2023年3月31日金曜日

ビタミンD

 ビタミンD、不足すると早死にする?

 ビタミンDは、脂溶性のビタミンの一種です。自然界に存在するビタミンDには、主にマイタケやキクラゲなどのキノコ類に含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、魚肉や魚介類の肝臓などに多く含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)が存在します。

 ビタミンDの主な役割として、腸管や肝臓でのカルシウムとリンの吸収促進作用があります。骨や歯は、コラーゲンなどのたんぱく質の枠組みの上にリン酸カルシウムが沈着する「石灰化」によって形成されるため、カルシウムを摂ってもビタミンDが欠乏すると石灰化が十分に起こらず、骨が軟らかく変形しやすくなります。小児期の「くる病」や成人になってから骨が軟らかくもろくなる「骨軟化症」は、このビタミンD不足が原因です。欠乏まではいかなくともビタミンDが不足して血中のカルシウム量が低下すると、骨が分解されてカルシウムが血中に溶けだす骨吸収が高まるため、骨粗しょう症や骨折リスクが高まります。

 ただ、ビタミンDはこういった骨への影響とは別に、様々な健康状態との関連が明らかになってきています。例えば、生活習慣病との関係を示唆する報告があります。血中ビタミンDレベルが低い人は2型糖尿病や心疾患の発症リスクが高いことがわかったのです。また甲状腺機能亢進症や心臓病、うつ、認知症、男性不妊とも関連があるという報告もあります。

図出典:https://www.nikkei.com/
 これまでの研究から、ビタミンDには抗炎症作用免疫調節作用、がん細胞などを死に誘導するプロアポトーシス作用や、血管の機能を維持する作用などがあるとされていますが、疾患との関係はまだ多くの部分が明らかになっていません。ただ、ビタミンDの受容体が全身に存在し、各部位で恒常性の維持に不可欠な役割を果たしているのだと思われます。

 近年注目を集めたのは、ビタミンDと免疫機能の維持との強い関係性です。例えば、血中ビタミンD濃度が低いと流行性感冒(かぜ)やインフルエンザにかかりやすいという報告が国内外の研究で発表されています。2020年以降増えたのがコロナ関連での報告です。その多くが、ビタミンDの血中濃度が低い人ほどコロナの罹患リスクや重症化・死亡リスクが高いというものです。また、2018年には国立がん研究センターが、血中ビタミンD濃度が低い人では、そうでない人に比べてがん発症リスクが高くなることを報告。2022年11月にはオーストラリアの研究チームから、ビタミンD欠乏は死亡リスクの上昇にも関係することが報告されました。「英国バイオバンク」に登録している30万7601人を14年間追跡した調査の解析によるもので、研究チームは、ビタミンD欠乏の人はそうでない人に比べて、何らかの原因で死亡する確率が25%高いと結論づけています。

 このように、ビタミンDは様々な病気と関連し、健康に長生きするために不可欠なビタミンとして注目を集めているのです。さらに、最近では寝たきり予防にもビタミンDが重要だということも明らかになってきました。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■V.D、どのくらい摂取すればいい?

 全身の臓器で使われるというビタミンD。骨を強く保つ働きだけでなく、近年では感染症やがんを防ぐ免疫調整機能で注目を集めてきました。さらに、今研究が進められているのが、寝たきり予防につながる、筋肉におけるビタミンDの働きです。

 国立長寿医療研究センターが名古屋大学医学部の研究チームとともに行った老化に関する疫学研究によると、研究デー化の解析からサルコペニアと関連しそうな因子がいくつか見つかり、中でもどうやら加齢に伴う筋力の低下と血中ビタミンDレベルに相関性がありそうだということが分かってきたのです。


日本人の8割はビタミンD不足

 これまでに日本人を対象に行われた調査によると、約8割の人でビタミンDが不足または欠乏しており、男性より女性で不足しがちと報告されています。特に、高齢になれば皮膚でのビタミンDの合成機能も徐々に低下します。さらに、合成されたビタミンDをより活性の強いものに代謝する肝臓と腎臓の機能も少しずつ低下していきます。活動量が低下して外に出る機会が減ると、その分日の光を浴びなくなるのでさらに合成量は低下しやすくなります。そのため、少なくとも高齢者においては食事でのビタミンD摂取を心がけたり、適度な日光浴で紫外線を浴びることは重要だと考えられています。

 ビタミンDが多い食品は青魚やキノコなど(右表参照)

 日光浴でのビタミンD合成に関しては、近年、紫外線による悪影響を懸念してUVカット化粧品が一般化するなど、紫外線を浴びる機会が減少しており注意が必要です。ビタミンDが10μg合成できる目安として、顔と両手の甲を露出した状態で7月の正午ならつくばで6分、札幌で8分程度。12月の正午ならつくばで41分、札幌で139分の日光浴が必要です(国立環境研究所)

やたらと多く取ればいいというものでもない

【摂取推奨量】

 成人の場合、男女、妊婦、授乳婦ともに1日の摂取目安量は8.5μg。耐容上限量は100μg(妊婦と授乳婦には設定されていない)。なお、体内のビタミンD量は、魚介類の摂取や日照時間などで日間変動が非常に大きいことから、推奨量は米国・カナダの食事摂取基準から日照による産生量を差し引いたもので設定されています。

【不足による影響】

 長期にわたり不足状態が続くと骨の石灰化が妨げられ、骨の軟化や骨吸収が進んで骨密度が低下する骨粗しょう症につながります。また、感染症やがんの罹患リスクや生活習慣病の悪化リスク、死亡リスクを高めるともいわれています。

【過剰摂取による影響】

 脂溶性のビタミンDは体内に蓄積します。過剰摂取による高カルシウム血症は、腎障害や、血管など軟組織の石灰化のリスクが高まります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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