2025年12月3日水曜日

血液・血流・血管

 アンチエイジングのポイント=血管

 アンチエイジングにおいて、血液と血管の健康は非常に重要です。血管は全身の細胞に酸素や栄養を運び、老廃物を回収するパイプラインのような役割を果たしており、その機能が低下すると、全身の老化を促進する可能性があります。そのため、血管の健康を意識した生活習慣が、若々しさを保つために重要です。

血管のアンチエイジングが重要な理由

(1)全身の細胞に栄養を届ける:血管は、動脈、静脈、毛細血管を通じて、全身の細胞に酸素や栄養を運びます。血管の機能が低下すると、細胞に必要な栄養が届かず、老化を早める可能性があります。

(2)老廃物の回収:血管には、細胞から出た老廃物を回収し、体外へ排出する役割もあります。血管の機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積し、老化を促進する原因となります。

(3)見た目の若さにも影響 :血管の健康は、肌のハリやツヤ、髪の健康など、見た目の若々しさにも影響します。血管が老化すると、肌の老化や髪の衰えにつながる可能性があります。

 血管のアンチエイジングのためには、以下のような生活習慣の改善が重要です。

【バランスの取れた食事】コレステロールや中性脂肪をコントロールし、血管を詰まらせないように注意しましょう。

【適度な運動】軽い運動でも、血流を促進し、血管を若々しく保つ効果があります。

【禁煙】喫煙は血管を収縮させ、老化を早めるため、禁煙を心がけましょう。

【ストレスを溜めない】ストレスは血管を収縮させ、老化を促進する可能性があります。

【睡眠をしっかりとる】睡眠不足は、血管の老化を促進する可能性があります。

【定期的な血管年齢のチェック】血管年齢を測定することで、血管の老化状況を把握し、早期に対策を講じることができます。

 その他、血管のアンチエイジングには血管を柔らかくする物質「NO(一酸化窒素)」も重要です。NOには、血管を柔らかく保つ働きがあります。NOの産生を促す食材(肉、魚、鶏肉、豆類、ナッツ類、高カカオチョコレート、ビーツ‥‥など)の摂取や運動を心がけましょう。

 さらに重要なのが毛細血管です。毛細血管は、血管全体の9割以上を占めており、その健康が全身の健康に大きく影響します。毛細血管のゴースト化を防ぐことが、アンチエイジングの鍵となります。

 血管のアンチエイジングは、健康寿命を延ばし、若々しさを保つために非常に重要です。今日から血管を意識した生活を始めましょう。


■血液・血流・血管が老化を左右する!

肌や体の組織を養う血液

 貧血になると、顔がくすむほか、爪が割れやすくなり、また、シワができやすくなるという報告があります。鉄はコラーゲンを作るのにも必要なミネラルで、不足すると血管の壁ももろくなります。つい食べ過ぎる人は、悪い油の摂り過ぎに注意しましょう。

 実年齢より老けて見えるグループと、若く見えるグループに分けて比較したところ、老けて見えるグループは、肌の明度や透明度が低いことが分かりました。また、血液中のヘモグロビン酸素飽和度(赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合している割合)も有意に低く、くすんで見える要因になっていることが分かりました。(資生堂:60~70代の女性130人対象)

熱を運び老廃物を回収する血流

 皮膚表層部の血流が滞ると、目元や唇のまわりが黒っぽく見えます。肌に栄養や酸素が届かず、老廃物も回収されにくいため、肌荒れしやすくなります。

 また、女性に多い“むくみ”や“冷え”は、手足の末端などに血液が十分に流れないことによって起こります。クマが目立つ人と、クマが目立たない人の、目のまわりの血液量を調査した結果、クマが目立つ人のほうが、目立たない人よりも滞留した血液の量が多く、クマの部分とそのまわりの肌の明るさ、色の差も大きかったという報告があります。

血液の流れをコントロールする血管

 動脈硬化の初期段階では、血管内皮に傷がつき、強力な血管収縮作用を持つ生理活性物質・エンドセリン1の産生が上がります。このエンドセリン1は、皮膚ではメラノサイトを刺激してシミをつくる指令を出す物質でもあります。

 頚動脈の壁の厚さを測定する頚動脈エコーで血管年齢を算出して分析し、実年齢よりも若く見える人と老けて見える人を近似直線にすると、見た目年齢と血管年齢が強く関連していることがわかっています。エンドセリン1を介して、動脈硬化はシミ発生のメカニズムにも関連する可能性があるのです。

