2013年10月5日土曜日

睡眠と脳内ホルモン

眠りに導く二つの作用とは

睡眠は「夜になったから眠る」と「疲れたから眠る」の二つのメカニズムでコントロールされています。難しい言葉でいいあらわすと、「体内時計機構」「ホメオスタシス(恒常性維持機構)」の二つです。

「体内時計機構」は、夜になると眠くなるというメカニズムで、ほぼ毎日一定の時間帯に眠くなります。これは疲れている・いないに関わらず生じる眠気です。朝の太陽光を浴びて刺激を受けることで、その約15時間後の暗くなる頃に脳内に「メラトニン」と呼ばれるホルモンが作り出され、眠気を引き起こし、眠りを促すのです。
 体内時計はさらに、体温とも深い関わりがあります。眠くなると体温が上昇します。眠りにつく4時間くらい前、夕刻から指先の皮膚温度が少しずつ上がっていきます。これは一種の放熱作用で、体内の熱を外へ逃がし、体温を下げる準備をしているのです。そして眠る少し前から体温は下降に転じます。ここでいう体温は、体の内部の温度、つまり深部体温、脳温のことです。体の内部の温度が下降に転じたところで、私たちは眠りに入ります。
 メラトニンは、眠りのリズムをコントロールするとともに、「よい眠り」に導く効果があります。また、睡眠を促すだけでなく、睡眠中に行なわれる体内環境の調整に大きな役割を果たしています。その作用には、さまざまなものがあります。まずひとつは、老化の原因とされている活性酸素を中和する作用。そして、体内の有害物質などを解毒して無害化する作用。さらに、体内に発生したガン細胞などに対抗する抗腫瘍作用(腫瘍を抑制する作用)です。
 しかし、メラトニンは夜に明るい光を浴びると分泌は抑制されてしまいます。つまり、光の明暗によって分泌が左右されるのです。このメラトニンは「セロトニン」という体内物質から作られます。セロトニンは昼間に光を充分に浴びることで作られます。そのため、昼間はしっかりと日を浴びること、そして夜は遅くとも午後10時には室内の光量を抑えることが理想です。

 一方、「ホメオスタシス(恒常性維持機構)」は、疲れたから眠くなるという反応です。疲れると睡眠を促す睡眠物質が脳内にたまり、それが睡眠中枢に働きかけて眠気をもよおすのです。

 体内時計機構と恒常性維持機構、この二つのメカニズムの機能のバランスを整えることが質の良い睡眠を作り出すのです。


■睡眠を促進し、睡眠の質を改善する

  セロトニンとメラトニンの関係

メラトニンは、脳にある小さな内分泌器「松果体」から分泌され、体内時計を調整しているホルモンです。不眠や時差ぼけの改善や抗老化作用があります。しかし、うつやストレス、年齢とともに減っていきます。
 松果体内には、脳内の他の部位の50倍ものセロトニンが存在し、そこで、セロトニンを原料としてメラトニンを作っています。また、「血液脳関門」というバリアー(血液と脳の組織液との間の物質交換を制限する機構)は、通常の抗酸化物質までをも拒んでしまいます。しかし、セロトニンを原料とした脳内最強の抗酸化ホルモンであるメラトニンはこのバリアーを容易に通過して様々な効果を発揮することがわかっています。
※血液脳関門は、松果体をはじめ、脳下垂体、最後野などの脳室周囲器官には存在しません。これは、これらの組織が分泌するホルモンなどの物質を全身に運ぶ必要があるためです。

セロトニンと睡眠

通常、神経活動は睡眠中抑えられ、セロトニン神経が覚醒を引き起こす脳機能を刺激しないようになっています。ストレスなどで日中のセロトニン神経が弱くなっていると、体内時計(生体時計)は規則性を失い、昼間の意識レベルなども低く、脳は活動的でなくなります。すると、夜の睡眠は浅く中途覚醒しやすいものとなり、「眠りの質」は低下します。

ラフマとセロトニン

ストレスやうつ状態に伴い、脳内神経伝達物質の量が変動することが知られています。そこでラットの脳内モノアミン(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの3つを総称してモノアミン神経伝達物質と呼びます)に対するラフマ錠剤の作用を検討しました。

【ラフマ錠剤組の短期/長期投与による5-HT(セロトニン)の変化(ng/g)】


※セロトニン(5-HT)は、イミプラミン(三環系抗うつ薬)組とラフマ低、中用量組の8週目に増加の結果が見られた。以上の実験により、セロトニン(5-HT)及びその代謝物(5-HIAA)に対して、低、中用量のラフマは増加作用を有することが確認された。  *p<0.05 vs対照組

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 体内時計(生体時計)に関係し、「睡眠の質」の改善に影響するのがメラトニンです。そして、メラトニンの原料セロトニンです。
 康復医学学会の主要研究テーマの一つ「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進に上記のようなデータがあります。
 さらに、同学会の研究開発により生まれた『甘みストレスフリー』(製造・販売:和漢生薬研究所)。この商品の主成分「グリシン」は、アミノ酸の一種です。体を休めたいときにグリシンを摂取することで、深部体温が下がるのを助け、しっかりとした休息が取れることが、数々の研究で科学的に証明されています。つまり、「質の良い眠り」には、ラフマとグリシンとを併用するのが理想的です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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