2021年3月18日木曜日

春野菜の苦味

 春の皿には苦味を盛れ

ふきのとう
「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあります。春には苦いものを食べましょうという意味ですが、苦いものとは主に、春野菜のことを指しています。

 人間は寒い冬を乗り越えるため、冬の期間中は自然と脂肪を蓄えるメカニズムになっています。しかし、そのまま活動的な春を迎えるわけにもいかないので、体は自然と「春仕様になろう!」とします。そこで、冬に溜まった脂肪や老廃物を出す作用をもつ苦味のある春特有の野菜を食べるようになったとされているのです。そう考えると「春の皿には苦味を盛れ」のことわざの意味に納得できます。

「春の苦い食べ物」といって、まず思い浮かべるのはふきのとうやたらの芽など山菜系ですが、これらはきちんと下ごしらえをして調理しないと、独特の強い苦みが口に残ります。

 これらの山菜類には、春野菜独特の苦味成分「植物性アルカロイド」が含まれていますが、「植物性アルカロイド」は腎臓のろ過機能を向上させる効果や、解毒作用、新陳代謝を促進する効果があるといわれています。

 さらに、春野菜には「ポリフェノール類」の成分も含まれていますが、このポリフェノール類には、体に溜まった老廃物を外に出し、新陳代謝を高めるといった効果が期待できます。まさに、冬から春への切り替えにぴったりといえます。


代表的な二つの春野菜とその効果、食べ方

 【菜の花

菜の花のおひたし
 春を代表する食べ物といえば、菜の花です。実は、菜の花は非常に優れた栄養の宝庫。美肌からデトックスまで様々な効果が期待できます。さらに、菜の花に含まれる成分「イソチオシアネート」には抗酸化作用もあり、いわゆるドロドロ血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。菜の花調理の注意点は"火を通しすぎないこと"。加熱しすぎると大事なビタミンCなどが損なわれてしまいますので、さっとゆでるようにしましょう。代表的な料理「菜の花の辛子和え」は栄養を損なわない、手軽な調理法といえますね。

 【ふきのとう】 

 春の訪れをいの一番に感じさせてくれる食材・ふきのとうには、ナトリウムを排泄させる効果があるので、むくみ対策にもよいといわれています。また、ふきのとうの独特な香りは「フキノリド」という成分からくるもので、胃腸の働きをよくする効果があります。ふきのとうは、おひたしなどにする場合はアク抜きが必要ですが、天ぷらにすればその必要はありません。春野菜が天ぷらとして好まれるのには、そういった理由もあります。


── 冬眠から目覚めた熊などの動物たちも、まずは春野菜を食べると言われています。そのくらい、春の苦味は体をリセットするのに大事な役目を果たしてくれるようです。今夜のおかずの一品に春野菜を加えてみませんか。

(出典:https://tenki.jp/)


■苦味は薬味!

 味覚は、動物の五感の一つで、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本の味です。人の場合、主に舌で感じますが、5味のうち苦味が最も感度が高いのです。

 食べ物を口に入れたとき、すべての種類の味を舌で同じように感じるわけではなく、それぞれに味に対する感覚はその味の種類によって舌の感受性が高い部位が異なっており、それぞれの味に特に敏感な舌の部分があります(右図)。動物は特に苦いという感覚に敏感で、その感覚は舌の奥の方が敏感です。一般的に苦さに対する感覚は甘さや辛さに比べて敏感です。また、年をとるにつれて味覚に対する感覚が鈍くなる傾向があります。

「良薬は口に苦し」:この言葉の本来の意味は、「よく効く薬は苦くて飲みにくい。本当に自分のためを思ってしてくれる忠告は、聞くのがつらいが、身のためになる」というたとえのことで、中国の書物が語源。「良薬は口に苦し 忠言耳に逆らう」という言葉だったものが短縮されてしまったのです。

 薬物は用量によって薬にも毒にもなり得ます。薬物として有効な程度のわずかな量でも、毒物による苦味として、人間は敏感に感じ取ってしまいます。そのため薬には苦味がつきものなのですが、良薬ほど口に苦いのにはわけがあるのです。苦味物質は、水に溶けにくい親油性のものが多く、親油性が高いほど低い濃度でも苦味が強いという性質を持っています。多くの薬は、人体の細胞膜の受容体に結合して、薬理作用を発揮します。このとき、親油性の高いものほど受容体と結合しやすく、細胞膜を透過しやすくなります。つまり、親油性の高い性質をもつ苦味物質は、低い濃度でも薬理効果をもたらし、苦味も強く、"薬理効果が高い良薬は苦い"ということになるのです。人々は苦味を取り入れることで味覚の世界を豊かにしてきました。苦味は人間だけが楽しむことのできる味であり、その効果が期待できる味でもあるのです。