 人の美肌や見た目に関しては、紫外線対策や抗酸化対策が主流でしたが、今回のように血液と血流、血管が重要だということです。

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HM-3000(特系霊芝)と血液循環

「HM-3000(特系霊芝)」は、血液・血流・血管の老化に関して、数多くのエビデンスに基づく様々な作用が認められています。

●赤血球変形性(柔軟性)の改善 ●集合性の低下 ●血栓形成の予防 ●毛細血管口径と密度の調整 ●血漿粘度の低下 ●2,3-DPの産生促進(組織への酸素供給の向上) ●一酸化窒素(NO)の産生・増加(血管内皮細胞増殖の促進) ●血圧の低下 ●血糖値の降下‥‥等


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年11月26日水曜日

高血圧

 高血圧治療を阻む3つの“ない”

 健康診断で血圧が高いと指摘された成人のうち、41.4%が通院治療を行っていないことが分かりました。医療ソフトウエア企業のCureAppが実施したオンライン調査から、「病院に行かない」「血圧を測らない」「薬を飲まない」という、3つの“ない”により高血圧が放置されている実態が浮き彫りとなりました。

 調査は、過去に健診で血圧が高いと診断され、回答時に高血圧の自覚がある30~70歳代を対象としてオンラインで実施。1,007人(男性577人)から有効回答を得ています。

 健診で高血圧を指摘された後に受診したかを聞くと、「病院に行き定期的に受診している」が49.4%を占めた一方で、「行っていない」(28.5%)と「一度受診したが、通院していない」(12.9%)を合わせると4割超が通院治療を行っていない実態が示されました。

 理由を聞くと(複数回答可)、「行っていない」と回答した287人では「自覚症状がなく必要性を感じない」が31.0%で最も多く、次いで「面倒だった」が27.5%と病識の乏しさが目立っています。それに対し、「一度受診したが、通院していない」と回答した130人では「薬の副作用や体の影響への不安」の23.1%が最多で、「一度服薬するとやめられない」の20.8%が続き、薬物療法に対する懸念が挙げられました。「忙しくて時間がない」も両者で上位を占めました。

 血圧の測定頻度を尋ねると、毎日測定していたのは全体の31.1%にすぎず、健診時のみが12.3%、通院時のみが9.0%など、約7割が日常的に血圧を確認していませんでした。

 服薬の印象(複数回答可)については、「長期間服用しなければならない」が52.9%で半数超、「できれば服用したくない」が30.3%と、降圧薬に対し忌避感を抱いている人は少なくないことが浮き彫りになりました。「医師の指示通り服用している」は37.7%、「進行防止のため服用している」は21.5%でした。

 薬以外の高血圧改善法への関心を尋ねると、「とても興味がある」が26.6%、「やや興味がある」が51.8%で、約8割が薬物療法以外の選択肢に関心を寄せています。

 今回の調査結果について、日本高血圧学会理事・自治医科大学内科学講座主任教授の苅尾七臣氏は「健診で高血圧を指摘されても、自覚症状のなさや服薬への懸念により治療に結び付いていない現状が明らかになった。最近の研究でも脳出血による入院患者の50%以上が高血圧治療を受けていないこと、特に50歳未満では約80%が未治療であることが報告されている。薬物治療に抵抗がある場合は生活習慣改善から始めることができ、血圧管理を補助する様々なデジタル技術も登場している。高血圧に伴うリスクを放置しないように心がけてほしい」とコメントしています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)


■特系霊芝と高血圧

 高血圧の診断基準は、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上です。特定健診における受診勧奨基準は、160/100mmHg以上で医療機関への至急受診が推奨されます。140/90mmHg以上160/100mmHg未満の場合は、生活習慣の改善を試み、改善が見られない場合に医療機関を受診することが推奨されます。

※高血圧の基準値について、2024年4月から変更になったという情報が一部で流れていますが、これは誤報です。特定健診における受診勧奨基準が変更になっただけで、高血圧の診断基準は変わっていません。

霊芝と降圧剤の併用による難治性高血圧患者の血圧変化

 霊芝と降圧剤の併用により、高血圧患者の大小動脈圧及び毛細血管、微小循環に対して効果的な影響が見られることが分かっています。

 高血圧の場合、持病はないものの血圧だけが高いという「本態性高血圧」が患者の約95%を占めています。本態性高血圧の治療には“理想的な降圧剤”の選択が大切で、一般的に理想的な降圧剤の条件は次のようなものです。

(1)有効な降圧作用 (2)少ない副作用 (3)長期服用が可能 (4)服用が便利

(5)患者の生活の質に影響がない

 HM-3000(特系霊芝)の高血圧患者への治療効果及び作用を検証するために、Ⅱ期高血圧患者(降圧剤を一カ月以上投与されたが、降圧作用が表れていない患者)を集め、HM-3000(特系霊芝)を併用しました。その結果は、HM-3000(特系霊芝)の併用により、顕著な降圧効果が認められました(表参照)。

