放っておくと、深刻な事態に!
ある70代の男性は、歩くたびに足に痛みが走り、近くの公民館に行くのにも一苦労。最近は足が細くなり、爪や毛が伸びなくなってきました。「もうこの年だから」と放置していましたが、心配した家族の紹介で病院に行くと「閉塞性動脈硬化症」と診断されました。閉塞性動脈硬化症は、手や足の血管に動脈硬化が起こり、血管の幅が狭くなったり塞がれたりして血流が悪くなる病気で、症状は主に足に表れます。初めのうちはほとんど自覚症状がありませんが、進行すると少し歩いただけで痛み出します。休むとまた歩けるようになるのが特徴です。
山王メディカルセンター 血管病センターの重松 宏センター長は、「日本では100万人程度の患者がいるが、症状が出ない潜在患者は300万~400万人いるとされる」と言っています。また、症状がさらに重くなると「足の傷が治りにくくなって壊死(えし)し、最悪の場合は切断を余儀なくされる」(同センター長)と話しています。
動脈硬化を引き起こすのは、加齢や喫煙、高血圧のほか、糖尿病も原因の一つです。
そして、問題は足の症状だけではありません。帝京大学臨床研究センター長・寺本民生内科院長は、「足の動脈硬化は体のどこかで動脈硬化が起こっている可能性を表すサイン。将来、脳梗塞や心筋梗塞の可能性がある」と強調しています。
足の冷えやむくみを起こす症状は動脈に限りません。足の静脈の血管が逆流しても、冷えやしびれ、むくみの症状が現れます。下肢静脈瘤という血管疾患です。下肢静脈瘤は全身にまわった血液が心臓に戻る静脈に異常が起きる症状です。血液が逆流するのを防ぐ「弁」が壊れ、血液が血管内にうっ血します。
総合東京病院(東京・中野)血管外科の佐久田斉部長は「放置しておくと、むくみがひどくなり足の血管が浮き出てボコボコになる。黒っぽく色がついて、皮膚が硬くなり、やがて歩くのが困難になる」と説明します。
静脈性、動脈性の疾患にしろ、痛みやむくみといった症状がほとんどなので、特に高齢者の中には病院に行かず我慢している人も多くいます。「特に動脈の場合は、早期に見つけ治療をはじめないと死に至る恐ろしい疾患だ。脳や心臓など全身に関係する血液疾患という認識が大切」(重松 宏センター長)。
症状が出ているのに「年だから」「冷え性の体質だから」と放っておくと、深刻な事態に陥る可能性があるのが足の血管障害なのです。
■閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化が進み、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを感じます。さらに進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。動脈硬化の進行に影響する血管内皮細胞!
●血管内皮細胞は、微小循環を円滑に維持しています。ストレス、コレステロール、糖尿病などで、酸化ストレスが増加すると、血管内皮細胞が阻害され、NO(一酸化窒素)などの産生が低下し、血管が収縮し炎症を起こし易く、血栓が形成され易い血管になり、動脈硬化を進行させてしまいます。●血管内皮細胞は、活性酸素によって強くダメージを受け、血管透過性が亢進したり、微小血栓を形成し、微小循環障害から動脈硬化を起こします。
動脈硬化の原因
高血圧の状態が続くと、血管内皮細胞にも負担がかかり内皮細胞がもろくなるため、動脈硬化が起こりやすくなります。また、生活習慣でもストレスや飲酒、喫煙などが危険因子になります。
男性のほうが女性より動脈硬化を起こしやすいですが、女性でも閉経期を過ぎるとLDL(悪玉コレステロール)の低下作用を持つエストロゲン(女性ホルモンの一つ)が低下するため、動脈硬化を起こしやすくなります。
動脈硬化は、その進行度合いによって様々な疾患が引き起こされ、健康寿命を脅かします。いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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