2024年4月25日木曜日

塩分の摂り過ぎリスク

 濃い味を好む人は糖尿病リスク増

 食卓で料理に塩をかける頻度が高い人(濃い味の料理を好む人)は糖尿病を発症するリスクも高いことが、米国の研究で明らかになりました。

 塩分の過剰摂取が高血圧の主な危険因子であることはよく知られています。高血圧と糖尿病を併発している人は多く、これら2つの病気の危険因子には共通するものが少なくないことも示されています。しかし、塩分摂取と糖尿病リスクの関係は、これまでほとんど検討されていませんでした。そこで米国・チューレーン大学などの研究者たちは、日常の食事からの塩分摂取と2型糖尿病(最も多いタイプの糖尿病で、遺伝的素因と生活習慣に起因する。以下、糖尿病と略)の関係を明らかにするために、食卓で料理に塩をかける頻度と糖尿病の関係を検討することにしました。料理の味に関わらず塩をかける習慣は、濃い味の料理を好むことを意味し、塩分摂取量の代替指標になると考えられるからです。同じ方法を用いて著者らは、食卓で料理に塩をふる人は早死にリスクが高いことを示していました。

 分析に用いたのは、前回同様、「UK Biobank」(英国の大規模観察研究)の参加者のデータ。分析対象は、この研究(2006~2010年の時点)に登録された、糖尿病・慢性腎臓病・がん・心血管疾患ではなく、食卓での塩の使用に関する情報が記録されていた40万2982人。

 食卓で料理に塩をかける習慣について、22万3762人が「塩をかけたことがない/めったにかけない」、11万3319人が「ときどきかける」、4万6636人が「たいていかける」、1万9265人が「常にかける」と回答していました。

 対象者たちを11.9年追跡したところ、1万3120人が糖尿病を発症していました。「塩をかけたことがない/めったにかけない」と回答していた人を参照群とし、年齢、性別、人種、学歴、所得、居住地域の貧困度、喫煙、飲酒、運動の習慣、コレステロール値を考慮して分析したところ、「ときどきかける」と回答した人の糖尿病発症リスクは1.11倍、「たいていかける」人は1.18倍、「常にかける」人は1.28倍と、有意な傾向性が認められました。

 先に行われた研究で、塩分摂取量が多い人は肥満になりやすく、炎症レベルが高い可能性が示されていました。研究者らは、塩をかける頻度と糖尿病の関係に対して、肥満関連の要因と炎症マーカーがどの程度間接的な影響を及ぼしているのかを検討。その結果、塩分摂取量と糖尿病の関係の一部は、BMI(体格指数)、ウエスト・ヒップ比(大きいほど内臓脂肪が蓄積)、及び炎症の指標であるCRPなどが間接的に影響を及ぼしていることが示されました。

 今回の研究は、食卓で料理に塩をかける頻度と糖尿病リスクの関係を初めて示したもので、塩分摂取を控えれば糖尿病の発症予防も期待できることが示唆されました。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)

■減塩はやはり必要!

 塩は血糖値に直接には影響しませんが、過剰な塩分摂取は高血圧や体重増加の原因になり、結果としてインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性を引き起こし、2型糖尿病のリスクを上昇させます(カロリンスカ研究所の研究)。食塩摂取が2.5g増えるごとに、2型糖尿病を発症するリスクは65%上昇することが分かっています。さらに、食塩の摂取量が少ない人(5.8g未満/日)と比べて多い人(7.3g/日以上)では、2型糖尿病の発症リスクが72%上昇することも明らかになっています。

塩分の摂り過ぎで心疾患発症のリスクが2倍に上昇

 塩分の多い食事は、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病の危険性を上昇させます。2型糖尿病の患者は、心血管疾患の発症リスクが2倍に上昇することも分かっています。2型糖尿病患者は、血糖値の改善や、心血管疾患のリスク軽減のために、食事の見直しが重要です。塩分の摂取を控えることが、糖尿病による危険な合併症を予防するのに役立つのです。

塩分を摂り過ぎないための対策

 日本の食事ガイドラインでは、塩分摂取量1日6g未満が推奨されています。一方、日本人の塩分摂取量の平均は男性10.8g、女性9.1gです。日本食は健康的な食事として評価されていますが、塩、醤油、味噌などの調味料から塩分過剰摂取の傾向があります。日本食の長所を生かしながら塩分を減らすには、右図のような工夫が必要です。

