2014年3月5日水曜日

若い女性に多い「慢性疲労症候群(CFS)」

突然、疲れが襲う! 微熱、喉の痛み、頭痛も。

 ある日突然、座っているのさえつらいほどの疲れに襲われる。微熱や頭痛が続き、朝起きることもできなくなってしまう。これらは、最近では20~40歳代の女性を襲うことが多い「慢性疲労症候群(CFS)」の症状です。

 風邪と思って病院に行くが、微熱や喉の痛みは治まらない。検査をしても疲労や筋肉痛の原因が見つからない。疲れているのに眠れず、次第に朝起きることができなくなり、会社を休む―。CFSでよく見られるケースです。
 「職場に迷惑をかけるからと休職するのですが、復職しても欠勤を繰り返し、退職せざるを得ないということもあります」(大阪市立大学医学部附属病院疲労クリニカルセンター・山口浩二医師)。

 1984年に米国で集団発生のあったCFSは、日本では現在約36万人の患者がいると報告されています。はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザやヘルペスなどのウイルス感染、精神的・肉体的なストレスなどにより、神経内分泌・免疫系の機能不全を来すことが関係しているのではといわれています。
 診断ではまず、疲労の原因と考えられる病気がないことを確認します。その上で、疲労感など診断基準となる主な症状があるか、6カ月以上続いているかを調べます。CFSでは、緊張やストレスによって高まる交感神経の働きが見られ、細胞の老廃物である血液中の活性酸素の量も増えます。

 CFSの根本的な治療法はなく、活性酸素を減らすとされるビタミンCや漢方薬などを処方したり、睡眠導入剤や痛み止めなどによる対症療法を併用しています。また、起床時に横になったままストレッチをする、ラジオ体操をするなど、続けることができる軽い有酸素運動も指導しています。
 山口医師は「CFSの患者は、ウイルスなどから体を守る免疫力の鍵となるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性数値が下がっているので、感染症には弱い。風邪やインフルエンザの予防に手洗いやうがいも大切です」と言います。

 該当する症状に悩む人は、一般内科を受診して疲労の原因となる他の病気が隠れていないか確認した上でCFSの対策を実践するのが望ましいとのことです。

■CFSは脳の機能低下が原因

肉体的な疲労で手や足、腰がだるいとしても、手足や腰の筋肉で疲労を感じているのではありません。筋肉の抹消から脳に信号が伝わり、脳で「疲れた」という感覚が生じているのです。その結果として、意欲や行動が低下すると考えられています。
 抹消組織から送られてきた信号を感知し脳内で疲労感を伝える物質の働きが「疲労の本質」といわれています。その過程は、免疫系や内分泌系もからんでいて、脳にこれらの働きを制御する、右図のような「疲労回路」があるのです。
 疲労感が長く続くCFS患者は、脳内の神経伝達物質の合成・分泌障害などが確認されていて、脳の疲労回路機能が低下していると考えられます。

原因はセロトニン神経の低下

CFS患者の脳全体を調べたところ、セロトニン輸送体の量が左図の点線部分のみで減少していました。
 これは、セロトニン終末(神経線維の末端)の数の減少を表していると解釈されます。同時にセロトニンの分泌量が減少していて、この部分でセロトニン神経が低下していると考えられています。

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 CFSのような、日常生活に支障をきたすほどの疲労に対しては、康復医学学会の研究テーマでもある「コエンザイムQ10」の効果に期待がもてます。コエンザイムQ10は、抗酸化エネルギー産生に関わるメカニズムが解明されています。

 また、同学会の研究素材の一つ「ラフマ」には、セロトニンの分泌促進のデータがあります。セロトニンは、睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」の原料でもあり、CFSの症状の一つ“睡眠障害”の改善にも期待できます。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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