2025年7月9日水曜日

肝臓病と霊芝

 薬の排泄には肝臓が活躍

 飲んだ薬の全部が効力を発揮するわけではありません。内用薬は、主に小腸で吸収された後肝臓に入り、薬の一部または大半が効能のない物質に変えられ、多くは腎臓から排出されます。病気を治すための薬ですが、通常は体に存在しない"異物"です。体外へ排出できず体内に留まっていたら、それはそれで問題です。

 肝臓は、栄養成分からエネルギーを産生、体を作る成分に変換、異物である薬や有害物質の処理などを行う体の中の化学工場です。内用薬の場合、肝臓を通過し、血液にのって全身を巡る薬の量は、小腸での吸収量よりも少なくなります。そのため薬の使用量は、この"目減り"の量を考えて決められます。肝臓を通過せずに血中に入る注射薬や外用薬は、この目減りを避けて体を巡ります。肝臓で失効・効力低下する薬は、内用薬ではなく舌下剤、噴霧剤、坐剤として使うのはこのためです。役目を終えた薬は、主に肝臓の酵素の働きで、排出されやすい性質へと変えられます(薬の「代謝」)。その後、腎臓に送られ、尿と一緒に体外へ排出されます。一部の薬は、胆汁と一緒に消化管へ入り、便とともに排出されます。量的には多くないものの、だ液や汗、吐く息、母乳から排出される薬もあります。

 大人の薬が使えるのは15歳から。15歳未満は子供とみなします。子供は、薬の代謝や排出に関わる肝臓や腎臓、そして薬の影響を受けやすい脳が未発達です。「体が小さいから、薬も半分でいい」という単純な計算は、必ずしも成り立たちません。大人用の薬には、子供での有効性や安全性が確立されていないものもあります。子供用と大人用とでは、成分量だけではなく成分そのものが異なる場合もあります。市販薬も、「小児用」「ジュニア」と書いてある薬を選び、保護者と相談しながら使うことが重要です。

 高齢者では、肝臓での代謝や腎臓からの排出機能が低下するため、薬が効き過ぎることがあります。特に肝臓や腎臓の病気を持っている場合、副作用の危険性が高くなります。複数の病気にかかり、使う薬が増えればますます肝臓や腎臓に負担をかけることになります。高齢者は、生活習慣病のような慢性的な病気が多いので、薬を使う期間も長くなりがちです。量を変える、より安全な薬に変える、などの検討が必要になってきます。

 重要なのはもちろん「狙い通りに効くこと」ですが、薬の役目を終えたら「速やかに代謝、排出されること」も同じくらい大切なのです。   

(出典:https://www.sumitomo-pharma.co.jp/)


■肝臓病と霊芝

 肝炎などの障害が生じると、肝細胞が破壊され、血液中にGOT、GPTが流れ出します。これら"肝臓の機能を評価する血液検査の指標"の数値が高いことは多くの肝臓の細胞が壊れていることを意味します。高値は急性肝炎・慢性肝炎などが疑われます。GOT、GPTは同じくらいの数値になることが多いのですが、GOTの方が高い場合は肝炎の急性期やアルコール性肝障害の疑いが高くなります。

 GOT、GPT、特にGPTは他の臓器にあまり含まれていないため、その血液中の数値の高さは肝障害を反映することになります。また、細胞膜の障害程度も反映します。

 健康な肝臓には、3%を少し超える程度の脂肪(中性脂肪・コレステロール・リン脂質など)が含まれています。しかし、10%を超えると細胞の中に脂肪滴という泡状のものが現れるようになります。この脂肪滴が、肝細胞の小さな集合体である肝小葉の中の肝細胞の3分の1以上に現れるようになった状態を「脂肪肝」といいます。

 脂肪肝の分類 

(1)過栄養性脂肪肝 (2)栄養欠乏性脂肪肝 (3)アルコール性脂肪肝 (4)薬物性・中毒性脂肪肝 (5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH) (6)急性妊娠脂肪肝

 ほとんどの薬剤は肝臓にて肝臓酵素によって分解、解毒され、腎臓にて排出されます。長期間に薬を服用している場合、肝臓の負担は重くなり、肝細胞の仕事限度を超えると肝細胞にダメージを与える事になり、肝臓障害を引き起こします。例えば、高血圧薬、高脂血症薬、心臓病薬、血流改善薬、鎮痛剤、睡眠導入剤などがあります。また短期間でも薬剤の毒性が強ければ、肝臓障害をもたらす薬もあります。例えば、抗癌剤、免疫抑制剤(自己免疫疾病―リウマチなど)、ホルモン剤、精神神経系薬などがあります。

