増え続ける“高血圧患者”
現在、日本高血圧学会が示す正常血圧は、最高血圧が130未満、最低血圧が85未満です。この基準値は年々引き下げられてきました。1987年の旧厚生省の基準では上が180未満、下が100未満でいわゆる正常値とされ、当時の高血圧症の患者数は170万人でした。その後基準値はどんどん引き下げられ、2008年からスタートした現行の基準を上回る日本人は約2,700万人とされます(日本総合健診医学会の健診結果と厚労省「2008年人口動態統計」による推計)。20年あまりで高血圧症と診断される人が約16倍に増えたのです。この厳しい基準値の問題点を指摘するのは、東海大学名誉教授・大櫛陽一氏(元医学部教授)です。
「常識として知っておくべきなのは、血圧は歳を取れば高くなるのが自然ということです。加齢とともに血管の弾力性がなくなり、その中で心臓が体中に血液を行き渡らせようとするから血圧が上がる。体が正常に反応している証拠であり、必要な変化でもある。すべての年齢に同じ基準値を当てはめるのはあまりに非常識なのです」。
大櫛教授は年齢の違いに着目して、全国約70万人の健診結果から男女別に年齢ごとの血圧の基準範囲を求めました。その結果は、20代であっても上は145まで問題ないというものでした。「また、160を大きく超えるような状況でも、薬を使うかは慎重に判断すべきです。薬で急激に血圧を下げると血液の流れが悪くなり、脳の血管が詰まる脳梗塞などを起こしやすくなる。特に高齢者の場合は高血圧より下げ過ぎのほうが危険です」。
高血圧の約9割の人が本態性高血圧といわれており、原因がわからず血圧だけが高くなるのです。この本態性高血圧に関して康復医学学会の見解としては、ストレスを原因とし微小循環の機能や血流の低下が原因と捉えています。
康復医学通信は、今回より「霊芝は酸素!!」と題してお送りします。酸素の重要性や、微小循環の役割、酸素と血流との関係などを、これまで研究してきた「霊芝」とのかかわりを通してお伝えしていきます。
■特集「霊芝は酸素!!」
生命を司る酸素は、免疫や細胞活性・エネルギー産生などに影響し、病気や健康を左右します。
酸素は、1回の呼吸で大気中の酸素の約5%が身体に供給され、約16%が呼気として体外へ排出されています。身体に供給される酸素は、ストレスや生活習慣、病気などの影響で、大気中の5%ですら完全に供給されているとは限りません。
健康や老化については、活性酸素による「酸化」が話題になりますが、むしろ酸素の供給量が低下する「酸欠」の方が問題となります。
康復医学学会が研究テーマの一つとして掲げている生薬の最高峰「霊芝」は、酸素の供給量をはじめとして、血流や微小循環の環境の改善に好影響を与えます。
今回特集で取上げる主なテーマは、次の4点です。
○酸欠の改善:2,3-DPG(2,3-ジホスホグリセリン酸)
肺で赤血球のヘモグロビンと結合した酸素は、細胞に酸素を供給時(ヘモグロビンから切り離す)に2,3-DPGという物質(解糖体)が必要です。この物質が体内酸素供給量に影響します。○酸化の改善:GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)他
体は活性酸素による酸化から体を守ってくれる抗酸化酵素があります。生体細胞内に入ってきた活性酸素に対応するのがGSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、CAT(カタラーゼ)などの「抗酸化酵素」です。“抗酸化食品”は、生体内細胞には無力だということを知ってください。○微小循環の改善:NO(一酸化窒素)
微小循環領域では、血液粘度の上昇、赤血球の凝集、変形能の低下などで血流の低下が起こります。これら血流低下の原因改善や血管の拡張に関与するのはNO(一酸化窒素)です。霊芝はこのNOの産生に影響します。○その他
上記のテーマの他、「悪性新生物と酸素」「血管内皮細胞」「血栓」「血球系細胞」(赤血球やリンパ球などに分化可能な幹細胞)等々の関して。いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
今回から「酸素」に関する特集をお届けします。
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