塩分の摂取量が増えると肥満が増える

 1日当たりの塩分の摂取量が増えるにつれて、過体重や肥満になるリスクも上昇することが研究で確かめられており、塩分摂取量が増加するにつれて、BMIは有意に上昇することが明らかにされています。塩分摂取量が1日1g増加すると、過体重や肥満になるリスクは、日本で21%、中国で4%、英国で29%、米国で24%、それぞれ上昇していました。

外食や加工食品には特に注意が必要

 血圧上昇の要因になっている食品の多くは、商業的に販売されている"加工食品"であることに注意する必要があります。米国が摂取する塩分の3/4は、家庭で調理した食事からではなく、加工食品や包装済みの食品、そして外食などによるものだといいます。

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 過多の塩分摂取は、毛細血管からしみ出す水分の増量や、逆に細胞間質液から血管に戻す水分量の減少などにより、血管が受けるダメージが増します。当学会推奨の「HM-3000(特系霊芝)」は毛細血管の維持・修復作用によって、高血圧やむくみを改善に影響します。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年4月17日水曜日

抗うつ薬

非専門医に広がる、抗うつ薬処方

 精神科や心療内科以外の診療科においても、うつ病・うつ症状や不安を訴える患者に抗うつ薬を処方する医師が増えていることが、ウェブアンケート(実施期間:2024.2.19~25)の結果として示されました(日経メディカル Onlineの医師会員対象)。

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の処方経験について聞いたところ、臨床に携わっていない医師や精神科、心療内科の医師を除いた6185人の半数以上(54.9%)が、「処方経験あり」と回答しました。

 処方ありと答えた医師が多かった診療科は、脳神経内科、脳神経外科、リハビリテーション科、リウマチ科、総合診療科、一般内科、呼吸器内科でした。

 精神科と心療内科以外の診療科医師における、SSRIまたはSNRIの処方理由として多かったのは、うつ病・うつ状態で、続いて不安症状、慢性疼痛でした(右図)

 SNRIのデュロキセチン(商品名サインバルタ他)は、うつ病・うつ状態以外に、慢性腰痛症などの慢性疼痛の適応を有しますが、実臨床では、慢性疼痛以上に不安症状に対して処方する医師が多いことが明らかになり、食欲不振、めまい、筋緊張に処方する医師もいました。疼痛患者が多いリウマチ科では、慢性疼痛に処方する医師が僅差で多かったですが、リハビリテーション科では同数でした。不安症状に抗うつ薬を処方する医師が一定数存在する背景には、常用量依存の問題からベンゾジアゼピン系抗不安薬(BZ系抗不安薬)の処方を控え、その代わりに抗うつ薬を処方している可能性がありそうです。

 BZ系抗不安薬の処方の現状も同時に調査したところ、5割の医師が、処方を控えていることが示され、「依存性の指摘前後で処方頻度に変化はなく、必要と判断した患者に処方している」という医師は3割にとどまりました。一方、SSRI又はSNRIを処方したことがない医師にその理由を聞いたところ、約4割は「精神科専門医が処方すべき薬剤だから」と回答し、専門医以外が抗うつ薬を処方することに抵抗感を抱く医師の存在も示されました。「処方経験がなく、処方の仕方が分からない」という医師は約3割でした。

 なお、精神科専門医以外におけるSSRI、SNRIの処方の課題としては、「効果が分かりにくい」「薬の選択肢が多く、どれを選べば良いか分からない」「副作用が出やすい」等の意見が多く、「(精神科以外で)どこまで対処していいか分からない」「効果不十分時の切り替えが分からない」との声もありました。

(出典:https://medical.nikkeibp.co.jp/)


■抗うつ薬の効能と副作用

 抗うつ薬は、うつ病に対する薬物治療の主役です。現在も改良され続け、治療効果も着実に高まっています。一方で服用時の副作用や、中断時の離脱症状(中断症候群)などのはっきりとした短所もあり、これは抗うつ剤治療上、避けては通れないものです。

 脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、うつ病の原因であるという仮説があります。抗うつ薬は、その脳内の神経伝達物質のバランスを調整する目的で使用されます。

抗うつ薬の種類と効能

 脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、うつ病の原因であるという仮説があります。抗うつ薬は、その脳内の神経伝達物質のバランスを調整する目的で使用されます。下記の①から⑤の順に開発され、基本的には新しい薬ほど優れています。しかし、薬の効き方や副作用には個人差があるため、実際に処方される薬は「人による」ということになります。