HM-3000(特系霊芝)の肝機能への保護作用

■肝機能の低下は、ストレスに対抗する体の力(ストレス耐性)を低下させます。肝機能の低下は、メタボ、飲酒などの生活習慣なども原因のひとつです。「HM-3000(特系霊芝)」は、肝臓を保護し肝機能低下の予防に期待が持てます。

■右の霊芝のデータは、肝臓代謝性障害(脂肪肝・アルコール性肝炎を含む)に顕著な保護作用があるというエビデンスです。

■抗癌剤だけではなく、一般的な薬も肝臓に負担をかけます。そして、活性酸素やフリーラジカルは、さまざまな病気の原因や老化、美肌などに影響を与えます。霊芝には、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)という生体内最も重要な二つ抗酸化酵素の活性を促すというエビデンスがあります。活性酸素やフリーラジカルによる損傷から組織細胞を守る働きがあることが認められています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年7月2日水曜日

熱中症と自律神経

 自律神経酷使で“脳のオーバーヒート”

 体を動かすと全身が温かくなるのは、筋肉が熱を作るからです。しかし、実は体の中で最も発熱しやすいのは「脳」です。脳は、自律神経を通して、体内の全器官の動きをコントロールする司令塔です。自律神経の働きは生命活動の維持に不可欠なので、休むことなく働き続け、常に発熱の状態です。自律神経に負荷がかかれば、それだけ脳の発熱量も増えます。しかも、頭蓋骨に覆われている脳は、外気に晒して熱を放散することができません。特に、視床下部と前帯状回にある自律神経中枢は、鼻腔の奥に位置し、脳の深部にあります。熱を冷ますには、首や脇の太い血管を冷やすか、あるいは鼻から冷たい空気を吸い込むしかありません。発熱が抑えきれないと頭の中に熱が籠り、脳が「オーバーヒート」を起こして、のぼせや疲労感、頭痛などが生じます。

 自律神経の負荷が増えて、脳を疲れさせる原因は二つあります。一つは環境要因で、脳の発熱を抑えられない場合。気温が高くなると、体温調節で自律神経が酷使されるため、脳の温度が上がりやすくなります。二つ目は自律神経中枢の消耗。精神的・身体的なストレスが増すと、自律神経中枢の負荷が増して、脳が発熱しやすくなります。

 脳は体の全ての器官の動きを司っているので、脳がオーバーヒートすると、体内のコントロールが乱れます。体温や心拍、呼吸、血圧の調節などが乱れれば、あらゆる臓器の働きが低下するため、頭痛や発熱、めまいなど、体に不調が表れます。集中力を失い、パフォーマンスが低下します。体を安定した状態に戻そうと、自律神経中枢に負荷がかかり続け、脳のオーバーヒートが悪化、さらに脳が疲労するという悪循環が生まれるのです。

 脳のオーバーヒートの予防で最も大切なのは、自律神経に負荷をかけすぎないこと。暑い季節は、脳に合わせた環境づくりも重要です。脳にとっての最適温度は22~24℃と言われており、少し涼しいくらいが理想的です。気温が25℃以上になると、1℃上がるごとにパフォーマンスが2%下がるという研究報告もあります。

 日本人は欧米人に比べて筋肉量が少なく、体が発熱しにくいので、寒がりだと言われています。しかし、体に合わせてエアコン温度を設定するよりも、脳に合わせた室温にしておき、着る服で調整したほうが、脳のオーバーヒートは予防できます。

 さらに、6月頃から脱水症状を起こしやすくなります。湿気があるために汗が蒸発せず、喉の渇きを感じにくいので、水分の補給を怠りがちです。その結果、血流が悪くなって体に熱がこもりやすくなり、熱中症や脳梗塞などのリスクが増します。喉が渇く前に、意識的に水分補給を心がけましょう。              

 (出典:https://kenko.sawai.co.jp/)


■自律神経と体温調節

 人は体温を一定に保つことが重要ですが、体内で生産された熱と、体外へ放出される熱のバランスがうまく取れていないと体温を一定に保つことはできません。重要なのは体温を調節するシステムです。

体温調節の要:自律神経

 通常は、体内で作られた熱で血液の温度が上昇し、温まった血液が体表を通るときに皮膚から放熱して体温を下げます。しかし、猛暑の夏など、体表からの放熱だけでは間に合わない場合、皮膚に分布する汗腺からどんどん汗が出てきて皮膚の表面をぬらすことによって温度を下げる働きをします。汗腺も自律神経に支配されており、発汗を促進するのも交感神経の役割です。

