2025年8月7日木曜日

大切な幼少期の生活環境

成人期の肥満は幼少期に決まる?

 肥満の増加は今や世界的な問題です。世界保健機構(WHO)の報告(2022年)によれば、18歳以上の成人の43%が過体重であり、16%が肥満であるといいます。

 一般に肥満は、遺伝要因に加えて、食事や運動などの生活習慣の影響を強く受けて発症するため、いわゆる生活習慣病のひとつと考えられていますが、近年、そのリスク形成に子宮内や生後早期の様々な環境因子も強く関連していることがわかってきています。成人期の肥満のもとは幼少期にはすでに形成されていると考えられているのです。これはいわゆるDOHaD(ドーハッド)*の概念で説明されています。

*DOHaDとは:Developmental Origins of Health and Diseaseの略で、胎児期や生後早期の環境が将来の健康や病気にかかりやすさに影響を与えるという概念。

 肥満は脂肪組織の増大に起因しています。脂肪組織の増大とは脂肪細胞数の増加または脂肪細胞の肥大によって生じていますが、成人期に脂肪細胞の数が多いか少ないかは、幼少期までにはある程度決定されていると考えられているのです。例えば過去の報告によると、成人期に肥満である人とやせている人で脂肪細胞の数を比較すると、肥満者の方が脂肪細胞の数が多いことがわかっています。そしてその脂肪細胞が多いという状況は幼少期までにはすでに生じていることがわかっているのです。

 さらに興味深いことに、一度脂肪細胞の数が増えると、減量によってやせても減少しないことがわかっています。やせることによって脂肪組織が減るのは、肥大した脂肪細胞が小さくなるからなのです。つまり、幼少期までに脂肪細胞の数が増えると、その傾向は成人期まで続き、かつ一旦増えた脂肪細胞数は減少しないため、肥満のリスク増大と密接にかかわっている可能性が高いのではないかと推測されるのです。実際に、小児肥満では成人期の肥満につながっていくことが多く経験されます。

 ただ一方で、脂肪細胞の数が少ないことが必ず健康につながるとは限りません。極端な例をあげると、脂肪萎縮性糖尿病という病気があります。この病気では脂肪組織が減少または消失することで、糖尿病などの重大な合併症を引き起こします。脂肪組織は様々なホルモンを分泌する内分泌臓器としても重要であり、脂肪細胞が少ないことにより、糖尿病などを防ぐホルモンが十分に分泌されなくなり、これが病気のリスクにつながるのです。

 また、腸内細菌叢(腸内フローラ)と将来の肥満リスクの関連も興味深いものです。幼少期までの理想的な脂肪組織の発達や腸内細菌叢を得ることが、将来の肥満や関連する病気を防ぐことにつながるメカニズムがもっと詳細に解明されれば、"幼少期までの食育の重要性"がもっと見直されることになるかもしれません。

(出典:https://www10.showa-u.ac.jp/)


■幼少期のストレスと病気のリスク

 幼少期に虐待やネグレクト(育児放棄)などを受け強いストレスを経験すると、生涯にわたって心の病だけでなく、がん、心臓病、慢性疾患など身体的疾患も発症しやすくなることが、これまでの神経生物学的研究から示されています。発症の仕組みについて、独キンツィヒタール病院心療内科教授は「幼少期にストレスを受けると、脳がうまく対処しきれず、ストレスホルモンの増加により脳が損傷された結果、様々な身体的障害が生じる」と解説しています。特に、ストレス処理能力が未熟な幼少期にストレスを受けると、生涯にわたって病気にかかりやすくなってしまい、その中でも、咽頭がん、肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、リウマチ性関節炎、2型糖尿病、心筋梗塞などの冠動脈性心疾患、脳卒中を発症しやすくなることが分かってきています。

寿命が20年短縮(米調査)

 米国では1万7,000人を対象に、幼少期のストレス要因に関して実施された疫学調査が行われ、幼少期のストレス要因の多くが、平均寿命を約20年短縮させることが示されました。

薬に頼らない子供のストレス対策

 子供のストレスの場合、情緒的な不安定さがすぐ体に現れるのが特徴です。症状は多岐にわたりますが、チック(目をパチパチさせる)、朝起きられない、顔色が悪い、友だちと遊ばないなどの症状が出たら要注意です。これといった原因がないのに右図にあるような症状が表れる場合もストレスが疑われます。

★薬には数々の子どもの副作用が報告されていますから、安易に頼るべきではありません。

ストレス解消のポイント

【セロトニン活性】

 ストレスは、特に脳内のセロトニン(神経伝達物質)の働きで解消されます。セロトニンの働きを促進させるポイントは、生活のリズム(起床・睡眠・食事時間やリズム運動)や良質の睡眠(セロトニン神経を休める)、そして食事などです。ストレスで一番不足する栄養素はアミノ酸(セロトニンの材料となるトリプトファンもアミノ酸の一種)です。たんぱく質を摂らせるよう心がけましょう。さらに、タマネギに多く含まれるポリフェノール「ケルセチン」は、抗ストレス作用を発揮する可能性があるとして注目されています。しかし、なんといってもセロトニンを活性させる一番簡単な方法は、康復医学学会の研究素材「天然ラフマエキス」配合のサプリメントを利用することです。セロトニン活性に関するデータがあり、また、良質の睡眠にも良い影響を与えます。お子様にも安心・安全で副作用もない方法です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン 

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