 ①三環系抗うつ薬 

 ②四環系抗うつ薬 

 ③SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) 

 ④SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) 

 ⑤NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

 なお2019年に「セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤」という新作用の抗うつ薬が国内でも承認されました。

抗うつ薬の主な副作用

 薬の種類によって、様々な副作用があります。抗うつ薬の副作用は、服用を開始して最初の1~2週間に強く出ることが多く、それ以降は治ってくることがほとんどです。また、抗うつ薬の効果が現れるまでに日数がかかることもあり、初めのうちは副作用だけが感じられることがあります。

 性機能障害(PSSD) (PSSD:Post-SSRI Sexual Dysfunction)

 性機能障害は抗うつ剤(特にSSRI)の大きな副作用のひとつです。男女問わず、非常に高頻度で現れる一方で、予防方法は確立していません。抗うつ剤の服用を中止しても、数カ月から数年単位(あるいはそれ以上)障害が持続することがあります。また、服薬前の状態までは完全に戻らないこともあるため、抗うつ薬での治療の前に、男女問わず(家族計画を含めた)人生設計について主治医と相談しておくことが大切です。

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 当学会では、1970年代に各研究機関で確認された「ラフマ葉」の薬理作用(脳内セロトニンの増加とセロトニン神経通過性の安定、精神疲労の改善、睡眠の改善)に着目。ラフマ葉のサプリメントによってうつ症状を緩和させることをお勧めしています。安全性も確認済みです。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年4月10日水曜日

糖質依存

 精製炭水化物がうつ病を引き起こす

「グリセミック指数」(GI)は、ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100として、それを基準に、同量摂取したときの食品ごとの血糖上昇率をパーセントで表した指標です。日本語で「食後血糖上昇指数」と訳されることもあります。GI値が高い食品ほど食後の血糖値を上げやすく、低いほど上げにくくなります。

 GIは食品の食物繊維の含有比率、調理や加工方法、組合せ、咀嚼回数などで変わります。ごはんやパンでは、精白されたものよりも全粒穀物が入っていた方が、GI値が低くなり吸収が遅くなります。

 全粒穀物は、加工度の低い、自然のままに近い穀物のこと。玄米、小麦、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、ソバなどがあります。全粒穀物は食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルなどの栄養素も精白されたものに比べ多く含まれます。

 今回の研究は、閉経後の女性の健康上の問題を予防・治療するための詳しい情報を得るために、米国国立衛生研究所(NIH)が実施した「女性の健康イニシアティブ研究」(WHI)の観察研究のデータをもとにしています。

 コロンビア大学医学部の研究チームは、1994から1998年にWHIに参加した、50~79歳の女性6万9,954人に、食事に関するアンケートに回答してもらいました(食事のGIによって、参加者を5グループに分けて比較)。

 GI値が高い白米や白パン、加糖飲料などの精製された炭水化物を摂取すると、血糖を下げるインスリンが過剰に分泌されます。インスリンには脂肪の合成を高め、分解を抑制する作用もあります。したがって、GI値が高い食品を摂ると脂肪が蓄積されやすくなるのです。

 この反応は、肥満や2型糖尿病の原因になるだけでなく、うつ病や気分障害、疲労感などの症状を引き起こしたり悪化させたりする原因となる可能性があるといいます。

 研究に参加した女性の食事のGIや摂取している炭水化物のタイプと、うつ病の発症との関連を調べたところ、食事のGI値が最小グループと比べて、最大グループはうつ病の発症リスクが22%増加することが明らかになりました。

 また、食事に添加される糖分の摂取量が最大のグループでは、うつ病の発症リスクが23%増加することも明らかになっています。

 逆に、全粒穀物、野菜、果物、食物繊維を多く摂取していた女性では、うつ病のリスクは減少していました。全粒穀物や野菜はGI値が低く、食後の血糖値は上がりにくい食品です。

「高GIの食事はうつ病のリスク要因であることが示されました。精製されていないホールフーズなどの食品を摂り、食事をコントロールすることで、うつ病の予防・治療の効果を得られる可能性があります」(コロンビア大学医学部ジェームズ・ゲンウィッシュ氏)

(出典:https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/)