熱中症とチアノーゼ

 血液中の酸素濃度が低下して、唇や爪の色が紫色になるチアノーゼですが、通常、健康な人の血液では、酸素とヘモグロビンが結合していて、それが血液の赤い色を作っています。

 しかし、熱中症で体温調節が限界を超えると皮膚血管の拡張のために皮膚に血液が集中し、発汗などのため血液粘度も上昇し血流障害を起こします。重症の場合、心負担⇒血圧低下⇒チアノーゼを経て虚脱状態や意識障害などになります。

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普段からの良好な血流の維持が大切

 現代人の汗をかけない原因の一つに、東洋医学でいうところの「瘀血(おけつ)の問題があります。つまり、微小循環血流の滞りです。血液は酸素や栄養素とともに体内の熱を運ぶ役割も持っていますから、微小循環血流を改善し、血流を良好に維持すれば、体温調節システムも効率よく働きます。康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」微小循環の改善作用と、「ラフマエキス」自律神経調整作用が、熱中症の予防にも役立ちます。


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愛・感謝 村雨カレン

2025年6月25日水曜日

塩分について

 塩分摂取は“長寿の知恵

 今では、「塩分=高血圧」がすべての日本国民の固定観念となってしまいました。しかし「塩分摂取量の全国順位が40位以下の大阪や沖縄など(=全国平均よりも塩分摂取量が少ない地域)で高血圧疾患による死亡率が高い」という現実もあります。「塩分=高血圧」が正しければ、もっと順位が高い地域で高血圧疾患による死亡者が多くなるはずではないでしょうか。また、がんによる死亡率も同様に、塩分摂取量が全国順位40位以降の大阪、兵庫、島根などで全国平均よりも高くなっています。そして逆に、今や日本の最長寿県として知られる長野県の塩分摂取量は、日本で4番目に多いのです。

 さらに、うつや自殺(うつが要因になることが多い)は、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシアなどの北欧の国々で多発しています。日本でも、人口10万人当たりの自殺者数は、秋田県、山形県、青森県、新潟県といった北国が高いのですが、その要因は「日照量の少なさ」と「寒さ(低気温)」とされています。だからこそ北国の人々は、身体を温めるために塩分摂取量が伝統的に多かったのです。そうした地域に何百年も住んできた先祖の知恵だったわけです。しかし今や、塩分を極端に制限された東北の人々の体温は下がり、「うつ」や「自殺」が増加しています。「塩=高血圧」という一点の理由から始まった"減塩運動"が、こうした種々の弊害をもたらしていることは、ほとんど知られていません。西洋医学は歯牙にもかけていないし、一顧だにしません。

 話はやや旧聞に属しますが、アメリカで25歳から75歳までの20万7729人を対象にした国民栄養調査が行われ(1998年)、その結果をM,H.アルダーマン博士が世界的に権威のあるイギリスの医学雑誌『Lancet(ランセット)』に発表しました。

 同調査では、食塩の1日平均摂取量によって調査対象者を4つのグループに分け、あらゆる病気の脂肪率を比較しました。すると意外にも、食塩摂取量の一番多いグループの脂肪率が最も低く、少なくなるほど死亡率が高くなっていました。また高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの心臓・循環器系疾患の死亡率も、食塩摂取量が少ないほど高かったのです。調査対象者が数十人や数百人といった少人数であれば信憑性が劣ると指摘する人がいたかもしれませんが、20万人もの被験者がいたのですから文句のつけようはないでしょう。

 米・アインシュタイン大学のハイレル・W・コーエン博士は、8700人のアメリカ人を対象に行った健康栄養調査の結果、「塩分摂取の最も少ない25%に属する被験者は、摂取の最も多かった25%に比べて、心臓病による死亡率が80%高かった」と述べています(一般内科学誌『Journal of General Internal Medicine』掲載)。デンマーク・コペンハーゲン病院のニールス・グラウダル博士は、アメリカの高血圧学会誌に掲載した論文(2014年)の中で、「最も好ましい、健康的な食塩摂取量は“6.7~12.6g”である」と論じています。

(出典:『Renaissance』誌より/イシハラクリニック 石原結實院長)


■“減塩”による免疫機能低下

「塩分は、高血圧や脳出血の一大要因になる」という固定概念は、1960年代に米国のL・K・ダール博士が、日本人の塩分摂取量と高血圧の発症頻度を、塩分摂取量の少ないマーシャル諸島の人々やアラスカのイヌイットの人々と比較した論文が大きく影響しています。

