2022年8月25日木曜日

夏風邪と免疫機能

 夏風邪に負けない体を作る

 夏風邪の症状として咽頭痛(のどの痛み)や発熱が挙げられます。そもそも「夏風邪」とは、梅雨から夏季にかけて流行するウイルス感染症の総称。発熱、のどの痛み、鼻汁、せきなどが主な夏風邪の症状で、下痢や腹痛を伴うこともあります。

 厚生労働省作成の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによると、初期症状は多くの症例で、発熱、呼吸器症状(鼻づまり、鼻水、咽頭痛、せき)、頭痛、倦怠感などとなっており、医師であっても夏風邪と新型コロナウイルス感染症を症状のみで見分けることは非常に難しいと言われています。もし風邪のような症状があった場合には、自分で判断せず医療機関に相談しましょう。

 新型コロナと同じく、夏風邪の原因もウイルスです。ウイルス感染の多くは、せきやくしゃみなどによる飛沫感染です。マスクの着用、手洗いうがいをこまめに行うことを徹底することで予防へとつながります。

 特に夏は暑さで寝苦しく、睡眠不足になったり、食欲が落ちて栄養不足になったりすると免疫機能が低下しやすくなります。また、冷房が効いた室内と暑い室外で気温差や湿度差が大きいと、自律神経が乱れて体温調節ができなくなります。

 風邪のウイルスが体内に入ると、鼻水やせき、のどの痛み、発熱などの症状が出ます。これらの症状は、体内の免疫システムが正常に作動している証拠です。回復が早ければいいのですが、免疫機能が低下していると、逆に症状をこじらせ長引かせてしまいます。


風邪をひいてしまったときの食事

 風邪が悪化しているときは、体力を消耗する一方で消化吸収力が低下しています。消化のいい食事を基本にして、エネルギー源となるご飯、パン、麺類などの糖質の多い主食をしっかり取るようにしましょう。

のどが痛いとき  

 食材を小さく切って飲み込みやすいようにやわらかく調理します。熱すぎるものや辛いものは、のどへの刺激が強いので避けましょう。

熱があるとき  

 脱水症状をさけるためこまめに水分補給をすることが大事。食事も、スープや雑炊、おかゆなど、汁気が多いものを積極的に取り入れていきましょう。

下痢のとき  

 普段よりも多量に体から水分が排出されるため、水分不足になりやすく、ミネラルバランスも崩れがちです。水分とミネラルを補いましょう。腸の働きが鈍り、栄養素が吸収されにくい状態のため、消化のいいものを摂ることがポイント。

「風邪かな?」と思ったら、体を温め、温かい食事を取り、安静にして十分に睡眠を取り入れながら長引かせないようにしましょう。

(出典:https://diamond.jp/)


■免疫機能を低下させない!

 新型コロナウイルスも夏風邪も、ウイルス感染で起こる病気。健康的な食習慣を普段から心掛けることは、ウイルスに負けない体づくりにもつながります。免疫機能を低下させないためにはどんなものを食べ、どんな生活習慣をしたらよいのでしょうか?


免疫を低下させない食事

 免疫機能を低下させないための食事としては右表のような栄養素を摂ることが大切になります(管理栄養士:岡田明子氏)


免疫機能の維持・アップのための生活習慣

 免疫力アップに大切なことは、適度な活動性と休養のバランスからだを温めること、ストレスを減らすこと、そして腸内環境を整えることです。

 免疫は、日中の活動中に高まり、夜になると低下します。免疫力を高めるためには、決まった時刻に起きて食事を摂り、しっかりとからだを動かすこと。“活動”と“休養”という一定のリズムを保つことが大切なのです。しかし外出自粛やテレワークにより生活のリズムが崩れ、朝寝坊や夜更かしから抜けられない人が増えました。さらに「コロナが怖い」と、家から一歩も出ず、まさに“不活動”に陥る高齢者もたくさんいます。


