2015年9月25日金曜日

乳がん

マンモグラフィに意味はあったのか!?

マンモグラフィは乳がんを早期発見する狙いで広く行われています。しかし、発見されたがんを治療しても余命はあまり変わらないと思われる場合があります。症状がないときに検査で病気を発見することの意義は、近年しばしば議論されています。
 そんな中、マンモグラフィの効果についてカナダの患者データベースから分析した結果、「乳がんによる死亡を減らせていなかった」という報告がなされました。

 研究チームは、以下の方法で、毎年マンモグラフィ検査をすることの効果を調べました。研究のための情報は、「1980年~1985年にかけて、カナダの6州にある、15か所のスクリーニング施設」で集められました。
 研究参加者〔40歳~59歳の女性89,835人。5年間毎年マンモグラフィによるスクリーニングを受けるマンモグラフィ群と、マンモグラフィを全く使わない対照群にランダムに振り分けられた〕。
 参加者はマンモグラフィによるスクリーニングに加えて、以下のケアを受けました。マンモグラフィ群の40歳~49歳の参加者と50歳~59歳のすべての参加者は、年に1度、乳房の身体診察。対照群のうち40歳から49歳の参加者は、1度だけ身体診察を受けた後、地域で行われている通常の乳がんのケアを受診〕。

 調査報告によると、結果は以下の通りでした。〔5年の検査期間中、マンモグラフィ群44,925人から666件、対照群44,910人から524件の浸潤性乳がんが診断された。そのうち検査後25年のフォロー期間中に乳がんで死亡した人は、マンモグラフィ群で180人、対照群で171人だった〕。ということで、検査期間中に診断された乳がんによる死亡率には統計的に有意な差がありませんでした。

 さらに、研究中に乳がんと診断された人についても、調査を進めました。〔全研究期間中に乳がんと診断された人はマンモグラフィ群で3,250人、対照群で3,133人で、そのうち乳がんによる死亡は前者が500人、後者が505人だった。このように、全研究期間にわたって累積した乳がんによる死亡率は、統計的に有意な差がなかった〕。

 つまり、マンモグラフィを5年間毎年行ったか行わなかったかによって、25年後の乳がんによる死亡率は変わっていませんでした。研究チームは「40歳から59歳の女性に毎年マンモグラフィを使っても、身体診察または通常のケアの効果に加えて乳がんによる死亡率を改善することはできない」と結論しています。
BMJ (Clinical research ed.)

■乳房のしくみと乳がん

乳房は、出産時に乳汁を分泌する大切な役割をもつ皮膚の付属器官です。その中には「乳腺」と呼ばれる腺組織と脂肪組織、血管、神経などが存在しています。
 乳腺組織は、15~20の「腺葉」に分かれ、さらに各腺葉は多数の「小葉」に枝分かれしています。小葉は乳汁を分泌する小さな「腺房」が集まってできています。各腺葉からは乳管が1本ずつ出ていて、小葉や腺房と連絡し合いながら、最終的に主乳管となって乳頭(乳首)に達します。 

乳がんは乳房の中にある乳腺にできるがん

乳がんは、この乳腺を構成している乳管や小葉の内腔(内がわ)を裏打ちしている上皮細胞から発生します。
 がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっているものを「非浸潤がん」あるいは「乳管内がん」、乳管や小葉を包む基底膜を破って外に出ているものを「浸潤がん」といい、この他、非浸潤がんが乳管が開口している乳頭に達して湿疹様病変が発生する「パジェット病」の3種類に大別されます。
 同じ乳がんであっても、細胞の性格はおとなしいものから活発なものまでさまざまで、患者さんによって違います。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」のがんに対する作用に関しては、この通信でも何度かお伝えしています(当学会ホームページ⇒http://www.koufukuigaku.org/もご覧ください)が、乳がん領域においても様々な研究者らによって効果的な作用が報告されています。
 その一つに、“霊芝はエストロゲン受容体の発現量の低下とNF-κBシグナル伝達を介して乳がん細胞の増殖を抑える”という報告(2006年)もあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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