霊芝の特異成分は苦味成分の"ガノデリン酸"

 霊芝の主な有効成分の90%以上はキノコの傘の部分にあり、水溶性のβ-グルカン等の多糖類と、脂溶性のトリテルベノイド系(天然物化合物の総称)の苦味成分であるガノデリン酸が中心です。ガノデリン酸は霊芝の特異成分(他のキノコ類にはない成分)です。

 ガノデリン酸は数十種類が確認されていて、ガノデリン酸A,B,C1,C2,D~I,J,K,Ma~Mk及びO~Zが知られています。

 霊芝の薬理作用との関係では、次の4つが確認されています。ガノデリン酸A:肝保護作用免疫活性作用 ガノデリン酸B,D,F,H,K,S及びY:血圧降下作用 ガノデリン酸U,V,W,X,Y及びZ:抗腫瘍作用 ガノデリン酸R,S等:肝臓障害抑制作用


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愛・感謝 村雨カレン

2021年3月11日木曜日

精神的ストレス

 メンタルヘルス改善で血管も健康に

 3月は、人事異動や昇進など、社会生活の面で大きな変化を迎える季節です。新たに始まる日々に期待が膨らむ一方、変化には不安や心配ごとがつきもの。特にこのコロナ禍、例年以上のストレスをため込みやすいようです。新型コロナの世界的蔓延に人類は、「命の危機」はもちろん「人間関係の危機」「次世代への危機」を思い知らされました。

 今こそ気をつけたいのが、心の健康(メンタルヘルス)です。多忙や不安は目には見えないストレスとなって、身体にも悪影響を与えることがあります。まさにコロナ禍はメンタル・パンデミックとも言えるでしょう。人というのはこんなとき、"危機を過大評価"し、"自分の力・他人の力を過小評価"してしまうものなのです。

 ストレスというと心労や過労など、嫌なこと、辛いことをイメージする人が多いと思いますが、嬉しいことや楽しいことも含めて、日常の様々な出来事がストレスの要因になります。例えば、仕事では「人事異動」「昇進」「売上・利益」「長時間労働」「人間関係のトラブル」、プライベートでは「住環境や生活の変化」「結婚や出産」「家族の病気」などです。適度なストレスは人間的な成長を促すものですが、ストレスが過剰になると、メンタルヘルスの不調をまねくだけでなく、身体疾患のきっかけになることもあります。

 強いストレスが長く続くと、身体を安定した状態に保つように働く自律神経や内分泌系に異常が生じて血管に負担がかかり、血管病のリスクが高まることが知られています(右表)。恐ろしいのは、強いストレスは、時に心筋梗塞や脳卒中といった命に係わる病気の引き金になることがある点です。

 例えば受験やプレゼンの際などには、脈が速くなったり、血圧が上がったりしますが、これは「失敗しないように」という心理的な刺激が脳から心臓に伝わるために起こるものです。軽いストレスでもこうした身体変化が起こるのですから、特に動脈硬化症や心臓病といった持病のある人が強いストレスを受けたときに、脈拍が増加し、血圧が急上昇して、狭心症発作(胸痛)や心筋梗塞を起こすケースもあります。また、脳卒中の最大の要因は高血圧なので、やはり強いストレスが発症の引き金になることがあります。

 ストレス対策の基本は、まずは自分のストレスに気づくこと。ストレスによって現れる心身の様々な変化を「ストレス反応」といい、身体面・心理面・行動面に現れることがあります。自分の「ストレス反応」に気づいたら、休養や気分転換をするなど早めのセルフケアでストレス解消を促すことが、メンタルヘルス不調の予防、さらには血管病をはじめとした身体の不調を防ぐことにもつながります。

(参考出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■精神的ストレスと病気

ストレスで免疫が抑制される理由

 自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の一種で、特にがん細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要な役割を果たすのが「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」です。ストレスが加わるとこのNK細胞の活性が低下することがラットの実験で確かめられています。子育て中の母ラットから子供を取りあげると、母ラットのNK細胞の働きは見事に下がります。