精神的ストレスは免疫の大敵!十分な休養と睡眠がカギ

 睡眠不足や精神的ストレスも、免疫力を落とす大きな要因のひとつです。睡眠時間が少ないほど風邪を引きやすいことがわかっています。また精神的なストレスが高まる仕事が多いときほど唾液中の抗体の一種IgA(免疫グロブリンA)が低下しているそうです。

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 康復医学学会が推奨する「ラフマ葉エキス」には、精神的なストレスを改善し、質の良い睡眠に良い影響を与えるエビデンスがあります。


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愛・感謝 村雨カレン

2022年8月18日木曜日

高齢者・認知症と睡眠

 認知症と睡眠の関係

 アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の1つとされています。入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかっています。

 脳のごみ掃除は夜中に行われます。脳には「グリア細胞」と呼ばれる細胞がニューロンの何倍もあり、ニューロンに栄養を渡すことでその働きをサポートしています。眠っている間はこのグリア細胞が収縮するため、細胞間の隙間が60%も広がると考えられています。ぐんと広くなった隙間に脳の中で作られている脳脊髄液がどんどん流れてくるので、ごみの排出が活発になります。睡眠中こそ、最高のクリーンアップ・タイムというわけです。

 よって、いかに睡眠の質を上げるのかが大事ですが、最近の研究では昼寝の習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされています。注意点は、1時間以上の昼寝の習慣は、逆にアルツハイマー型認知症になりやすいという事です。

 認知症患者は体内時計の調節障害がより強く現れ、深部体温やメラトニン分泌リズムが平坦化・不規則化して昼夜の差が不明瞭になるため、昼夜逆転による日中の過剰な眠気、夜間の不眠や中途覚醒などの睡眠障害が高い頻度で認められます。

 その傾向は午後1~3時にかけて最も強く現れると報告されていますので、眠気の出たお昼間に20~30分程度昼寝をすることをおすすめします。20~30分で起きる自信がない方は、カフェインは飲んでから15分ほどして効果が出てきますので、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むと良いかもしれません。

 短時間の昼寝は脳疲労の軽減と機能回復をもたらし、就寝までの覚醒状態を適正に維持する効果が期待できます。

 また、昼間に適度な運動を行うことはメラトニン分泌を介した睡眠周期の調節を正常にして、睡眠・覚醒パターンを規則化するのに有効であることが示唆されていますので、睡眠のリズムがうまくいっていない方は、昼寝を20~30分程度行い、その後適度な運動を行うことがベストのようです。

 高齢者での激しい運動は逆効果となる報告があり、適正な運動強度は散歩や屋内での掃除、階段昇降程度とされています。               

(出典:https://obata-naika.jp/)


■年齢とともに睡眠は変化する

高齢者・認知症と睡眠

 年齢とともに体力が落ち、老眼になり白髪が増える――それと同じように睡眠にも変化が生じます。

 第一の変化は早寝早起きになること。これは体内時計の加齢変化によるもので、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

 そして第二の変化は"睡眠が浅くなる"ことです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音でも目が覚めてしまうのです。


認知症の睡眠問題

 認知症の方では、同年代に較べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。

 認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、強い眠気や誤嚥、転倒・骨折などのために生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。認知症の方の睡眠障害への対処法として、「なるべく日中に刺激を与えて覚醒させる」「規則正しい日課で生活リズムを保つ」「夜間睡眠の妨げになる原因をなくす」ことを心がけましょう。


睡眠薬は効きやすくなるので注意を!

