2014年4月12日土曜日

健康の数値を見直す新基準 !?

健康な人が増える新基準 ??

 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会はこのほど、血圧や肥満度などについて、健康診断や人間ドックで“異常なし”とする数値を緩めることを明らかにしました。
 新基準の中には従来の専門学会の基準と大きく異なるものがあり、“健康な人”が増える可能性があります。ただ、医療現場からは「油断し病気を見逃してしまうリスクがある」との声も上がっています。

 現行の人間ドック学会の基準は、各専門学会が定めた基準値などを使っています。今回、人間ドック学会は2011年に人間ドックを受診した約150万人のうち、持病が無く薬も飲んでいないなどの極めて健康な男女約1万人を抽出しました。この人たちの検査値を基に、「健康」と判断できる数値の範囲を決めました。従来は129以下を“異常なし”としている収縮期血圧(上の血圧)は147でも健康になります。肥満度を表す体格指数「BMI」も、現行25以上は肥満とされていますが、男性は27.7まで、女性は26.1までは「健康」になりました。また、LDLコレステロールや男性の中性脂肪、アルコールによる肝障害の指標になるγ-GTPは大幅に変わりました。何もしないのに昨日まで病気だった人が「健康」な人になるわけです。

 人間ドック学会は今後も追跡調査をし、できるだけ早く新基準を正式に決め、健診を実施する医療機関に運用を呼び掛ける方針です。ただ、糖尿病などの持病がある人は新基準は当てはまらない可能性があるとして、かかりつけ医の指示に従うよう注意を促しています。

 新基準について健診を実施する医療現場の反応は――人間ドッククリニック柏(千葉県柏市)の担当者は「項目によっては、男女一律だった基準を年齢や性別で区分けしており、受診者により柔軟なアドバイスができると思う」と評価。一方で、「基準が緩和されることで、これまでなら発見できた病気を見逃すリスクはある」と懸念しています。浅草クリニック(東京都台東区)は「受診者にとっては健康である可能性が広がったため朗報だ。自分の体を気遣って積極的に受診する人は安心しやすくなるだろうが、病気を早期発見できた人が漏れてしまう恐れもある」。

 この緩和された基準値になると、現行の数値で薬を飲んでいる“病人”が、飲まなくてもいい“健康人”にわけです。持病がなく、ほかに健康上の問題がない人は参考になりますが、それでも気を緩めず、日々の生活で節制に努めることが大切です。

■健康な人を示す新たな健康診断の基準

 今回の新基準は「これまでにない大規模調査の結果で、統一基準と受け止めてほしい」と日本人間ドック学会では説明しています。

 通常、人間ドックや企業の健康診断では、基準値の範囲内に入るかどうかで正常かどうかを判定しています。しかし、基準値は、同学会が公表している判別値を使う施設もあれば、日本高血圧学会など各専門学会が定めた診断基準を利用する施設もあるなど、バラバラな状況です。今後日本人間ドック学会では、今回の新基準を健診施設などで利用するよう働きかけるということです。

 新基準は、糖尿病など持病を持つ人には適用されません。専門家らは、新たな基準値で将来的に健康を維持できるかについては、さらに検討が必要と述べています。

数値に惑わされず健康は自ら創り守る

 新しい基準値で、将来的に健康寿命を延ばしていけるかは未知数です。基準値はあくまでも目安で、自らの健康は自ら創り守るという意識を持つことが大切です。
 予防は治療に勝るという考えが基本にありますが、明らかに病気に罹患している場合、西洋医学を中心とした治療が重要で最も大切なことです。しかし、健康の回復、生活の質の向上、健康寿命の延伸となると治療の分野から先へ進むことが重要です。
 この視点から健康を回復することを目的とした学問が「康復医学」です。康復医学は、予防医学、治療医学と共に第3の医学として注目されています。
 康復医学学会では、微小循環の重要性に着目し、新たな切り口で健康基準の確立を目指しています。

 数値に翻弄されてしまうような「健康」は本末転倒です。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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