2012年2月17日金曜日

ドーパミンと中毒


繰り返されるフードファディズム!

 ご存知の方も多いと思いますが、また巷で「フードファディズム」が拡がりつつあります。フードファディズムとは、特定の食品を食べるだけですっかり健康になる、ダイエットが期待できる、などという宣伝をそのまま信じ、消費者がその食品に殺到することです。

今回は、トマトの成分に脂肪燃焼効果があるとの論文が発表・報道された後、各地のスーパーでトマトジュースが爆発的に売れ、品薄状態に陥りました。

 発端は、トマトに含まれる物質が血中の中性脂肪の値を下げることがマウスの実験で確認されたとする、京都大や食品メーカーなどの共同研究論文です。その結果は、中性脂肪は血中と肝臓で共に約3割少なく、血糖値は約2割低くなったとのこと。肝臓での糖質の吸収が良くなり、血糖値も下がったとみられるそうです。研究チームは「ダイエット効果を確認するには、さらなる実験が必要」としましたが、「人間に置き換えればジュース200mlを1日3回飲むのに相当する」とも説明していました。スーパーやメーカーの担当者からは「またも繰り返されたか」との声が上がっているようです。

 このような騒動は過去に何度となく繰り返され、効果ばかりが取上げられますが、そこに潜む落とし穴が見過ごされがちです。今回、トマトに換算すると1日6個、または200mlのジュースを1日3回だそうですが、トマトは健常者には問題はないのですが、カリウムなどのミネラルが豊富なので、腎機能が低下している人には過剰摂取になりかねません。このような禁忌情報も必要になります。しかし、事後の効果についての情報などもまったくありません。
 今回のデータは京都大と“食品メーカー”の共同研究論文ですが、なぜか「怪しい」と思ってしまうのは考えすぎでしょうか? 某メーカーのHPでは、「テレビ報道の影響により、販売を一時休止させていただくこととなりました」という掲載がありました。そして、トマト関連銘柄の株価も上がっているようです。

 ダイエットや血糖値が気になる方の関心が高まりますが、実は食欲や甘いものがやめられないのには理由があるのです。
・・・後半へ続く・・・。


血糖値が気になる方へ
■甘い物がやめられない原因はドーパミン?

 たとえば人は、学習するのに報酬を期待してする場合と、罰を恐れてする場合とがあります。報酬というのは、食べ物やあるいは人からの賛辞とかです。そして報酬を得た場合は、神経伝達物質のドーパミンが出て、いい気分、快楽になります。

ドーパミンの抑制が効かなくなる!
 人の場合、簡単にドーパミンを出して快感を得る方法は、お酒・たばこ・麻薬、そして食事や甘いものなどです。しかし、不自然に大量のドーパミンを出し続けていると、体はドーパミンの分泌を抑えてバランスをとろうとします。この時、脳内ホルモン安定物質のセロトニンが使われます。


 上図のように、ドーパミンの抑制が効かなくなり、摂取量を増やさないと同じ効果が得られなくなります。これが、タバコや酒、甘いものなどがやめられなくなる理由です。逆に、やめようとするとイライラや落ち着きがなくなり、禁断症状のようなものが出るのです。これは、一種の“中毒”です。

ドーパミンはバランスが重要!
 しかし、ドーパミンはバランスが大切です。ドーパミン過剰は依存症の原因のひとつですが、逆に分泌の低下は、筋固縮、無動などの運動障害が起こってしまう場合があります。パーキンソン病はドーパミンの低下が原因のひとつとして知られています。ドーパミンだけでなく、緊張したときなどに分泌されるノルアドレナリンの情報をコントロールし、精神を安定させる作用があるのがセロトニンです。伝達物質の量の過多や過少は、精神的にも肉体的にもよくありません。
 また中毒症状の人は、気がつかないうちにセロトニンがドーパミン抑制に使用されてしまい、一種の“うつ”症状が出やすくなり改善されにくくなります。タバコや酒、甘いものなどは節制が必要なのです。
 伝達物質のバランスを整えるセロトニン神経の活性に期待できるのが「活性ラフマ」です。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

0 件のコメント:

コメントを投稿