 血圧を下げる最終目的は“血管の負担を和らげる”ことで、動脈硬化が進むのを防ぎ、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを下げることです。降圧剤は、下げ過ぎてしまうという副作用も心配ですし、また、血圧が下がったからといって自己判断で薬をやめた人のほとんどが、また血圧が上昇しています(血圧を上げる原因を解決していないため)。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、微小循環の血流、血管からのアプローチにより血圧を下げるエビデンス(科学的根拠)があり、高血圧だけではなく、心臓・脳血管障害のリスク軽減にも期待が持てます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年11月19日水曜日

パン食の危険性

 パン食が危険だと言われる背景

 パン食には、いくつかの健康リスクが指摘されています。まず、日本で多く流通しているパンの多くは「精製小麦粉(白い小麦粉)」を使用しており、これは血糖値を急上昇させやすい高GI食品です。急激な血糖値の変動は、糖尿病肥満、さらには老化の促進にもつながります。また、食パンや菓子パンには砂糖やマーガリン、ショートニングなどの加工脂肪、食品添加物が多く含まれているものが多く、動脈硬化や心疾患のリスクを高めます。さらに、グルテンによる腸内環境の悪化やアレルギー反応も懸念されています。

 パン食が「体に良くない」と言われる根拠はいくつかあります。

(1)精製小麦の使用:

 多くのパンは「精製小麦粉(白い小麦粉)」から作られています。これは製造過程で表皮や胚芽が取り除かれ、食物繊維やビタミン、ミネラルが少ない状態です。

【問題点】●血糖値を急上昇させやすい(高GI食品)。●インスリンの過剰分泌を招き、糖尿病や肥満のリスクが高まる。●食後のエネルギー切れ・眠気・集中力低下などの原因に。

(2)トランス脂肪酸の含有:

 市販のパン(特に菓子パン・総菜パン)には、マーガリンやショートニングなどの加工油脂が使われていることがあります。

【問題点】●トランス脂肪酸は心疾患、動脈硬化、慢性炎症のリスクを高める。●欧米では使用が規制されている国も。

(3)添加物の多用:

 長持ちさせるための防腐剤や、風味・食感を良くするための乳化剤、膨張剤、香料などの食品添加物が多く使われていることがあります。

【問題点】●摂取の蓄積によって肝臓への負担やアレルギー反応、腸内環境の悪化などが懸念されている。

(4)グルテンの過剰摂取:

 小麦にはグルテンというたんぱく質が含まれており、これが消化しにくい人もいます。

【問題点】●過敏な人では腸の炎症やリーキーガット(腸漏れ症候群)を引き起こすことがある。●消化不良、疲労感、肌荒れなどの体調不良の原因になり得る。

(5)栄養バランスの偏り:

 パンだけで食事を済ませると、糖質過多で他の栄養素(たんぱく質、ビタミン、ミネラル)が不足しがちになります。

【問題点】●偏った食生活が慢性疾患の原因になりやすい。

 しかし「パンが好き」「どうしてもパンをやめられない」という人も少なくありません。そんな人へのアドバイスとして、まずは「パンの質」を見直すことです。白いパンよりも、全粒粉ライ麦など食物繊維が豊富なものを選べば血糖値の急上昇を抑えることができます。加えて、無添加・天然酵母のパンやオーガニック原料を使用したパンなら、添加物の摂取を減らすことができます。また、パンを食べる際には、たんぱく質や野菜を一緒に摂ることで栄養バランスを整え、血糖値の安定にもつながります。

 つまり、パンが危険なのは「何を、どのように食べるか」による部分が大きいのです。選び方と食べ方を工夫すれば、パンを楽しみつつ健康も守ることは十分可能です。


■パン食がやめられない人へ

 グルテンの含有などで健康リスクが指摘されているパン食ですが、“白くフワフワの甘いパンが食べたい”という人が多いのも事実です。今回ご紹介するのは、グルテンの害を最小限に抑え、健康リスクが激減する食材です。それは「黒コショウ(ブラックペッパー)」「ヒハツ(ロングペッパー)」です。これらコショウ科の香辛料には“ピペリン”という物質が含まれています。ピペリンはアルカロイドの一種で、辛味と同時に、他の栄養素の吸収を高める「バイオアベイラビリティ(生体利用率)」を促進する効果も注目されています。また、ピペリンは、健康食品やサプリメントの成分としても利用されています。

ピペリンの主な特徴と効果

【辛み成分】:黒コショウやヒハツの辛味の主成分。【バイオアベイラビリティ向上】:栄養素の吸収を促進します。特にクルクミンの吸収を高めることが知られています。【血流改善】:血管を拡張し、血流をスムーズにする効果が報告されています。【血圧への影響】:高めの血圧を改善し、正常な血圧を維持する効果が期待されています。【その他】:抗炎症作用、抗酸化作用、体温維持、脚のむくみ軽減などの効果も報告されています。

