2012年3月1日木曜日

酸素と血栓②


高血圧と血管障害

 普段、血圧の測定は片方の腕で行います。しかし、血圧は左右の腕でそれぞれ測ったほうがいいということを英ペニンシュラ医科歯科大などのチームが発表しました。左右の腕で血圧差が大きいと、手足や脳などの血管の病気の危険が高いことがわかるらしいのです。

チームは心臓収縮時の血圧(最高血圧)を扱った28の論文を調べ、その結果、左右の差が15ミリHg以上あると、手足の動脈が狭くなったり動脈硬化が進んだりする危険が2.5倍になり、また認知症などにつながる脳血管障害が起きている危険も1.6倍になることを突き止めました。さらに循環器の病気で死亡する危険も1.7倍だったということです。重要なのは左右に血圧の差があることで、左右どちらが高いかは人によって異なるとのこと。 論文は「臨床的に意味がある左右の差の理由はよくわからない」としつつ、今回の結果は、左右の血圧の差は手足の血管の病気が原因とする欧州高血圧学会と欧州心臓学会の見解を裏付けるとしています。

 血圧とは、血液が血管内を流れる際に血管の壁にかかる圧力のことをいい、心臓から体内の各臓器に向かって送り出される血液の量(心拍出量)と、血液が血管内を通る際の通り辛さ(末梢血管抵抗)で算出します(心拍出量×抹消血管抵抗)。
 高血圧症の人は、心拍出量は通常の血圧の人と変わりませんが、血管抵抗が増大しています。高血圧が持続すると、血管はその圧に負けまいとして壁の厚さを増してきます。また、血管内皮細胞は直接高い圧にさらされるため、小さな傷ができたり、うまく機能しなくなったりします。すると、血管壁に慢性的な炎症反応が生じ、血栓ができ易くなったり、白血球やコレステロール、平滑筋細胞などが血管の内側の層に集まってきて動脈硬化が進んでしまいます。高血圧により血管壁に過剰なストレスがかかることも血管障害を促進する重要な要因と考えられています。
 こうした血管障害は、特に脳、心臓、腎臓の血管に起こりやすいものです。その結果、心臓病や脳卒中、腎不全などの合併症が引き起こされます。その血管障害に関わるのが「血管内皮細胞」なのです。


酸素と血栓②
■「ウィルヒョーの3要素」と「血栓」
 ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー(Rudolf Ludwig Karl Virchow, 1821年-1902、ベルリン)はドイツ人の医師で、病理学者、先史学者、生物学者、政治家で白血病の発見者として知られています。彼の研究で、静脈血栓症の形成に関する三つの要因(血管の障害・血流のうっ滞・血液性状の変化)は、彼の名を冠して「ウィルヒョーの3要素」(Virchow's Triad)と呼ばれています。

 今回は彼の研究テーマでもあった「血栓」について考えてみましょう。

血栓の形成には、3つの大きな要因が存在する!
1)血管内皮細胞の損害
高脂血症、高血圧、肥満、糖尿病、喫煙やストレスなどが原因で血管内皮細胞が傷つき内皮細胞の機能が低下し、そこから血栓が生じる。
2)血流の緩慢
動脈瘤、静脈瘤、心臓内など血流が渦巻く場所や心房細動により血栓が生じやすくなる。ギプス固定や長時間の同じ姿勢による血管の圧迫による血流の緩慢など。
3)血液性状の変化(粘稠度の増加、繊維素溶解活性低下、血液凝固因子の増加)
赤血球の凝集、変形能の低下(2月22日号「酸素と血栓」参照)や妊娠・出産時、老齢などでは血液成分が変化しているため血栓が生じやすい。

血管内皮細胞と一酸化窒素(NO)
血管内皮細胞は、微小循環の血流を円滑に維持しています。高血圧になったり、中性脂肪や酸化ストレスが増加したりすると、血管内皮細胞の阻害、一酸化窒素(NO)の産生低下、血管の収縮などにより、炎症を起こしやすく血栓が形成されやすい血管になります。

霊芝は、血漿一酸化窒素の産生を促進します。
 一酸化窒素(NO)は、血管の拡張だけではなく、血小板凝集の抑制、酸化ストレスによる内皮障害の抑制、白血球の内皮細胞への接着の抑制など、重要な役割を持っています。
 そして、血管内皮細胞の保護一酸化窒素(NO)の産生促進に期待されるデータを持っているのが「霊芝」なのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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