 人間の場合も同じです。悲しいこと、辛いこと、心配事があると、やはり免疫力は低下します。精神的なストレスを感じると、交感神経が緊張します。するとアドレナリンやノルアドレナリン、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が吹き出し、逆にセロトニン分泌量が低下してしまいます。この刺激により胸腺が小さく萎んでしまい、免疫が抑制されます。胸腺は免疫に対して、とても重要な役割を持っています。リンパ球の免疫の認識する力を指導する器官だと考えればいいでしょう。リンパ球は腸管に関わるNK細胞とT細胞にも関係していますが、ストレスを感じることによりこの働きが抑制されてしまいます。こうした全体的なリンパ球の抑制とセロトニンの減少で、免疫が低下して病気にかかりやすくなるのです。


精神的ストレスが要因でかかりやすくなる病気

 精神的ストレスは「交感神経血管の収縮」、「副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンの多量分泌」、「酸素不足(酸欠)」などをまねき、がんをはじめとして、下図のような病気の原因になります。

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ストレス対策は ①体力 ②血流 ③睡眠で

 体力が落ちているとポジティブでエネルギッシュな考え方は出来ませんし、免疫力も低下します。また、脳血流の流れを促進することで脳細胞を活性化します。「笑い」が効果的なのは、横隔膜が刺激されることで血流促進効果が生じるからです(英国・リーズのヘルスケア学校の研究発表)。そして、休息や質の良い睡眠は自律神経を副交感神経優位にします。

 康復医学学会では、エネルギー産生の促進には「コエンザイムQ10」を、血流改善には「HM-3000(特系霊芝)」を、質の良い睡眠には「ラフマ葉エキス」をお勧めしています。これらは、ストレスが間接的要因となる様々な病気の予防に効果的な影響を与えます。


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愛・感謝 村雨カレン

経皮毒

 経皮毒について

「経皮毒」と呼ばれる概念は、「日常使われる製品を通じて、皮膚から有害性のある化学物質が吸収されること」です。当然、物質の成分は薬を飲んだときと同じく、経皮吸収された後に血液に乗って全身へ行き渡ります。シャンプーやリンスは入浴時に使いますが、温まった身体の皮膚血管は拡張しているので、経皮吸収率は更に上昇します。

 体内に吸収された化学物質が原因で、羊水が緑色だった方や、芳香剤の香りがする羊水を経験された産婦人科医も少なくありません。何らかの方法で吸収された化学物質が体内に蓄積する可能性も否定はできないということなので、皮膚からの吸収経路も記憶の片隅に置いておきましょう。


生殖器は腕の40~50倍の経皮吸収率!

 経皮吸収率は場所によって異なります。腕の吸収率を1とした場合、右図のようなデータがあります。注目すべきは男女とも陰部で、格段に高い吸収率を誇ります。

 そもそも、化粧品は染み込ませて、経皮吸収させることが目的です。地肌に付いてはいけない毛染めやパーマ液もあります。頭皮も皮膚であり、腕の3.5倍の吸収率があります。

 乾いた衣服であろうと、汗をかけば溶け出して経皮吸収されることもあります。下着は直接肌に触れるので、特に気にしたいところです。

 大切な素肌へは、下着の素材をオーガニックコットンやヘンプ(麻)にして、使う洗剤も、安全な天然系にしましょう。経皮吸収は起こらないという医者もいますが、長くじっくり効果を発揮したいときに使う経皮薬剤もあるのです。即効性の場合は舌下錠や座薬で粘膜から吸収させます。経皮吸収は必ず起こります。

 赤ちゃんのケミカルオムツや、女性のケミカルナプキンなどにも注意を払いましょう。

 ただ漠然と経皮毒を恐れるのではなく、ある程度は吸収されるという前提を知った上で、ご自身のライフスタイルを考慮し、できる範囲で対策を講じて楽しく生活する寛容の精神が大切です。私たちは便利さに慣れてしまったので、不自由への完全移行は難しくなっています。できるところから少しずつ、生活の改善を実践していきましょう。

(出典:https://www.em-seikatsu.co.jp/)


■合成界面活性剤の毒性

 界面活性剤とは、親水基と疎水基を持つ特質を活かして、水と油分などの本来混ざり合わない物質同士を混ぜ合わせる役割を果たすものです。界面活性剤を用いた洗浄剤や乳化剤の数々は、様々な分野で活躍する極めて優れた発明品です。 しかしながら、界面活性剤には強い毒性を持つと言われるものも存在します。