 認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く(少量で効きやすい)、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。睡眠薬の前に、「ラフマ葉エキス」など、安全性が十分確認されているサプリメントを使用することをお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年8月11日木曜日

HSP

 騒音、雑音とストレス

 騒音の激しい場所にいるとイライラしてしまいます。集中できなくなるだけではなく、「騒音の大きい場所に住むと太る」というスウェーデンのカロリンスカ医科大の研究(2014年)があります。5156人を対象に、騒音と肥満の関係性を統計的に調べたところ、空港、鉄道、大きな幹線道路などの近くに住む人は、相対的に体脂肪の量が多かったそうです。個人差もありますが、女性だけで言えば、騒音が5デシベル上がるごとにウエストが1.51センチ増えることも数字上で明らかになったといいます。

 騒音の刺激を受けると、ストレスによってコルチゾール、すなわちストレスホルモンが分泌されます。ですからコルチゾールが増えることで食欲は増え、睡眠の質も下がります。当然、太りやすくなってしまうわけです。そのため、音が激しい場所、たとえばカラオケボックスやゲームセンターなどでストレスを発散したい場合は、自分で気分転換と思える程度がいいでしょう。付き合わされて、騒音に聞こえるようだったら黄信号。また、過剰なコルチゾールの分泌は、プランニングや論理分析に関与する脳の前頭前野の働きを阻害するともいわれています。音がうるさくて集中力が欠けてしまうのです。

 一方で、雑音が数多く意識に入ってくるということは、それだけ多くの情報を脳が処理しているといわれ、創造性を与えるという指摘もあります。

 私たちは情報が入る際に、「感覚情報のゲーティング」と呼ばれる情報の取捨選択を自動的に見分けてフィルタリングしています。情報のフィルタリングに"漏れ"が多い人は、一般平均よりも広い範囲から雑音を含めた刺激を受け取ってしまうといいます。雑音を拾ってしまう人は、本来であればフィルタリングされ、シャットアウトされるかもしれなかった情報に気が付くため、創造性豊かな人物になりえる可能性があるのです。

 イリノイ大学の研究(2012年)によると、比較的静かな環境(50デシベル/書店の店内や役所の窓口周辺など)よりも、適度な周囲の雑音(70デシベル/コーヒーショップの店内、ファミレスの店内など)、たとえばカフェなどの場所のほうが創造性を求められる仕事においては被験者たちのパフォーマンスを向上させたという報告もあります。

 ただし、騒音に近い雑音(85デシベル/パチンコ店内やゲームセンター内など)においてはパフォーマンスが低下してしまうという結果も明らかになっています。

 むしろ、あまり雑音を気にせず仕事がはかどるという方は、人よりもいろいろな情報が入ってくるため、結果的にそれらを結合して、とんでもないアイデアを思いついたりすることができる――といった可能性を秘めています。

 少し賑やかな場所で仕事をしたいという方は、雑音以上、騒音未満こそが創造力を向上させストレスにならない空間といえるでしょう。      

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■音や光に過敏な"HSP"

 世の中にはHSP(Highly Sensitive Person:非常に敏感な人)と呼ばれる、外界の刺激や体内の刺激にきわめて敏感に反応してしまう気質の人がいます。

 このところ、新型コロナウィルスの流行により、ニュースや街中の雰囲気が以前と変わりつつあります。在宅時間が長くなるにつれ、家族と過ごす時間の増加や、ニュースで見る世間の様子に落ち込みや疲れやすさを感じている人は、もしかすると、その原因はHSPという気質に由来しているのかもしれません。

 特になじみのない環境では、他の人が感じないほどの些細な刺激でも神経がたかぶる傾向があり、神経系の興奮が長引き、疲れやすくなります。HSPと想定される人は、全人口の15~20%と推定されています。また、高齢になるほど刺激に敏感になりやすく、状況によっても敏感さは変化するといわれています。HSPは生まれながらに持った気質です。個人差が大きいといわれますが、共通する特性として「周囲の些細な変化に気づきやすい」「小さな刺激に敏感に反応する」「情報を深く処理する傾向がある」などが挙げられます。

 HSPには一人で過ごす時間を好み、空想力や直感力に恵まれた人がいる一方で、新しい刺激を好み、人との関わりを求めるため疲れすぎてしまう人もいます。HSPの特性を備えつつ刺激を求めて行動する人をHSS(High Sensation Seeking)型HSP、そうでない人(非HSS型HSP)と区別する場合もあります。


発達障害や適応障害との違いは?