■糖質依存症になる白米

 日本人の96.7%もの人が白米を主食としていて、7割以上の人が毎日白米を食べています(20~69歳1000名対象の調査)。一方で日本人のうつ病患者数は増え続け、今や15人に一人がうつ病にかかる時代。日本は数ある先進国の中でもうつ病の有病率が高く、うつ病の発症率はアメリカの約3倍にもなります。

 白米や白いパン等のGI値の高い食べ物をよく摂取する人は、うつ病発症リスクが22%高くなるという調査研究もあります(50~79歳の7万人の被験者対象)。簡単に言えば"白い主食"は、食物繊維やビタミンが取り除かれた糖質の塊ですから、当然GI値は高くなります。


GI値の高い白米や食パンがうつ病になる理由

(1)血糖値の急激な乱高下

 急激に血糖値が上昇⇒大量のインスリンが放出⇒血糖値が一気に降下⇒低血糖になり抑うつ的な気分になる‥‥このような低血糖が、うつ病のほかにも、パニック障害や自律神経失調症など様々な精神疾患の原因となることがわかっています。

 白米というのは糖質の塊であり、ブドウ糖と同じくらい血糖値を乱高下させてしまうことから、パニック障害の原因が大量の白米を摂取することが原因の可能性があります。

 また、白米の摂り続けることで糖尿病になり、間接的にうつ病のリスクが上昇してしまいます。糖尿病患者はそうでない人に比べてうつ病リスクが2倍ほど高く、糖尿病患者のおよそ3割がうつ症状を持つとも報告されています。逆にうつ病が糖尿病のリスクになることも知られており、うつ病と糖尿病は互いにリスクを上昇させあう悪循環を形成してしまいます。

(2)肥満

 白米の摂取による肥満もうつ病の原因になります。イギリスの研究で、肥満や過体重がうつ病を引き起こし、幸福感を低下させることがわかっています。

 急激に上昇した血糖が中性脂肪に置き換わって肥満のリスクになるので、白米には肥満と糖尿病という二重のうつ病リスクがあると言えます。肥満症という言葉は起きている現象を表現していますが、原因に焦点を当てれば「糖質依存症」と言い換えることができます。


薬物よりもヤバい糖質中毒

 糖質依存症は脳の病気です。脳は、私たちの行動のすべてを決定します。その脳が糖質依存症になれば、いくらあなたがやせたいと望んでも、「もっと糖質を摂るように」という強い指令が出されてしまい、あなたはそれに従うしかなくなるわけです。

 糖質依存症は薬物の中毒と同じようにやっかいです。糖質依存は、ほかの依存症よりも長い時間をかけて脳を侵食しており、それだけ治すのが難しいとも言えるのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年4月3日水曜日

口腔ケアと認知症

 歯を失うと認知症リスクが高まる

 美味しいものを、いつまでも自分の歯で食べるためにケアは欠かせませんが、実は、東京医科歯科大学の研究で、歯を失うと認知症のリスクが高まるということがわかったのです。

(※以下、関連する研究論文を世界で初めて発表した東京歯科大学主任教授の後藤多津子先生のお話)。

 2024年1月1日「認知症基本法」が日本で制定されました。その背景にあるのは急速な高齢化です。65歳以上は5人に1人が認知症になると見込まれている中、認知症対策は日本の重要な課題となっています。

 今回の研究では、今まで大脳とアルツハイマー病の関係が研究の中心でしたが、生命の根源と言われる"脳幹"こそに原因の大本があるのではないかということをヒト生体脳で証明、歯と脳幹とアルツハイマー病の関与を世界で初めて論文として公表したものです。

 歯を抜くと、脳の深部にある"脳幹"の神経が死にます。それに伴って、この脳幹に「タウ」というたんぱく質が蓄積。このタウの塊の蓄積が、脳幹から記憶の出し入れに関わる海馬という部位に波及し、これが認知症の発症や進行に関わっているという研究結果が出ました。認知症にはアミロイドβという物質が溜まることが関係しているという話はご存じの方が多いと思いますが、実はタウという物質も大きく影響しているのです。

 研究では、65歳以上でアミロイドβの蓄積が認められたアルツハイマー型認知症患者24人と、蓄積していない健常者19人を対象に解析を行いました。結果として、アルツハイマー型認知症患者群は、タウの蓄積と残っている歯の数に関係があることが分かったのです。

