2014年9月4日木曜日

エボラ出血熱だけでない身近な「DIC」

エボラ出血熱で発症するDIC

今世紀最大の感染症で感染者の5割が死に至る「エボラ出血熱」は、西アフリカで猛威を振るっています。

 世界保健機関(WHO)のまとめによると感染者は疑い例を含めて3,069人に上り、そのうち1,552人(7月26日現在)の死者を出しています。

 エボラ出血熱の大きな問題は、感染力が強いのに加え、治癒する可能性が低いことです。致死率は最高で90%とされ、今回の流行でもおよそ50%の人が亡くなっています。

 WHOは6~9ヶ月での収束を目指すとしながらも、感染者は最終的に2万人を超える恐れがあるとの見解を明らかにしています。

 エボラ出血熱は、体内に侵入したウイルスが細胞内で急激に増殖、次々に細胞を破壊します。そして、壊された細胞の断片が刺激となり、全身の血管で血小板が凝集し、止血に必要なフィブリノゲンというたんぱく質も固まってしまいます。その結果、血液中の未使用の血小板やフィブリノゲンが極端に減少、止血する力を失います。これが原因で消化管や口腔、目、鼻、耳などから出血し死に至ります。この現象を「播種性血管内凝固症候群(DIC:disseminated intravascular coagulation)」といいます。

 このDIC、エボラ出血熱のようなウイルス感染症だけでなく、身近な事でも発症することは意外に知られていません。DICは、細菌感染、熱傷、外傷、妊婦合併症、がんなどでも起こることがあり、対策を怠ると命取りにもなります。
 熱傷、外傷では破壊された組織が原因となり、がんではがん細胞が一気に壊れて起こります。妊娠では胎盤早期剥離などで、胎盤成分が血液中に入ることが引き金となります。そして、これらの状況が進行し各臓器への血流が悪化し、多臓器不全へと進みます。
 普段は血液の凝固と溶解の絶妙なバランスの上に成り立っている血液の流れは、ひとたび崩れると現代の医療でもコントロール不能な状況になるのです。
 DICの予防対策としては、その原因となる疾患の対処はもちろんですが、微小循環血流に対するケアも怠ってはなりません。
(東京新聞2014/09/02)

■DIC(播種性血管内凝固症候群)

播種性血管内凝固症候群(DIC)は、全身の細小血管内で微小血栓が多発して、臓器不全、出血傾向のみられる予後不良の病気です。さまざまな重症基礎疾患が原因で血液凝固反応が活性過剰となり、生体内の抗血栓性の制御能が十分でなくなることで起こります。

制御不能の凝固促進物質

急性前骨髄球性白血病・前立腺がん・肺がんなどの悪性腫瘍、前置胎盤早期剥離・羊水塞栓などの産科的疾患、その他、敗血症・熱傷・外傷などの基礎疾患が悪化すると、生体内の抗血栓性の制御をはるかに超える大量の凝固促進物質(組織因子)が血管内に流入(出現)してしまうことがあります。これがDICの原因と考えられています。

虚血性循環障害から臓器障害

DICでは、全身に多発する血栓形成に伴って血小板や凝固・線溶因子(出血を止めるために生体が血液を凝固させる一連の作用)の消費・欠乏状態を起こして、右写真のような皮膚の紫斑や点状出血、下血、血尿など全身の出血傾向を生じます。
 また、多発する微小血栓のために虚血性循環障害を生じ、さまざまな臓器症状(腎臓での乏尿、無尿、肺での呼吸困難、消化管では急性潰瘍による下血、中枢神経系では意識障害など)を生じ、進行すると多臓器不全に至ることもまれではありません。

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 DICに対する医療現場での対処としては、原因となる基礎疾患の治療が極めて重要になってきます。しかし、基礎疾患の除去は容易でなく、しかも時間のかかる場合が多く、実際には抗凝固療法などでDICをコントロールしつつ、基礎疾患の治療を行うことが基本になっています。
 正常な血管内では、本来、血管内皮の抗血栓性や血液中の抗凝固因子の働きにより“血液は凝固しないような仕組み”があり、良好な血流を保ち微小循環の環境を維持しています。しかし、脂質異常症や糖尿病、高血圧、ストレスの蓄積、喫煙、加齢などが血流の低下を招き、微小循環の環境を低下させます。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、医薬品のように血栓そのものを溶かすのではなく、形成し始めると次から次へと形成が続く血栓に対しての抑制作用があります(データあり)。また、抗血栓の働きを持つ“血管内皮細胞の活性”に必要な一酸化窒素の分泌促進に関するエビデンス(科学的根拠)があります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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