ピペリンに関する注意点:過剰に摂取すると、胃腸への刺激や、医薬品との相互作用が起こる可能性があること。また、コショウアレルギーの方は注意が必要です。また、妊娠中や授乳中の方は、摂取前に医師に相談することをおすすめします。

グルテンの健康リスクの一つ“リーキーガット症候群”

「リーキーガット症候群」とは、消化しきれなかったグルテンが腸の壁にへばりついてしまい、そこが炎症によって穴が開いてしまうという病気です。ここから悪玉菌が作り出すガスや毒素が血液中に漏れ出すことによって、全身に炎症が広がってしまうというのが、このリーキーガット症候群の恐ろしいところです。

ピペリンには、パンが持っているグルテン由来の炎症性サイトカインの過剰な活動を抑える働きがあることが報告されています。失われてしまった腸のバリア機能を回復させ、腸内から血管内への異物の侵入を防いでくれることまでわかっています。

 そのほかピペリンには、糖の吸収速度を遅らせるという働きもあります。

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 黒コショウの他、パン食のリスクを減らす食材には以下のようなものもあります。

 シナモン  : 糖質に関して、血糖値の安定化に役立ち、インスリンの働きを改善する効果が期待できます。

純ココア  : パン食による血糖値急上昇・脂質異常症⇒血管の詰まり(動脈硬化)の進行リスクを、純ココアの持つ抗酸化作用ダイエット効果血糖値の安定効果血管拡張効果などが減少させます。

 その他、無糖きなこエキストラバージンオリーブオイルアボカドギリシャヨーグルトなども、パン食が及ぼす健康リスクを減らすことが期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年11月12日水曜日

糖尿病

 世界の8億人以上が糖尿病

 明後日11月14日は「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」。世界で糖尿病の成人の数は、2022年に8億2,800万人になり、1990年の1億9,800万に比べて4倍以上に増えています(医学誌「ランセット」より)。これには、世界的な人口増加と高齢化も影響しています。

 糖尿病の有病率は、1990~2022年の30年間に、男性は6.8%⇒14.3%に、女性は6.9%⇒13.9%にそれぞれ大幅に増加しています。

 糖尿病の成人が多い国トップ5は、インド(2億1,200万人)、中国(1億4,800万人)、アメリカ(4,200万人)、パキスタン(3,600万人)、インドネシア(2,500万人)、ブラジル(2,200万人)です。※日本は11位(1,100万人)

 30年間の糖尿病有病率の変化は、国によって大きく異なりますが、低・中所得国で増加の傾向が顕著です。そして、高所得先進国の中で有病率が最も高いのはアメリカです(男性 13.6%、女性 11.4%)。

 糖尿病は、空腹時血糖値が126mg/dL以上、1~2ヵ月の血糖値の平均が反映されるHbA1cが6.5%以上、あるいは糖尿病治療薬を使用していること、と定義されています。

「糖尿病は身体に障害を及ぼし、治療しないでいると、命を落とす可能性もある。健康的な食事と運動などの生活スタイルにより、糖尿病を予防・改善することは、健康状態をより良く保つために、世界中で必要不可欠になっている」(インド・マドラス糖尿病研究財団の専門家)。

「2型糖尿病の有病率の上昇に、国によって大きな差がある要因は、肥満と不健康な食生活だ。30年の間に肥満が蔓延し増えた地域では、糖尿病の有病率が既に高かったか、さらに上昇化した。一方、太平洋諸国や西ヨーロッパなどの高所得国では、肥満率と糖尿病率は上昇していない国も多く、上昇しても比較的わずかなものだ」としています。

 特に世界の低所得地域では、不健康な食品の制限や、健康的な食品を手頃な価格で入手できる仕組み、健康的な食事のための助成や無料の学校給食などを提供する措置、ウォーキングなどの運動を推奨する必要があるため、公共の公園やフィットネスセンターを整備するなど、より積極的な政策が求められています。

 糖尿病の治療・管理の世界的な不平等も拡大しています。有病率が急激に増加している低・中所得国の多くは、糖尿病の治療率は低水準で、2022年には世界の30歳以上の糖尿病有病者のうち、59%にあたる4億5,000万人が十分な治療を受けられていません。

「糖尿病をめぐる世界的な不平等が拡大し、糖尿病成人の数が急増している低・中所得国の治療率は停滞している。低所得国では若者が糖尿病を発症しており、適切な治療を受けないと、心臓病、腎臓病、視力喪失、足切断などの深刻な合併症を発症し、場合によっては早死のリスクがある」(英・インペリアル カレッジ ロンドンの研究者)

(出典:https://dm-net.co.jp/)


■糖尿病と霊芝

現在使用されている薬で糖尿病は治る?

