2023年12月13日水曜日

老化物質“AGE”

 糖化とアルツハイマー

「アルツハイマー病」とは、脳を構成している神経細胞が通常の老化による速度よりも急に減っていってしまうことで、正常な脳の働きが徐々に失われていき、認知症(痴呆)になっていく病気です。

 65歳以上で年齢が高くなるにつれて発病率が増加し、現在日本に約200万人いる認知症患者の約半数がアルツハイマー病患者です。また、10年後には認知症患者数は300万人に達し、過半数がアルツハイマー病患者になると予想されています。

 アルツハイマー病は、詳細な原因はまだわかっていませんが、遺伝的な要因に加えて生活習慣(食生活)が深く関係していると考えられています。

小冊子『最悪の老化物質 AGE』
(康復医学学会発行)
 アルツハイマー病の原因として、脳内の組織にアミロイドβというたんぱく質が蓄積して、脳の神経細胞が死滅すると考えられています。アルツハイマー病の患者さんの前頭葉を調べたところ、健常な老人に比べ、3倍以上も老化物質のAGE(Advanced Glycation End products:終末糖化産物)が蓄積していることが報告されています。

 アミロイドβというたんぱくが何らかの作用を受けて組織に沈着しやすくなり、それが溜まって脳の神経細胞の死滅を引き起こすという考え方が一般的ですが、糖化がアミロイドβの凝集や沈着を促進、加速させていとも考えられています。

 また、糖化によって体内に発生したAGEが細胞死(アポトーシス)を引き起こすことも分かっています。

 糖尿病を抱えている患者さんがアルツハイマー病になる確率が高いのも、こうした糖化の影響を裏付けていると言って過言ではありません。

 このようにアルツハイマー病の発症に糖化、AGEが大きく関わっていることがわかってきました。つまり、極力糖化を避ける生活を送れば、アルツハイマー病にならないようにはできないまでも発症をずっと遅らせることが可能になるのです。

アルツハイマー病とは別に、認知・機能障害を起こす疾患として、「脳血管性認知症」があります。脳の神経細胞は情報を伝達するため、隣にある細胞に軸をのばしています。この軸は情報漏れで思考が混乱しないよう「ミエリン鞘」というカバーのようなもので覆われているのですが、認知症の患者さんではここの部分が非常に薄くなっています。

 動脈硬化による血流不足で、酸素と栄養が十分に届かないことが原因です。動脈硬化は糖化によって悪化することがわかっています。またミエリン鞘自体が糖化している可能性もあります。

 いつまでも若々しく自立した生活を送るためには、糖化させない生活習慣、食生活を実践することが重要なのです。

(出典:https://rivercity-clinic.jp/)


■AGEが引き起こす体への影響

 糖化が進み、体内にAGE(終末糖化産物)がたまると、様々な病気を引き起こします。

 抜け毛や切れ毛、白髪 :顔の皮膚と同様、頭皮の真皮層でAGE架橋(AGEがたんぱく質に橋を架けて劣化させる)が起こったり、髪の毛の主成分ケラチン(たんぱく質の1種)が糖化してAGEが溜まったりすると、抜け毛や切れ毛、白髪が増える。

 動脈硬化 :動脈硬化とは、血管がもろく、かたくなった状態。心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まる。血管を構成しているコラーゲン繊維が架橋でつながってAGEが溜まると、血管が硬くなり弾力性が失われて、動脈硬化が起こりやすくなる。

 骨粗しょう症 :骨の中がスカスカになる骨粗しょう症になると、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなる。骨は主にカルシウムとコラーゲンでできているので、コラーゲン繊維がAGE架橋になると、骨がもろく折れやすくなる。

 白内障 :白内障とは、目のレンズ役をしている水晶体がにごり、かすんで見えたり、物が二重に見えたりする目の病気。水晶体を構成するクリスタリンというたんぱく質が糖化してAGEが溜まると、水晶体のにごりの原因になる。

 糖尿病の合併症 :血糖値が高い状態が続く糖尿病では、AGEが体内に蓄積されやすく、糖尿病合併症*の原因になる。*糖尿病の3大合併症‥‥糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症

 非アルコール性脂肪肝 :高血糖状態が続き、脂肪の貯蔵庫である肝臓に中性脂肪が溜まる病気。AGEの蓄積が原因の1つ。

 アルツハイマー型認知症 :認知症の原因の大多数を占めるアルツハイマー病。特徴の1つとして、脳内に老人斑と呼ばれるシミのようなものができる。その老人斑からAGEが大量に検出されたため、長年の糖化がアルツハイマー型認知症の原因の1つとされている。

AGEの害を少なくする食べ方のコツ

 糖化を防ぐためには、食後の血糖値の上昇をおさえることが基本です。

●懐石料理のように、野菜→魚・肉類→ごはん・パンの順に食べる 

●食後の血糖値上昇がゆるやかなGI値*の低い食べものを選ぶ 

●単品ものにはサラダなど食物繊維を多く含む副菜をプラスする 

●糖質量の少ない外食メニューを選ぶ 

●AGEを多く含む食品やジュースは避ける。

*GI値とは:食品による食後血糖上昇に与える影響の違いを比較できる指標(Glycemic index:GI)。GI値はブドウ糖を摂取した際の血糖値の上昇を100とし、それに対して食べ物を食べた時の血糖値の上昇がどの程度かを測定して求めた値。GI値が低い食品は摂取後の血糖値が上昇しにくいとされ肥満や糖尿病のリスクを軽減すると言われている。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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