疲労と疲労感のギャップ
現代社会ではほとんどの人が日常的に疲労を感じているといわれています。しかし、「疲労」と「疲労感」とはちょっと意味合いが違ってきます。いい出来事があったり、やる気満々だったりして気分が高揚しているときは、仕事量はいつもと同じで体の負担は変わらないにもかかわらず、まったく疲労を感じないことがあります。逆に嫌なことがあって気分が沈んでいるときや、イヤイヤやりたくない仕事をするときは、少し働いただけでもすぐに疲労を感じてしまいます。“疲労感”が違うのです。
このように、疲労には精神的な部分が深く関係しています。
「この程度働いたら疲労を感じる」という疲労の基準的な数値が作れないのは、実際の疲労と疲労感にギャップが生じる場合が多いためです。そして、このギャップが“過労死”を生む原因にもなっています。特に達成感のある仕事をしている人に過労死が多いのです。やりがいのある仕事は達成感を生みますが、この達成感が疲労を隠してしまい、その結果“疲労感なき疲労”が蓄積し、過労死に至らしめるのです。
そこまで深刻な疲労が蓄積されていないまでも、現代的な疲労は肉体的ストレスと精神的ストレスが複雑に絡み合い、生理機能の変化が生じてさまざまな自覚症状や作業能力の低下を引起します。現代社会の中で人々が抱える疲労は、休養で容易に回復する程度の疲労ではないのです。
■特集:疲労とその対策①
前号でもお伝えしたように、疲労には大きく分けると「肉体的疲労」と「精神的疲労」があります。肉体的な疲労は適度な休養によって解消されることが多く、基本的にはエネルギー産生の低下が原因です。栄養不足や酸素不足により、細胞内でエネルギー産生機能が低下することにより、十分なエネルギー摂取が行われない場合に起ります。そして、精神的疲労の場合は“脳機能の低下”が原因です。思考や記憶で脳を連続して使うことや家庭・職場の人間関係などのストレスにより、脳の機能が低下(脳疲労)し、情報の処理や神経伝達物質の分泌のバランスが悪くなることで疲労するのが精神疲労です。
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疲労は、老化による代謝の低下、筋肉の減少、内臓機能の低下などでも起こります。しかし加齢を気にして行う無理なトレーニングやダイエットなどで、疲労は慢性化する恐れもあります。疲労の原因は多岐にわたるので、自分にあった対応が必要です。『疲れたなぁ.com』(tukaretana.com)は、タイプ別、原因別に対処方法などが載っていて、「疲労」と「ストレス」をやさしく解説しているサイトで、康復医学学会も応援しています。是非、ご活用下さい。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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