 糖尿病の専門医は、「糖尿病は治りません。このクスリを一生飲み続けることですね」と言って血糖降下剤を患者に与えます。現在「糖尿病」は血糖値をはじめとする数値で判断され、病院でも数値を下げることが第一目標とされてしまっています。

 現代でいう糖尿病の治療薬にその価値はほとんどないといっても過言ではありません。血糖降下剤の一つ「スルホニル尿素剤(SU剤)」は、アメリカの臨床試験で、使用により心筋梗塞死のリスクが増すという結果が出ています。また「α-グルコシダーゼ阻害薬」も、合併症や寿命延長効果を認めた試験結果はありません。さらに「グリタゾン系薬剤」に関しても、心筋梗塞や心不全、骨粗しょう症、膀胱がんなどの増加が確認されています。つまり、すべてが数値を下げるための対症療法であり、遺伝性のいわゆる1型糖尿病におけるインスリン治療以外は、まったく無駄だといえるのが現実なのです。

糖尿病と微小循環

 高血糖状態が続くと血流や血管(特に微小循環)への負荷が高まります。血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする血管を円滑に維持していますが、糖化タンパク質が増えると、その影響で血管内皮細胞が阻害され、NO(一酸化窒素)の産生が低下し、血管が収縮し炎症を起こしやすく、血栓が形成されやすい血管になってしまいます。

 糖尿病の合併症には網膜症・腎症・心筋梗塞や、脳卒中を起こす動脈硬化などがあります。境界型糖尿病でも10年以内の動脈硬化の発症リスクが正常型の2倍になることが分かっています。糖尿病治療の本来の目的は、"合併症への対処"です。それには、やはり末端の微小循環の血流の改善が基本となります。

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「HM-3000(特系霊芝)」による作用

 ヘモグロビンは酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、糖化したヘモグロビン(HbA1c)は酸素を寄せ付けなくなり、細胞に酸素が行き届かない状態になってしまいます。「HM-3000(特系霊芝)」は、酸素の供給量を高める作用のある物質「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の産生促進に影響を与えます。また、2,3-DPGは、酸素を効率よく細胞に供給するだけではなく、HbA1c生成阻害作用も確認されています。

「糖尿病」というとインスリンを分泌する膵臓をまず思い浮べますが、血糖値を精密にコントロールしているのは実は"肝臓"です。そして、霊芝には、肝臓での糖新生を抑制するとともに解糖系およびグリコーゲン合成を活性化させ、さらに肝臓への糖の輸送能を亢進して血糖上昇を抑制する作用もあると言われています。

 HM-3000(特系霊芝)を活用しながら、体重を減らして、ヘルシーな食事、エクササイズに励めば、肝臓にも血糖コントロールにもいいということなのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年11月5日水曜日

危ない疲れ

 “危ない疲れ” その症状や原因

“危ない疲れ”は、十分な休息や睡眠によって回復する一時的な疲労とは異なり、放置すると身体的・精神的な健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

“危ない疲れ”の主な症状

慢性的な疲労感 / 危ない疲れは長期間持続し、休息で改善しにくいのが特徴。身体がだるく、活力がわかない「慢性疲労」の状態が続く。

睡眠障害 / 疲労感があるにもかかわらず熟睡できず、逆に過眠状態が続くことがある。不眠や中途覚醒、早朝覚醒など、睡眠の質が低下し体の回復が妨げられる。

集中力・記憶力の低下 / 精神的な疲労が強い場合、注意力や集中力の著しい低下、記憶力の減退など認知機能の障害が起こることがあり、仕事や学業のパフォーマンスに影響を及ぼす。

体の痛み・不調 / 肩こり、頭痛、筋肉の痛み、胃腸の不調など身体の様々な部位に痛みや違和感が続くこともある。ストレスや疲労による自律神経の乱れが原因のことが多い。

精神的な症状 / 気分の落ち込み、不安感、イライラや情緒不安定、無力感など、うつ病や不安障害につながる可能性のある精神的な症状が出ることがある。

免疫力の低下 / 疲労が慢性化すると免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなるなど、健康全般が損なわれることがある。

“危ない疲れ”の主な原因

 慢性的過労  長時間労働や過密日程が続くと、肉体的・精神的疲労が蓄積し重症化します。特に過労死や過労自殺の背景にもなる問題です。

 精神的ストレス :仕事・人間関係・家庭環境等での強いストレスは、疲労を増幅させる大きな要因。慢性的プレッシャーや不安は自律神経やホルモンバランスを乱し、危ない疲れを生みます。

 不規則な生活習慣 :睡眠不足や偏食生活、運動不足、不規則生活は体調を崩しやすく、疲労回復を妨げます。また、アルコールやカフェインの過剰摂取も良質な睡眠を妨げます。