 1960年頃、13~14g/日の食塩摂取をしていた鹿児島など南日本の人々の高血圧の発症率が約20%、同じく27~28gと2倍もの食塩を摂取していた東北地方の人々の発症率が約40%という結果が出た為、「塩分こそ、高血圧や脳出血の元凶である」という論文になりました。

 この頃から東北地方で減塩運動が始まり、全国に普及していったのです。1945(昭和20)年以降の日本人全体の平均食塩摂取量は15g/日でしたが、1979年(昭和54年)には13.1g/日になりました。しかし当時、厚生省が「10g以内が望ましい」と発表、その後1日の平均食塩摂取量は1985(昭和60)年には12.1g/日、2015(平成27)年には10.0g/日にまで減少しました。にもかかわらず、厚生省は減塩を推し進め、現在は「男性7.5g以下、女性6.5g以下が望ましい」としています。またWHO(世界保健機関)では5.0g以下を推奨しています。

“減塩”で免疫力が落ち、ガンに罹りやすくなる

 昔から塩は"生きていくための最重要食品"でしたし、文化の発展にも大いに寄与してきました。なのに「寒い地方の人々が体を温めるために塩を多く摂ったことで高血圧の人が多い」という一点の理由で、全国民に減塩を強制してしまったことのツケは実に甚大です。

 日本人の脇の下の平均体温は、1957(昭和32)年には36.9℃だったといいます。ところが今は36.5~36.2℃の人がほとんどで、中には34℃台の人もいるのです。体温が低くなってしまった要因の一つは、現代人の筋肉量が減っていることです。体温の40%は筋肉で作られているのに、体を動かす機会が減り、昔に比べて筋肉を動かさなくなっています。もちろん、体温を高く保ってくれる塩分の摂取不足も大いに関係しています。また、体温が1℃下がると免疫機能が約30%低下することや、ガン細胞は35.0℃の低体温で増殖し、39.6℃で死滅することも分かっています。

 1975(昭和50)年のガン死者数は約13万人で、当時は医師数も同様の約13万人でした。それから50年近くの間にガンの研究・治療は格段と進歩したし、医師数も約33万人へと増加したのに、2021年のガン死者数は約38万人でした。

 医師がガン細胞を切り取ったり、放射線で焼いたり、抗がん剤で殺したりという対症療法に終始していることの他に、ガンに罹る人が著しく増加しているのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年6月18日水曜日

便秘

 便秘が脳梗塞や心筋梗塞のリスクに

 便秘が脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患のリスク上昇と関係していることが、英国在住の40万人を対象とした研究で明らかになりました。

 狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患は、高血圧などによって引き起こされることが明らかになっています。しかし、より確実な予防と治療のためには、さらなる危険因子を見つけ出すことが大切です。これまでの研究で、心血管疾患の一部は便秘が危険因子であることが示唆されていました。また、便秘を引き起こす自律神経系の調節不全や腸内細菌叢の異常、食物繊維と水分の摂取不足、運動不足などは、高血圧の危険因子でもあることが示されています。そこでオーストラリアのモナッシュ大学などの研究者たちは、「便秘もまた、心血管疾患の危険因子である」という仮説を立てて、これを検証することにしました。

 分析に用いたのは、英国の40~69歳の約50万人を対象とするコホート研究「UKバイオバンク」の参加者40万8354人のデータです。これらの参加者のうち、「不安定狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、心不全」からなる心血管疾患を経験していたのは4万6891人(11.5%、平均年齢61.3歳、女性が32.7%)でした。一方で、2万3814人(5.8%、60.0歳、55.9%)が便秘でした。

 年齢、性別、BMI(体格指数)を考慮して分析したところ、便秘がある人の心血管疾患のリスクは、便秘がない人に比べ2.15倍に高まっていました。疾患別の検討でも、便秘ありの人の心不全のリスクは2.72倍、脳梗塞のリスクは2.36倍、不安定狭心症・急性心筋梗塞のリスクは1.62倍と、有意に上昇していました。

 腸の運動に影響して便秘を引き起こす薬剤の使用と、既知の心血管疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症など)も、分析に際して考慮する要因に加えたところ、リスク上昇幅は小さくなったものの、引き続き統計学的に有意な関係が認められました。

 高血圧と診断されていた15万7414人に限定した分析も行いました。このうち1万3469人(8.6%)が便秘でした。便秘のある人が高血圧と診断された後に心血管疾患を経験するリスクは、便秘のない人の1.34倍でした。

