2014年3月7日金曜日

糖質制限食のメリット

日本人初の比較試験、糖質制限食vsカロリー制限食

康復医学通信でも度々お送りしてきた「糖質制限」。その後、出版物やメディアで取上げられたり、糖尿病学会が異論を唱えたりと話題が尽きません。

 1月中旬、北里大学糖尿病研究センターによる「糖質制限食vsカロリー制限食に関する報告」が、日本内科学会の英文誌に掲載されました。
 試験対象は、同センター外来に通院する2型糖尿病患者24人(平均年齢63.2歳、うち男性が12人)。平均BMIは25.8で、糖尿病の指標となるHbA1cは平均7.6%です(6.5%以上で糖尿病と診断されます)。被験者のうち12人には従来通りのカロリー制限食(体重1kg当たり25~30kcal)を、残りの12人には糖質制限食として1食の糖質量を20~40g、1日の糖質摂取量70~130gに制限してもらいました。ちなみに、糖質制限食群には、たんぱく質や総カロリー摂取量の制限は課していません。
 被験者は開始時と、2カ月後、4カ月後の3回、指導を受け食事療法の順守を確認しています。
 その結果、試験開始6カ月後に糖質制限食群でのみ、HbA1cが有意に改善しました。しかも、改善幅はカロリー制限食群よりも大きくなりました。中性脂肪値も糖質制限食群でのみ、有意に改善しています。治療満足度に差はありませんでしたが、「治療の負担感」は糖質制限食で軽い傾向がありました。

 昨年、米国糖尿病学会は従来の懐疑的な態度から一転、糖質制限食を食事療法のひとつとして認めました。糖質=主食制限による高たんぱく・高脂質食が、腎機能や脂質代謝の悪化につながるのではという懸念が払拭されたためです。
 今回の試験でも腎機能の悪化や脂質異常は認められませんでした。研究者は、長期の大規模比較試験の必要を認めながらも「現時点で、カロリー制限食に対するサブ的な食事療法として糖質制限食は安全で有効だ」と結論付けています。
 日本人を対象にした糖質制限食vsカロリー制限食の比較試験は、今回が初めてということです。

■糖質制限の食事方法とは

糖質制限は、文字通り糖質の摂取をできるだけ少なくする食事療法です。糖質さえ制限すればできるので長期に渡って実践でき、ストレスは少なくメリットの多い食事療法と考えられています。

糖質制限のメリット

○食後高血糖がほとんど生じない

血糖値を上昇させるのは糖質だけなので、脂質・たんぱく質を中心に摂取する糖質制限食なら食後高血糖が生じません。一方カロリー制限食(高糖質・低脂質食)は、1日1600kcalに制限し、ひもじい思いを我慢して頑張っても糖質を55~60%摂取するので、必ず食後高血糖を生じます。

○一日の平均血糖変動幅も極めて少ない

朝昼夕を通して、糖質制限食なら食後血糖値上昇が少ないので、食前・食後血糖値の変動幅がほとんどありません。これに対してカロリー制限食は、食前・食後血糖値の変動幅が大きく、血管内皮と身体代謝に負担がかかります。インスリン注射や薬を内服しても、カロリー制限食の場合は、食後高血糖のコントロールは困難ですし、厳格に治療し過ぎれば低血糖のリスクが増加します。

○基礎分泌インスリンがある程度保たれている段階なら、空腹時血糖値も改善する

糖尿病が発症した時点で、インスリン分泌能力はかなり低下しています。糖質制限食で膵臓のβ細胞が休養できて回復すれば、空腹時血糖値も正常になります。しかしβ細胞が一定以上死滅していたら、基礎分泌インスリンが回復しないので、空腹時血糖値が正常にまで改善することは困難です。

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 糖質は、糖尿病だけに限らず、毎日の生活で少しずつ体内に溜まっていくAGE(終末糖化産物)も問題です。これを少しでも溜めないようにするのが糖質制限の目的でもあるのですが、「甘み」に対する制限は、ストレスの蓄積を招きます

 康復医学学会の研究から生まれた甘味調味料『甘みストレスフリー』は、アミノ酸の一種「グリシン」が主成分です。グリシンの甘さはショ糖(砂糖)の約70%で十分に甘く、さらに炭水化物はゼロ(糖質も含む)です。グリシンは食品添加物として一般的に使われている成分ですので、安心して摂取できます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ


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