 もちろん歯が残っていても、認知症になることは考えられます。でも、少しでもリスクを下げるためには、歯をなくさないようにした方がいいのです。

 抜歯せざるを得なくなるのは、虫歯がひどくなったとき、歯が割れたとき、歯槽膿漏で歯がグラグラになったとき、が考えられます。この3つを口腔ケアで予防することが何より重要です。歯と歯の間の汚れもデンタルフロス、歯間ブラシで除去してください。家の掃除と同じ。隅々にたまっているホコリまでしっかりと。歯科医院で歯石の除去も忘れずに。

 60歳近い管理職の方が歯が縦に割れるケースが多く、ストレスで無意識にかみしめているのではないかと推測されます。就寝時にマウスピースを着けることも有効で、縦に割れても抜歯せずに済ませる治療法もあります。

 虫歯や歯槽膿漏の予防には、唾液をたくさん出すことが大切です。唾液は口の中を洗浄してくれます。よく出すために、唾液腺のマッサージが効果的です。

 歯を抜くか抜かないかの選択を迫られた時には、認知症予防のためにもできるだけ抜かない方法を模索することをお勧めします。

(出典:https://www.sponichi.co.jp/)


■口腔ケアで認知症予防

 認知症予防に口腔ケアが効果的な理由は、噛む行為によって三叉神経から大脳皮質が刺激され、脳が活性化するためです。咀嚼によって脳の記憶を司る海馬の神経細胞が増えることも研究から分かっています。また、歯周病は歯槽骨が壊されることで進行する感染症です。口腔内細菌の影響は全身に及ぶため、多くの病気につながる可能性があります。

口腔ケアが認知症に与える影響

 口腔内の衛生状態が悪化すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。特に、口腔内の細菌が血流に乗って全身に広がり、炎症反応を引き起こすことがあり、この炎症反応が認知症の進行を促すといわれています。

 また、口腔ケアが不十分な状態では、食事をしっかりと噛むことが難しくなり、栄養不足につながります。栄養不足は、認知機能の低下を引き起こす一因となります。

 さらに、口腔ケアが不十分な状態は、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。誤嚥性肺炎は、飲み込む力が低下した高齢者がかかりやすい病気で、口の中の細菌が気道に入り込み、肺に炎症を起こすものです。命に関わることもあるため、口腔ケアの重要性は高まります。

認知症と歯周病

 アルツハイマー型認知症と歯周病は深く関わっています。研究によって、アルツハイマー型認知症の方の脳内から歯周病原因菌が検出されたのです。

 歯周病原因菌は、ミクログリアを活性化させる菌です。活性ミクログリアは、アミロイドβを生産・蓄積する役割を担っています。本来はアミロイドβがつくられても脳にはいかないと考えられていましたが、歯周病菌が体内でアミロイドβをつくりだし、血液によって脳内に入り込むことがマウスでの実験で確認されたのです。

自宅でできる口腔ケアのポイント

 歯磨き :歯磨きの方法としては、歯と歯肉の境目を中心に、歯ブラシを斜め45度にしてゆっくりと磨くことが推奨されています。また、歯磨きの際には、食べ物が詰まりやすい奥歯まで、全ての歯をしっかりと磨くことが大切です。

 口腔内の清掃 :舌は口臭の原因となるため、舌ブラシや舌クリーナーを使用して清掃します。また、口腔内乾燥を防ぐために、定期的に水分を摂ることも大切です。

 口腔体操 :口を大きく開け閉めする、舌を左右に動かす、口角を上げるなどの動作は、口周りの筋肉を鍛え、加えて歯周病を抑える唾液(つば)を出すことを促します。また、飲み込む力を強化し、誤嚥を防ぐ効果もあります。

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 認知症の予防には、口腔ケアをはじめ、自らの健康管理に心掛けることが大切です。食生活のバランスを整え、適度な運動を取り入れましょう。そして健康な脳血管を維持するために、日々の生活に「HM-3000(特系霊芝)」を取り入れることもお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年3月27日水曜日

有酸素運動

 ウォーキングで冷え性改善、深い眠りも

 冷え性の人が2週間のウォーキングに取り組むと、冷え性が改善し、睡眠の質も上がることが、山口県立大学の山崎文夫氏らの研究で明らかになりました。

 女性に多い冷え性は、睡眠の質を低下させ、体の回復を妨げて、生活の質を下げることが知られています。今回の研究では、「短期間の有酸素運動が冷え性の若い女性の睡眠の質を向上させ、冷えの訴え(冷感)を軽減するかどうか」、さらに、入眠時の足部皮膚温の変化や脳波の変化が見られるかどうかも検討しました。

