2023年11月29日水曜日

“うつ”と認知症

 高齢者の異変、うつも疑う

 身近な日課をこなせなくなるなど普段と様子が異なると認知症を疑いますが、それはうつ病かもしれません。高齢者には脳の変化や人生の転機、喪失体験などによる固有のうつ病のリスクがあるのです。身体症状も伴って判断しにくいものの、兆しをとらえ、適切な治療につなぐことが欠かせません。

 うつ病は年齢を問わず発症しますが、高齢者に多くみられる症状と要因があります。多くの高齢者は日常的に胃の不調や頭痛などを抱え、身体症状を訴える例も少なくありません。うつ病の身体症状か、元からの不調なのかを判断しにくいのです。専門医は「身体疾患からうつ症状が生じることもある」と指摘します。

 高齢者のうつの特徴として、不安や焦燥感が前面に出てじっとしていられなくなることが多いそうです。重症化すると、うろうろと歩き回り、休むこともできずにつらくなる場合があるといいます。

 高齢者のうつ病の主因は何か――。専門家は「加齢自体がうつを起こしやすい要因だ」と指摘します。脳の機能が低下し、変化への柔軟な対応に必要な「流動性知能」が50歳前後から衰えるからだと言います。

 柔軟な対応が難しくなる年代の高齢者は生活の変化に見舞われやすくなります。喪失体験が増え、体力の衰えなど健康面のほか、友人の死などによる心理的喪失や、プライドや経済面など社会的喪失もあります。コロナ禍で交友関係が希薄になった影響や、女性の場合は夫の定年退職後の生活リズムの変化や、経済面の不安によってうつ病に至る例もあります。

 うつ病と認知症は似た症状がありますが、相違点もあります。認知症の患者が知的能力の低下を認めたがらないのに対し、うつ病の場合は本人が訴えるほど記憶力や知的能力は低下していません。さらにうつ病は発症時期が特定しやすいことが多いのです。うつ病と認知症の鑑別は難しい上に併発も多く、うつ病治療の専門家は「まずはうつ病の治療を優先する」といいます。無気力症候群(アパシー)と見分けることも重要です。うつは休養が必要なのに対し、アパシーはリハビリや投薬で行動活性化を促すなど治療の方向性が異なります。

 同時多発的に身体症状が起きたり、内科で「異常なし」といわれたのに症状が続いたりするなら、「加齢による衰えだろう」と放置せず、医師に相談した方がよいでしょう。本人から「眠れない」との訴えがあれば、精神科や心療内科の受診を勧めやすくなります。

 抗うつ薬による治療は、若い人より効果が出るのに時間を要するうえ、副作用が出やすくなります。専門家によるカウンセリングを用いた支持的精神療法や過去を振り返る回想療法などの心理的治療が有効だと言われています。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■認知症と誤解されやすい高齢者うつ

 うつ病も認知症も精神疾患に含まれ、現状では、他の病気のように何らかの検査の数値で明確に判別できるものではありません。あくまで、ご本人の訴えや周囲に見える症状から判断しなければならないので、難しいのです。

 うつ病の症状には、抑うつ気分、意欲の低下、不安、焦燥、妄想、自律神経症状(不眠、食欲低下など)などが含まれますが、うつ病かどうか判断するときには、多くの方が、抑うつ気分や意欲の低下に注目することでしょう。

 若齢者のうつ病の場合には、仕事や学業に支障が生じることで気づくことが多く、明確な抑うつ気分や意欲の低下の兆候がほとんどなので、鑑別するのは比較的容易です。しかし、高齢になると、うつ病でも、抑うつ気分や意欲の低下が目立たなくなり、どうしても「老化→認知症」という思い込みがあるため、認知症と誤診されることがあるのです。

うつ病が原因で、本当の認知症を生じるケースも

 うつ病なら、薬物治療が可能です。抗うつ薬の服用で症状を抑えることができるだけでなく、長期的な治療によって感知する例もみられます。しかし、認知症と誤診されると、適切なうつ病の治療を受けられなくなってしまいます。さらに問題なのは、うつ病の治療を行わず放置すると、本当の認知症になってしまうことがあることです。

 栄養状態の悪化や脱水症状に陥ると、それらが認知症の誘因になります。意欲の低下によって、物事に取り組まなくなり、頭を使わなくなることで脳機能低下が進むこともあります。若齢でも、意欲の低下から活動度が落ちて、日常的に脳を使わない暮らしが続けば、脳機能低下が加速化し、認知症を発症するリスクが高まる可能性があります。うつ病は、認知症予防の点から、早期発見・早期治療が大切です。

うつ病と認知症の見分け方・チェックポイント

 うつ病は、感情障害が主で、認知症に含まれる「記憶障害」「見当識障害」「判断実行機能障害」「失語・失行・失認」などはありません。

 医師からの質問で、見当識や記憶力、計算力、言語力などが試される認知症の「ミニメンタルステート検査(MMSE)」では、うつ病の人は、時間制限を設けると得点が低くなる傾向にありますが、十分に時間をかければ高得点を示します。反応が遅いだけで、本質的な認知・記憶障害はないのです。うつ病の方が物忘れをしたとしても、それは注意力や集中力の低下によって起きているだけで、認知・記憶障害によるものではないのです。

 うつ病と認知症を見分けるには、単に物忘れや失敗が増えたことにとらわれず、それが感情障害によるものなのか、明らかな記憶障害によって起きているのかに注意しましょう。

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 康復医学学会では、「ラフマ葉」⇒うつ症状の軽減及び仮性認知症予防、そして「HM-3000(特系霊芝)」⇒脳血管血流の改善による認知症の発症抑制――に関するデータを有しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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