 発達障害は、脳機能の発達のかたよりが原因で、対人コミュニケーション能力や問題解決能力などの低下がみられる状態です。HSPの特性は発達障害と似ているものもあるため、間違われることがあります。HSPを発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と比べると、表のような共通点と相違点があります。

 適応障害は職場や家庭などの環境ストレスが大きすぎて、自分の能力をうまく発揮できず不適応に陥った状態です。音や光、感情などの刺激に敏感に反応するHSPの特性が原因で、適応障害をきたすことがあります。

 HSPの過敏さには、神経伝達物質「セロトニン」も関係しています。脳内に存在するセロトニンには扁桃体の興奮を鎮める役割がありますが、生まれつきセロトニンが少ない人や働きが弱い人は、結果として扁桃体が過敏な状態になってしまうことがあります。

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 康復医学学会の研究する「ラフマ葉エキス」には、脳内セロトニンの増加作用が認められており、また、セロトニンのセロトニン神経通過性を安定させる働きもわかっています。


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愛・感謝 村雨カレン

2022年8月3日水曜日

認知症の原因

 定年後、認知症になりやすいタイプは?

 認知症の年齢別有病率は右表の通りですが、認知症リスクは糖尿病や高血圧など生活習慣病との関係が深いと考えられています。

 定年退職後、60代といった比較的若年で認知症になる人は、現役時代に、十分な睡眠時間が取れていなかったり、食生活が乱れていたり、血管や神経にダメージを与え続けている生活を送っているケースが多いといいます。

 たとえば、アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が減っていき、正常な脳の働きが失われていきます。糖尿病の患者は健康な人と比べ認知症リスクが2倍ほどになります。糖尿病ではAGE(糖化最終生成物)という物質が大量に蓄積します。AGEは体内に活性酸素を排出し、神経細胞を変性させます。活性酸素はからだをサビさせる老化の原因であり、認知症に限らず万病のもとです。

 また、歯周病の患者も認知症を発症する確率が高いことが分かっています。九州大学の研究チームは、歯周病菌を投与したマウスはアルツハイマー型認知症において増加するアミロイドβが10倍近くも増えたと発表しています。

 そして、現役時代のストレスも関係します。人間の脳は、ストレスがかかるとノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が放出され、神経が興奮状態になります。退職時の役職が部長クラスという人は、社長や役員、そして万年平社員と比べ、退職後の平均余命が短いといった傾向もあります。上司と部下の間で追い詰められストレスが多い立場の人は、神経に負荷がかかっており、これもまた認知症のリスクが上がる可能性があります。

 睡眠時間については、2021年の科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』の発表で、約8000人を50歳から約25年追跡調査したデータによると、睡眠時間6時間以下の場合、7時間に比べ、認知症のリスクが高いことが分かっています。また、短い睡眠持続時間が継続する状態は認知症リスクが3割増加しています。

 大企業でそれなりに出世するような真面目で周囲に気を使う人は、ストレスも多く、多忙を理由に食事や睡眠をないがしろにしやすいという意味で、同世代に比べて認知症が発症しやすいタイプであると言えるかもしれません。     

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■認知症の原因は脳の病変とストレス

 認知症の原因には、脳そのものの病変による一次的要因と、脳以外の身体的、精神的ストレスによる二次的要因があります。

 まず一次的要因には、脳萎縮性変化(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)、血管性変化(血管性認知症)、内分泌・代謝性・中毒性疾患(甲状腺機能低下症、アルコール性認知症など)、感染性疾患(クロイツフェルト・ヤコブ病、脳梅毒による進行麻痺)、手術による効果が 期待できる正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍といった疾患があります。このように認知症を起こす原因はたくさんあるのです。

