2014年3月28日金曜日

花粉症の意外な原因

アレルギーとエンドトキシン

 アトピーは皮膚炎だけでなく、花粉症・ぜんそくなどのアレルギー疾患も含まれる総称です。この疾患は20世紀後半、先進国で激増しました。花粉症だけで4500万人以上もの日本人が患う病となっていますし、小児のアレルギー性皮膚炎は三人に一人です。急増の原因として、これまでは花粉・ダニの増加、大気汚染と考えられてきましたが、意外な原因があることがわかってきています。

 南ドイツで、農家と非農家の子供の家のホコリを集め、「エンドトキシン」と呼ばれる細菌成分の量を調べたところ、それが多い農家の子ほど花粉症とぜんそくを発症していませんでした。ヒトの免疫システムは、1歳までに決まってしまいます。乳幼児期(1歳まで)にエンドトキシンの曝露が少ないと、免疫システムが成熟できず(細菌に対する免疫とウイルスに対する免疫のバランスが取れない状況で確定してしまう)、アレルギー体質になってしまうというものです。
農家のエンドトキシンの最大の発生源は家畜の糞です。糞に住みついている細菌の死骸がエンドトキシンは発生します。つまり、糞に触れることのない清潔な社会がアレルギーを生んだとも言えます。
 日本の調査でも昭和30年生まれの人を境にアレルギー体質の人が増えてきたことと、牛や馬などの家畜との接触が減ってきたことの間に重要な関連性があることがわかってきています。
 また、一番目の子供より、二番目以降の子供の方がアレルギー体質になりにくいのは、外遊びを覚えた上の子が、屋外からエンドトキシンを持ち帰るからだといわれています。
 現在ドイツでは、子どもが生まれると1年以内にベビーカーに乗せて農家や牧場に連れて行くことが当たり前になっているそうです。

 ヒトの免疫システムが完成したのは2億年前。ほ乳類にはは虫類のようなウロコや固い皮膚がなく、外敵の攻撃を受けやすいものでした。しかし新しい免疫システムを獲得したほ乳類は、「IgE(免疫グロブリンE)と呼ばれる免疫物質によって外敵を撃退できるようになっていきました。
 そして2億年前に完成した免疫システムを、人類は自らが作り出した清潔で合理的な生活を手に入れることと引き換えに、失いつつあるという皮肉な現状を招いているのです。

「健やか牧場のホームページ」http://dryend.shop-pro.jp/?pid=14312330 も、ぜひご覧ください。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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