 界面活性剤の原点は、古来より世界中で使用されている脂肪酸ナトリウムなどの天然成分を原料とする古典的な石鹸です。これらの古典的な石鹸は、生分解性に優れ、環境への影響度が低いものでしたが、その反面、洗浄能力は高くありませんでした。 20世紀の初頭、コールタールを硫酸化することで合成された洗剤が発明されて以来、石炭由来の合成界面活性剤を用いた洗剤が主流となっていきます。

 続いて分岐型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)などに代表される合成界面活性剤は、古典的な石鹸に比べて洗浄能力に優れたため、20世紀後半には世界の先進国で飛躍的に使用量が増加しました。しかし、ABSやNPEは生分解性が悪かったため、大量使用によって河川汚染などの弊害が明らかとなり、次第に使用が自粛されるようになります。つまり、一般的に指摘される界面活性剤の毒性は、合成界面活性剤の生分解性の低さによる環境中への残存が、大きな理由のひとつなのです。


界面活性剤による人体への影響

 界面活性剤のうち、特に石油系の原料由来で合成された合成界面活性剤は、人体へ悪影響を及ぼす恐れがあると指摘されています。

 合成界面活性剤は、衣服用洗剤・食器用洗剤・シャンプーやボディーソープ・化粧品など、一般消費者の肌に直接触れる身近な商品にも使用されています。また浄水処理不十分の工業排水などに含まれる合成界面活性剤に、知らず知らずのうちに触れてしまうことも少なくありません。

 このような場合において、合成界面活性剤が人体の皮膚などに付着した際、界面活性剤の浸透作用が働いて体内に侵入します。そもそも人体には、合成界面活性剤を分解する機能が備わっていません。侵入した合成界面活性剤は体内を巡って肝臓などの臓器に蓄積され、「エンドクリン作用」(=内分泌かく乱作用)を及ぼす恐れがあるほか、様々な病気の原因となるとする考え方もあります。

 界面活性剤は極めて有用な特質を持った物質であると同時に、人体や環境に対して悪影響を及ぼす危険性もはらんでいます。そのことを理解し、適切かつ安全な使用が必須です。


 合成界面活性剤をはじめとする経皮毒が招く病気としては、皮膚病、アレルギー、膠原病、ホルモンに関する病気、がん、婦人病などがあります。


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愛・感謝 村雨カレン

2021年2月25日木曜日

むくみ

 むくみは体内の水分分布の変化

「むくみ」は、医学用語では「浮腫(ふしゅ)」と言い、多くの場合、病気ではありません。体内の水分の分布が変化した状態といえます。人体の60%は水分です。そのうち細胞の中に3分の2、細胞の外に3分の1(血液と細胞間質液)の割合で分布しています。

 血液が流れる毛細血管の壁には微小な穴があり、細胞間質液には毛細血管からしみ出した酸素や栄養素を細胞に届け、細胞の代謝によってできる二酸化炭素や老廃物を毛細血管に戻す働きがあります。むくみは何らかの原因によって、毛細血管からしみ出す水分量が増える、または細胞間質液から血管に戻す量が減り、細胞間質液が多くなることで起こるものです。

 このように、細胞と細胞間質には常に水分が存在しているため、足の場合「靴下のあとが少しつく」くらいの状態は正常です。また、細胞間質液はリンパ管にも液体を送り込んでおり、リンパ管が手術などによって詰まることがむくみの原因になる場合があります。

 原因である体内水分の分布のコントロールには、以下①~④が関与しています。その他に外的な要因として、⑤があげられます。

①  血管内の静水圧の上昇 

 むくみは血管内の水分が過多のとき、もしくは静脈血圧が上昇し、血管からしみ出す水分量が増えることで起こります。水分や塩分を摂りすぎたときにむくむのは血管内の水分量が多くなり、静水圧が上昇するためです。

【原因となる病気】 ・心不全(心臓が血液をうまく巡回させられない) ・腎不全(腎臓がうまく水分を尿として排泄できない) ・下肢静脈瘤(下肢の静脈に水分が貯まりやすくなる) ・深部静脈血栓症(静脈の中に血栓ができる)や、子宮筋腫(腹腔内の腫瘍)で、血栓や腫瘍により血管が圧迫されたときなど

②  浸透圧の低下 

 血液内の栄養が少なくなると血管内に水分を保つための力(浸透圧)が低下するので、水分を血管内に保っておくことが難しくなることがあります。そのため、血管の外に水分や塩分が増え、身体がむくみます。

