2024年11月20日水曜日

てんかん

 てんかん、認知症との誤診に注意

 自動車整備工場で働く60代後半の男性は、2~3年前から職場で「ぼんやりしていて会話が成り立たない」「指示した内容を何度も忘れる」と指摘されていました。

 近所の脳神経内科では、アルツハイマー型認知症の疑いありとの診断。経過観察状態が続いたが、約半年前、家族旅行からの帰宅後、旅行の記憶がスッポリ抜け落ちていることに気が付く。家族に促され、大学病院で検査を受けた。診断名は「てんかん」だった――。

「てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮することで一時的な症状が繰り返し起こる脳の慢性疾患。高齢者てんかんで最も多いのが脳卒中の後遺症で、3~4割を占める。ほかにも脳腫瘍や頭部外傷、アルツハイマー病によって発症するが、全体の3分の1は原因不明とされ、誰にでも発症する可能性がある」(相模原市認知症疾患医療センター長の大石智氏)

 子供のてんかんではけいれん発作が多いですが、高齢者の場合は非常にまれで、けいれんを伴わない“複雑部分発作”がよく見られます。「ボーッとしている」「呼びかけに無反応」等の意識障害や、「口をペチャペチャモグモグさせる」「机や膝の上を指でトントン叩く」等の状態。1~2分ほど続きますが、目立つ症状ではないため、異変に気付きにくいそうです。

「高齢者がてんかん発作を起こすと、発作直後に意識障害が残る『もうろう状態』になることがある。自力で食事が摂れないだけでなく、あちこちウロウロと動き回るので、壁にぶつかったり転落したりする危険がある」(同氏)

 発作の後のもうろう状態は、数十分から1週間続きますが、本人はその間の記憶がないので、意識が回復しても周囲と話が噛み合いません。発作は飲酒や寝不足のほか、抗コリン作用を含む薬剤によって誘発されやすいので、注意が必要です。

 通常、てんかん発作は数分で消滅しますが、高齢者は意識障害が回復する前に何度も発作を繰り返す「てんかん重積」を起こしやすくなります。入浴中なら溺死、運転中なら事故につながりかねません。さらに一度重積状態を起こすと、再度起こしやすくなります。脳の一部が興奮した状態が長時間続き、脳細胞がダメージを受けて脳機能障害や精神機能障害などの後遺症が残る恐れがあります。

 早期の診断・治療のためにも、問診で発作発生時の状況を詳しく伝えるのが重要です。

「診察では、いつから、どんな時に、どんな症状かを伝えること。発作の頻度を把握し、てんかんの疑いが高ければ脳波検査で突発波と呼ばれる異常な脳波の有無を確認する」(同氏)

 てんかんの治療は、抗てんかん薬の経口投与が一般的。高齢者の場合、少量でも治療効果が非常に高く、9割は発作を消失または抑制できるとの報告もあります。一方で、認知症と誤診されるとてんかん治療の機会を逃すだけでなく、認知症の薬は逆にてんかん発作を誘発します。物忘れ=認知症と思い込まず、てんかんの疑いも持つべきでしょう。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■てんかんは“慢性の脳疾患

「てんかん」は国際保健機関(WHO)によって「大脳神経細胞の過剰な電気的発射に由来する、反復性の発作を主張する慢性の脳疾患」と定義付けられています。つまり、てんかんは、脳の興奮(=発作)を一回だけでなく繰り返す疾患だということです。

 人間の脳の回路は「興奮」と「抑制」の絶妙なバランスによって成り立っています。誰の脳でも(てんかん発作のない人でも)このバランスが崩れれば、回路が暴走して痙攣発作を起こす危険性を秘めています。例えば、酸欠状態や低血糖状態など特殊な環境下や、外傷や脳卒中で脳が傷つけられた急性期などです。

 てんかんとは、何らかの原因により(原因は様々)大脳の一部または全体に、普段から暴走しやすい回路ができている状態と言えます。その暴走しやすい回路は、過剰な電気的発射を起こす場所でもあり、「てんかん焦点」と呼ばれます。てんかんはこの焦点の分布のしかたで分類したものが「全般てんかん」と「局在関連てんかん」(=部分てんかん)です。 ※原因による分類は「特発性」と「症候性」

生体電流を乱す原因

 私たちを取り巻く現代の生活環境は、身体に有害なものをたくさん含んでいます。日常的に以下のような環境に置かれていると、生体電流の滞り、電位の乱れの可能性が大きくあり、「てんかん焦点」が形成されやすくなってしまいます。

