胃の不調を感じた人は5割弱
12月13日は「胃に胃散の日」です。これは(株)太田胃散が制定した記念日で、12月13日を“胃に(12)胃散(13)”と読む語呂合わせからきています。この日は、胃腸を酷使する12月に、身体と特に胃腸を大切にしてもらうことを目的としています。
また、12月11日は「胃腸の日」(日本OTC医薬品協会が制定)で、“胃に(12)いい(11)”という語呂合わせと、1年の締めくくりに胃腸を労わるという意味が込められています。
さて、直近1年間に5割弱の人が胃の不調を感じている、という調査結果がありました(2025年1月1日~7日インターネット調査)。「ときどき感じる」は40.8%、女性10~40代では5割前後となっています。
症状としては(複数回答)、「胃もたれ、胃が重い、膨満感・圧迫感」が47.1%、「なんとなく胃が不快」「胃から胃酸(酸っぱい液)が逆流する、胸やけ」「胃が痛い」が各20%台です。男性50~70代では、「胃もたれ、胃が重い、膨満感・圧迫感」「胃から胃酸(酸っぱい液)が逆流する、胸やけ」が上位2位となっています。「なんとなく胃が不快」「胃がむかむかする、吐き気」は、若年層で高い傾向です。
胃の不調を感じた人に、原因と思われるものを聞いたところ(複数回答)、「一時的な食べ過ぎ・飲みすぎ、暴飲暴食」が39.0%、「疲れ、体調不良」「加齢による」が3割前後、「ストレスを感じる、不安・悩み事がある」が24.4%でした。
胃の不調を慢性的に感じる人では、「疲れ、体調不良」「加齢による」「ストレスを感じる、不安・悩み事がある」が上位3位です。
胃の不調の症状で『胃が痛い』と回答した人では、「ストレスを感じる、不安・悩み事がある」が最も多くなっています。
直近1年間に胃の不調を感じた人の対処法は(複数回答)、「市販の胃薬や漢方薬を飲む」が43.5%、そして「消化によいものを飲食する」「休養する」「腹八分目を心掛ける、食べ過ぎない」が各2割弱で続きます。
「消化によいものを飲食する」「お腹や体を温める」は、女性で比率が高くなっています。
「何も食べず胃を休ませる」は若年層でやや高い傾向です。
胃の不調を慢性的に感じる人では、「病院に行く・医師に相談する、処方薬を飲む」の比率が高くなっています。
直近1年間に胃の不調を感じた人に、胃の不調が普段の生活に影響があるかを聞きました。
影響がある人は、「影響がある」「やや影響がある」を合わせて4割です。女性10・20代で6割強、男性30代や女性30~50代で各5割弱となっています。
胃の症状で『胃の不快感で食欲がない』と回答した人では、7割弱と高くなっています。
(出典:https://prtimes.jp/)
■主な胃の病気
ピロリ感染症 :
●ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は主に口から侵入し、幼少期に感染すると言われています。自然界にはほとんど存在せず、感染者の胃の中にだけ存在するため、何らかの形(口移しの食事や嘔吐等)で経口感染することが推測されます。感染すると組織学的な胃の炎症が起こります。炎症が持続すると胃や十二指腸の潰瘍、胃がんが発症しやすくなります。●保険診療で除菌ができ、抗菌薬2種類と胃酸を抑える薬の3剤を1週間服用します。新薬の登場で成功率は1次除菌が90%、失敗すると2次除菌を行います(成功率95~99%)。●除菌の薬で副作用が出ることも。軟便、下痢、味覚異常など比較的軽い副作用が多いのですが、出血性腸炎等を引き起こすこともあります。
胃がん :
●胃がんは、胃の粘膜にある細胞が、何らかの原因でがん化して発生します。がんの種類別の死亡者数は男性で第3位、女性で第5位と報告されています(2023年)。胃がんは早期に見つかれば95%以上が治癒すると言われている治療成績のよいがんでもあります。●早期の段階では自覚症状は出にくいので、早期発見、早期治療のためには、たとえ症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けることが非常に重要です。●病期は、胃がんが胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まり、それによって治療法が決まります。●早期に発見できれば内視鏡治療が行われます。お腹を切らずに治療するため入院期間は短く、体への負担は少なくすみます。
機能性ディスペプシア :
●機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)は、内視鏡査を受けても胃、十二指腸潰瘍の病気がないのにも関わらず胃が痛い、胃がもたれるなど様々な胃の症状を訴える病気です。●原因については、胃の運動機能異常、内臓の知覚過敏、胃酸の分泌異常、ピロリ感染、精神的ストレス、不規則な食事など様々な要因が考えられます。●治療は胃酸分泌抑制薬、胃の運動機能改善薬、抗不安薬、漢方薬等を使用します。また最近は機能性ディスペプシアそのものに保険適応のある薬剤も登場しています。またピロリ菌の除菌で改善することもあります。●FDは、様々な要因が関与しているためそれらを考慮しながら個々に応じた治療がされます。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン






