 便秘の発症と心血管疾患の発症に関係する遺伝的背景の相関関係を調べたところ、便秘と今回検討した心血管疾患の間には、正の遺伝的相関関係がある(発症に関係する一部の遺伝子が共通している)ことが示されました。

 今回の分析によって便秘が心血管疾患の危険因子であることが明らかになり、高血圧患者が便秘だと、心血管疾患のリスクがさらに上昇する可能性も示されました。今後も研究を進める必要がありますが、便秘を解消するための食習慣の工夫や、水分摂取の増加、積極的な運動といった対策が、心血管疾患のリスク低減にもつながる可能性が示唆されたといえます。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■食物繊維と便秘

 食物繊維とは「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」です。食物繊維にはたくさんの種類があり、それぞれの特徴によって体に対する働きが異なっています。

 消化・吸収されない食物繊維は、昔は栄養的に価値のないものと考えられていました。しかし、健康維持のために大切であることがわかり、現在では三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)、五大栄養素(三大栄養素+ビタミン・ミネラル)に加えて「第六の栄養素」と呼ばれています。日本人の食物繊維摂取の目標量は、男性19g以上、女性17g以上と定められています。しかし、実際の食物繊維摂取量は、年齢が若いほど少なく、目標量を満たしていません。

理想的な食物繊維の摂り方

 食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、上表のように、それぞれ腸の中で異なる働きをしています。両方を組み合わせることで便秘解消&デドックス効果が高まります。

●水溶性食物繊維:腸管内の水を吸収して、便を柔らかくしてくれる作用があります。ネバネバ・ヌルヌルとした粘性があるので腸内の老廃物や毒素を吸着し、便として排出してくれます。また、悪玉菌を減らして腸内環境を整える働きもあります。

●不溶性食物繊維:腸内で水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激して腸内の蠕動運動を促します。便の嵩を増やす作用があるので、便秘解消に効果的なのですが、水に溶けない性質のため、摂り過ぎると便が硬くなってしまいます。

 腸の健康を考えると、摂取量は「不溶性2:水溶性1」の割合が理想的と言われています*。厳密にこの割合を守る必要はありませんが、バランスよく摂取することが重要です。

*慢性便秘症の患者にポリデキストロース(水溶性食物繊維)を摂取してもらったところ、排便に対して最も良い結果が得られたのは不溶性食物繊維14g、水溶性食物繊維7gの割合であったという研究結果に基づいています。


 最近の「トクホ(特定保健用食品)」には、難消化性デキストリンを配合した商品が増えています。これは、水溶性食物繊維が"脂肪の吸収を抑え排出を増加させる効果がある"と言われているからです。ただし、デキストリンの原材料には遺伝子組み換えのトウモロコシを使用したものが多く、摂り過ぎには注意が必要です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年6月11日水曜日

内臓脂肪

 中年男性、内臓脂肪を7日で15%減

 高強度の持久力運動により、体脂肪だけを効果的に減らせることを示す研究結果が報告されました。中年男性が7日間で1440kmのロードサイクリングを行った結果、全身の体脂肪は9%減少、内臓脂肪は15%減少して、血圧や血清脂質にも良い影響が生じ、一方で体重はわずか1%しか減らなかったといいます。

 この研究は、ラヴァル大学(カナダ)のジャン=ピエール・デプレ氏らによるもの(詳細は「American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism」9月号に掲載)

 論文の責任著者である同氏は、「我々の研究結果は、肥満予防にはカロリー制限よりも、身体的に活動的なライフスタイルを促進することが重要であるという事実を裏付けている」と述べています。

 また研究グループは、「人間はできるだけ食べないようにするのではなく、身体的に活動的になるように設計されていることを示す、一つのエビデンスといえる」という別の言い方で研究結果を総括しています。

 この研究には、50~66歳のレクリエーションレベルの男性サイクリスト11人(平均年齢60.4±4.4歳)が参加しました。これらの参加者はベースライン時点において、同年齢の一般男性86人に比べて心肺機能が有意に高く、皮下および肝臓の脂肪量が有意に少ないものでした。

 これらの参加者に対して、7日間で1440kmのロードサイクリングを課し、その間、消費したエネルギー量を食事で十分に補充して体重が落ちないようにしてもらいました。そのため、朝食と昼食はビュッフェ形式で自由に摂取可能とし、夕食は持ち帰りの弁当や菓子などを無制限に提供しました。

 7日後、体重は約1%減少し(-0.8±0.9kg)、BMIも低下(-0.3±0.3)したものの、わずかな変化に抑えられていました。

 それに対して、全身の脂肪量は約9%減少し(-1.5±1.0kg)、内臓脂肪量は14.6%減少(-14.1±14.2mL)、ウエスト周囲長も有意に低下していました(-3.2±1.7cm)。

