2019年12月11日水曜日

食用塩の表示

体に良い塩、摂っていますか?

「塩は高血圧の原因だから塩分は控えたほうがいいよ!」このような言葉に惑わされて、減塩ばかりを考えていませんか? 実は過度な減塩は逆に健康を害する恐れがあります。
 そして、基本調味料(砂糖、みりん、塩、酒、酢、醤油、味噌)を選ぶ際に、一般消費者が一番わかりにくく、誤解の多いのが"塩"なのです。

 塩は高血圧などの不健康の原因と言われ、減塩に取り組む方が近ごろ多いようですが、塩の摂取量と血圧の上昇は必ず結びつくとは限らないことが明らかになっていて、塩の摂取量に応じて血圧が上がる人もいれば上がらない人もいます。減塩すればよいということではないのです。逆に過剰な減塩は健康を害する恐れがあります。人間の血液の塩分濃度は0.9%を保つ必要があり、それで体液のバランスを保っています。そのため、塩分が不足すると細胞の働きが悪化し健康被害に襲われるリスクがあります。そして塩には体を温める作用もあるため、減塩して体の塩分が不足すると冷え性などが起こることもあります。

 また、減塩で問題となるのはミネラル不足です。ミネラルとは糖質や脂質、たんぱく質やビタミンと並ぶ五大栄養素の1つ。人が生きるために不可欠なカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などを含みます。通常、塩のミネラル分という場合はマグネシウムを指すことが多いようです。また、健康上でも、マグネシウムによる効果が大きいのです。
健康のためにはミネラルを含む塩を適度に摂った方が良いですが、ミネラルをほとんど含んでいない塩も存在しています。

■摂るべきではない塩:

「精製塩」「食塩」と呼ばれる塩です。これらの塩にはミネラル物質がほとんど入っておらず、塩化ナトリウムが99%を占めています。体内でのミネラルバランスが崩れやすく、日常的な摂取で健康を害する恐れがあります。

ミネラルが豊富だと勘違いして輸入の粉砕した「岩塩」を摂る人もいますが、岩塩に含まれるミネラルはごく微量で、特にマグネシウムが含まれることはほとんどありません。岩塩は何千年も何億年もかけてゆっくりと作られる塩なので、ミネラル分は上下に追い出され、食用として使用できる部分はほぼ塩化ナトリウムです(ゆっくり凍らせた氷がきれいな透明なものになるのと同じ理屈です)。
 ピンクや紅色は鉄(Fe)で、無色の岩塩の成分はほとんど精製塩と同じです。硫黄成分(硫酸カルシウムや硫酸ナトリウム)を含む、硫黄臭の強いものもあります。
 なお、上下に追い出された“にがり”部分は有毒な物質も含まれていますが、食塩に追加する添加ミネラルや豆腐のにがりとして使用するために中国などから輸入されています。

■ミネラルを含んだ健康に良い塩:

「天然塩」「自然海塩」と呼ばれる塩。これらは加工や添加がない塩です。海水から自然の方法で結晶化させたものです。これらの塩は塩化ナトリウムが80~90%で残りの成分がミネラルなので、精製塩に比べミネラルバランスの崩れはありません。天日や平釜などで自然のまま結晶化したものです。製品化過程でミネラルを追加する加工塩ではなく天然塩などのミネラルを多く含む塩を選ぶようにしましょう。

※ミネラル物質が多い塩でも過剰な摂取は禁物です。
(出典:https://ogakoubo.com/)

■塩のパッケージ表示と比較


 塩(食用塩)のパッケージ表示は、2008年に発足した「食用塩公正取引評議会」によって決められた表示ルール「食用塩の表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会から認められ、施行されました。
①名称、②原材料名、③添加物、④原料原産地名、⑤内容量、⑥原産国名、⑦製造者を一括表示するとともに、別に「製造方法」として①原材料名(添加物含む)②工程が表記されます。以下の例のように原料、濃縮工程、結晶化の方法が簡略的に表示されます。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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