2018年10月31日水曜日

高齢者と肉食

高齢者は粗食が良い? 

健康長寿の実現には「食事」が重要な要素であることは間違いありません。しかし注意すべきは、加齢によって「食べてはいけない食品」と「食べていい食品」が変化することです。白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二先生は指摘します。
「年齢を重ねれば健康長寿に必要な栄養素や、身体の栄養摂取や排出のメカニズムが変わってくる。そのため、若年や中年の頃とは異なる食事の仕方が求められる。ゆえに65歳以上をシニアと一括りにするのではなく、年齢に応じたきめ細やかな対策が必要になる」

 なかでも、高齢者が摂取に対する考え方を変えたほうがいいのは「肉(たんぱく質)」だとする研究結果があります。
 米・南カリフォルニア大学長寿研究所のバルター・ロンゴ教授らによる、「たんぱく質の摂取と死亡率の関係」についての報告がそれです。50歳以上の米国人男女6381人を、たんぱく質の摂取量によって3つのグループに分けて18年間追跡した同調査によれば、50~65歳では、たんぱく質を最も多く摂取するグループは、最も摂取量が少ないグループより死亡率が74%高く、がんによる死亡リスクも4倍まで増加しました。
 しかし、65歳以上になると、たんぱく質を最も多く摂取するグループは、他のグループよりも死亡率が低くなったのです。
「"高齢者ほど粗食がいい"という考えは間違いだ。肉を抑える食事が必要なのは生活習慣病になりやすい40~50代であり、65歳以上の高齢者は重要なたんぱく源である肉を食べたほうがいい。粗食になると栄養が不足して、むしろ老化が進む恐れがある」(白澤先生)

 たんぱく質の摂取源として、白澤先生が勧めるのは「豚肉」です。
「長寿研究をしていると、長寿者の中には肉好きが多いことに驚く。特に豚肉には疲労回復を進めるビタミンB1が大量に含まれている。これが不足すると認知機能の低下や記憶障害を引き起こしやすくなる。なかでもヒレ肉はばら肉と比べてビタミンB1の量が2倍含まれており、脂肪やカロリーが少ない」

 日本では、高齢者がたんぱく質を摂るなら「肉より魚」と考える人は少なくありません。

「すき焼き用の牛肉100gで30gのたんぱく質が摂れるが、120g前後のアジ一匹を塩焼きにしても摂取できるたんぱく質は15gだけ。なかでも、脂肪が少ない赤身肉は噛み応えがあり、高齢者には咀嚼自体が噛む力や体力の増強につながる。歳をとって脂っこい肉が苦手になった高齢者でも赤身肉なら食べやすい」(白澤先生)
(出典:https://www.msn.com/) 

■動物性たんぱく質の重要性

高齢者はしっかりたんぱく質を摂る必要があることを推察させるデータがあります。実際に100歳以上の高齢者のたんぱく質摂取量をみると、平均的な日本人と比べ、男女ともに総エネルギー量に占めるたんぱく質の割合が高く、さらに、総たんぱく質に占める動物性たんぱく質の割合が高いことがわかります(下表)。つまり、長生きの高齢者は、動物性たんぱく質をたくさん食べているということになります。

肉食のメリット/高齢者にすすめる理由

たんぱく質は、成長期の子どもにとっては体を作る栄養素として必須のものですが、成人においても重要なのです。体が出来上がった人でも、たんぱく質全体のうちの約3%(70kgの男性の場合約250g~300g)が毎日代謝して入れ替わっています。体を維持するためには成人や高齢者も、毎日良質のたんぱく質を摂ることが必要です。
たんぱく質には豆腐などに含まれる植物性のものと、肉や魚などの動物性のものがあります。いずれのたんぱく質もアミノ酸にまで消化された後、体内に吸収されます。そして、再び体に必要なたんぱく質に再合成されます。大豆や魚と比べて畜肉のたんぱく質の方が生物学的にヒトと近いため、アミノ酸の組成も似ています。つまり、畜肉のたんぱく質が、ヒトの体内で最も効率的に再合成されるのです。
 現在、高齢者の間では、"低栄養"が健康上の大きな問題になっています。高齢者は肺炎で死亡することがよくあります。肺炎の原因は、低栄養による免疫力の低下であると考えらます。高齢者はたんぱく質が特に不足しがちです。たんぱく質の栄養状態を示す血中アルブミンの量が多ければ、免疫力が増して病気リスクが減少するため長寿が期待できますが、高齢者では、血中アルブミンの量が少ない人の割合が年齢の上昇につれて著しく増加しています。低栄養を解消し免疫力を高めるためには、摂取エネルギーだけでなく、たんぱく質の摂取量を増やすことが大切になります。特に量を食べられない高齢者は、効率よくたんぱく質を摂るために、肉をしっかり食べた方が良いのです。

肉を食べる際の注意点

腎臓に疾患のある人は、たんぱく質の多量摂取で腎臓に負担がかかり症状を悪化させる危険があります。腎機能が低下してしまうと元に戻すことはできず、人工透析のリスクもあります。また、肥満傾向の人や血中脂肪が高い人は、脂肪の摂りすぎに注意。赤身など脂肪の少ない部位を選んで食べましょう。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

0 件のコメント:

コメントを投稿