血性心疾患のうちの一つで、冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死、又は壊死に近い状態になる疾患です。動脈硬化病変を基盤として脱水状態になった場合には、閉塞性血栓が発生し、心筋梗塞に至る場合があります。

【その他】:他に、いわゆるエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)等の予防のためにも、水分補給は重要とされています。

 3. 健康のための水の飲み方 

 のどの渇きは脱水が始まっている証拠。渇きを感じる前に水分を摂ることが大事です。水分が不足しやすい就寝の前後、スポーツの前後・途中、入浴の前後、飲酒中とその後等に水分を摂ることが重要です。水分摂取量は多くの人が不足気味です。平均的には、コップの水をあと2杯飲めば、一日に必要な水の量を概ね確保できます。

 水分補給は「早めに」「こまめに」


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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