果糖はブドウ糖の100倍!?
しかし最近、果糖の摂り過ぎに警告をうながす臨床研究が相次いで発表されています。果糖の過剰摂取は、糖尿病の心配だけではなく、肥満や脂肪肝の原因にもなることが分かってきています。
糖質(炭水化物といってもいいでしょう)は、「単糖類」と呼ばれる最小単位の物質が複数つながった構造を持ちます。
食品総合研究所の徳安健 糖質素材ユニット長は「ご飯などに含まれるデンプンや砂糖など主な糖質は、胃腸で分解され、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)など単糖類として吸収される」と話しています。
糖質は三大栄養素の一つですが、近年、食後に血糖値の急上昇を招き、肥満や糖尿病の原因になることが問題になっています。そのため「食品科学の分野では、糖質の消化・吸収を穏やかにする成分が開発され、特定保健用食品などに利用されてきた」と徳安ユニット長。
天然の甘味で食後血糖を上げない成分として注目されたのが果糖です。果糖は果物などに豊富に含まれます。吸収されてすぐ血中に移行するブドウ糖に対し、果糖はほとんどが肝臓で代謝されます。そのため甘いものが欲しいとき、果糖を中心にとれば血糖値は上がらず、肥満を防げるはずと考えられ、果糖を主成分にした食品添加物や甘味料が人気を集めました。
しかし、実はこの果糖も、摂り過ぎはリスクがあると分かってきました。帝京大学医学部の山内俊一教授は「血液中の糖は、エネルギーとして使われる一方、体のたんぱく質と結びついて、最悪の老化物質と言われる『AGE(終末糖化産物)』を作り出し、毛細血管を傷つけるなど“毒性”を持つ。果糖は体内のたんぱく質と結びつく力が理論上、ブドウ糖の約100倍であることが分かってきた」と話します。
専門家は、果糖が肝臓で代謝されるのは、この“毒性”から体を守るためだと考え始めています。いわゆる砂糖(ショ糖)は、果糖とブドウ糖が半分ずつ。これに対し工業的に作られる高果糖のシロップなどを多く含む食品は、摂り過ぎると影響が強く出ます。
「一つは肝臓で代謝された果糖が中性脂肪を増やし、脂肪肝や肥満をもたらす点。また、果糖の一部は血中に流れ出しAGEとなって『肌のくすみ』など加齢を促進する」と山内教授。
果糖は、摂り方によっては一番怖い糖といえるかもしれません。
■果糖の摂りすぎには要注意!
果物などを適量食べる程度なら問題はありませんが、“果糖”の多い飲み物とブドウ糖だけの飲み物での比較試験で、果糖のほうが内臓脂肪を増やすことが確認されています。果糖が食品添加物に多く使われてきた理由
○甘味料として味が優れている○同じ甘さならブドウ糖より低カロリー
○トウモロコシを原料に大量生産が可能
→清涼飲料水、菓子などに大量に用いられるように
○健康によいイメージの果物に豊富に含まれている
○小腸で吸収後、肝臓で代謝されるのでブドウ糖のように血糖値を上昇させない
→果糖を中心に含んだ健康食品も登場(高果糖コーンシロップ、アガベシロップなど)
過去5年の間に果糖のデメリットが解明
●果糖はブドウ糖の100倍もたんぱく質と結合しやすく、血液中に存在するとAGEを作り出す→メタボリックシンドロームの悪化、細胞や組織の老化につながる
●そのため人の体は、果糖を肝臓で分解するようになった
→果糖をとっても食後血糖値が上がらないのは、“毒性”から身を守るためだったという説も
●果糖の摂取量が増えると、脂質代謝に異常をきたす
→果糖のとりすぎで肥満や脂肪肝になる
ブドウ糖より果糖で脂肪が蓄積!
★果物は食べない方がいいの?
果糖(フルクトース)だけを使った飲料や食品を摂ると、ブドウ糖のように消化酵素で分解されることなく、胃腸から吸収されてしまいます。ブドウ糖のようにインスリンの手を借りることもありません。体温にすぐ反応するため、ブドウ糖とは比べ物にならない速さでたんぱく質と結びつき、糖化たんぱく質となり、大量にAGEを生成してしまいます。しかし、果物には他に体に良い様々な成分を含んでいます。摂り方に気をつけることです。そうすれば食べても問題はありません。むしろ食べるべきです。
一度に食べる量は、リンゴやミカンなら1個の4分の1程度に抑えましょう。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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