便秘で脳・心筋梗塞のリスク2倍
便秘が脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患のリスク上昇と関係していることが、英国在住の40万人を対象とした研究で明らかになりました。
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患は、高血圧などによって引き起こされることが明らかになっています。しかし、より確実な予防と治療のためには、さらなる危険因子を見つけ出すことが大切です。これまでの研究で、心血管疾患の一部は便秘が危険因子であることが示唆されていました。また、便秘を引き起こす自律神経系の調節不全や腸内細菌叢の異常、食物繊維と水分の摂取不足、運動不足などは、高血圧の危険因子でもあることが示されています。そこでオーストラリア・モナッシュ大学などの研究者たちは、「便秘もまた、心血管疾患の危険因子である」という仮説を立てて、これを検証することにしました。
分析に用いたのは、英国の40~69歳の約50万人を対象とするコホート研究「UKバイオバンク」の参加者40万8354人のデータです。これらの参加者のうち、「不安定狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、心不全」からなる心血管疾患を経験していたのは4万6891人(11.5%、平均年齢61.3歳、女性が32.7%)でした。一方で、2万3814人(5.8%、60.0歳、55.9%)が便秘でした。
年齢、性別、BMI(体格指数)を考慮して分析したところ、便秘がある人の心血管疾患のリスクは、便秘がない人に比べ2.15倍に高まっていました。疾患別の検討でも、便秘ありの人の心不全のリスクは2.72倍、脳梗塞のリスクは2.36倍、不安定狭心症・急性心筋梗塞のリスクは1.62倍と、有意に上昇していました。
腸の運動に影響を与えて便秘を引き起こす可能性のある薬剤の使用と、既知の心血管疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症など)も、分析に際して考慮する要因に加えたところ、リスク上昇幅は小さくなったものの、引き続き統計学的に有意な関係が認められました。
高血圧と診断されていた15万7414人に限定した分析も行いました。このうち1万3469人(8.6%)が便秘でした。便秘のある人が高血圧と診断された後に心血管疾患を経験するリスクは、便秘のない人の1.34倍でした。
便秘の発症と心血管疾患の発症に関係する遺伝的背景の相関関係を調べたところ、便秘と今回検討した心血管疾患の間には、正の遺伝的相関関係がある(発症に関係する一部の遺伝子が共通している)ことが示されました。
今回の分析は便秘が心血管疾患の危険因子であることを明らかにし、高血圧患者が便秘だと、心血管疾患のリスクがさらに上昇する可能性も示されました。今後も研究を進める必要がありますが、便秘を解消するための食習慣の工夫や、水分摂取の増加、積極的な運動といった対策が、心血管疾患のリスク低減にもつながる可能性が示唆されたといえます。
(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)
■本当は怖い便秘症
便秘症は身近な存在だけに軽く思われがちです。しかし実は、便秘症は命に関わる病態であり、正しく治療しないと思わぬ事態になりかねません。米国4000人を対象とした研究で、便秘のある人は便秘のない人と比較して、生存率が約4分の3に低下することが報告されました。なぜ便秘で命を落とすのか、それは以下のような事実が研究によって証明されたことで次第に実態がわかってきました。
便秘の人は(1)心疾患や脳血管疾患での死亡リスク、(2)静脈血栓症の発症リスク、(3)認知症リスク、(4)慢性腎臓病の発症リスクなどが高いほか、(5)便秘の人は生活の質が低いと感じており、労働生産性が低下している。このように便秘のある人は様々な内科的な疾患を抱えるようになり、結果として生存率が下がっていくことがわかったのです。
便秘症の改善法
(1)食事で「食物繊維」を摂る
お勧めの食材:●水溶性食物繊維(海藻類、納豆、オクラなどのネバネバ食品やキノコ類)。腸内細菌の善玉菌のエサとなり善玉菌を増やす。●食物繊維は、1日20gが目安。玄米や雑穀など、主食で食物繊維豊富な食材を選ぶことが大切。●大腸の蠕動運動に必要な胆汁酸の分泌を促す食材(卵、良質の油)。"油抜き"は良くない。
(2)朝の「トイレ時間」を確保する
朝ごはんを食べて、腸が動いて便意をもよおすまで約30分~60分が正常な排便時間。食後リラックスした気持ちでいることが大事。2023年7月改定のガイドラインでも、便意回復の重要性を謳っている。
(3)意外と大事な「排便姿勢」排便姿勢はとても重要。腹圧をかけて便を押し出す際に、便の出やすい方向がある。背筋をのばしてまっすぐ座る姿勢では排便しづらく、逆に前傾しすぎても後傾しすぎてもダメ。ロダンの考える人のように足を床につけ、ひじが膝につく前傾姿勢35度がベスト。
(4)定期的な運動や腹部のマッサージ
定期的な運動は、便通のためにも重要。運動中は交感神経が優位になるので、腸の運動は止まる。しかし、運動を終えた後は副交感神経が優位になるので便意が来る。交感神経のメリハリをつけることにもつながり、便秘改善にいい効果がある。運動ができないときには、腹部マッサージをする。へその周囲を軽く手で押しながら、時計回りに優しくなでるように約15分。
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当学会が研究開発・商品化した「モロヘイヤ粉末配合青汁」は、便秘・貧血・高血糖に対してより良い効果が期待できます。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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