2013年12月12日木曜日

「うつ病」?、それとも「認知症」?

判断が難しい高齢者のうつ病と認知症

高齢化や独り住まいの増加などを背景に、うつ病にかかる高齢者が多くなっています。65歳以上では軽症例を含めると約15%に及び、若い人のケースと比べて体の症状が前面に出やすく、自殺率も高いのが特徴です。

 認知症介護研究・研修東京センター副センター長の須貝 佑一先生は、「うつ病は意欲、感情、自律神経の障害が基本的な症状ですが、高齢者では食欲不振、不眠、体のだるさや痛みなどの身体症状が前面に出やすいのです」と言っています。食欲不振がひどいと衰弱して、もともとかかっていた病気が悪化したり、脱水を起こして血管障害を招いたりすることがあります。
 さらに、物事の成り行きを悪い方向にばかり考えやすく悲観的になったり、家族に迷惑を掛けたくないといった自責の念から、自殺を考えたりするケースもあります。

 「この他にも問題なのは、思考停止状態に陥って認知症と間違えられやすい点です。これを“仮性認知症”といいますが、逆に実際に認知症があってうつ病を合併することもあるのです。特に脳の血管障害による認知症を合併するケースが多く、脳血管性うつ病とも呼ばれています」(須貝先生)。高齢者のうつ病に早期に適切に対応するには、これまでかかったことのある病気や手術などの診療の記録などを把握する事も大切です。そして、「食欲がない、不眠が見られる、頭痛や腹痛があって近くの内科を受診してもこれといった原因疾患が見つからないようなときには、精神科の専門医を受診すべきです」(須貝先生)。最悪の事態を避けるには家族や周囲の注意が欠かせません。

 脳血管性うつ病の診断には、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)による脳の検査が必要になりますので、設備が整った精神科を受診した方がよいでしょう。治療には抗うつ薬が用いられますが、脳血管性うつ病では血流を改善する薬が併用されます。

■高齢者のうつと認知症

高齢者の場合、認知症の兆候かと思われる言動は、実はうつ病の症状である場合もあるので仮性認知症という位置づけがあります。
 現在、アルツハイマー型認知症の40~50%の人が抑うつ気分だということが確認されていて、10~20%の人にはうつ病が合併していることがわかっています。また、脳血管障害などには、約30%にうつ病が合併しています。

うつ病性仮性認知症と認知症の鑑別

うつ病性仮性認知の特徴として“思考の停止”があります。考えが止まってしまうのです。

 またうつ症状が強くなると、何もしたくない、食事もいらない、お風呂にも入らないなどの状態になっていきます。注意・集中力や判断力が低下し、認知症ではないかなと周りの人が思うようになってきます。

 うつ病性仮性認知症の場合、放っておけば高い確率で認知症になってしまいます。認知症の場合は、うつ対策を講じてもあまり効果がないとされていますが、うつ病性仮性認知症には、うつ対策が有効です。

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 うつ病では不眠や過眠、睡眠リズム異常などの睡眠障害が高頻度に合併します。また、睡眠障害はうつ病の症状であると同時に、うつ病の原因と治療経過に深くかかわっていることが明らかになっています。

 うつ病とも密接なかかわりがあるホルモンが、睡眠物質の「メラトニン」です。メラトニンは、脳内神経伝達物質の一つ「セロトニン」を原料としています。そして、康復医学学会が長年研究を続けている生薬「ラフマ」には、セロトニンの分泌の促進に関する豊富な研究データがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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