2024年4月17日水曜日

抗うつ薬

非専門医に広がる、抗うつ薬処方

 精神科や心療内科以外の診療科においても、うつ病・うつ症状や不安を訴える患者に抗うつ薬を処方する医師が増えていることが、ウェブアンケート(実施期間:2024.2.19~25)の結果として示されました(日経メディカル Onlineの医師会員対象)。

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の処方経験について聞いたところ、臨床に携わっていない医師や精神科、心療内科の医師を除いた6185人の半数以上(54.9%)が、「処方経験あり」と回答しました。

 処方ありと答えた医師が多かった診療科は、脳神経内科、脳神経外科、リハビリテーション科、リウマチ科、総合診療科、一般内科、呼吸器内科でした。

 精神科と心療内科以外の診療科医師における、SSRIまたはSNRIの処方理由として多かったのは、うつ病・うつ状態で、続いて不安症状、慢性疼痛でした(右図)

 SNRIのデュロキセチン(商品名サインバルタ他)は、うつ病・うつ状態以外に、慢性腰痛症などの慢性疼痛の適応を有しますが、実臨床では、慢性疼痛以上に不安症状に対して処方する医師が多いことが明らかになり、食欲不振、めまい、筋緊張に処方する医師もいました。疼痛患者が多いリウマチ科では、慢性疼痛に処方する医師が僅差で多かったですが、リハビリテーション科では同数でした。不安症状に抗うつ薬を処方する医師が一定数存在する背景には、常用量依存の問題からベンゾジアゼピン系抗不安薬(BZ系抗不安薬)の処方を控え、その代わりに抗うつ薬を処方している可能性がありそうです。

 BZ系抗不安薬の処方の現状も同時に調査したところ、5割の医師が、処方を控えていることが示され、「依存性の指摘前後で処方頻度に変化はなく、必要と判断した患者に処方している」という医師は3割にとどまりました。一方、SSRI又はSNRIを処方したことがない医師にその理由を聞いたところ、約4割は「精神科専門医が処方すべき薬剤だから」と回答し、専門医以外が抗うつ薬を処方することに抵抗感を抱く医師の存在も示されました。「処方経験がなく、処方の仕方が分からない」という医師は約3割でした。

 なお、精神科専門医以外におけるSSRI、SNRIの処方の課題としては、「効果が分かりにくい」「薬の選択肢が多く、どれを選べば良いか分からない」「副作用が出やすい」等の意見が多く、「(精神科以外で)どこまで対処していいか分からない」「効果不十分時の切り替えが分からない」との声もありました。

(出典:https://medical.nikkeibp.co.jp/)


■抗うつ薬の効能と副作用

 抗うつ薬は、うつ病に対する薬物治療の主役です。現在も改良され続け、治療効果も着実に高まっています。一方で服用時の副作用や、中断時の離脱症状(中断症候群)などのはっきりとした短所もあり、これは抗うつ剤治療上、避けては通れないものです。

 脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、うつ病の原因であるという仮説があります。抗うつ薬は、その脳内の神経伝達物質のバランスを調整する目的で使用されます。

抗うつ薬の種類と効能

 脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、うつ病の原因であるという仮説があります。抗うつ薬は、その脳内の神経伝達物質のバランスを調整する目的で使用されます。下記の①から⑤の順に開発され、基本的には新しい薬ほど優れています。しかし、薬の効き方や副作用には個人差があるため、実際に処方される薬は「人による」ということになります。

 ①三環系抗うつ薬 

 ②四環系抗うつ薬 

 ③SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) 

 ④SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) 

 ⑤NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

 なお2019年に「セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤」という新作用の抗うつ薬が国内でも承認されました。

抗うつ薬の主な副作用

 薬の種類によって、様々な副作用があります。抗うつ薬の副作用は、服用を開始して最初の1~2週間に強く出ることが多く、それ以降は治ってくることがほとんどです。また、抗うつ薬の効果が現れるまでに日数がかかることもあり、初めのうちは副作用だけが感じられることがあります。

 性機能障害(PSSD) (PSSD:Post-SSRI Sexual Dysfunction)

 性機能障害は抗うつ剤(特にSSRI)の大きな副作用のひとつです。男女問わず、非常に高頻度で現れる一方で、予防方法は確立していません。抗うつ剤の服用を中止しても、数カ月から数年単位(あるいはそれ以上)障害が持続することがあります。また、服薬前の状態までは完全に戻らないこともあるため、抗うつ薬での治療の前に、男女問わず(家族計画を含めた)人生設計について主治医と相談しておくことが大切です。

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 当学会では、1970年代に各研究機関で確認された「ラフマ葉」の薬理作用(脳内セロトニンの増加とセロトニン神経通過性の安定、精神疲労の改善、睡眠の改善)に着目。ラフマ葉のサプリメントによってうつ症状を緩和させることをお勧めしています。安全性も確認済みです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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