▼食生活の乱れや運動不足 ▼パソコンやスマートフォン・携帯電話など家電の電磁波

▼加齢(40歳前後から生体電流は衰え始める) ▼ホルモンの変化(女性ホルモンの影響も大) ▼ストレス ▼疲労 ▼睡眠不足・睡眠リズムの乱れ

 携帯電話やTV、パソコン、電子レンジなど微弱な電磁波を常に発している機器、私たち自身の食生活や睡眠リズムの乱れ、ストレス、運動不足、加齢による生体電流生産の衰えなどが原因となって生体電流に乱れを生じさせるのです。

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 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」に含まれる成分として有機ゲルマニウムがあります。有機ゲルマニウムには、血行促進、免疫細胞活性化、骨代謝調整ホルモンのバランス調整などの他に、生体電流を整える作用も認められています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2024年11月13日水曜日

過酸化脂質

 最強の毒ALE 発がん性と神経毒性

 老化物質AGE(advanced glycation end products;糖化最終産物)の危険性については、何度かお伝えしているのでご存知のことと思います。このAGEと同じくらい、いやむしろAGE以上に危険だとする研究者もいるくらいの危険物質が「ALE(advanced lipoxidation end products;脂質過酸化最終産物)」なのです。

 揚げ物が好きな人は多いと思います。唐揚げ、とんかつ、エビフライ‥‥でも、こうした美味しいものに限って危険が潜んでいるものです。高温調理過程の中でできてしまう毒、それがAGEであり、ALEなのです。

 AGEはたんぱく質が糖化されること(コゲによる劣化)によって生まれます。それが私たちの体に蓄積されることによって様々な障害を起こすのです。一方、高温調理で油が酸化され、過酸化脂質になります。この過酸化脂質がさらに酸化され、アルデヒド(酸化二次生成物)という毒になります。そしてアルデヒドがたんぱく質にくっついて過酸化されたもの(サビによる劣化)がALEです。これが体内に蓄積すれば、様々な病気の原因になるのです。

ALEを作るアルデヒド

 過酸化脂質が増えると、アルデヒドなど多くの酸化二次生成物をもたらします。過酸化脂質が発生してから少しずつ分解されていき、嫌な臭いを強く感じるようになります。この臭いの主成分がアルデヒド。「油酔い」と言われるもので、味も悪くなっていきます。

ALE産生の2パターン

①外因性:揚げ物などに含まれるアルデヒドの大量摂取により、活性酸素⇒ALEの形成。

②内因性:悪い生活習慣や炎症により、組織内にアルデヒドが産生される。

脂質アルデヒドの毒性(各種論文より)

▼腎臓や結腸における4-HNEたんぱく質(ALE)の形成は、がんの成長・進行を促進する。

▼4-HNEのレベルの上昇は、肝臓がんや膵臓がんの発症リスクを高める。

▼4-HNEは脳の神経細胞、血管筋・肝・骨格筋細胞のミトコンドリアに酸化ストレスを誘発。

▼4-HNEは発がん性、遺伝毒性、変異原性がある。


 私たちの体はもともとGST、GSH、ADH、AKR、ALDHなどアルデヒドを解毒する酵素持っていますが、揚げ物を摂り過ぎると、これらの酵素では対応しきれなくなり、結果的にアルデヒドが体内に蓄積されてしまうのです。

(出典:栄養チャンネルhttps://www.youtube.com/)


■過酸化脂質と疾病への関与

 体内の過剰な活性酵素・過酸化脂質は、組織の老化を加速させ、細胞の機能低下や細胞数の減少によって、様々な病気の発症につながる恐れがあります。

過酸化脂質って?

 過酸化脂質とは、活性酵素がコレステロール中の不飽和脂肪酸と結びつき酸化して出来た脂質の総称で、悪玉コレステロールと言われています。

 過酸化脂質を生み出す原因としては、▼ストレス ▼喫煙 ▼激しい運動 ▼大気汚染 ▼残留農薬 ▼紫外線 ▼食品添加物‥‥などがあります。

過酸化脂質の病気への影響

 過剰な過酸化脂質は、肌の老化からアルツハイマー病やガンまで、その影響は甚大です。血管内に付着・血管に溜まる過酸化脂質は、動脈硬化脳卒中心筋梗塞などに影響しますし、皮脂が酸化してできた過酸化脂質は、皮膚の細胞を傷つけ、アトピー性皮膚炎火傷の悪化かぶれシミソバカスなどの炎症を引き起こします。