 二次的要因には、環境の変化や人間関係、不安、抑うつ、混乱、身体的苦痛などがあります。入院や転居といった環境の変化で認知症が出現することや、骨折や貧血など体の変化により認知症がひどくなることがよくあります。配偶者の死や定年退職をきっかけに認知症が始まった例も少なくありません。

 二次的要因を見つけて適切な対策をとるのが実は最も重要で有効な方法なのです。


主な一次的要因について

 アルツハイマー病あるいはアルツハイマー型認知症では、大脳の神経細胞の萎縮と「老人斑」と呼ばれる変化が見られるのが特徴です。原因は不明ですが、アミロイドβ(たんぱく質の老廃物)が多量に蓄積し、神経細胞や神経のネットワークが破壊されることが分かっています。

 頭部CTなどの検査をすると、中年期以降に大脳、とくに記憶中枢のある側頭葉の海馬と呼ばれる部分の萎縮が認められます。物忘れから始まって徐々に進行しますが、運動神経は侵されないので初期には体はよく動きます。進行が緩やかになることはあっても、次第に大脳機能が喪失して寝たきりになっていくのです。

 アルツハイマー病は、記憶、思考、行動に問題を起こす脳の病気で、40歳後半から65歳未満に発症します。アルツハイマー病を原因疾患として認知症に至った場合は、アルツハイマー型認知症と呼ばれます。認知症の原因として最も多くみられます。

 初期段階であれば記憶力改善に塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)などが使われます。認知症治療薬の中でも古くから使用されており、国内外とも大きなシェアを占めています。しかし、脳の萎縮そのものを治すものではありません。認知症が進行すれば、数年で薬の効果は期待できなくなるといいます。

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 康復医学学会では、脳血管障害やアルツハイマー型認知症に対して、「HM-3000(特系霊芝)」による微小循環血流の総合的改善の促進と、「ラフマ葉エキス」による仮性認知症への対策(うつ病合併抑制)をお勧めしています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年7月28日木曜日

老化を速めるもの

 老化スピードは同年齢でも大きな差!

 世の中には、同じ年齢なのに若く見える人と老けて見える人がいます。実際に生物学的な老化のスピードには大きな個人差があり、45歳時点で生物学的な老化が進んでいる人は、認知機能や身体機能の老化も進んでおり、見た目も老けて見えることが、ニュージーランドの研究で示されました(20210315付Nature Aging誌電子版に掲載)。


 一般に、年齢が上がるにつれて心臓病、糖尿病、がんなどの慢性疾患リスクが上昇し、筋力、聴力、記憶力などは低下していきます。高齢者に対する年金制度や福祉政策は、原則として実年齢に基づいて対象者を限定していますが、実際には元気で自立した生活を送れている90代もいれば、60歳未満なのにいくつもの病気や認知機能の低下に苦しんでいる人もいます。つまり実年齢だけを指標にする支援システムは完全とは言えないのです。

 また、高齢になるほど発症リスクが高まる慢性疾患は、生物学的な老化を遅らせることによってまとめて予防できる可能性があります。予防効果を最大にするためには、そうした努力を中年期には開始する必要があると考えられています。


 今回の研究は、実年齢が同じ人々の生物学的な老化のスピードを比較したものです。分析対象となったのは、ニュージーランドのダニーデン市に住む1972~73年生まれの1037人。これらの人たちの、26歳から45歳までの20年間の老化の進行を追跡しました。

 具体的には、心血管系、代謝系、免疫系、腎臓、歯、肺の機能を反映する19のバイオマーカーの状態を26歳、32歳、38歳、45歳の時点で評価し、参加者1人1人について、個々のマーカーの年間変化率を合わせて老化速度としました。

