高齢でも脳神経細胞は増え続ける
高齢になると脳細胞は減るばかりで増えることはないと考えられてきました。しかし近年、ラットや猿を使った動物実験から海馬領域の神経細胞は高齢でも新生することが明らかになってきています。そして人間でもこうした神経細胞の新生があることを示唆する研究もされてきていますが、2018年に報告された、新しい研究結果を紹介します。
報告では、14~79歳で急死した健康な男女28人の脳を剖検した結果、高齢者でも若い人と同様に、記憶や学習に重要な役割を担う脳の海馬で前駆細胞から新しい神経細胞(ニューロン)を生成する能力がある可能性が示唆されたといいます。
その結果、高齢者と若者の脳では中間型の前駆細胞と未熟な神経細胞がほぼ同数見つかったほか、海馬の容量に年齢で差はみられないことが分かりました。
研究を率いた米コロンビア大学のボルドリーニ准教授は「高齢になっても脳内に(神経細胞に分化する)前駆細胞の存在を示すこの結果は、高齢者にとって朗報だ」と述べています。
ただし、健康な79歳の脳が29歳の若々しい脳と全く同じというわけではなさそうです。高齢者の脳は血管新生が少なく、一部の海馬領域では静止期の前駆細胞プールが小さいことも明らかになっています。
専門家の間では、高齢者の脳でも若い人の脳と同じように新しい神経細胞同士で信号を伝達したり、機能したりするかどうかは分かっていないが、この研究結果は有望だとも評価。そして、高齢者の脳で神経細胞を生成させ、細胞同士の信号伝達を促進する因子について、さらに研究を進めていく必要があると指摘しています。また、健康な高齢者と認知症の高齢者の脳を比較することにも興味を示しています。
これまでの研究で、アルツハイマー病で死亡した人の脳の海馬では神経細胞の数が減ることが分かっています。しかし、この理由が、神経細胞が生成されなくなったためなのか、神経細胞が死滅した結果なのかは明らかになっていません。
健康な高齢者の脳と認知症患者の脳を比較することで、高齢でも認知機能が衰えない人がいる理由を突き止められる可能性や新しい認知症治療の開発につながる可能性があると期待します。さらに、高齢になっても若々しい海馬を維持している人が実践している生活習慣を知ることも大切だとも強調しています。
アルツハイマー病協会によると、多くの研究で、喫煙をしない、適正体重や正常血圧を維持する、健康的な食生活を送る、定期的に運動するといった生活習慣因子や、社会的活動、知的活動が認知症リスクと関連することが報告されているほか、運動によって海馬の神経細胞の生成が促進される可能性も示されているといいます。
(出典:https://www.gurutto-mama-yokohama.com/)
■脳神経細胞と認知症
脳の神経細胞が機能低下したり、損傷を受けたりすると、認知症を発症します。
アルツハイマー型認知症:脳の機能を担う神経細胞が死滅することで、記憶障害や生活機能障害を引き起こす病気です。
レビー小体型認知症:脳の神経細胞に「レビー小体」というたんぱく質のかたまりができ、神経細胞を傷つけて壊します。
【認知症の原因となる脳血管障害】
脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)により脳の神経細胞が破壊されることで起こる認知症です。
【認知症の症状】
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などの中核症状のほか、多くの周辺症状(BPSD)があります(右図参照)。
【認知症の治療】
脳で生き残っている神経細胞を活性化させ、覚えたり考えたりする働きをある程度保つ薬(認知症の薬)があります。
脳血管性認知症の場合は認知症の治療のみならず、脳血管障害の治療も必要になることがあります。
【認知症のメカニズム】
脳に蓄積したアミロイドβの毒性で神経細胞が死滅して脳が委縮し、認知症を発症する「アミロイドβ仮説」が有力な説とされています。一方、タウタンパクが関与するアルツハイマー病の程度と関係する「タウオパチー」に焦点をあてた「タウ仮説」にも注目が集まっています。タウオパチーとは神経原線維変化を主な病理像とするものの総称で、多くの疾患が知られていますが、アルツハイマー病もその中の1つとされています。
==================
「HM-3000(特系霊芝)」は必要な栄養素を各臓器や器官に供給する微小循環血流を総合的に改善し、エネルギー産生に必要な酸素の供給に影響を与えます。また、それが脳血管性認知症やアルツハイマー病の発症も抑えると考えられています。
また「ラフマ」によるセロトニン産生の促進がうつ症状の抑制に影響し、仮性認知症対策として有効になります。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン