2018年2月7日水曜日

動脈硬化

細菌由来の脂質が動脈硬化の原因に

 食事に含まれる脂質が動脈硬化の原因となることはよく知られていますが、人の口の中や腸に住む細菌が作り出す脂質も動脈硬化を助長している恐れがあると、米・コネチカット大学のレーザ・ネマティ氏らが「脂質研究ジャーナル」(Journal of Lipid Res)で報告しました。歯周病がある人で心臓病や脳卒中のリスクが増加するのもそのためかもしれません。
 この研究が進めば、歯周疾患と心疾患との関連が解明される可能性があります。

ネマティ氏らは、アテローム動脈硬化の患者から採取したアテローマ*を解析したところ、アテローマに含有される脂質が、哺乳類が作り出すものとは異なる特定の細菌が作り出すものであることを発見しました。この特定の細菌とはバクテロイデス門**の細菌で、同細菌は特異な脂肪酸を大量に生成することが知られています。

 近年、アテローム動脈硬化症の成因として、免疫細胞と炎症の重要性が注目されています。ネマティ氏らは今回、バクテロイデス門由来の脂質の解析結果を踏まえ、次のような仮説を提示しました。

 アテローム動脈硬化症の形成過程では、血管壁に沈着した脂質を免疫細胞が異物と見なして取り除こうとするため、血管壁で炎症が生じる。一方、バクテロイデス門細菌由来の脂質については、人体に由来する脂質と化学的に異なるため、免疫細胞が異物の侵入と誤認してしまい、血管壁では二重に炎症反応が引き起こされることになる。

 バクテロイデス門細菌は、通常口腔内や胃腸内に存在し、条件がそろえば歯肉炎などを引き起こしますが、同細菌自体が血管内に侵入することはありません。しかし、同細菌が生成する脂質は容易に細胞壁を通過し血流に入っていきます。

 ネマティ氏らは今後の検討課題として、細菌由来の脂質が蓄積している部位を正確に特定する必要性を挙げています。「アテローム内には同細菌由来の脂質が蓄積されているが、正常な動脈壁には蓄積していないことが確認できれば、同細菌由来の脂質はアテロームの形成と関連しているという確証が得られる」としています。
(出典:https://medical-tribune.co.jp/)

*「アテローマ」はアテローム性動脈硬化(一般的な動脈硬化)の患者の血管に沈着するプラーク。 粥腫(じゅくしゅ)とも呼ばれる。
**「門」は生物分類のカテゴリーの1つ。 界 > 門 > 綱 > 目 > 科 > 属 > 種

■動脈硬化と一酸化窒素(NO)

心臓疾患には、心臓の冠動脈の血管が徐々に狭窄する「狭心症」、詰まってしまう「心筋梗塞」などがあり、その原因の大半が動脈硬化です。

血管内皮細胞の損傷→動脈硬化

血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。下図のように損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし血管が狭くなり、その結果動脈硬化となってしまいます。


血管内皮機能を調整しているNO

血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)には、中膜の筋肉層に働きかけ血管を柔らかくし拡張させる血管拡張作用や、血小板凝集抑制作用、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤したりするのを防ぐ作用などがあります。しかし、血管内皮細胞が損傷すると、NOは減少し血管内皮細胞の機能が低下し動脈硬化も進行します。

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『霊芝研究1
(上海医科大学出版社刊)
血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする毛細血管を円滑に維持しています。NOの産生が低下すると血管が収縮し、炎症を起こしやすく、動脈硬化になりやすい血管になります。また、生活習慣などの影響で、過剰になった活性酸素による酸化ストレスによって動脈硬化も進行します。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、NOの産生促進に関するデータ、および抗酸化酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生促進、活性化に関するデータがあります。
(右:中文、英文、和文による霊芝の日中共同研究研究書籍)


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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