【原因となる病気】 ・栄養失調(消化管の病気で血管に水分の吸収ができない) ・ネフローゼ症候群(腎臓からアルブミンが漏れてしまう) ・肝硬変(肝臓でアルブミンの生産が低下している)など

③  血管透過性が高くなる 

  血管透過性とは、血管と血管外の物質の出入りのこと。何らかの疾患で、血管自体が血液を保っておくことが難しくなり、水分が血管外に出てしまいむくむことがあります。

【原因となる病気】 ・膠原病(リウマチ関連疾患) ・内分泌疾患(主に甲状腺疾患)など

④  リンパ管の閉塞 

 手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療によって、リンパの流れが停滞することで起こります(リンパ浮腫)。

⑤  長時間同じ姿勢でいること 

 長い間立ちっぱなしや座りっぱなしでいると、重力の関係で下肢に水分が貯まり、むくみの原因になります。長い間歩行した場合はあまりむくみません。これは筋肉のポンプ※2を使って血液が循環しているためです。

(出典:https://www.saiseikai.or.jp/)


■放置してはいけない危険なむくみ

危険なむくみの3大兆候

(1)急にむくみが出た

 乗り物などで長時間同じ姿勢でいた後などに足がむくんだ場合、深部静脈血栓症(エコノミー症候群)が疑われます。重い痛みがあり片足だけがむくむのが特徴。足の静脈にできた血栓が、肺や脳などの血管に詰まると命に関わる場合もあります。また、薬の服用直後にむくみを感じた場合も、副作用の可能性があるので注意が必要です。

(2)むくみの状態が左右で異なる

 足の左右のどちらかだけにむくみが出ている場合です。体の片側だけに起きる「片側性(へんそくせい)」のむくみでは、下肢静脈瘤リンパ浮腫深部静脈血栓症が疑われます。下肢静脈瘤を放置するとうっ滞性皮膚炎ができるなど重症化することもあります。リンパ浮腫はほとんどの場合、乳がんや子宮がんなどのがんの手術後に起こり、何の理由もなく起こることはほとんどありません。

(3)むくみ以外の症状も併発している

 むくみに加えて体重の増加や、常に眠気やだるさを感じる、寒がりになる、汗をかきにくくなるなどの症状がある場合には、甲状腺機能の低下が疑われます。足だけではなく全身がむくみ、特に顔のむくみが目立ちます。非圧痕性(指で押してもすぐに元に戻ってへこんだままにならない)のむくみであることも特徴です。


臓器の機能低下が原因の危険なむくみ

【腎臓が原因のむくみ】

 むくみが起こると、まず疑われるのが腎臓の病気です。様々な原因で腎臓の機能が低下すると、本来は尿として排泄されるべき不要な水分や老廃物が体に溜まってしまい、むくみが発生するのです。腎不全ネフローゼ症候群糖尿病性腎症の初期は、まず顔がむくみ、まぶたが腫れぼったくなります。その他、全身のむくみや吐き気、食欲不振、高血圧なども起こります。重症化すると、けいれんや意識障害が起きる場合も。

【肝臓が原因のむくみ】

 肝炎ウイルスへの感染や、アルコールの飲みすぎなどで長期にわたって肝臓がダメージを受けると、肝炎肝硬変になります。初期は自覚症状が少ないですが、全身のむくみや白目や皮膚が黄色くなる黄疸、体のだるさなどが表れる場合があります。

【心臓が原因のむくみ】

 心臓の働きが低下すると、全身へうまく血液が送れなくなり、全身がむくみます。むくみに加えて、疲れやすさや呼吸の苦しさ、ちょっとした動作で息切れがする場合には、心不全が疑われます。

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 動脈硬化や腎臓、心臓などの疾患が原因で起る病的なむくみの場合、疾患そのものへの対策のほかに、微小循環環境血流の改善が重要です。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の環境改善に対して、様々なアプローチによるエビデンスを持っています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年2月18日木曜日

糖質制限

 糖質制限“老化説”の問題

「炭水化物減らすダイエット 60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心」という記事が、2~3年前にリリースされました(日本農業新聞ネット版)。これは、東北大学大学院・農学研究科の都築毅准教授らのグループが行った「マウス」による試験で、炭水化物を減らした食事を長期間続けると老化が早く進み、短命になるというものでした。


