2012年3月24日土曜日

苦味は薬味③


苦味の生理活性作用

 呈味(ていみ)成分という言葉をご存知ですか? 

 呈味(ていみ)成分とは、食品に含まれる成分のうち,味を感じさせる原因となる物質を言います。たとえば塩味の呈味成分は塩類、酸味は酸、うま味は主にアミノ酸や核酸です。ほとんどの味覚の呈味成分は種類が限られているのに対し、苦味を感じる苦味物質には多くの種類があります。
 植物に含まれる代表的な苦味物質にアルカロイド類があります。これらの大半は、神経に作用する生理作用があります。コーヒーやお茶の中のカフェイン、カカオ豆に含まれるテオブロミンなどは、たばこのニコチンの仲間だそうです。多量に摂取すれば問題ですが、適度な量なら緊張を緩和させたり、逆に神経を興奮させて眠気を防止したり、気分転換や思考力を回復させたりします。コーヒーは、コーヒー豆を焙煎する方法が発見されて以来、独特の香ばしい香りを楽しむ飲み物となりましたが、それ以前は、豆をそのまま煮出して飲んでいました。嗜好品というより覚醒用に用いていたと言われています。お茶もはじめは薬用として使われていました。

そして、苦い野菜の代表といえば、ニガウリとも呼ばれるゴーヤ。独特の苦味は、ウリ科の植物に含まれる苦味成分のククルビタシンの仲間、モモルデシンによるものです。ククルビタシンには抗がん作用があることが知られています。モモルデシンも人体でインスリンと同様の働きをする成分で、血糖値を下げる効果や、健胃作用、食用増進作用があるといわれています。
 多くの種類がある苦味成分は生理活性作用も多岐にわたります。そんなゴーヤは沖縄での名前ですが、和名は偶然にも「ツルレイシ」と名付けられています(ちなみに私の田舎の秩父では昔から「レイシ」と呼んでいます)。ゴーヤと霊芝は名前が似ていて苦味で共通するところがあり、どちらも生理活性作用があるのが特徴です。
 霊芝の苦味成分は数十種類あり、その作用も多岐にわたっています。
 くわしくは次項で…。


「苦味は薬味」③
霊芝の特異成分は苦味成分の“ガノデリン酸”

 霊芝の有効成分の90%以上は傘の部分にあります。水溶性のβ-グルカン等の多糖類と、脂溶性のトリテルベノイド系(天然物化合物の総称)の苦味成分・霊芝酸(ガノデリン酸)が中心です。そして、霊芝酸を含有しているキノコは霊芝だけです。菌子体にも含まれていません。

ガノデリン酸の薬理作用
 ガノデリン酸は数十種類が確認されています。ガノデリン酸A,B,C1,C2,D~I,J,K,Ma~Mk、及びO~Zが知られており、霊芝の薬理作用との関係では‥‥

*ガノデリン酸A:肝保護作用・免疫活性作用
*ガノデリン酸B,D,F,H,K,S及びY:血圧降下作用
*ガノデリン酸U,V,W,X,Y及びZ:抗腫瘍作用
*ガノデリン酸R,S等:肝臓障害抑制作用
を示すものとして知られています。

 霊芝の苦味成分でもあるガノデリン酸等の霊芝抽出物も、信頼の抽出技術があってのことです。エキスの抽出技術は日々進歩しており、近年では、同じ原料の量でエキスの量が格段に多く抽出できる技術が出てきています(40%抽出可)。しかし、これはエキス量を増やそうとするもので、有効成分以外のものまで抽出されている可能性はぬぐいきれません。そしてこれが、霊芝の市場での衰退(期待できるものが低下している)に影響しているのではと考えられています。

 和漢研の霊芝エキスの抽出法は、長年のお客様の使用実績が証明する信頼の証といえるのではないでしょうか。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ


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