 さらに、除脂肪体重は1.2%増加し(0.8±1.2kg)、総コレステロールは20%以上低下、トリグリセライド(中性脂肪)に関しては40%近く低下し、また血圧も大幅に低下していました。

 研究グループは、「これらの結果は、持久力運動によって引き起こされる影響が体重の変化にとどまらずに、体組成への好ましい影響が少なくないことを改めて強調している」と結論付けています。

(出典:HealthDay News)


■今、改めて"内臓脂肪"を知る

 人間の体では、脂肪は主に二つの場所に蓄積されます。このうち内臓の周りにつく脂肪が「内臓脂肪」、皮膚の下につく脂肪が「皮下脂肪」です。

 内臓脂肪は、腹筋の内側、胃や腸などの消化器官の収まる空洞「腹腔(ふくくう)」内につきます。一般的に、内臓脂肪は女性より男性がつきやすい脂肪ですが、閉経後は女性も内臓脂肪がつきやすくなる傾向があります。

 内臓脂肪は皮下脂肪に比べて注意が必要な脂肪と言われています。それは、内臓脂肪が過剰に蓄積すると糖尿病など様々な病気を引き起こす「生活習慣病」の原因になるからです。

内臓脂肪がたまると、生活習慣病のリスクがアップ!

 内臓脂肪がたまると、生活習慣病のリスクが高くなるのか、それは以下の理由です。

 お腹周りの脂肪である内臓脂肪は、脂肪細胞から様々な「生理活性物質」を分泌しています。生理活性物質とは、わずかな量で私たちの体の生理に影響を与え、身体の働きを調整する役割を持つ、ホルモンに似た物質です。その作用の多くは体で起きている炎症や、免疫機能の促進または抑制に深く関わっています。

 内臓脂肪から放出される生理活性物質には、生活習慣病を「招くもの」と「防ぐもの」があります。内臓脂肪がたまると、生活習慣病を引き起こす生理活性物質の分泌量が増加し、反対に生活習慣病を防ぐ生理活性物質は減少してしまいます。そのため、内臓脂肪がたまると血糖値や血圧が上がり、血管の損傷が促進され、やがては糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病になるリスクが高まってしまうというわけです。さらに進行すると、動脈硬化や心臓病、脳卒中など命にかかわる病気を発症する危険性が高まります。

 内臓脂肪の蓄積で増加する生理活性物質 

TNF-α:インスリンの働きを妨げ、血糖値を上げる。TNF-αの増加で糖尿病のリスクが上がる。アンジオテンシノーゲン:血圧を上昇させ、高血圧の原因となる。PAI-1:血栓をつくり、動脈硬化を促進させる。

 内臓脂肪の蓄積で減少する生理活性化物質 

レプチン:満腹中枢を刺激して食欲を抑制する、生活習慣病を防ぐ生理活性化物質。内臓脂肪の蓄積で分泌が減少すると、この効果も減少する。アディポネクチン:血圧や血糖を低下させ、傷んだ血管を修復する。動脈硬化の防止効果のある生理活性化物質。内臓脂肪の増加⇒血管損傷の進行⇒生活習慣病。

内臓脂肪が引き起こす主な病気

▼糖尿病 ▼高血圧症 ▼脂質異常症 ▼高尿酸血症・痛風 ▼狭心症・心筋梗塞 ▼非アルコール性脂肪性肝疾患(脂肪肝) ▼脳梗塞 ▼月経異常・不妊 ▼腎臓病

 内臓脂肪は生活習慣病の原因になり、放っておくと命に係わる病気を発症するリスクが高まります。健診などで内臓脂肪を指摘されたら、まずは自分の生活習慣を振り返り、無理のないゆるやかなダイエット生活を始めましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年6月4日水曜日

六月病

 “六月病”が増えている?

