2012年2月12日日曜日

がんと酸素②


がん細胞はミトコンドリアの働きを抑制している

 前回の「本説伝」でもお伝えしたように、がん細胞はグルコース(ブドウ糖)を使い解糖系でエネルギーを産生します。

 がんの検査法でPET(陽電子放射断層撮影)というのがあります。これは薬剤のグルコースを注射して、この薬剤が、がん組織に集まるところを画像化することで、がんの有無や位置を調べる検査法です。正常細胞に比べてグルコースの取り込みが高いがん細胞の特性を利用しているのです。

 細胞内のエネルギー産生工場と呼ばれるミトコンドリアは、ひとつの細胞に数百から数千個存在します。がん細胞は無限に増殖する能力を獲得した細胞で、早く増殖するためにはより効率的なエネルギー産生を行った方が良いのに、そのがん細胞がなぜ非効率的な嫌気性解糖系を使うのかが疑問でした。

 しかし、解糖系でエネルギー産生を行う方が、細胞の増殖にもメリットがあったのです。それが、「がん細胞は死ににくくするために、ミトコンドリアの活性を抑制する」というものです。通常、多細胞生物の生体内では、がん化した細胞(そのほか内部に異常を起こした細胞)は、アポトーシス(細胞の自然死)というプログラムされた細胞死によって取り除かれ続けており、これにより、ほとんどの腫瘍の成長は未然に防がれていることが知られています。このアポトーシスを実行するときに、ミトコンドリアの活性が重要な役割を果たしているのだそうです。つまり、がん細胞ではアポトーシスを起こりにくくするために、あえてミトコンドリアにおけるエネルギーの産生を抑え、必要なエネルギーを細胞質における解糖系に依存しているのです。

 増殖速度もさることながら、生存のため死ににくくする方法も、がん細胞は持っているのです。


がんと酸素の関係②
■“がん細胞”のミトコンドリア機能の抑制

 正常な細胞でミトコンドリアでは、酸素を使ったTCA回路・電子伝達系(ミトコンドリア系)という方法でエネルギーを産生しています。この2つの方法では36分子の活動エネルギー(ATP)を産生できるのに、嫌気性解糖系では2分子のATPしか産生できません。

 嫌気性解糖系の少ないエネルギーで生存するがん細胞は、ミトコンドリアの好気性のTCA回路・電子伝達系を使わない事により、ミトコンドリアの機能を低下させアポトーシスを抑制して生存率を高めます。

ミトコンドリア活性の促進がポイント!

 がん細胞におけるミトコンドリア内でのTCA回路・電子伝達系を活性化し、エネルギー産生を促進すると、がん細胞のアポトーシスが起こりやすくなることに期待できます。また、“がん”そのものによる体力低下や、がん治療における体力の低下に対して、エネルギーの産生は必要不可欠です。
 エネルギー産生促進+ミトコンドリア活性には、酸素供給量のUPが期待できる霊芝と、必須栄養素のコエンザイムQ10、L-カルニチン、α-リポ酸で構成する理想的なエネルギー産生システム「ミトコンドリアスクエア」がポイントになります。


 いつもありがとうございます。
 愛・感謝 五月雨ジョージ

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