 うつ病や適応障害など精神疾患の存在 :疲労感が強い場合、うつ病や適応障害などの精神疾患が隠れていることがあります。これらは専門的な診断と治療が重要です。

 身体疾患の可能性 :糖尿病、甲状腺機能異常、慢性疼痛、感染症、貧血、自律神経失調症などの病気が疲労感や体調不良の原因になることがあります。

 スマホ・PCの過剰な使用 :スマホ等の長時間使用による目の疲れや首肩の凝り、脳の過剰な刺激は心身の疲労増加につながります。特に睡眠前の使用は睡眠障害を引き起こします。

“危ない疲れ”は体と心が危機状態にあるサイン。症状が重い場合や長引く場合、本人が疲労を自覚していても無理を続けることで健康被害は深刻化します。生活習慣の見直し、ストレスマネジメント、適切な睡眠・栄養・運動の確保が“危ない疲れ”予防に欠かせません。疲れを侮らず、体と心のサインを見逃さないことが健康維持のポイントとなります。


■“危ない疲れ” チェックと対策

以下の7項目についてチェックしてみましょう。

□ 出勤時間ギリギリまで起きられない : いつもは朝食を食べてから出勤していたが、最近は起きられなくなって食事する時間がない。服装も髪のセットも手を抜くようになり、遅刻を連発するようになったら要注意。

□ 休日は普段よりも3時間以上寝過ごす : 平日の睡眠時間の不足している場合や、眠りが浅い場合が多い。リズムが崩れているため、長時間寝ても疲れは取れない。

□ 連休は一歩も外に出ない : 普段から活動的なタイプなら、たまには家でのんびり過ごすのもいいが、近所のコンビニに行くのも面倒くさいと感じるようになったら黄信号。散歩ぐらいはした方がいい。

□ 重要なスケジュールや頼まれ事を忘れる : 脳が疲れていると注意力が散漫になる。約束をすっぽかしたり、ダブルブッキングを連発したりするようになったら要注意。

□ 食べたいと思うものがない : それまで大好物だったものでも食べる気がしない、食べてもおいしいと感じない。「なんでもいいや」と、毎日カップ麺やファストフードで簡単に済ませる‥‥こうなると、うつだけでなく、生活習慣病にも注意が必要。

□ 酒の量が増えた : 眠れないからといって酒量が増える人は多いが、逆に睡眠の質は悪くなる。栄養ドリンクを毎日飲んでいる人も、疲労をごまかして無理を重ねている可能性が高い。

□ 通常でない疲労感があり、休んでも疲れが抜けない : 何となくダルい、何となく体が重い‥‥この「何となく」がくせもので、うつだけでなく、肝臓病や腎臓病などの重大な病気が隠れていることも。

チェックが5つ以上になった人は要注意です。全てを改善しようとするのは難しいので、1つでも2つでも、できることから改善を心がけましょう。

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 慢性的な疲労の原因は様々ですが、大きな要因のひとつは「ストレス」です。ストレスによって脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の生合成が低下し、それらが減少することで脳内の情報がうまく伝わらなくなり、体のだるさや睡眠障害、集中力の低下などの症状として表れるのです。

 康復医学学会では“危ない疲れ”の対策として「ラフマ」をお勧めしています。ラフマ葉のエキスには、脳内セロトニンの分泌促進作用が確認されており、睡眠の改善、精神疲労の軽減が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年10月29日水曜日

糖化と老化

 “脂質”も糖化を進める共犯

 糖化に関わるのは糖質だけではありません。近年の研究で明らかになったのが「脂質」の関与です。

 脂質の摂り過ぎで体に中性脂肪をため込むと、脂肪が分解されて「脂肪酸」が増え、それが酸化することでもアルデヒドが発生します。ある報告では、マウスに高脂肪食を与えると、血液中に脂肪酸由来のアルデヒドが増えることが確認されたといいます。皮下脂肪は寒さや衝撃から体を守る大切な存在ですが、中性脂肪としてたまり過ぎるのは問題なのです。

 同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授の米井嘉一氏はこう言います。

「脂肪酸由来のアルデヒドが新たなアルデヒドを生んだり、たんぱく質と結びついたりして糖化が進む」。

 つまり、糖質の摂り過ぎだけでなく、脂肪(油)の摂り過ぎも糖化を進めるのです。両方摂り過ぎの人はダブルパンチで糖化が加速するわけです。

 アルデヒドの暴走は、脂質の多い場所でも起こりやすくなります。例えば、約6割が脂質でできている「脳」です。脂肪酸由来のアルデヒドにより、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる「アミロイドβ」が糖化され、排出されにくくなって認知症につながるという説があります。また、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」も、脂肪酸由来のアルデヒドが関与することが指摘されています。