 脂質異常症患者や冠動脈狭窄患者の血液では、過酸化脂質の濃度が健常者に比べて数倍高く、過酸化脂質が動脈硬化症発症に関与しています。また、過酸化脂質が蓄積した老化赤血球の数が多くなると、アルツハイマー型認知症のリスクが高まることも確認されています。

過酸化脂質を減らすには

 過酸化脂質対策には、活性酸素を抑える役割を持つ「抗酸化物質」が有効です。私たちの体内には元々抗酸化酵素や抗酸化物質が存在しています。しかし体内の抗酸化機能は肥満や食生活の乱れ、加齢によって低下しますので、食品から抗酸化作用をもつ成分を摂ることが重要となります。代表的な抗酸化物質としては、ビタミンAビタミンCビタミンEポリフェノールカロテノイドなどがあります(右表)。また、クロレラなどの食品から摂取するルテインによって、老化赤血球の増加が防げたり、味噌や醤油に含まれる糖化褐変物(メイラード反応産物)には抗酸化作用があることも分かっています。

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「HM-3000(特系霊芝)」には、非常に強い抗酸化作用を持つ酵素である「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生・増加作用があることが確認されています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年11月6日水曜日

肺と血液循環

 たばこを吸わない人の肺がん増加!

 今、たばことは強く関連しない肺がんが増えています。「肺がんの患者数は右肩上がりに増加する一方で、喫煙者は減っている。これは、たばこが原因でない肺がんが増えていることを意味する」(中部国際医療センター樋田豊明医師)

 肺がんは「組織型」という分類法で腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん・小細胞がんに分かれ、発生しやすい部位や特徴が異なります(右表参照)

 4分類のうち、喫煙との関連が強いのが扁平上皮がん小細胞がん。喫煙率の低下によって、扁平上皮がんと小細胞がんは減っています。そして、喫煙とは関連が少ない腺がんが急激に増えています。腺がんの発症理由ははっきりしていませんが、PM2.5等の大気汚染が肺のがん細胞の遺伝子異常を起こすというデータが複数出ています。たばこが身近ではない生活をしていても、だれでもリスクがあるということです。

「そもそも肺がんは無症状の場合も多く、症状がなくても全く大丈夫とは言えない。肺がんはステージⅣで発見される患者が珍しくない。それは自覚症状がないまま病状が進行してしまうから。早期発見には、喫煙者・非喫煙者を問わず受診することが重要」(同医師)

 重要なのは、「要精密検査」となったら、無症状でも、非喫煙者でも放置しないことです。国立がん研究センターの発表では、肺がん検診で要精密検査と判定された人の精密検査の受診率は83.8%。20%弱が放置しています。

 肺がんは、がんの部位別死亡率の中で、男性でトップ、女性で2位です。前述の通り、進行してから発見される人が多いからです。早期発見は当然ながら生存率を高めます。

 今年6月から放射線治療の一種、陽子線治療が肺がんで保険適用となりましたが、進行してからの発見では保険適用となりません。

 従来の放射線治療はX線やγ線を用います。これらは体の表面近くで最も強い効果があり、体の奥へ進むにつれ効果が弱くなり、さらにはがんを越えて体を突き抜けます。そのため、正常な組織や臓器を傷つけてしまうのです。これに対し陽子線治療では、最大のエネルギーを放出する場所(体の表面からの深さ)を設定できます。がんがある場所に設定すれば、そこで最大効果を発揮して停止。奥まで突き抜けません。がんに対して、集中的な治療ができるのです。肺がん治療の進化は目覚ましく、その恩恵を受けるためにも、正しい知識を。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■肺の構造と血液循環

 肺は体の中でもかなり大きい器官の1つです。胸腔の大部分を占め、ちょうど横隔膜の上に乗る形をしています。左右の肺は非対称で、大きさは右肺8:左肺7。心臓がやや左寄りにあるため、左肺の方が少し小さくなっています。多角形小葉の集まり"葉"で構成され、右肺は上葉・中葉・下葉の3葉、左肺は上葉・下葉の2葉でできています。