 五月病は聞いたことがあると思います。ゴールデンウィーク明け頃、主に新入社員や新入学の大学生など4月からの環境変化がストレスとなって発症するもので、急性の適応障害といえます。そして、6月ごろに現れる心身の不調が「六月病」です。新入社員だけでなく、異動などで環境の変わった社会人に多いものです。五月病が遅れて現れたようにも見えますが、実は五月病は性質が違っており、六月病はうつ病の入り口の状態といえます。

 4月からの環境変化が発端であることは同じですが、我慢に我慢を重ね、我慢しきれなくなって出てくるのが“六月病”。たとえば5月の段階で気づいて手を打てれば回復も早いのですが、六月病は“こじらせた状態”とも言え、適切な対応が求められます。

 環境の変化は入学、入社だけではなく、昇進なども要因になります。プレーヤーとして優秀な人がマネジャーとなり、自分と同じように仕事ができない部下へのいらだちなどがストレスとなって不調につながる、という「昇進うつ病」も珍しくありません。

 六月病は特にまじめに頑張る人に多い傾向があります。多少の不調があっても「このくらい大丈夫。もっと頑張らないと」と心身に鞭打って走り続けてしまい、無理がきかなくなって倒れてしまう、ということになりがちです。

 初期のSOSには気づかないことも多いもの。右表をチェックしてみましょう。一つでも当てはまるものがあれば、要注意です。

 六月病の予防あるいは長引かせないためには、原因となるストレスをなくすのが一番ですが、現実的には難しいでしょう。できることは、ストレスに強い状態をつくっておくこと。お勧めの方法をご紹介します。

 睡眠 :睡眠は健康の基本で、眠ると気分もリセットされます。睡眠のほか、しっかり食事を摂る、運動するなど、基本的なことを大切に。

 趣味を楽しむ :趣味や楽しみに意識を向けてストレス源から離れることで、心がリフレッシュします。

 安心できる人と話す :家族や友人などと話すことも効果的です。

 “お守り”をつくる :深呼吸する、空を見る、好きな音楽を聴く、大好きなお菓子を食べるなど、自分なりの“息抜き法”をつくると、ストレスへの対応力が高まります。これは「コーピング」というストレス対処法で、企業のストレスマネジメントなどにも広く活用されています。

 6月は心の調子を崩しやすい時期です。特に昨今は働き方が変化して、調子を崩しやすくなっていることが多いようです。日ごろからストレスとうまく上手に付き合う方法を身につけて、うまく乗り切ってください。

(出典:https:// //kenko.sawai.co.jp/)


■“六月病”の対策

 六月に入り、病気というほどでもないけれど、ちょっと調子が良くないという人は、次の三つのポイントを心がけてみましょう。

◆生活リズムを整える

 悩みや不安があると夜眠れず、起きる時間も遅くなりがちです。できるだけ同じ時間に起き、太陽の光を浴びましょう。朝、強い光に当たると「脳内セロトニン」が活性し、それが覚醒・睡眠リズムをつくります。セロトニンには、様々な脳内ホルモンのバランスをとって精神を安定させる働きがあるのです。またセロトニンは、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料でもあります。

◆適度に身体を動かす

 運動が好きな人は汗をかくのもいいでしょう。苦手な人はラジオ体操のようなリズミカルな運動をしたり、15分間歩いたりするだけでも違います。速く歩いたり、ゆっくり歩いたり、風景を眺めて季節を感じたりします。途中目にする野の花や夕焼けなどに「わあ、きれい」と声に出して言ってみると、心も温まります。

◆オンとオフを意識して区別する

 いつもオン状態だと交感神経が優位になり過ぎてしまいます。意識的にオフの時間をつくり、読書や音楽、映画鑑賞など好きなことをして、ゆったりと気分転換をしましょう。

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【薬に頼る前に】

 適応障害やうつの治療は、カウンセリングなどの精神療法が中心に用いられ、補助的に薬が用いられます。薬は主に睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬ですが、あくまでも症状を抑える対処療法です。また、たいていの薬は効果が出るまでに1~2週間を要し、逆に副作用はすぐに表れます。初期症状の段階で薬に頼ってしまうと、薬をやめる怖さから依存症に陥り、場合によっては本当のうつ病になってしまう人も少なくありません。特にSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)の、若年層への処方による凶悪な副作用については、ご存知の方も多いと思います。使用には十分な注意が必要です。

 不安感を改善する抗うつ薬の作用機序は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンによって精神状態や気分の高低が決定されるという“脳内モノアミン仮説”を前提としています。

 当学会の研究素材である「ラフマ」(キョウチクトウ科の多年草)には、セロトニン産生および脳神経細胞膜流動性への影響を示すデータがあります。ラフマ葉エキスの抗ストレス作用睡眠改善鎮静作用血圧安定作用などが、六月病対策として期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年5月28日水曜日

デジタル認知症

 デジタル時代の隠れた危険

 現代の私たちの日常生活では、デジタルテクノロジーが浸透し、スマートフォンやパソコンがない生活は考えられません。デジタル機器は、便利で生活を豊かにしてくれますが、過度な使用によっては「デジタル認知症」という危険が潜んでいます。