内科医、漢方医、高雄病院理事長・江部康二氏の反論

 この研究グループは根本的な間違いを犯しています。それは、『そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない』という基本的なことを無視していることです。

 手軽なマウスやラットが実験動物として使われやすいのは事実ですが、マウスやラットで糖質制限食(高脂肪・高タンパク食)の実験をすること自体が、根本的な間違い。なぜなら、マウスやラットなどネズミ類の本来の主食は草の種子(穀物)だからです。

 ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質・低タンパク食」であり、その主食に特化して、消化・吸収・代謝システムが適合しています。マウスの代謝に合わない糖質制限食をマウスに与えれば、すべての代謝が狂って老化が進み寿命が短くなるのも、言わずもがなです。

 一方、農耕以前の700万年間、人類の主食は狩猟採集生活だったので、糖質摂取はまれでした。つまり農耕が始まる前は人類皆、実質的に糖質制限食を実践していたのです。

 また、ヒトの進化過程で脳が急速に発達しシナプスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。EPAとDHAは、動物性食品にしか含まれていません。したがって、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した時代に必要充分な量、食べていたことは間違いないでしょう。

 このように人類は本来、高脂肪・高タンパク食に慣れているので、糖質制限食の安全性は高いのです。ネズミ類とヒトの食性は全く異なっているのです。

 本来ヒトと主食が全く違うマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究を行うのは、出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。


糖質制限食こそが老化を防ぐ

 糖質制限によるアンチエイジング効果は、多くの実践者から報告されています。糖質制限で血行が改善されるなど、様々な病気の予防改善効果も期待できます。逆に、糖質の取り過ぎは健康寿命を縮めると報告されており、医学誌『ランセット』にも「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という記事が出ています。今回の実験とは全く逆に、糖質を制限しないと「老ける」「寿命が縮まる」というのが国際的な常識です。全世代に言えることですが、特に50代以降の健康維持の鍵を握るのは「糖質制限」だと言っても過言ではありません。

(出典:https:// https://toyokeizai.net/)


■糖質との上手なお付き合い

 糖質は体のエネルギー源の一つですが、過剰摂取が習慣になってしまうと、太りやすい体質となり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。

 糖質を摂り過ぎると、食後の血糖値が急激に上がります。そうすると、体の中でインスリンが大量に分泌されます。血糖値を下げる役割を持つインスリンには、エネルギーとして利用されなかったブドウ糖を中性脂肪などにして体に蓄える働きがあります。したがって、糖質を摂り過ぎるとインスリンを過剰に分泌することになり、太りやすくなってしまうのです。

 そして、脂肪が増え肥満と呼ばれる状態になると、糖尿病やその他様々な生活習慣病のリスクも上昇してしまいます。


糖質の摂取量の目安は?

 糖質は、摂り過ぎても不足し過ぎても体に良くありません。厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、摂取量の目安としては、1日のエネルギー総量の50~65%としています。1日のエネルギー総量の目安は体格や運動量によって異なりますが、健康な成人女性の場合は1,400~2,000kcal、成人男性の場合は2,000~2,400kcalほどだとされています。つまり、成人女性は700~1,000kcal、成人男性は1,000~1,400kcal程度の糖質摂取を目安にすると良いでしょう。※糖質1g=4kcalとすると、成人女性の1日に必要な糖質量は175~250g、成人男性は250~350gとなります。

 日本では「糖質」の摂取上限量を定めていませんが、食品の加工や調理の際に加えられる「糖類」に関してWHOは1日の総エネルギーの10%未満が望ましいとしています。


霊芝と糖質代謝

 2型糖尿病マウスの肝臓における霊芝抽出物の糖質代謝の研究では、霊芝抽出物は肝臓での糖新生を抑制するとともに解糖系およびグリコーゲン合成を活性化させ、さらに肝臓への糖の輸送能を亢進して血糖上昇を抑制することが確認されています。

 血中のヘモグロビンには、酸素と結びついて全身の細胞に酸素を届けるという大きな役割を担っています。しかし、糖と結合したヘモグロビンは酸素を寄せ付けなくなり、細胞に酸素が行き届かない状態を作ってしまいます。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」の3大産生物質の一つ、2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)は、効率よく酸素を細胞に供給するという働きだけでなく、糖化ヘモグロビンの生成を阻害する作用があるため、HbA1c(糖結合したヘモグロビン量の比率)の数値の低下に大きく影響することもわかっています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年2月12日金曜日

コラーゲン

 コラーゲン商品って意味ある?