 なお、アルデヒドは、お酒やタバコと切っても切れない関係があります。お酒の主成分であるエタノールが肝臓で代謝されると、アルデヒドの一種「アセトアルデヒド」が生成されます。また、ホルムアルデヒドなど、アルデヒドの仲間はタバコの蒸気にも含まれています。

 お酒やタバコとアルデヒドの関係は、細胞レベルで考えるとよく分かると米井氏は話します。細胞が分裂・増殖を繰り返すとき、遺伝子のコピーミスによってアルデヒドが発生するからです。

「アルデヒドは、生体内の細胞が分裂・増殖する過程でも発生する。ということは、アルデヒドの悪影響をダイレクトに受けるのは胎児だ。飲酒や喫煙がアルデヒドと関係すると述べたが、いずれも低出生体重児の原因でもある。過剰になれば人体に有害であることは間違いない」(米井氏)

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■体の糖化と老化の関係

 糖化(Glycation)とは、体内で糖(主にブドウ糖やフルクトース)とたんぱく質や脂質が非酵素的に結合し、最終的に「AGE(終末糖化産物)」を形成する現象を指します。これは体内の様々な組織や細胞で起こり、その蓄積が細胞機能の低下や組織の硬化をもたらします。

糖化と老化の関連

 体内のAGEは加齢とともに増加していきます。糖化は老化の促進因子の一つとして注目されており、そのメカニズムは以下のように考えられています。

(1)たんぱく質の機能障害:たんぱく質は体内で様々な役割を担いますが、糖が結びつくことでたんぱく質の立体構造が変化し、正常な機能を果たせなくなります。例えば、皮膚のコラーゲンも糖化されて硬くなり、弾力性が失われてシワやたるみの原因となります。

(2)細胞の酸化ストレスの増加:AGEが体内で酸化ストレスを誘発⇒ 活性酸素種(ROS)の生成を促進⇒ 細胞がダメージを受ける⇒ 遺伝子変異⇒ 細胞機能が低下。酸化ストレスは老化の根本的な原因の一つとされており、糖化はその一因となっています。

(3)慢性炎症の促進(炎症老化):AGEは「RAGE」という受容体と結合すると、炎症性サイトカイン(炎症を引き起こす物質)を大量に産生させ、慢性的な炎症状態を引き起こします。慢性炎症は動脈硬化、糖尿病、認知症など多くの老化関連疾患の背景にあり、「炎症老化(インフラメイジング)」という概念も近年注目されています。

(4)血管の硬化(動脈硬化):糖化によって血管壁のたんぱく質が変性すると、血管が硬くなり弾力性を失います。そして血管の機能が低下し、高血圧や心血管疾患のリスクが高まります。血管の老化は全身の老化を加速させる要因です。

糖化の原因と予防法

 糖化は加齢だけでなく、食事や生活習慣の影響も大きく、特に高血糖状態や糖質過多、加工食品・揚げ物などAGEを多く含む食事は糖化を促進します。

 高血糖状態の継続 糖尿病患者では糖化が著しく進行しやすいため、血糖値を適切にコントロールすることが重要。

 過剰な糖質摂取 特に精製された白砂糖や白米、パンなどの摂りすぎは血糖値の急上昇を招きやすい。

 調理法の影響 高温調理(揚げ物、焼き物など)は食品中のAGEを増加させる。


“糖化の予防法”としては以下が挙げられます。

バランスの良い食事 /低GI食品(血糖値の上昇が緩やかな食品)を選び、野菜や食物繊維を多く摂取すること。 

適度な運動 /運動は血糖値のコントロールや抗酸化酵素の活性化を促進し、糖化や酸化ストレスを軽減させます。 

禁煙と飲酒の節度 /タバコやアルコールは酸化ストレスを増やし、糖化を悪化させます。 

抗糖化作用を持つ栄養素の摂取 /ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどは抗酸化作用が強く、糖化の進行を抑制します。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年10月22日水曜日

廃用症候群

 寝たきりになったのに退院を迫られた

 入院する前よりも歩けなくなったのに、病院から「退院してほしい」と言われた――。こんな、患者の家族の戸惑いの声を聞くことがあります。「病院は治療して、患者が元の生活に戻れるようにする施設」と思われていますが、そうならないケースは珍しくありません。

 過去に脳梗塞を起こしたことがある70歳代の女性は、ある日、食事が取れなくなり、動けなくなってしまいました。「また脳梗塞を起こしてしまったのではないか」。家族はそう思い、救急車を呼びました。急性期病院に搬送されて検査を受けましたが、新たな脳梗塞の所見はなく、はっきりとした原因は分かりませんでした。ただ、家族の強い希望により入院となり、口から食べられないという理由で、鼻から管を入れて栄養を取ることにしました。

