自律神経の乱れと熱中症
自律神経失調気味の人は暑さに弱い、と言うことはよく知られています。もちろん暑さに弱いだけではなく、気温の上がり下がり、気圧の高低にも弱くなります。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つからなり、消化や呼吸など様々な内臓の働きのバランスを司る神経です。暑いときには発汗作用を左右する大事な神経なので、汗をかきにくくなり、内臓の働きが弱まれば、当然夏は過ごしにくい季節となります。
自律神経のバランスの乱れは、普段の体調が崩れることと密接に結びついています。夏バテも、自律神経の乱れが原因の一つだと考えられています。自律神経を正常に保つことは、健康の維持に欠かせないことなのです。
自律神経は意思とは関係なく刺激に反応します。感情や生活に関係なく働いているように思われますが、自律神経は、実はとてもデリケートで、日常生活のあらゆる場面の影響を受けています。生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩しやすい原因の一つなのです。交感神経は昼間が、副交感神経は夜が活動のピークになります。つまり、脳や体が活発に活動しているときは交感神経が、休息しているときには副交感神経がよく働くということです。残業や夜ふかしなどで、休むべき時間帯に休息できなくなると、自律神経は途端にバランスを崩し始めます。1日や2日の乱れであればまだしも、それ以上長く不規則な生活が続くと、体調不良へと直結することになります。夏のこの時期に多いのが“環境の変化”です。クーラーの効いた室内と暑い屋外への出入りが増えるため、自律神経は1日に何度も体温や発汗の調節をすることになり、過労状態となって自律神経のバランスを崩してしまいます。体温を調整する機能がコントロールを失っている状態です。このような状態で炎天下へ出れば、体温がグングン上昇し、結果として熱中症を起こしやすくなります。また、自律神経の働きが弱っている高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなっているため、炎天下ばかりでなく、室内で静かに過ごしていても熱中症に陥ることがあるので注意が必要です。
自律神経の機能低下~血流低下
気温が高く体温が上がると、自律神経の働きにより発汗と皮膚血管の拡張を促し、末梢血管に多くの血液を分散させ、熱の体外への放出増加、体温の低下という2つの生体生理現象が起きます。自律神経の機能が低下している状態では、この生理機能が低下し血流障害に陥るため、体温調節ができなくなって熱中症に至ります。また、自律神経がうまく働かないと、汗が流れ落ちるだけで気化しないため、気化熱が発生せず体温を体の外へ放出することができなくなります。体内に熱がこもってしまうので、屋内でも熱中症が起るのです。
血流低下→酸素不足→エネルギー産生低下
左図のように細胞内にあるミトコンドリアには、酸素を介してATPというエネルギーを生み出す「クエン酸回路」があります。自律神経機能や血液の流動性の低下などによってこの回路の機能が低下すると、エネルギーの産生が減少してしまいます。身体はエネルギー不足に陥り、熱中症のほか、夏バテ特有の疲れやだるさ、食欲不振、といった症状の原因になります。
また、自律神経の乱れは、“睡眠の質の低下”からも起ります。夏のこの時期、連続する日中の猛暑や熱帯夜などが、睡眠の質を下げる原因になっているのです。
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いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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