 世の中にはあふれんばかりのコラーゲン商品があります。どれを選んだらいいのか、そして「コラーゲン商品を摂っても、体内でアミノ酸まで分解されるので、それが本当にコラーゲンになるとは限らないのでは?」という疑問が、皆さんの中にはあると思います。

 ところがコラーゲンを摂ることには意味があるんです。コラーゲン商品をきちんと摂れば、ちゃんと皮膚のコラーゲン量や水分保持、肌のハリ、弾力性が上がるということが科学的には"一応"証明されています。ところがこれを疑問視する研究者の方も実は少なくありません。その理由としては、コラーゲン商品の有効性を示す研究や論文は多いものの、その大部分が企業やメーカーとのタイアップで作られているからです。そこには何かしらのひいき目のバイアスや操作がかかっている場合があります。

そもそもコラーゲンとは

 コラーゲンはたんぱく質の一種で、体内の全たんぱく質の約30%(約3kg)を占めるとても重要なものです。多く存在する場所は、皮膚、腱、靱帯、骨、軟骨、血管壁などです。細胞の外にあり、線維や膜の構造で存在しています。

 体内のコラーゲン量は1年で約1%減少すると言われます。また、皮膚の約70%がコラーゲンであり、皮膚の弾力性や強度(ハリ)を維持するのに役立っています。

コラーゲンの種類

 コラーゲンは28種類あり、そのうち私たちの体でよく使われるのはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3種類で、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型が全コラーゲンの80~90%を占めています。

 Ⅰ型:真皮・骨・靱帯・腱など、Ⅱ型:関節など、Ⅲ型:筋肉・臓器・動脈など

コラーゲン食品の分解はペプチドまでに留まる

 コラーゲンのサプリメントを摂っても、それがそのまま体内のコラーゲンとして利用されることはありません。昔は「コラーゲン食品は意味がない!」と言われていました。理由は「アミノ酸まで分解されるから」。コラーゲンの配列に重要なアミノ酸の一つ「ヒドロキシプロリン」も分解され排出されてしまうので、コラーゲンとして使われるとは限らない、というものでした。

 ところが近年では、コラーゲン商品の消化は、全てがアミノ酸まで分解されるのではなく、多くがペプチドまでの分解に留まるということがわかってきました。つまりヒドロキシプロリンは排出されずにペプチドとして吸収されるということが科学的に証明されたのです。

(出典:https://www.youtube.com/ 栄養チャンネル)


■コラーゲン商品の効果と選び方

 昔は「体内でアミノ酸まで分解されるからコラーゲン商品を摂っても意味がない!」と言われていましたが、近年では、ペプチド吸収の有効性が認められつつあります。


コラーゲン商品の効果研究の例

●コラーゲンサプリメント1~10g/日の摂取は、肌コラーゲン量の上昇、しわの減少、肌の弾力性と水分保持の改善がみられる(J.Drags Dermatol. 2019 Jan 1;18(1):9-16他メタ分析)

●中年女性114人の研究では、コラーゲンペプチド205g/日を8週間摂取すると、しわの量が20%現状した(Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(3):113-9)

●35歳以上の女性72人の研究では、コラーゲンサプリ2.5g/日を12週間摂取すると、しわの深さが27%減少し、皮膚の水分が28%増加した(Nutrients. 2019 Oct 17;11(10):2492)

●閉経後女性131人の研究で、コラーゲンサプリ5g/日を1年間摂取すると、脊椎の骨密度が3%増加し、大腿骨が7%近く増加した(Nutrients. 2018 Jan 16;10(1):97)

 ただし、コラーゲン研究のほとんどが、メーカーや企業とのタイアップのため、疑問視する研究者の多いのも事実です。


コラーゲンを多く含む食材とコラーゲン合成に必要な栄養素

 コラーゲンの多い食材  ボーンブロス(骨スープ)、鶏や豚の皮、エビ、牛すじ、鶏の手羽先、うなぎ、すっぽん、ふかひれ、クラゲ など。 

 合成に合成に必要な栄養素  ビタミンC、プロリン、グリシン、銅 など。


コラーゲンの副作用

 グルタミン酸含有量が多いため、脳の興奮性による精神疾患がある人(ADHDなど)は、過度の摂取に注意すること。


コラーゲンサプリの選び方

 実は、動物性コラーゲンは分解能が良くないという事が研究論文で明らかになっています。

 同じ分子量で比較すると分解能が魚コラーゲンの1/7というデータがあります。

 コラーゲンは、胃腸で消化酵素により分解され、アミノ酸ペプチドになってはじめて腸管吸収が可能になります。分解能=吸収能ですから、7倍分解能がいい魚コラーゲンが豚より7倍吸収能が良い事になります。肉でも豚肉と魚肉では豚のほうが消化しにくいですね。コラーゲンも肉もたんぱく質なので消化しにくさはコラーゲンも同じということです。

