2012年7月21日土曜日

慢性的疲労症候群


社会的再適応評価尺度

 慢性疲労症候群は、ストレスと強い結びつきがあることはよく知られています。しかし、内科的な疾患が原因の場合もあります。また、慢性疲労症候群とまではいかなくても“慢性的な疲れ”“一晩寝ても取れない疲れ”などもストレスが関係しています。

 「社会的再適応評価尺度」というのをご存知ですか? 
 これは生活習慣病の発症の原因を探るときに使われる指標です。「結婚」「上司とのトラブル」「配偶者の死」など、43項目に及ぶ「人生の出来事」型ストレスの経験の有無を問います。人によってはダメージの大小はありますが、いずれも日常生活の中で感じるストレスの要因として考えられるものです。それによると、健常者群では平均4.4項目あるのに対して、慢性疲労症候群患者群の発症時期の場合は平均で8.3個と2倍近く多く「人生の出来事」を抱えているそうです。この評価尺度のストレスの種類はさまざまです。少し落ち込む程度のものから、その後の人生に大きく影を落とすものまで、多種多様です。1967年にこの評価尺度を製作したHolmesとRaheは、その出来事によって受けるストレスの重みに応じて得点化しました。これを算出することにより心身症になる危険性を推測するのが目的だそうです。ちなみに得点順の「人生の出来事ベスト10」は以下のとおりです。

①配偶者の死
②離婚
③夫婦の別居
④留置所などの拘留
⑤家族の死
⑥ケガや病気
⑦結婚
⑧失業
⑨婚姻上の和解
⑩退職


 この評価尺度を使った調査報告によると、慢性疲労症候群をはじめとする心身症などは、人生の出来事型ストレスの経験が健常者に比べ多いことがわかっています。

「疲れたぁ~」と感じるときは?

みなさんに「疲れていると感じる時はどんな時ですか?」と質問すると、帰ってくる答えは下記のようなことが多いようです。

〇朝起きても昨日の疲れが残っている  
〇やる気がしない
〇肩や首のコリが続いている
〇なんかだるい       
〇気分が晴れない
〇朝、食欲がない
〇朝起きても、ぼぉーっとしている


 そして、「そんな時はどうしていますか?」と質問すると・・・

◆ストレッチをする
◆マッサージや整体に行く
◆お風呂に入り体を温める
◆早く寝て休む
◆我慢する
◆栄養のある物を食べる
◆お酒を飲む


など、疲れを解消しようと努力はしているみたいですが・・・。

それでも疲れがとれないと感じるのは?

●老化現象
 老化による代謝の低下、筋肉の減少、内蔵機能の低下などです。これは、老化はあたりまえで仕方ないと思っていながら、若い頃と同じような食生活や睡眠を続け、無理なトレーニング、ダイエットなどに励んで、疲れが慢性化してしまう現象によるものです。

●社会環境
 近年、IT化が進み豊富な情報が早く収集できるようになる中で、テクノストレスなどで目や脳の疲労が注目されています。また、サービスや仕事も24時間体制で動くようになったことで、夜中でも働く多くの人は「睡眠の質」が低下して、それが疲労蓄積の原因となっています。

●ストレス
 上記のように、老化現象も社会環境も昔と今では違います。当然「疲れの質」も変わってきました。かつては、筋肉の酷使、単なる使いすぎが原因の疲れでしたので、休養をとれば回復することができました。

 しかし、現代社会で多くの人々が悩んでいる「疲れ」は、実はストレスによる「脳疲労」「睡眠の質の低下」「内蔵機能の低下」など、さまざまな原因が関わりあっているのです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

0 件のコメント:

コメントを投稿