 研究は冬期(12月~2月)に行いました。過去1年間、日常的には運動していなかった20~21歳の冷え性の女性16人を登録、8人を有酸素運動を行うグループ(運動群)に、もう8人を運動をしないグループ(対照群)に割り付けました。

 運動群には2週間、主にウォーキングとジョギングからなる運動を指示。運動前のウォームアップとして15分間の早歩きまたはジョギングの実施を推奨しました。対照群には、それまでと全く同じ生活を2週間続けるよう指示しました。両群ともに、寝室の温度、就寝時間、入浴時間を指示し、また、開始直前の2日間と終了直後の2日間に、自宅で右表の評価を行ってもらい、前後で比較しました。なお、温冷感と温熱快適性、及び体温は、期間中毎日記録しました。

 運動群の女性は、期間中に週に4日以上運動しており、開始前に比べ、1日あたりの歩数が5000歩以上増えていました。開始以降は、全身と足部の温感と温熱快適性が有意に上昇し、両群の差は2週目に有意になっていました。手の指先、足部、つま先の冷感のスコアが特に有意な改善をみせましたが、足部皮膚温と体温には有意な変化は見られず、両群間に有意差は認められませんでした。

 睡眠の質の評価では、疲労回復と睡眠時間の改善が認められ、視覚的評価スケール(VAS)で睡眠の質を評価した結果も有意に改善していました。睡眠時の脳波は、運動群で中途覚醒の時間が有意に短縮し、深い睡眠の時間が有意に延びたことを示していました。睡眠前のα波の増加も認められました。対照群にはこれらの変化は見られませんでした。

 以上の結果は、短期間の有酸素運動が、若い女性の末端冷え性を改善し、睡眠の質を高めることを示しました。しかし、就寝時に体温や足部皮膚温の上昇が見られなかったことから、「これらの改善は、脳波の変化によって示される、末端の冷えを感じる脳の感受性の低下によるのではないか」との考えを著者らは示しています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■有酸素運動のメリット

 有酸素運動とは、酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、ウォーキングのような筋肉への負荷が比較的軽い運動のことを言います。

 負荷の比較的軽い運動は、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われることからエアロビクス(Aerobics 有酸素性運動)と呼ばれます。一方、短距離走のように短時間で強い負荷がかかる運動の場合は、筋肉を動かすエネルギー源として酸素が使われないため無酸素性運動と呼ばれます。※運動中に呼吸をしているかどうかという意味ではありません。

有酸素運動の効果

 有酸素性運動は脂肪を燃料とするので、血中のLDLコレステロール・中性脂肪や体脂肪の減少が期待出来ますから、冠動脈疾患や高血圧などに効果があります。また運動そのものの効果として、心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などが期待出来ます(右表:継続して有酸素運動を行うことで、医学的に証明されている効果)

 これらの効果を狙ったエクササイズとして、エアロビクスダンス・エアロバイク・太極拳など(室内)、水泳・アクアウォーキングなど(プール)、ジョギング・ウォーキング・サイクリング・ハイキングなど(屋外)があります。

有酸素運動を効果的にするポイント

筋トレを先に行う ●食後に時間を空けてから運動する ●継続して行う

 有酸素性運動を継続して20分頃からエネルギー源が体脂肪に切り替わりますので、脂肪の減少を目的とする場合は長い時間継続出来る有酸素性運動が多いエクササイズを選ぶことが効果的です。

 ウォーキングに関していうと、歩いている歩数が多いほど、心臓病や癌や死亡率が低下することもわかっています(右図参照)。この研究はアメリカで行われた研究で、40歳以上の人で歩数と死亡率の関係を見ています。1万歩あたりまでは、歩けば歩く人ほど死亡率が下がっているのがわかります。ちなみに、心血管病と癌の発症率に関しても同様の結果でした。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年3月19日火曜日

生体内の酸素

低酸素ストレス

 現代人の生活習慣の中では、慢性的に低酸素状態にあるといわれています。ストレス、喫煙、機密性の高い住宅での換気不足、大気汚染による空気中の酸素濃度低下など、多くの理由が指摘されています。酸素は、免疫や細胞活性・エネルギー産生などに影響し病気や健康を左右します。酸素は1回の呼吸で約5%が身体に供給され、約16%が呼気として体外へ排出されます。身体に供給される5%の酸素は、ストレスや生活習慣、病気などの影響で、その5%も完全に供給されているとは限りません。

