2013年6月14日金曜日

霊芝は酸素!④

傷の治癒と酸素濃度

身体の中の、細胞、組織の酸素分圧は、血液中を別にすれば約60mm水銀柱(mmHg)に保たれ
ています。

 ひとたび細菌の感染などが起きると、さまざまな理由で局所はむくみ、血流れか悪化し、組織の酸素は20~30mmHgに低下し、酸素はエベレストの頂上(53mmHg)よりも薄い状態となります。この状態で細菌を食べる細胞が集まってくると、活性酸素を作るために酸素が使われ、酸素分圧はさらに低下して0~10mmHgにもなってしまいます。

 傷が元に戻っていくには、酸素分圧は最低でも10~20mmHgは必要です。手術のとき、傷口の皮膚の下にチューブを埋め込み、そこの酸素分圧を測定するという研究があります。これは傷の感染率と局所の酸素濃度との関係を調べたもので、組織酸素分圧が90mmHg以上の場合、感染することはゼロ。しかし、90mmHg以下だと酸素分圧が低くなるほど感染率は高くなりました。酸素不足によって白血球の殺菌作用は落ちることがわかったのです。

 細菌か侵入してくると、体は酸素をミトコンドリアでエネルギーを作るためよりも、細菌処理のほうにまわしてしまいます。このとき、酸素消費は普段の20倍にも達し、周辺から酸素を奪うことになるのです。組織に酸素が十分にあると、予防的に抗生剤を投与するのと同じくらい細菌感染を減らすことができます。酸素は栄養素のほかに抗生物質としての役割も持っているのです。
 そして、傷が元のように修復されるためには、コラーゲン線維が作られて細胞の間を埋めるという過程が必要です。コラーゲンがどれほどできるかは、最終的に傷口でどれくらいの酸素か利用できるかにより違ってきます。酸素分子がないとプロリンとリジンというアミノ酸が水酸化されず、分子間の橋わたしができなくなるのです。酸素が十分にあればコラーゲンはたくさんでき、酸素が少なければ逆の結果となる。一時的にせよ無酸素状態になると、できたコラーゲンは安定性に欠けます。傷を治すのに最もよく活躍する繊維芽細胞が分裂・増殖するには酸素が必要なのです。

 糖尿病患者の下肢や手足の指先の傷が治りにくいのは、「2,3‐DPG」の不足による酸素の供給量が少ないのが原因の一つなのです。


霊芝は酸素!④

■2,3-DPG

(2,3-diphosphoglycerate/2,3-ジホスホグリセリン酸)

赤血球内のヘモグロビンは、肺では高い酸素分圧によって酸素結合型となり、末梢の微小循環では酸素を放出し酸素非結合型になります。ヘモグロビンの酸素の親和性(ヘモグロビンと酸素の結合)は、CO2(二酸化炭素)や、pHおよび赤血球中の2,3- DPGの濃度によって調節を受けています。すなわち、CO2分圧の上昇、pHの低下、2,3-DPGの濃度の上昇は、ヘモグロビンの酸素に対する親和性を低下させヘモグロビンから酸素を切離すことで、酸素の供給量を増加させるのです。

 右図のように、2,3-DPG濃度の上昇からBohr(ボーア)効果*により酸素解離曲線が右方偏位すると、末梢に酸素を供給しやすくなります。

 2,3-DPGは、赤血球内での中間代謝産物です。ヘモグロビンと結合することで、ヘモグロビンの酸素親和性を低下させヘモグロビンから酸素を切離すと、酸素解離曲線の右方シフトし末梢の酸素供給量が増加します(右図)。 作用機序としては、例えば、高山に登山して酸素不足⇒過呼吸⇒肺胞PCO2(二酸化炭素分圧)↓⇒赤血球内pH↑⇒赤血球内2,3-DPG↑⇒酸素親和性↓⇒末梢酸素供給量↑ という流れになります。

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 上記のように、2,3-DPGは、ヘモグロビンから酸素を切離し酸素の供給を効率よく行います。呼吸酸素を有効利用するには2,3-DPGは必須です。
 康復医学学会が主要テーマとして研究している「霊芝」には、2,3-DPGの働きの促進に影響するエビデンス(科学的根拠)があります。

*Bohr(ボーア)効果とは:血液内の二酸化炭素量の変化による赤血球内のpHの変化によりヘモグロビンの酸素解離曲線が移動すること。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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