 入院中は、転倒リスクや安全管理の観点から歩行を制限されることがあります。寝たきりの生活が長引くと、筋肉や関節、内臓などの機能が著しく衰えてしまいます。「廃用症候群」と呼ばれ、たとえ病気の治療はうまくいっても、以前のように動けなくなってしまうのです。

 この女性は、入院中に 誤嚥性肺炎や尿路感染を繰り返し、その間に廃用が進み、ほぼ寝たきりとなってしまいました。管による栄養摂取が続き、ご家族は「この状態では、家では看病できない」と悩まれました。しかし、病状が落ち着いていることから、病院からは退院してほしいと言われたのです。

「入院が長引くほど筋力が落ちる」「病院は治療の場であって、生活を支える場ではない」という前提があります。しかし、家族は「入院すれば元気になる」「退院するときは元通りに近い状態であるはず」と考えていることが多く、そこに大きなギャップが生じています。

 この女性の病状はその後、安定したものの、「退院して自宅に戻るのは困難」と判断されて療養病棟に転院しました。

 急性期病院には、できるだけ早く退院してほしいという意図があったと思います。しかし、女性は様々な合併症を持っており、回復は想像以上に難しいものでした。だからこそ、入院中から「退院後の生活」を見据えた準備が必要です。医師、看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなど、多職種が連携して退院支援を行い、必要に応じて在宅介護、施設入所、リハビリ入院、療養病棟などの選択肢を検討していくことが大切です。

 患者や家族も、「今の状態では家での生活が心配」「介護サービスについて知りたい」というのであれば、地域の行政機関や専門機関、医療関係者、民生委員などに相談しましょう。

「入院前より悪くなっている」と感じることは、とてもつらいことです。しかし、現実から目をそらさず、「どうすればこれからの日常を支えられるか」と考えていくことが、次の一歩につながります。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■廃用症候群

 廃用症候群(Disuse Syndrome)は、身体や精神の機能低下を起こす状態で、長期間にわたる身体的な活動や使用の減少・停止が要因です。特に、病気や怪我、手術、長期の臥床療養、または精神的な理由などにより、日常的な動作や活動を行う機会が制限されると発生しやすくなります。廃用症候群は、多岐にわたる臓器や機能に影響を及ぼし、結果としてQOL(生活の質)の低下、社会活動の制限、身体的な衰弱や合併症を引き起こします。

廃用症候群の主な特徴と兆候

 廃用症候群の兆候は、身体的、精神的、社会的側面にわたります。代表的な身体症状は、筋力低下や関節可動域の減少、筋萎縮です。長期臥床による筋肉委縮は、歩行や日常動作に支障をきたし、転倒や骨折リスクも高まります。さらに、関節が硬くなり、動きが制限されることもよくあります。精神面では、意欲や気力の低下、抑うつ状態、認知機能の低下など。これらは精神的な疎外感や孤立感を促進する結果となります。社会的な影響では、長期間の安静や身体的制約により、社会活動や趣味、仕事からの離脱、孤立感の深刻化などが生じます。

廃用症候群の発生メカニズム

 廃用症候群の発症には、身体・心理の両面からのメカニズムがあります。身体的には、運動不足により筋肉の萎縮や関節の硬化が進行し、血液循環の減少や骨密度の低下も促進されます。これらにより、リハビリテーションや身体活動への適応が困難になり、二次的な合併症を引き起こすこともあります。一方、心理的側面では、長期の療養や身体制約に伴うストレス、孤独感、意欲の低下が、身体活動の再開を妨げる悪循環を生み出します。精神的なストレスや不安は、交感神経系や免疫系のバランスを崩し、さらに身体機能の低下を助長します。

廃用症候群の予防と対策

 廃用症候群の予防・改善には、多角的なアプローチが重要です。まず、早期のリハビリと積極的な身体活動の促進は不可欠。特に長期臥床を余儀なくされる場合でも、患部の運動や、理学療法士の指導による関節や筋肉のストレッチ、筋トレが推奨されます。また、日常生活の活動量を増やす努力も重要です。杖や歩行器などの補助具を使った活用した歩行訓練や、座ったままできる体操も効果的です。併せて心理的ケアも行えば、モチベーションの維持や精神的なサポートが可能となります。さらに、栄養管理や適切な休息、睡眠の質向上も、身体と心の回復に寄与します。多職種連携による包括的なケア体制の整備が鍵でしょう。

廃用症候群の治療とリハビリテーション

 既に発症した場合の治療は、原因の除去とともに、身体的・精神的機能の回復を目指します。具体的には、段階的な身体活動の導入、理学療法や作業療法、リハビリテーションプログラムの実施、精神的支援や社会的支援を組み合わせて行います。早期の介入で、筋肉や関節の硬化を防ぎ、日常生活動作の回復が可能です。