2013年1月17日木曜日

疲労とその対策③


ストレスの個人差

「気分が沈みがち」「いつもなんとなく疲れている」「何事もおっくう」「些細なことに腹が立つ」「他人と顔を合わせたくない」・・・皆さんはこのような状態を経験したことがありませんか?
 これは、精神的な疲労の症状です。

 疲労は大きく「急性疲労」「慢性疲労」に分類することができます。急性疲労は数分から数十分の短い時間で生じるものと、数時間単位で生じるものとで分類します。慢性疲労の場合は、1日の活動が翌日までに回復するかどうかを問題に日周性疲労と、1週間単位以上の疲労を問題にする慢性疲労に分類されます。

 精神的疲労は、複雑な計算や記憶、思考などの心理活動ばかりではなく、我慢や緊張、時間に追われて作業をすることの焦燥感やストレスなど、感情や意思の活動が過度に要求された場合に生じる疲労です。

 肉体的疲労は、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになります。そして肉体的疲労は一般的に休息を取ると回復します。これに対し精神的疲労は、朝、目が覚めた時、つまり、一日を始める前に最も大きい傾向があります。そして精神的疲労は、休息をとってもあまり疲れが取れません

 精神的疲労で問題となるのが「睡眠」です。睡眠の質の低下が原因で、疲労が1日のサイクルで処理されずに翌日に持ち越され、心身は容易に慢性疲労へと陥ることになります。慢性的な精神疲労はQOL(生活の質)を損なうばかりか、しばしば、うつなどの心の病気の引き金にもなるので、普段から十分な対策を取る必要があります。
 精神疲労の大きな原因のひとつがストレスですが、それには個人差があります。「ストレスは遺伝と性格が大きく影響しています。ストレスに弱いタイプの人は神経伝達物質の「セロトニン」が欠乏しやすい遺伝子を受け継いでいる、と考えられています」(関西福祉科学大学・倉恒弘彦教授)。
 セロトニン神経が活性化すると、ノルアドレナリン(不安やストレスが高まると分泌)やドーパミン(すべての行動を起こす動機付けになる)の働きをうまくコントロールして、心の状態を安定させます。性格でいうと、完ぺき主義者はストレスを強く感じやすい傾向にあるようです。

「最近は仕事が複雑になり、精神的な疲労が高まっているため疲れが取れにくくなっています。でも、疲れは痛みや発熱と同じ体の異常を知らせる警報。自分の体の疲労度を自覚してください」(倉恒教授)。


康復医学の基本 疲労とその対策③

■精神的疲労の特徴

現代社会の日常の疲労は肉体的疲労より、むしろ、精神的な疲労が問題になることが多くなっています。この精神的疲労は、肉体的疲労と比べていくつかの特徴を持っています。

疲れを感じやすいのは朝方

肉体的疲労は、筋肉などを酷使することが原因なので、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになるが、精神的な疲労は朝、目が覚めた時、一日を始める前が大きい

休んでも疲れが取れにくい

肉体的疲労では、休息を取ると疲労から回復できますが、精神的疲労は休息をとっても、あまり疲れが取れない傾向にある。精神的疲労は睡眠の質を低下させるため、それがまた疲労がとれない原因となる。

疲労を感じやすいとき

通常、肉体疲労は、体に負荷がかかればかかる程大きくなりますが、精神的疲労では同じ作業でもストレスのかかり具合によって、疲労感が大きくなったり小さくなったりする傾向がある。
※何が精神的疲労の原因なのかをはっきりさせる為に、どんな時、どのように疲れたかを記録しておくのもよい方法です。

精神疲労は慢性化しやすい

肉体的な疲労は通常、数日以内で回復するが、精神的な疲れは慢性化しやすい。もしも、疲労感が1~2週間以上続き、睡眠障害があったり、イライラしやすく仕事の能率が低下してしまったりするような場合には、疲労から「うつ傾向」へと進んでいる場合があるので注意が必要。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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