 肺の入り口である肺門には、気管支のほか、肺動脈、肺静脈などの血管、さらに神経なども多数出入りしています。

肺胞と血管の間のガス交換

 肺門から入った空気は、気道を進んで肺胞に入ります。肺胞は直径0.2mmほどの小さな袋で、その周囲を毛細血管が網の目のように取りまいています。

 肺胞のまわりには、肺動脈から続くたくさんの毛細血管が走り、その中には、体内を巡ってたくさんの二酸化炭素を運んできた静脈血が流れています。

 このとき、毛細血管の酸素分圧(PO2)は40mmHg、二酸化炭素分圧(PCO2)は46mmHgです。これに対し、肺胞内のPO2は100mmHg、PCO2は40mmHg。血管内と比べると、肺胞内のほうが圧倒的に酸素が多く、二酸化炭素は少ない状態です。

 ガスの移動は、ガス分圧の差によります。肺胞⇒静脈の毛細血管は、60(100-40)mmHgの圧力で酸素が移動し、静脈側の毛細血管⇒肺胞は反対に、6(46-40)mmHgの圧力で二酸化炭素が移動します。このガス交換の結果、酸素をたっぷり含んだ血液は、肺静脈から心臓へと戻り、再び全身へと向かい、一方、肺胞に移動した二酸化炭素は、肺の呼吸運動によって気道から体外へと排出されます。つまり、血液にとって肺胞は酸素の供給する場所であり、二酸化炭素の捨てる場所でもあるといえるのです。

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酸素供給・血流改善への霊芝の影響

 体内に取り込まれた酸素は、赤血球が全身へと供給します。そして、赤血球が運搬する酸素を切り離して、全身の細胞への酸素供給量を高め細胞の酸欠を改善するのは「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)」の働きによるものです。また、血液の通り道である毛細血管の柔軟性の維持や傷ついた血管の修復・改善には「NO(一酸化窒素)」の作用が欠かせません。

 康復医学学会の推奨する生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGを産生・増加させる作用があること、そして体内でのNO合成酵素を活性化させ、NOの産生を促進する作用があることが確認されています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年10月30日水曜日

高齢者の骨折

 脊椎圧迫骨折で介護度10倍上昇

 群馬大学は7月、レセプト情報*のビッグデータを活用し、高齢者に多い脊椎圧迫骨折の受傷後の経過の詳細を初めて明らかにしたと発表しました。この研究は、群馬大学、東京大学、自治医科大学の各研究者グループによるもの(『Journal of Bone and Joint Surgery』」に掲載)。

*レセプト情報とは:特定健診等情報(医療機関が医療保険者へ発行する診療報酬明細書のこと)

 脊椎圧迫骨折は加齢に伴う骨粗しょう症が主な原因で、転倒やしりもちなどのちょっとした怪我で生じる骨折です。高齢者の約5人に1人が経験する骨折ですが、多くの場合は数週間~数か月で治癒します。しかし、一部の患者では持続する腰痛や背骨の変形などに悩まされることもあり、足の痛みやしびれ、麻痺などの症状が出てくる場合には手術が必要になります。ところが、これまでの研究では、どのような患者で痛みが持続し日常生活に影響を及ぼすかについては明らかにされていませんでした。

 研究グループは今回、65歳以上の圧迫骨折患者18,392人のレセプト情報から、受傷後の生存期間・鎮痛剤の処方期間・要介護度の変化を調べ、さらにそれぞれのリスク要因について解析しました。

 その結果、圧迫骨折後に4か月以上の長期にわたって鎮痛剤が必要な患者が23%いることが明らかになりました。さらに、骨折前から介護を受けていた患者は、骨折後により多くの介護が必要となるリスクが、リスク比で10倍であることが判明しました。

 これまで不明だった高齢者の脊椎圧迫骨折後の鎮痛剤の処方期間や要介護度の変化について調査を行った結果、鎮痛剤を長期間処方された人や要介護度が悪化する人のリスク要因が初めて明らかになりました。脊椎圧迫骨折後の長期的影響を詳細に検証した研究は過去に例がなく、得られた知見は今後の適切な医療・介護の資源配分に役立つと考えられます。

 同研究成果により、すでに介護を必要としている患者は骨粗しょう症の治療を行うなど、適切に圧迫骨折を予防することが重要であることが明らかにされました。一方で、実際に患者が日常生活においてどのようなことで痛みに困っているのか、どのような介護が必要となったのかの詳細は明らかにされていません。そのため、具体的な日常生活動作のレベル(歩行できるのか、杖や車椅子が必要なのか)や必要な介護(食事の介助、入浴の介助、トイレの介助などが必要か)などについて、詳しく追跡調査することが必要です。

 また、骨粗しょう症の重症度(どれだけ骨が折れやすいか)や、骨折の重症度(変形をきたしているか、麻痺などの神経症状が出ているか)による違いは検討されていません。さらに骨折の後、骨粗しょう症治療を行うことで痛みや介護度が改善するか否かについての検討もされていません。「これらの重症度を考慮することで、将来的には患者にとってより最適な治療を提供できるようにすることが求められる」と、研究グループは述べています。

(出典:https://www.qlifepro.com/)


■高齢者に多い骨折と予防・ケア

 高齢者の骨折は、骨粗しょう症による骨の脆弱化が基礎にあり、わずかな外力でも骨折を起こすことが特徴です。いちど骨折を起こすと長期間の安静が必要で、「寝たきり」の原因になる可能性もあります。また、高齢者が骨折する原因のほとんどは「転倒」です。

高齢者に多い4つの骨折

(1)大腿骨近位部(だいたいこつきんいぶ)骨折

 太ももの付け根の骨折で、転倒によって起こる。寝たきりになってしまう方も多く、社会問題となっている。

(2)脊椎圧迫(せきついあっぱく)骨折

 背骨の骨折。尻もちをつくことで起こることが多い。骨粗しょう症が進むと、普段の生活動作の中でも起こることがあり、「いつのまにか骨折」と言われるものもある。

(3)上腕骨近位部(じょうわんこつきんいぶ)骨折

 腕の付け根の骨折。転んで肩を直接打ったり、肘や手をついた時に起こる。

(4)橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折

 手首の骨折。転んで手をついた時によく起こる。

高齢者の骨折の治療について

 骨折の治療は、手術療法と手術によらない保存療法に分かれます。

 保存療法の場合は、骨折部位が安定するまで数週間から数ヶ月間、骨折部の安静を保つ必要があります。脊椎圧迫骨折や橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折で骨折部が安定している場合は、保存療法が選択される場合が多いです。

 しかし、大腿骨近位部骨折の場合、長期の安静により筋力低下・認知症・肺炎・褥瘡(じょくそう)などを発症し、寝たきりになる頻度が高いことがわかっています。可能であれば手術療法を選択し、早期からリハビリを行い、機能回復をはかることをお勧めします。

高齢者の骨折の予防は骨粗しょう症のケアから

 高齢者の骨折は予防が何より重要です。まずは骨粗しょう症のケアに取り組むことです。

【骨粗しょう症のケア】 

●定期的に検診を受け、骨粗しょう症の程度を評価をする。

●骨粗しょう症があれば内服薬や注射薬による治療で進行を抑える。

●カルシウム、ビタミンD、タンパク質などの栄養素を適量に摂取する。

●運動、日光浴を行う。

【転倒しないために】 

●ロコモティブシンドロームのチェックを行い、転倒しやすいかどうかを把握する。

●転倒しないよう、生活環境の整備を行う。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、骨粗鬆症を治療する活性成分(βシトステロール、エポキシラノシトール、22トリエン3、6ジオン、霊芝ケトントリオール等)や、生物学的過程を通じて抗骨粗鬆症作用を発揮する成分が含まれていることがわかっています。


 いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月23日水曜日

肥満

 死亡リスク推定に有用な“丸み指数”

 肥満の一般的な指標はBMIですが、内臓脂肪の分布を反映していないため、より包括的な肥満指標として身長とウエスト周囲長から算出する身体の「丸み指数(=BRI;body roundness index)」が提案されています。北京中医薬大学の研究者らは、1999~2018年の米国民健康・栄養調査(NHANES)に参加した成人3万例超のデータを用いてBRIの推移と全死亡との関連を検討。その結果、米国成人のBRIは上昇傾向にあり、BRIの最低5分位群と最高5分位群で全死亡リスクが上昇するU字形の関連が認められたと、米国医師会雑誌『JAMA Network Open』(2024;7)に発表しました。

 BRIは「364.2-365.5×√〔1-[ウエスト周囲長(cm)/2π]2/[0.5×身長(m)]2〕」として算出します。ウエスト周囲長を考慮したBRIは内臓脂肪分布を反映しており、BMIよりも包括的な肥満指標であることを示すエビデンスが蓄積されつつあります。しかし、BRIと疾患や死亡のリスクとの関連を示すエビデンスは乏しい状況です。そこで研究者らは、1999~2018年のNHANESに参加した20歳以上の32,995例(平均46.74歳、女性50.10%)のデータを用い、米国成人におけるBRIの推移と全死亡との関連を検討。解析の結果、平均BRIは1999年→2018年で4.80→5.62と上昇しており、2年ごとの変化率は0.95%でした。