 デジタル認知症は、デジタル機器の過度な使用によって引き起こされる認知機能の障害で、記憶力の低下、注意力や集中力の低下、運動能力の低下などが症状として現れます。

 デジタル認知症は正式な病名ではなく、状態を表す呼称であり、最近ではスマホ認知症とも呼ばれています。この名称は、主に高齢者が発症する認知症と症状が似ていることから使用されていますが、脳の萎縮などの症状はありません。年齢や性別に関係なく発症し、特に脳が成長途中の若い世代に大きな影響を与えると言われています。

 デジタル認知症の原因としては以下のものが考えられます。

 情報過多による脳疲労 :スマホやパソコンを長時間使用し、常に新しい情報にアクセスすることで、情報過多になり、脳疲労が起こる可能性がある。

 デジタル機器依存による記憶力の低下 :電話番号などの情報の記憶は完全にスマホに依存し、検索して情報を取り出すだけという状態が当たり前になり、その結果、記憶力はどんどん低下していきます。

 対面コミュニケーションの不足 :SNSなどのバーチャルなコミュニケーションは、実際の対面コミュニケーションとは異なり、感情的なつながりが不足することがあります。また、すぐに返信しなければならないというプレッシャーや、誰かとつながっていないと不安というような感情を生むこともあります。これらの要因が精神的な問題を引き起こすリスクとなります。

 運動不足と不適切な姿勢の影響 :デジタル機器の長時間使用は、運動不足を引き起こし、肥満や体の健康問題につながる可能性があります。また、長時間前かがみの姿勢でいることも悪影響を及ぼします。

 デジタル認知症の症状として、右表のようなものが挙げられます。中でも、デジタル認知症が子どもに与える影響は深刻だと言われています。子どもは脳がまだ成長途中であるため、デジタル機器の過度な使用が脳の発達に悪影響を与える可能性が高いと考えられています。特に、発達の遅れや不安定な感情、協調性のない行動などに注意が必要です。

(出典:https://medical-b.jp/)


■デジタル認知症の予防

 デジタル認知症は、日々の行動に気を付けることで予防が可能です。

デジタル機器の使用時間を減らす⇒1日の中でデジタル機器を使用しない時間を決めたり、目的のない時はデジタル機器を使用しないなどのルールを設け、できるだけデジタル機器の使用時間を制限しましょう。また、デジタル機器を使った後は必ず一定の休憩時間をとりましょう。特に子どもに対しては、保護者が時間管理をサポートすることが重要です。

【頭を使う、脳を鍛える】⇒脳も体の他の筋肉と同様に使わなければ衰えてしまいます。日常生活で脳を鍛えるために、クロスワードパズル、数独、ボードゲームなどのゲームや、絵を描くこと、楽器の演奏など、画面から離れて脳をトレーニングする活動を取り入れることで、脳血流が活発化し、脳内の老廃物を運び出すとともに脳の記憶機能も鍛えられます。思い出せないことがあっても、すぐにスマホで検索せずに、思い出すことに集中しましょう。

【読書をする】⇒タブレットではなく、実際の本や雑誌、漫画、新聞を読むことで、読解力や記憶力が向上すると言われています。

屋外で体を動かす⇒屋外で体を動かす行為は、脳を活性化させ、血流を増加させて脳への栄養供給を促進します。デジタル機器から離れて屋外で時間を過ごすことは、子どもから高齢者まで、あらゆる年齢層にとって有益なことです。

対面のコミュニケーションを促進する⇒人と直接会って話し、交流することは、脳を刺激し活性化させます。メールやSNSなどのオンラインコミュニケーションではなく、実際に相手と対面して、表情やしぐさを見ながらコミュニケーションをとることが大切です。

 人の脳の働きは取り入れた情報を処理し、アウトプットするまでがひとつのサイクルになっています。デジタル機器の使用においても、脳はそれらを情報として処理するために活発に稼働します。「特に考えずに」「なんとなく」取り入れた情報はアウトプットされないまま、「情報のゴミ」として蓄積されます。脳の容量を超えて情報のゴミが溜まり続けると脳の疲労が深刻化し、脳の機能が低下してしまうのです。

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 康復医学学会が推奨する「HM-3000(特系霊芝)」の、脳血流を維持・促進させる働きは、デジタル認知症の予防にもつながります。

 また、スマホやパソコンのブルーライトを見続けると睡眠を促すホルモン・メラトニンの分泌量が減少するといわれています。「ラフマ葉エキス」は、メラトニンの材料となるセロトニンの産生を促します。それがメラトニンの活性に影響し、質の良い睡眠へと誘います。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン