2023年12月20日水曜日

飲酒と健康

 アルコールと健康について

 この時期は、忘年会やクリスマス、お正月とお酒を飲む機会が増えます。連日の忘年会で、肝臓を酷使しているという方も多くなると思います。

飲酒から排泄まで

1.吸収:お酒の成分は主にアルコールと水です。口から入ったアルコールは、胃や小腸で吸収されて血液に溶け込み、全身を巡り、そして肝臓へと送られます。

2.代謝:肝臓では、主にアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは、お酒を飲んだ時にお顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などを起こしたりする原因となる物質です。さらに、アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)によって、人体に無害の酢酸に分解されます。肝臓で分解しきれなかったアルコールは血中に戻り全身を通って再び肝臓に運ばれて分解されます。

3.排泄:酢酸は血液によって全身を巡りながら水と二酸化炭素に分解されて、尿や汗、呼気となって体の外に排泄されます。

 肝臓がアルコールを分解するスピードには個人差があります。飲みすぎてしまうと分解が追い付かなくなって、アルコールやアセトアルデヒドが血中に残り、「酔い」をもたらします。さらに、翌日まで残っていると二日酔いになってしまいます。

アルコールと肥満

 醸造酒(日本酒・ビール・ワインなど)は糖質を含みます。糖質はごはんやパンなどの主食にも多く含まれるものなので、取りすぎは肥満につながります。一方、蒸留酒(ウイスキー・ブランデーなど)は糖質が少ないお酒です。では、糖質が少ないお酒ならたくさん飲んでいいの?と思われる方も多いと思いますが、そうではありません。

 アルコールが体内に入ると肝臓では優先的にアルコールの代謝をするため、脂質や糖質の代謝が後回しになります。よって、主に食事由来の中性脂肪が代謝されずに肝臓に蓄積してしまいます。ですから、おつまみに高脂質、高エネルギーのものを食べてしまうと太りやすくなってしまいます。このような状態が続くと脂肪肝、肥満、動脈硬化などの生活習慣病につながっていきます。

 アルコールとうまく付き合うには、お酒を飲まない日を作る、おつまみは脂質の少ないものにするなど工夫をしましょう。特に、アルコールの代謝にはビタミンB群が必要になるので、枝豆や大豆製品などがお勧めです。また、脂質が少ない野菜ステックなどもよいでしょう。エネルギーを気にするあまり、空っ腹でアルコールを摂取すると、胃の粘膜を刺激するため、気を付けましょう。

 アルコールとうまく付き合って、健康で楽しく新年を迎えましょう。

(出典:https://kentei.healthcare/)


■少量のお酒は体にいい?

「酒は百薬の長」という言葉があります。この言葉の起源は、中国では約二千年前に酒と塩・鉄を国の専売とする政策が行われ、その際に「税金を多く集めるためのキャッチフレーズ」として作られたという記録が残っているそうです。日本では『徒然草』の一節に、「酒は百薬の長とは言えど、万の病は酒よりこそ起これ」と、デメリットとして記されています。つまり、いずれも医療からの言葉ではありません。さらにWHO(世界保健機関)では、「アルコールの有害な使用は、すべての死の3.8%を占める」ことから「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」があるほど、アルコールの適正量での摂取を訴えています。

 アルコールの代謝能力は個人差があり、適正量は性別や体重、生活環境などによっても違いますが、純アルコール量20~25g程度と考えられています。では、適正量とはどれくらいでしょうか(右表参照⇒)

 お酒は、その種類により含まれるアルコール濃度や純アルコール量が異なることを知っておきましょう。日本酒では1合程度、ビールでは中瓶1本(500ml)程度が適正量です。したがって、1日の飲酒量は、この「ほろ酔い気分」になるくらいの量にとどめることが重要です。

 適正量の飲酒は、楽しい気分や食欲を増大させ、緊張感やストレスを緩和します。また、適正量の飲酒の習慣がある人は、お酒をまったく飲まない人や大量に飲む人に比べて、死亡率も低くなるとされています。少量の食前酒は、胃液の分泌を促します。しかし、空腹で多量に飲むと、胃腸を強く刺激し、粘膜を荒らす上に、アルコールは吸収されやすく、急激に血中アルコール濃度が上昇することで、様々な障害が起こりやすくなってしまいます。したがって、飲酒をする際は、肉や魚、卵などたんぱく質や脂質を含む食品を一緒に摂り、アルコールの吸収ペースを緩やかにすることで、アルコールと胃粘膜の接触を緩和し、胃腸障害などを予防することが重要です。一方で、少量飲酒の習慣が腹部内臓への脂肪沈着やインスリン抵抗性、高血圧、発癌、脳への影響などの原因となるとされています。

 飲酒は、その量や飲み方によっては"薬にも毒にもなる"ということを理解した上で、コロナが確実に落ち着いた頃に、また楽しみたいものです。

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 二日酔いによいと言われるウコンはアルコールの分解を助けますが、実は刺激によって(強引に)肝機能を高めているので、副作用に注意が必要です。生薬の「HM-3000(特系霊芝)」は肝臓細胞の保護や代謝酵素の活性、糖新生も抑制し、そのうえ副作用もありません。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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