 同期間のBRIの上昇傾向は女性、65歳以上の高齢者、メキシコ系米国人でより顕著でした。BRIは加齢に伴い上昇し、女性の方が高値で男女差は経時的に拡大しました。この結果について、研究者らは「女性では体組成および食欲に性ホルモンが影響している可能性があり、高齢者のBRI高値は脂肪組織の老化や機能不全を反映している可能性がある。また、メキシコ系米国人においては一般的に食事の質の低下、食料不安、心理社会的ストレスが認められる」と説明しています。

約10年の追跡期間中における全死亡は3,452例(10.46%)でした。制限付き三次スプライン解析では、BRIと全死亡リスクとの間にU字形の関連が認められました。

交絡因子(年齢、性、人種/民族、教育歴、貧困所得比率、喫煙状況、飲酒状況、心血管疾患の家族歴、糖尿病の家族歴)を調整後の解析の結果、全死亡リスクはBRIの第3五分位群(BRI 4.45~5.46未満)と比べて第1五分位群(同1.05~3.41未満)で25%、第5五分位群(BRI 6.91以上)で49%といずれも有意に上昇していました。

 研究者らは「BRI超低値例は栄養不良、疲労、運動耐容能の低下、筋萎縮を伴っている可能性がある」と指摘し、BRI高値例については「内臓脂肪が蓄積すると、体重が基準範囲内であってもインスリン抵抗性が亢進し心代謝性疾患のリスクが高まる」と説明。その上で、「死亡リスクの推定や高リスク群特定のための簡便な非侵襲的スクリーニング法として、BRIは有用性が高い」としています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)


■肥満に関わる善玉ホルモン

 脂肪には大きくわけて2つあります。それが「皮下脂肪」と「内臓脂肪」がです。皮下脂肪は一番落としにくい脂肪で、最後の手段として体がエネルギーとして使います。それに比べ内臓脂肪は一時的に体が蓄える脂肪で、比較的とれやすい脂肪です。

動脈硬化や糖尿病を抑制「アディポネクチン」

「アディポネクチン」とは、体の脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、動脈硬化や糖尿病を防ぐ善玉ホルモンです。生理活性物質の多くは肥満に伴って脂肪細胞からの分泌が活発化しますが、内臓脂肪が増えれば増えるほど、脂肪細胞が肥大・分裂し、悪玉物質がたくさん分泌される一方で、アディポネクチンの分泌量は大幅に減少(血液中の濃度が低下)してしまいます。したがって、肥満を改善し内臓脂肪を減らし、アディポネクチンの分泌を正常化させることが大切になります。

満腹信号を脳に送る「レプチン」

「レプチン」は、アディポネクチンと同じ脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンです。このホルモンは、食事開始から20~30分後に分泌が始まります。血液中にレプチンが流れ出して、血中のレプチン濃度が上がると、脳に対して“満腹信号”を発信します。内臓脂肪が増えるとレプチンの働きが低下します。つまり、なかなか満腹感が得られないので、つい食べ過ぎてしまうのです。

 食事は30分以上かけてゆっくり摂ることが重要です。一方で、レプチンは自然免疫細胞を刺激して炎症性サイトカインを産生させ、獲得免疫ではIFN-γを産生するTh1というTリンパ球の働きを増強して、多発性硬化症*の病態を悪化させてしまいます。

*多発性硬化症とは:免疫細胞が中枢神経(脳・脊髄)や視神経に炎症を起こして、神経組織を障害する自己免疫疾患。

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 肥満に関連したホルモンは、免疫機能を変化させ、炎症を促進する傾向にもあるようです。感染症、アレルギー、がんの予防としても、体重のコントロールが大切になってきます。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、生体の免疫バランスを保ち、生体機能恒常性の維持に有効な作用があります。肥満やメタボによる免疫機能変化の抑制、および脂肪組織内でおこる炎症対策にも期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月16日水曜日

ストレス冷え

 ストレス冷え

 暖かい部屋に入ると、すぐに手足が温かくなりますか? 中々温かくならないですか? 手足など末梢の血流は、自律神経の働きが調節しています。ストレスで交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して血行が悪くなります。手足が温かくならない人は自律神経機能が乱れているため、血流の調節がうまくいっていないのです。これが“ストレス冷え”です。

