判断が難しい、「夏血栓」とは?
ついに夏本番を迎えた日本列島。30℃を超える真夏日が多くなると、まず注意しなければいけないのは熱中症です。しかし‥‥。
池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師はいいます。
「夏は、熱中症だけでなく『夏血栓』にも注意が必要です。具体的には、夏に起こる心筋梗塞や脳梗塞、肺血栓塞栓症などです」
本説伝7月5日号で、この時期に多い血栓症は心房細動で血栓ができる心原性脳塞栓だとお伝えしましたが、心房細動が起らなくても血栓ができやすくなる条件があります。“夏の血栓”の症例では、
「夏の暑い日に東京ドームでビールを飲みながら野球観戦をしていた30代男性が急に胸の痛みを訴え、救急車で運ばれてきました。その方は心筋梗塞でした。
ほかにも30代の運転手は、胸の痛みと血痰が出たため、検査をしてみたら肺血栓塞栓症でした。
また、デスクワークの多い50代のビジネスマンは、1週間ほど息切れが続いたので、肺のレントゲンを撮ったら、動脈が少し拡張していました。すぐに大学病院を紹介し、待合室で待っていると急に心肺停止に。スタッフが蘇生措置をして一命を取り留めましたが、もし措置が10分遅れていたら死亡していたそうです。その方も肺血栓塞栓症でした」(大谷医師)
夏の暑い日に急に気分が悪くなれば、まず熱中症を疑いたくなりますが、実は夏血栓の場合もあるのです。しかもそこで間違った処置をしてしまうと命を落とす危険が一気に増します。
「例えば、急性肺血栓塞栓症と診断が確定され治療した場合の死亡率は2%から8%ですが、夏血栓とわからず適切な治療が行なわれなかった場合の死亡率は30%に上ります」(大谷医師)
厄介なのが、一般の人には自分が熱中症なのか、夏血栓なのか判断が難しいこと。
「熱中症の場合は、体を冷やすなどの処置をしますが、脳梗塞などの場合は血栓を溶かす作業をしなくてはなりません。判断を間違えたために障害が残つたという症例もあるようです」(夏血栓の予防を呼びかけている日本ナットウキナーゼ協会の原弘之氏)
そのため、熱中症だと思って日陰で休んでいたら、突然、死亡してしまうという恐れもあります。
「急性肺血栓塞栓症の死亡例の40%が発症1時間以内の突然死です。症状は発熱、冷や汗、動悸、咳、呼吸困難、胸の痛み、血痰など。もし苦しいと感じたら、自分で判断しないで早めに病院で検査を受けたほうがいいでしょう」(大谷医師)
■夏血栓とその対策
冬の血栓症は、暖かい部屋から急に寒い室外に出たときなど、急激に血管が収縮し、血流が早くなって血栓がはがれ、脳や心臓の血管に詰まることが多いのですが、夏血栓は、脱水症状などで血液粘度が上昇することが主な要因です。厚生労働省の調査によると、血栓症は35歳からの発症率が急増しています。30代以上の人は常に夏血栓の予防を心がける必要があります。
血栓ができやすい3つの要因
【①血管が障害を起こしている】
高血圧や脂質異常症、糖尿病などによって、血管の内側が傷ついているときなど。【②血流の低下】
飛行機やクルマなどの狭い座席に長時間同じ姿勢で座ったりして、血管が圧迫されているときなど。【③血液粘度の上昇】
脂質異常症や脱水症状などで、血液の成分の粘度が高くなっているときなど。エアコンやアルコールの摂取でも脱水症状になる!
梅雨が明け、気温が急に高くなるこの時期は特に注意が必要です。医学雑誌『ランセット』の記事によると、代表的な夏血栓の一つ「脳梗塞」による死亡率は、気温が30℃を超えると上がり、32℃で急上昇しています。室内では、エアコンの風のために汗をかいた自覚がなくても、知らないうちに脱水症状になっていることもあります。デスクワークだからといって安心できません。
また、ビールなどの酒類は、水分補給をしているようでも、アルコールの利尿作用で、逆に脱水症状になりやすいことを覚えておきましょう。
出典:週刊プレイボーイ2014/08/11号
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血栓は、夜間の睡眠中、血圧の低下によって起きることもあります。血栓症は、徐々に進行していくガンなどと違い兆候が見えにくく、突然、重篤な疾患を起こし素場合もあります。心筋梗塞や脳内出血などで死に至るケースもあり、脅威は身近なものとなっています。
そして、脂質異常症、糖尿病、高血圧、ストレスの蓄積、喫煙、加齢などの危険因子が多くある人ほどリスクが高くなります。
康復医学学会が長年研究に取り組んでいる生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、医薬品のように血栓を溶かすのではなく、次から次へと形成される血栓に対して抑制作用があります(エビデンス有り)。「夏の血栓」対策にはおすすめです。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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