 何より、豚コラーゲンは臭いがきつく、味も変わり、コーヒーなどに入れると濁ってしまいうため、摂取し続けるためには根気がいります。良質の魚コラーゲンを選びましょう。


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2021年2月4日木曜日

アクリルアミド

 発がん性物質 アクリルアミド

 現代人の健康に大きな影響を与えてしまう食課題の一つが食品の調理法です。特に高温調理は気をつけなければなりません。揚げ物やいわゆるジャンクフードをよく食べる人には注意が必要です。これらの食品に含まれる老化物質が老化や病気の引き金となります。

 AGE(終末糖化産物)はよくご存じのことと思います。糖質と結びついたたんぱく質が生成する老化物質です。高温調理の副産物という点ではこのAGEによく似た物質があります。それが「アクリルアミド」です。


アクリルアミドとは

 ジャガイモなどのでんぷん質の多い食品を高温調理、特に油で揚げたときなどに副産物として生成されるのがアクリルアミドです。フライドポテトやポテトチップス、ビスケットなどに含まれます。また、玄米を炊くとき圧力鍋を使用するとアクリルアミドが発生してしまいます。

 このアクリルアミドはIARC(国際がん研究機関)の発がん性部類でグループ2Aに分類されていて、発がん性や遺伝毒性が認められています(下表参照)


がんとの関係

 2002年にスウェーデン国立食品局は、アクリルアミドの遺伝毒性発がん性を明らかにし、でんぷんの高温加熱で生成すると報告しています。

 このアクリルアミドは実際にヒトのがんに対してどのくらい影響を及ぼしているのか、その疫学研究をまとめてメタ分析したものがあります。それによると、アクリルアミドの曝露は、多くのがんにおいてそのリスクの増加はないと結論付けました。しかし、腎臓がんのリスクは高いとしており、また遺伝毒性や変異原性、生殖毒性は認めています。


 いずれにしても、アクリルアミドは健康を害する毒性の高いものであることは間違いありません。アクリルアミドそのものを摂らないことが一番です。

(出典:https://www.youtube.com/ 栄養チャンネル)


■解毒物質グルタチオン

 基本的に私たちの体は、アクリルアミドを解毒する仕組みを持っています。活躍するのが、抗酸化物質の一つ、「グルタチオン」です。

 グルタチオンは活性酸素を捕まえる以外にも、アクリルアミドなどの猛毒を吸着し(グルタチオン抱合)、そのまま一緒に尿の中に排泄していきます。グルタチオン抱合した毒物を細胞の外に排出する際にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを必要とします。そしてこの時、補因子としてマグネシウム(イオン)が働きます。

 アクリルアミドの一部は、皮肉にもCYP2E1という代謝酵素(解毒酵素)によって別の毒物(グリシドアミド)を生成してしまいます。これも一定量であればグルタチオン抱合によって体外へと排泄されていきます。しかし、アクリルアミドの摂取が多すぎると、グルタチオン抱合だけでは賄いきれないグリシドアミドが生成されることになり、これが遺伝毒性や発がん性につながってしまうのです。


アクリルアミドの解毒を促進する

 現代の食生活において摂取が増え続けるアクリルアミド。グルタチオンの生成を促す栄養素や食品(*右表上)の摂取も必要ですが、アクリルアミド自体を減らしてグルタチオンの働きをサポートするための栄養素や食品(*右表下)も大切になっていきます。

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霊芝による保護効果

 ラットを使った小腸組織のアクリルアミド誘発損傷に対する研究では、霊芝多糖(PSG-1)の前処理がアクリルアミド誘導の酸化ストレスを軽減し、炎症反応を減少させ、腸のバリアを保護することでアクリルアミドの吸収を阻害することが確認されています。霊芝は、カタラーゼ(CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオン(GSH)および総グルタチオン(T-GSH)の活性を大幅に増加させ、アクリルアミドによる酸化ストレスの減少、さらには抗炎症性サイトカインの量を増加させることがわかったのです。


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