 ストレス冷えはこのほか、自覚症状はあるのに診察では冷えがない人、逆に足が氷のように冷たくても自覚症状がない人など、冷えの認識にずれが生じていることもあります。

 ラットによる実験では、オスよりメスの方が血管拡張の反応が遅いという報告もあり、一般的に女性に冷え症が多いということを裏付けています。

 冷えは漢方が得意とする領域で、漢方薬の効果が認められています。治療では問診や脈、舌、腹部などを診察し、漢方の基本概念である気血水(きけつすい)や五臓六腑のどこに問題があるかによって処方を決め、心身のバランスを整えます。

 女性の冷えは、女性ホルモンの乱れから自律神経が変調をきたすという流れも多く、この場合は、冷えだけでなくのぼせの症状も現れます。また、甲状腺の機能低下、貧血、低血圧、膠原病(こうげんびょう)などによって、冷えの症状が表れることがあります。その他、肩こり、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、疲れやすい、やる気・元気がない、肌のくすみ・しみ、乾燥なども、冷えによって起きやすい症状です。

 朝食を抜くと体温上昇機能は働かず、筋肉不足では熱が生み出せません。昼夜逆転は日内リズムを乱して、日中に体温が上がらない人もいます。便利な生活がかえって冷えを助長している可能性もあります。

 また、漢方では、加齢とともに体が「陽(新陳代謝が高い状態)」から「陰(新陳代謝が低下した状態)」に変わると考えます。このため、冷えとは無縁だった男性も冷えやすくなります。

 強いストレスで自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまく機能せず冷えやすくなります。また、便利な生活や加齢により、誰にでも冷えが起きると言えます。身体や精神の諸症状、美容面にも影響します。患部を温めるだけでなく、生活全般を見直して冷えをもたらしている原因にも気をつけましょう。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■自律神経と血流低下

ストレスと自律神経

 ストレスによる生体反応は、ストレスの刺激(物理的或は心理的)を受けると、以下のような生体反応が起こることから自覚症状が表れるのがわかっています。

視床下部⇒自律神経系⇒交感神経⇒副腎髄質 という流れで、ノルアドレナリン、アドレナリンなどが血中に放出され、血糖値の上昇・胃腸機能低下・心拍数の上昇・血圧上昇などの循環機能を亢進させます。自覚症状としては、冷えのほか、肩こりや疲労などもあります。

 微小循環の血流が低下すると、細胞の酸素不足、エネルギー産生の低下、老廃物の蓄積などが起ります。ストレスなどによる生体反応からノルアドレナリン、アドレナリンなどが血中への放出が促進されると、細動脈の収縮から毛細血管への入口が収縮して微小循環の血液が低下します。そのため、冷えなどをはじめとする様々な自覚症状を発症します。

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ストレス冷え対策

 ストレス冷えは、ストレスにより毛細血管の入口が収縮し血流が低下していること、そして細動脈が収縮してしまうことが要因となります。この対策としては根本的に微小循環血管を改善することが重要です。毛細血管の入口拡張には、NO(一酸化窒素)が大きく関わり、また、細動脈の拡張にはセロトニンの働きが影響します。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」は、その血中一酸化窒素(NO)の産生を促進するデータがあります。

 また、細動脈の拡張・交感神経亢進の抑制には、神経伝達物質のセロトニンが影響を与えることが確認されています。当学会の研究素材のひとつ「ラフマ葉」は、脳内セロトニンの増加セロトニン神経通過性の安定を促すことが確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月9日水曜日

目の健康

 健康な目を維持するために

 明日、10月10日は「目の愛護デー」です。はじまりは、昭和6年(1931)に失明予防の運動として、10月10日を「視力保存デー」と定め、中央盲人福祉協会主催、内務省、文部省の後援で毎年活動を始めたのがきっかけ。1938~1944の間は9月18日を「目の記念日」としましたが、昭和22年(1947)に再び10月10日を「目の愛護デー」としています。目の愛護デーでは、現在、厚生労働省が主催となり、全国で目の健康を促す活動がされたり、目の関連企業や団体がイベントを開催したりしています。

 目の健康の維持と保全には、正しい栄養の摂取が極めて重要であることが多くの研究結果からわかっています。健康的な食事として、ビタミンAやビタミンC、葉物野菜、魚など、抗酸化物質の豊富な食材を摂りましょう。魚をはじめとする多くの食品に、中心視力を担う黄斑の健康に重要な必須オメガ3脂肪酸が含まれています。

 抗酸化物質の摂取不足、アルコールや飽和脂肪の摂取などには、黄斑に害を及ぼすフリーラジカル反応の発生リスクがあります。また、高脂肪の食事は動脈の血流を阻害する脂肪の蓄積の原因になります。毛細血管が集まっている目は、特に大きな影響を受けます。

