2019年2月13日水曜日

香料による健康被害

柔軟剤や芳香剤による“香害”

人工香料による健康被害を訴える人が急増しています。その原因物質は、年々種類と使用量が増え続ける合成ムスク類です。
 合成ムスク類とは、麝香(じゃこう)に似た香りを持つ人工香料の総称で、柔軟剤や芳香剤、ローション、脱臭剤、香水、化粧品などの身体手入れ用品や洗剤のような家庭用品でも広く使われています。
 麝香は古くから高級香料として利用されていましたが、20世紀初期に代替物の合成ムスク類が開発され多くの製品に使われるようになりました。しかし、合成ムスク類のニトロムスクという物質には強い毒性があることが分かり、ニトロムスクに代わって、HHCB、AHTNなど「多環ムスク」と呼ばれる合成化学物質が開発され、現在に至っています。

 ところが今、このHHCB、AHTNの毒性が確認され大きな問題になっています。2005~07年に行われた熊本大学・佐賀大学の共同研究で、日本人の母乳や脂肪組織に合成ムスク類の「HHCB」と「AHTN」が蓄積していることがわかりました。生活排水などから水、大気中にも合成香料が排出され蓄積し、新たな環境汚染物質として問題となっています。

 世界市場で流通している合成香料は約500種類、そのうち日本では約320種類を製造しているので、真剣に考えないといけない問題です。
 すでに自治体レベルで「香料自粛」に取り組んでいるケースもあります。2005年に岐阜市では、全市で「香料自粛のお願い」のポスターを病院や学校、公共施設などに張り出して、香料が含まれる製品の使用を自粛するキャンペーンを展開しています。岐阜市では香料問題を子どもの健康問題と捉えて真剣に取り組んでいます。こうした動きはすでに多数の自治体に広がっています。
 2013年に市民グループ(香料自粛を求める会、化学物質問題市民研究会、日本消費者連盟関西グループ、反農薬東京グループ)は合成ムスク類の使用量が多い柔軟剤や芳香剤を病院、役所、学校、駅といった公共の場での使用を自粛するよう文部科学大臣宛に「学校等における香料自粛に関する要望」を提出しています。

 しかし、大手メディアは合成ムスク類で健康被害が続出していることを大きく取り上げません。P&G、花王、ライオンといった大スポンサーの顔色を窺ってのことなのは明らかです。各メディアは、"なぜ合成ムスク類による健康被害、いわゆる「香害」が起こるのか"を報道する責任があるのではないでしょうか。
(出典:http://healthpress.jp/)

■香料の化学物質による健康被害

 心配なのは、小中学校、幼稚園でも「香害」が発生していることです。今、子どもでも男女を問わず、制汗剤を使うのは当たり前だといいます。制汗剤は合成ムスク類で強い香りを出したものがほとんどです。そのため、「教室中に匂いが広がって倒れそうになる」という声が、生徒だけでなく学校職員からも上がっています。
 国民生活センターには柔軟仕上げ剤のにおいに関するものも含め、香害に苦しむ人から数多くの相談が寄せられています。

 12歳以下の子どもは化学物質に対して感受性が高く、簡単にアレルギー反応を引き起こしてしまいます。合成ムスク類などの香り物質は目には見えませんが、揮発しやすい小さな分子です。空気中をただよい、鼻の奥にある嗅覚細胞に付着し、私たちはにおいを感じます。そして、その分子は呼吸によって体内に取り込まれ、また皮膚からも体内に吸収され、子供たちのぜんそくアトピー各種アレルギーなどに大きく関与しているのです。
 また、子どもの時から合成ムスク類に曝されていけば、蓄積量も多くなり、将来、健康被害を受ける可能性も否めません。

合成ムスク類は非常に多くの商品で使われていますが、意外なところにもあります。例えば天然であると思われがちなアロマセラピー用のスミレ、ラベンダーなどでは、香りをより強く定着させる目的で合成ムスク類が使用されていることもあります。

 したがって健康被害が起こりかねない人工香料は、合成ムスク類の香りだけではありません。芳香剤、柔軟剤、制汗剤などの日用品、文房具、さらに食品のフレーバーなどの香料は「香料」とだけ表示されており、香料の原料は消費者には分かりません。メーカーに問い合わせても、企業秘密で教えてはくれません。無香料の製品や食品を選んでいくことが、いちばん安心・安全ですが、少なくとも、右表にあるにおいが強い製品は使用を控えた方が無難です。

いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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