健康的な肥満?
メタボリックシンドロームに代表される「肥満」は、まるで不摂生と不健康の塊のように言われますが、実は痩せているより太っている方が長生きできるというデータもあります。太っているからといって、必ずしも不健康とは限りません。「肥満=悪と考えられがちですが、実は逆で太っている方が死亡リスクが低いという科学的根拠がいくつもあります」
こう言うのは、『長生きしたけりゃデブがいい』(SB新書)の著書がある帝京大学医学部外科の新見正則准教授。
身長・体重を基に肥満度を示すBMI数値がありますが、昨年1月にアメリカ疫病対策センターの研究者が発表した調査によると、BMIが25~30の過体重の人の方が、18.5~25の普通体重の人よりも死亡リスクが6%低いという結果が出ました。
「日本人を対象とした別の調査でもヤセ形より過体重の方が、平均余命が6~7年も長いとする結果が出ています。肥満の人は、皮下脂肪によって体温が高めに保たれるので免疫力が高い。また、肥満の人はストレスに強い。誰でも疲労時には血糖値が下がりストレスの原因になりますが、肥満の人は体脂肪として蓄積しているエネルギーが多いため、低血糖になりにくいのです」
身長に応じた理想体重より10kg以上太っていても構わないくらいだということです。しかし、同じ肥満でも、健康的な肥満とそうでない肥満があります。
「膝などを痛めるほどの体重があったり、睡眠時無呼吸症候群の症状が出ているような肥満、内臓脂肪が基準値以上になっている肥満は注意が必要です」(すべて新見准教授)
理想的なのは、適度な筋肉を備えた肥満。逆に健康上のリスクが多いのが、内臓脂肪をため込んだ肥満です。こちらは動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高いのです。BMIは標準なのに内臓脂肪が基準以上だと、まさに不健康な隠れ肥満です。健康な肥満になるには、筋肉を作るたんぱく質を意識したケアを心がけがけましょう。
※現在はCTスキャンを使わずに5分程度で内臓脂肪の量を測定できる機器が、一部の医療機関に導入されています。
■減少する、日本人のたんぱく質摂取量
健康的な肥満の人の方が死亡リスクが低いことがわかりました。早速、健康的な肥満を目指しダイエットに励みたいところですが、どうしてもカロリー制限にばかり目が向き、その結果、健康的な肥満に必要なたんぱく質まで減らしているケースが目立ちます。また、ダイエットに限らず通常のたんぱく質摂取量も男女共に年々、著しく減少傾向にあります。たんぱく質不足が不健康肥満を招く!
たんぱく質で作られる筋肉の量は、そのままミトコンドリアの量=基礎代謝量につながります。筋肉量が多ければ、基礎代謝量が増えて、太りにくく痩せやすい身体になります。しかし、たんぱく質が不足していると以下のような症状が表われてしまいます。
【水太り】
血中のたんぱく質が少なくなると、血中たんぱく濃度を保つために、血液中の水分は血管外へ追い出されます。この水が組織間にたまり、むくみになります。食事制限をしている女性の脚がむくみ、脚ばかりではなく、余分な水分が体内に保持され、それだけ体重にも響くことにもなります。そして「水を飲んでも太る」と思いこみ、水分摂取を控える傾向になり悪循環になります。
【リバウンド】
脂肪だけが減ればいいのですが、気をつけないと重要な筋肉も落としてしまいます。とくに体重減ばかりに気をとられていると、こうした失敗に陥ります。筋肉が減少すると基礎代謝率も低下するので、リバウンドしやすく、また太りやすく痩せにくい体質になります。筋肉はたんぱく質の塊のようなものです。【その他】
体内の代謝に必要な何千という酵素すべてがペプチド結合されたたんぱく質です。たんぱく質不足では酵素がまともに作れません。「○○酵素」などの商品で酵素自体を摂っても、分解・消化されてしまってそのまま体内に入ることはありません。必要な酵素は、たんぱく質をベースにすべて体内で作られるのです。これからの季節は、たんぱく質が特に不足がちになります。暑さで食欲が減少するだけでなく、麺類などのサッパリした食事に偏りがちです。
また、発汗も多くなるため水分を多量にとるようになり、知らず知らずのうちに普段よりもたんぱく質不足に陥ってしまう傾向になります。たんぱく質が不足すると、筋肉の量だけではなく筋肉自体が弱まり、内臓の働きも低下して、疲労や夏バテにつながります。夏は特にたんぱく質の摂取を心がけることが大切です。筋肉に必要なたんぱく質は、アミノ酸の形で吸収されるのです。
康復医学学会が推奨するのは『薬膳の素』(販売元:和漢生薬研究所生薬研究所)です。アミノ酸スコアは100。さらに吸収力が高いコラーゲンペプチドタイプなので、理想的なたんぱく質の補給源と言えます。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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