 目に良いビタミンの摂取  

:目の健康の維持に栄養が重要ですが、ほとんどの人は、食事のみでは、重要な目の栄養素の摂取量が不足しています。抗酸化物質であるビタミンC及びEに加え、オメガ3やルテインは、中心視力を担う黄斑の健康維持に重要です。

 タバコを吸わない  

:喫煙は、AGE(終末糖化産物)を増加させ、呼吸器系・循環器系に大きなリスクを与えますが、それが目を大量の酸化ストレスに晒すことにもなります。また、喫煙によって加齢黄斑変性(AMD)発症のリスクが上昇することが知られています。

 運動をする  

:運動によって血液循環をスムーズにすれば、目に行き渡る酸素量も多くなり、また毒素の排出も促進されます。

 紫外線を避ける 

:屋外の明るい光のもとは目にとっては辛い状況です。有害な紫外(UV)線は酸化ストレスを高める要因としても知られています。サングラスを着用するときは、必ず紫外線をブロックできるものを選ぶこと。また、つば付きの帽子をかぶれば、サングラスの縁から目に入ってくる紫外線の量を減らすことができます。

 パソコン・スマホ  

:IT機器の発展によって多様な働き方が可能になり、世の中は便利になりました。しかし反面、長時間にわたるVDT(Visual Display Terminals)作業を続けた結果、目の疲れや頭痛などの症状(VDT症候群)に悩まされる人が増えているのもまた事実です。作業中に適度に休憩をとって目を休める時間を作りましょう。

 目のケガ  

:目の損傷の範囲や重篤度は簡単には判断できません。必ず、すぐに専門家の診察を受けてください。

(出典:https://www.bausch.co.jp/ 他)


■血流を改善して目の健康を促進!

 物が見えるのは、左右の目を連動させて視野を捉えられるように脳が指令を出し、視神経を介して眼球周辺の筋肉を動かしているからです。眼球を動かす、水晶体を調整して焦点を合わせる、まぶたを開けるなど、視神経や目の周囲の筋肉や組織は絶えず連携しています。

食生活が血流を悪くする

 視神経や筋肉がスムーズに働くには、目の周辺に“血液がしっかり巡っている”ことがとても重要です。しかし、忙しい現代人の食事は乱れがち。外食やコンビニ食などで手軽に済ませる人が多く、脂質の過剰摂取になりがちです。すると、血液はドロドロになり、毛細血管の血流が滞ってきます。血流の悪化は、視神経や目の周囲の筋肉の働きも低下させます。

 脳が「見えづらい」と判断すると、視神経は目の周囲の筋肉をさらに緊張させるよう命令、それに連動して肩や首もガチガチに凝る。こんな状態では神経の興奮がなかなか収まらず、交感神経が優位になってしまいます。このように、血流の悪化によって、目の疲れ、肩こりや首の凝り、不眠など、不調の連鎖に陥ってしまうのです。

目の健康を支えるのは「微小循環」

 体の隅々まで血液を循環させること、それが微小循環の重要な働きのひとつですが、これが滞ることを「微小循環不全」といいます。微小循環は、全身の各組織の細胞に栄養を送り、老廃物などの代謝産物を回収するという大仕事を担っています。ゆえに、心臓や動脈などの太い血管よりも、微小循環のほうが“主役級”の存在、と言っても過言ではないのです。

 飲酒で顔が赤くなるタイプの人は、飲み過ぎに要注意です。アルコールの代謝がスムーズでないため、少量飲んだだけで解毒器官である肝臓に負担をかけています。肝臓も、微小循環が張り巡らされている臓器です。肝臓は、体に入った悪い物質を解毒するとともに、栄養となる物質を正常に代謝する働きも担っているので、肝臓の機能が低下すると、すぐに目にも悪影響が表れます。東洋医学では「肝は目につながる」と言い、目の健康には血流の改善が重要だと説いています。

活性酸素によっても目はダメージを受ける

 目は、紫外線などで常に活性酸素に晒されている器官で、大いなるストレスです。そして甘いものや炭水化物。血中の糖が過剰になると、体内では糖の代謝がフル回転で行われ、その結果、代謝産物である酸化物質が多く発生します。糖尿病の患者が「糖尿病性網膜症」になり、失明に至るのはこのような糖質過多の食習慣の蓄積が関係しているのです。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、毛細血管の血流を改善し。抗酸化作用のあるGSH-Px(抗酸化酵素)の増加を促しますので、目の健康に好影響を与えます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン