2020年12月9日水曜日

たんぱく質不足

朝食でたんぱく質が不足している人は筋肉がつかない?

 筋トレは健康維持や体型改善に欠かせませんが、筋肉は長寿にも貢献することが明らかになっています。健康長寿を目指す私たちにとって、まさに「筋肉は裏切らない」のです。

 しかし「筋肉量を増やしたいからと、やみくもにたんぱく質やアミノ酸を摂るのは効率的ではない」と言うのは、筋肉の減少や肥大のメカニズムに詳しい立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授。筋肉を効率よく増やすには、たんぱく質をどう摂ればいいのでしょう。


筋合成の落とし穴は「朝食のたんぱく質不足」

 筋肉量が少ない人は、多い人と比べて死亡リスクが高い、ということが分かっています。加齢に伴って筋肉量が減り、やがてロコモティブシンドローム(運動器症候群)につながることはよく知られていますが、それ以外にも、筋肉量が少ないと糖尿病や心疾患のリスクが高まったり、手術に伴う弊害や術後の回復が遅くなったりすることが分かってきたのです。

 筋肉量を維持するためには、食事でたんぱく質を摂ることが重要です。『日本人の食事摂取基準2020版』によると、たんぱく質の1日の摂取推奨量は成人男性65g(65歳以上は60g)、 成人女性50gとなっています。

 男性65g、女性50gというのは、標準体重の場合。1日に必要なたんぱく質量は、活発な運動をしていない人は、体重1kg当たり0.8~1gが目安で、シンプルに1kg当たり1gとすると、体重50kgなら50g、60kgなら60gです。たんぱく質60gは、肉や魚なら約300gに相当します。

 日本人が実際に摂っている量は、1日当たり男性78.4g、女性66.1g(「国民健康・栄養調査(平成30年)」より)で、平均では不足していません。しかし、これは平均値なので、摂取推奨量に達していない人も一定数いるはずです。そういう人は、まず不足分を増やす必要があります。また、「総量は足りていても、朝昼晩の摂取配分が不均等だと筋肉量が低下するリスクが高くなる」と藤田教授は指摘します。

 筋肉は絶えず合成と分解を繰り返していて、食後は「合成」が、空腹時は「分解」が進みます。朝は、食事を摂っていない時間が長く続いたあとなので、筋肉が最も「分解」に傾いた状態であり、速やかにたんぱく質を摂る必要があります。朝食を抜くのはもってのほか!

 朝食を摂っている人も安心できません。日本人の食事は一般的に「朝・昼軽め、夜しっかり」で、たんぱく質の摂取が夜に偏っている人が多いのです。そこが落とし穴なのです。 

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■たんぱく質不足の日本人

 戦後、私たち日本人の食生活は劇的に変わり、たんぱく質の摂取量は増え続けていました。ところが、近年になって過度のダイエットや偏食傾向の影響で、たんぱく質の摂取量は激減! 今や1950年代と同じくらいまで落ち込み、摂取すべきたんぱく質の量が摂れていない人も増えているのです。


日本人の体格の変化とたんぱく質について

 近年、20代~30代の日本人女性には"やせ型志向"の人が増えています。スレンダーな体型に憧れる気持ちは分かりますが、極端な食事制限を行うと、たんぱく質などの必要な栄養素の不足を招いてしまいます。その結果、貧血など健康に影響を及ぼすことも。

 一方、男性はというと、女性とは対照的に30代以上で肥満の割合が年々増加しています。食事からのエネルギー摂取量は減少傾向にあるにも関わらず肥満が増加していることから、運動不足などにより消費エネルギーが減少したことによって、相対的にカロリーオーバーになっていることが原因となっている可能性が考えられます。また、たんぱく質の摂取不足により筋肉量が減少し、基礎代謝量が低下した結果、肥満が増えた可能性も否定できません

 これら以外にも、たんぱく質摂取量の減少は子どもや高齢者の体力低下にも関係していると考えられます。つまり、たんぱく質摂取不足はあらゆる世代にとって重要な健康問題なのです。


健康的な体格を保つために大切なエネルギー収支のバランス

 体重や体格の変化には、食事によるエネルギー摂取量と、運動や基礎代謝などによるエネルギー消費量のバランスが大きく関わっています。エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回ると体重が増加して肥満につながり、その逆の場合、体重が減少してやせにつながります。エネルギー消費量の割合の大部分を占める基礎代謝には、筋肉が重要な役割を果たしています。その筋肉のもととなるのがたんぱく質であり、普段からたんぱく質摂取不足にならないための食事を意識することが大切なのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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