 老化のペースが速い人は、認知機能検査のスコアも悪く、45歳時点でも様々な種類の認知機能に低下が見られました。また、老化速度が遅い人に比べ、早い人では、45歳時点のIQが有意に低くなっていました。日常生活においても、記憶力が低下しており、注意に欠けることが多く、たとえば財布や鍵、眼鏡などを置き忘れる、用事をし忘れる、といったことを経験する頻度が高いことも分かりました。

 フレイル(転倒リスク、介助が必要になるリスク、死亡のリスクが高い虚弱状態)の高齢者を同定するために用いられる感覚・運動機能(歩行速度、握力、視覚コントラスト感度、聴力)の評価の結果も、老化のペースが早かった人では、軒並み低くなっていました。


 得られた結果は、人間の生物学的年齢には45歳の時点で統計学的に有意な差が生じており、老化のペースが速い人には、加齢に関係する機能の低下が生じていることを示しました。

 研究者らはまた、「老化のペースが速い人には、実年齢ではなく、生物学的な年齢に基づく支援を行う社会の構築が必要ではないか」との提言も行っています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■サビとコゲで加速する生物学的年齢

 過剰な「活性酸素」が体をサビ付かせ、老化を速める 

 体内で発生した「活性酸素」には、免疫機能の一部として体内に侵入した細菌などの異物を攻撃する働きなどの役割があります。しかし、活性酸素が過剰に発生すれば、体を酸化させて老化や病気の原因になってしまいます。体に取り込まれた酸素は細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝に利用されますが、代謝の過程で1~2%が活性酸素に変化し、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ傷つけます。活性酸素により酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜は機能を失い細胞は死んでしまいます。ミトコンドリアをはじめ細胞の内外にはSODなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し無毒化しますが、抗酸化酵素の活性は加齢に伴って低下します。こうして活性酸素の攻撃と抗酸化酵素の防御のバランスが崩れると細胞は酸化により損傷し、老化が少しずつ進行していくのです。

「糖質+たんぱく質」が体をコゲ付かせ、老化を促進する 

 「糖質」は適量であれば体の中でエネルギー源として利用されますが、多すぎる糖はたんぱく質を糖化させて最悪のコゲ=老化物質「AGE(終末糖化産物)」を生成・蓄積させます。AGEは、肌や血管、骨、脳など、細胞全般を生物学的に老化させてしまうのです。

 酸化と糖化は連動している 

 活性酸素によって体が酸化ストレスの攻撃を受けると、たんぱく質や糖質がその影響を受けて糖化が進み、AGEが発生しやすくなります。逆にAGEは、RAGE(AGEの受容体)に結合して、NADPH酸化酵素の発現を促し、ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)の産生を促進させ、酸化ストレスを作り出します。

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【対策】 抗酸化×抗糖化 で老化に歯止めを

 ストレス、喫煙、紫外線などは、体内の活性酸素発生量を増大させ、老化を一段と加速させます。老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、抗酸化物質の活性を高める運動や抗酸化食品をとり入れることが必要です。

 また、抗酸化酵素が糖化されると活性が低下しますので、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが大切です。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、強い抗酸化作用を持つ酵素、GHS-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生を促し、さらにHbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成阻害作用が確認されている2,3-DPG(グリセリン2,3ーリン酸)の産生促進にも影響を与えます。HM-3000は、まさに抗老化生薬といっても過言ではありません。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

LDLコレステロール

 LDLコレステロールの誤解

 健康長寿のためには、動脈硬化のもととなるLDL(悪玉)コレステロールのコントロールが欠かせません。しかし、LDLの数値を生活習慣の改善だけで下げるのは難しく、中性脂肪のように、食べ過ぎや飲酒を抑えて運動すれば減りやすい、というわけではないからです。

 そもそも、LDLコレステロールについては、誤解されていることが少なくありません。よくある誤解の1つは、「運動を実践すれば、LDLコレステロールは確実に下がる」というもの。「コレステロールは油の一種なのだから、運動して体脂肪が減れば下がりそう」と思う人がいても不思議ではありませんが、実際はそうではありません。

 脂質異常症に詳しい千葉大大学院医学研究院の横手教授は、「中性脂肪やHDL(善玉)コレステロールはジョギングやウォーキングなどの有酸素運動で改善するが、LDLコレステロールはそれらに比べ運動では下がりにくいとされている。エネルギーとして使われる中性脂肪と違って、コレステロールは運動で消費されるわけではないからだ」と解説します。

 エネルギーとして使われる糖や中性脂肪と違って、コレステロールは細胞膜やホルモンの"材料"になるもの。運動しても使われることはありません。有酸素運動をすると中性脂肪は減りますが、LDLコレステロールは運動だけではなかなか減らないのです。

 もっとも、減りにくいというだけで、運動も意味がないわけではありません。LDLコレステロールを下げる効果は多少なりともあるので、運動は推奨されています。運動によって血糖値を下げるインスリンというホルモンの効き目が良くなり、血糖値や血圧が下がることで、LDLコレステロールも下がりやすくなるそうです。

「卵は1日に何個食べても大丈夫」というのも大きな誤解です。

  昔は「卵は1日1個まで」などと言われましたが、あるときから「1日に何個食べても大丈夫」という情報が出回るようになり、今でもそう思っている人は多いかもしれません。

 確かに、コレステロールは7割以上が体内で合成されるので、食事の影響が少ないのは事実です。さらに『日本人の食事摂取基準2015年版』でコレステロールの上限値がなくなったこともあり(*1)、コレステロール制限は時代遅れと思っている人もいるでしょう。しかし、コレステロールの制限が必要ないのは、あくまで健康な人の場合です。LDLが高い人は、体内のコレステロールのうち2~3割は食事から来ることを無視すべきではありません。

*1 : 2020年版には「脂質異常症の重症化予防の目的からは、200 mg/日未満に留めることが望ましい」と記載。

 横手教授は「LDLが高い人がたくさんコレステロールをとれば、さらに上がる可能性があるので、とりすぎないほうがいい」と注意します。実際、『動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版』でも高LDLコレステロール血症の人はコレステロールの摂取量を1日200mg未満に抑えることを推奨しています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■動脈硬化とLDLコレステロール

 コレステロールは生命を維持するために必要不可欠な成分でもあるため、「数値が低すぎるのはよくない」「多少多くても問題ない」と思う人もいるようです。実際、ネット上の情報には、そういったことを示唆する情報もあります。

 しかし、これはよくある誤解で、LDLコレステロール値が上がれば動脈硬化のリスクは増え、下がれば動脈硬化のリスクは減ります。LDLの量が問題になる病気は動脈硬化だけで、そして動脈硬化とLDLの関係はいたってシンプルです。

 LDLコレステロールが低すぎると死亡率が高くなるというデータはあるものの、それはがんや肝硬変などの患者が混じっているためだそうです。

コレステロールはもともと体に必要なものですから、がんの人や衰弱してやせ細った人はLDLコレステロールが低くなっています。LDLコレステロールが低いから弱っているのではなく、弱っているからLDLコレステロールが低いのです。少なくとも動脈硬化を防ぐためには、LDLコレステロールは低ければ低いほどいいと言えるのです。

 ただし、気をつけなければいけないのは急に下がってきたとき。「薬を飲んでいるわけでもなく、食事も変えてもいないのに下がってきたという場合は、何か病気が隠れているのかもしれない」と横手教授は注意しています。そんなときは早めに医療機関を受診しましょう。


血管内皮細胞の損傷→動脈硬化

 血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。右図のように損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし血管が狭くなり、その結果動脈硬化となってしまいます。血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする血管を円滑に維持しています。NO(一酸化窒素)の産生が低下すると、血管が収縮し炎症を起こしやすく、動脈硬化になりやすい血管になります。また、生活習慣などの影響で過剰になった活性酸素による酸化ストレスにより動脈硬化も進行します。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、NOの産生促進、酸化ストレスに対する酸化還元酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化に関するエビデンス(科学的根拠)があります。また、霊芝はそれ自身の働きとして、直接血漿コレステロールを低下させる作用が認められています*。(*2016年:日本メナード化粧品・岐阜大学)


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年7月14日木曜日

パーキンソン病

 パーキンソン病、一酸化窒素の役割

 加齢とともに手足の震えやこわばり、緩慢動作などの症状が出るパーキンソン病は、ドーパミンを作る神経細胞の機能が損なわれ、減少することで起きるとされます。

 2013年に奈良県立医科大学、京都大学、三重大学の研究チームは、体内に存在するNO(一酸化窒素)*が、パーキンソン病によって働きが低下しているたんぱく質「パーキン(parkin)」を活性化することで、神経細胞の機能障害を防いでいることを突き止めています(当時、この研究論文は英国の科学雑誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載されています)

 パーキンソン病では、神経細胞に不要なたんぱく質が蓄積することで、神経伝達物質であるドーパミンの分泌などの機能を傷害すると考えられています。この蓄積する"ごみたんぱく質"を分解するのが「パーキン」です。

 研究チームは、培養したヒトの神経細胞を使って、蛍光を発するようにした"ごみたんぱく質"がパーキンによってどの程度分解されるかを調べました。その結果、NOを3時間加えた場合はパーキンの活性が増し、加えない場合の2倍ほど高い分解効果がありました。

 さらに、NOを長時間加え続けると、逆にパーキンの活性が低下してくることも発見。これはNOが「パーオキシナイトライト」という物質に変化することでパーキンが不活性化され、細胞が機能障害を起こすことがわかったのです。この研究により、NOがパーキンソン病の発症の抑制と促進の両方に働いていることが明らかになりました。

 研究チームは「NOを増やす薬剤を開発できれば、新たな治療薬となり得る」として、新しいパーキンソン病治療薬ができることが期待されていましたが、現段階では、その薬はいまだに世に出てきてはいません。

*NO(一酸化窒素):窒素と酸素からなる無機化合物。人体内で血管を弛緩させ、血圧を下げる働きがある。一酸化窒素を発生させるニトロ製剤は、狭心症の特効薬として広く使われている。一酸化窒素の機能の発見により、1998年のノーベル生理学・医学賞がフェリド・ムラド、ロバート・ファーチゴット、ルイ・イグナロの3氏に授与された。その後の研究で、一酸化窒素はパーキンソン病の発症にも関係していることが分かってきたが、詳しいメカニズムは不明だった。一酸化窒素がパーキンソン病を治す方向に働くのか、悪くする方向に働くのかも研究者によって異なる結果が出ていた。


■パーキンソン病対策

 パーキンソン病は脳の「黒質」という部分で、運動の指令にかかわる神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞が減って起こるとされます。治療は、ドーパミンを補充する「L-ドーパ」の服用が主体ですが、何年か使い続けると効果の持続時間(オン)が短くなり、効果が切れて動きにくいなどの症状が出る(オフ)時間が出てきます。服用量を増やすと、自分の意志とは無関係に手足が動くジスキネジアという症状が出やすくなります。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、NO(一酸化窒素)の産生に関するデータがあります(①表)。そして、「ラフマエキス」には、ドーパミンおよびノルアドレナリンに影響するデータがあります(②表)。NOに関わる医薬品としては、ニトログリセリンやバイアグラなどもありますが、常用としては適していません。そして、NOのような気体が多量に血管内に存在すると血栓ができやすくなる傾向があります。

「HM-3000(特系霊芝)」及び「ラフマエキス」は、生薬類似食品なので医薬品のような副作用もなく常用しても問題はありません。

 また、「コエンザイムQ10」には、パーキンソン病に関して、1200mg/日の投与群において病態の進行抑制が認められたという研究データがあります。

いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン