2019年11月20日水曜日

自己免疫疾患

人気ピアニストが公表した難病とは

 今年の2月15日、世界的に活躍し、日本でも人気のピアニスト、アリス・紗良・オットさん(31)が自身の公式サイトで、多発性硬化症と診断されたことを公表したことは、まだ記憶に新しいと思います。アリスさんは、ドイツ人の父と日本人ピアニストの母の間に生まれ、ドイツを拠点に活動しています。彼女は、英語、ドイツ語、日本語で、検査の間に絶望感に襲われたこと、適した治療法を見いだし今までの生活を続ける決意などをつづりました。
 公表にためらいがあったことも明かした上で、「特に若くして罹患され病気に直面されている方に少しでも同じく勇気を与えることができたら」と記しています。

「多発性硬化症」は、脳などの神経が冒されて手足のしびれや視力低下が起きる自己免疫疾患で、厚生労働省指定の特定疾患として難病に指定されています。主に若い人のかかる病気で、男性よりも女性に多い傾向があります。
 多発性硬化症の患者を病理解剖して、脳や脊髄をよく調べてみると、手で触ってかたく感じられる病変があちこちに見つかります。そのため多発性硬化症(英語:multiple sclerosis)という病名がつけられました。通常はその頭文字を取ってMSと呼んでいます。
 MSは、日本ではあまりなじみがありませんが、欧米では大変よく知られた病気です。日本国内の患者は7000人程度と推定していますが、世界全体では欧米の白人を中心に、300万人以上の患者がいます。神経内科の領域では最も重要な病気の一つです。欧米では"MS"と言えば、一般の人でも、ああ、あの難病なのだなとすぐにわかってもらえます。有名なイギリス人の女性チェロ奏者、ジャクリーヌ・デュ・プレさんもこの病気で亡くなりました。

 ところで、神経系は複雑な電気回路に例えられます。そして一本一本の神経線維は、ビニールの絶縁体でカバーされた電線に例えられます。MSで障害を受けるのは、実は絶縁体の部分なのです。MSは神経の絶縁体の壊れる病気です。幸いなことに絶縁体の部分はよく再生するので、MSは病状が安定すれば比較的よく治ります。
 現在ではMSが自己免疫疾患であることが確実になり、免疫学や分子生物学の方法を使った研究が急速に進んでいます。

 MSの治療法としては、急性期には、ステロイドを大量に点滴するステロイド・パルス療法を行うことが一般的になっています。炎症を早く抑制することにより、回復が促進されます。ステロイドは急性期には大量に使用しますが、長期投与はいたしません。この点では膠原病の治療方針とかなり異なります。MSは残念ながら再発をくり返します。MSの再発を予防する治療薬としては、βインターフェロンの有効性が欧米で示されています。
(出典:https://www.asahi.com/、https://www.ncnp.go.jp/)

■自己免疫疾患と霊芝

多発性硬化症や関節リウマチなど、この「自己免疫疾患」という病気は、本来「外敵から体を守る」免疫系が「自分の体を攻撃する」という病気です。この病気の発症率は男女差で大きく違い、男性に比べて女性の発生率は最大9倍も高いという特徴があります。
この現象には前立腺と精巣から多く分泌され、男性のヒゲや筋肉、胸毛つまり「男らしさ」を付与するホルモン、「テストステロン」が関係していることは従来からわかっていました。
そして、「多発性硬化症」のマウス実験を経て、オスのマウスが持つ肥満細胞がテストステロンに近づくと、伝達たんぱく質「サイトカイン*」を分泌することにより、炎症を抑えるということがわかってきています(ノースウェスタン大学により解明)。
肥満細胞によりサイトカインが分泌されるのが自己免疫疾患治療の鍵であり、逆に肥満細胞の少ないマウスは、サイトカインを分泌しないので炎症が収まらなかったのだそうです。
そして現在、この仕組みに着目して作られた2種の薬品が認証に向かっており、この薬品は免疫系のT細胞が自分の体を攻撃するどころか「炎症を抑えるように仕向ける」ことができるとのこと。この疾患の鍵となるサイトカインは、情報伝達たんぱく質の1種IL-33。テストステロンは、肥満細胞がIL-33を作るのを促していると見込まれています。
*「サイトカイン」とは:細胞から分泌されるたんぱく質であり、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称

免疫系に対する霊芝の影響

霊芝には免疫系に対して調整的な双方向性があるため、様々な免疫失調症に良い影響が認められています。特にリンパ球増殖の調節、免疫因子産生の促進、マクロファージ、NK細胞の活性化、造血芽細胞の促進などにより、生体の免疫バランスが保たれ、疾病の予防、寛解、治癒や生体機能恒常性の維持などに有効な作用を発揮すると期待されています。

【免疫機能亢進による病態変化に対応】
 アトピーアレルギー症自己免疫疾患(リウマチ、膠原病、甲状腺機能異常、劇症肝炎、SARS、全身性エリテマトーデス他)、糖尿病などにおいては、自らの体を攻撃するほどに高まってしまった免疫機能を抑制し、正常に戻します。

【免疫機能低下による病態変化に対応】
 細菌やウイルスによる感染症伝染病にかかりやすくなるほか、傷口治療の慢性化エイズ腫瘍の発生など、免疫機能が弱まった結果起こる病気・症状に対しては、その機能を高め、病気の進行を食い止めます。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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