 健康や老化については、活性酸素による「酸化」で話題になりますが、むしろ酸素の供給量が低下する「酸欠」の方が問題なのです。

 低酸素と代謝 

:低酸素は生物的環境における酸素の欠乏と定義され、細胞ストレスや正常な代謝活性の変化を引き起こします。低酸素により活性酸素種が蓄積し酸化ストレスが生じることで、様々な細胞成分に有害な作用を及ぼします。細胞は低酸素に応答し、細胞内シグナル伝達のメカニズムを適応させることで生存率を維持します。これらの機能は、低酸素でも細胞が生存、回復できるように全体的な代謝活性を抑制します。低酸素は多くの固形がんに共通する特徴です。がんの増殖が血液の供給を上回るため、がん組織は周囲の正常組織と比較して著しく酸素濃度が低くなります。

 低酸素の定義  

:低酸素は、病態生理学的には細胞の酸素消費量と血流の不均衡により、酸素が欠乏している状態です。低酸素では、電子伝達系の最終的な電子受容体である酸素分子が不足するため、活性酸素の産生が増加します。活性酸素の蓄積により、活性酸素の産生と細胞の抗酸化防御のバランスが崩れます。これが「酸化ストレス状態」です。過剰な活性酸素は、脂質やたんぱく質、DNAなど全ての細胞成分に対し有害な作用を及ぼします。

 細胞は、低酸素応答に特化した機能を活性化して、低酸素に適応します。これらの働きは、代謝活性を抑制することで生体エネルギー産生機構の過剰な活性を防ぎます。

 活性酸素種(ROS:Reactive oxygen species) 

:活性酸素は、酸素分子に由来する反応性の高いフリーラジカルです。活性酸素は、ミトコンドリアの電子伝達系におけるATP産生時に作られる正常な副産物であり、細胞のシグナル伝達や恒常性において重要な役割を担います。健常な細胞では、カタラーゼやグルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの細胞内抗酸化システムにより、活性酸素の毒性を抑制しています。細胞が低酸素などのストレスを受けると、活性酸素の蓄積による酸化ストレスが引き起こされます。

 過剰な活性酸素の蓄積はDNA、RNAへの損傷やアミノ酸の酸化、脂質の過酸化、酸化による酵素の不活化など、細胞成分に有害な作用を及ぼします。

(出典:https://blog.cellsignal.jp/)


■酸素の役割と抗酸化システム

生体内酸素の主な作用

細胞の活性作用:酸素は細胞による代謝活動を活発にし、体内のガス(一酸化炭素、二酸化炭素)や老廃物の排泄を促進します。そのため細胞が活性化され多くの疾患予防や抗老化にも影響します。 

疲労回復効果:人は活動するのにエネルギーが必要です。このエネルギーを産生するのに必要なのが酸素です。エネルギーの不足が疲労の原因のひとつなのです。酸素がエネルギーを作り、疲労の回復物質の乳酸も、乳酸を炭酸ガスと水とに分解してしまいます。 

脂肪分解:酸素は新陳代謝を活発にし、脂肪を効率よく燃焼させます。酸素が有効に活用されるだけでも、細胞が活性化され、基礎代謝も上がり脂肪が分解されます。 

記憶力や集中力に影響:脳の働きは、酸素と密接な関係があり、酸素の消費量も最大なのは脳です。酸素不足になると、まず影響がでるのが脳です。軽い症状として、眠気・イライラ・目の疲れ・視力の減退などの様々な症状が出てきます。また、記憶力や集中力が低下し、仕事や学習力にも影響します。

酸化ストレスを防御する抗酸化作用

 活性酸素やフリーラジカルの発生を抑制したり、発生したラジカルを捕捉して分解処理したり、生じたダメージを修復・再生したりする抗酸化作用をもつものが抗酸化酵素や抗酸化物質です。例えば、抗酸化酵素にはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)・グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)などがあり、お互いに作用しあいながら抗酸化機能を発揮しています。これらの酸化還元酵素は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、セレニウムなどのミネラルに加え、たんぱく質などが必要になります。体内にこれらの原材料が少ないと、酸化還元酵素を作ることができなくなります。また加齢により生産量も低下します。

低酸素と酸化

 低酸素ストレスは、上記のような作用を低下させ、生体の恒常性の維持に支障をきたします。また、酸素は同時に活性酸素による酸化ストレスも引き起こします。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、酸素の供給量を上げる物質「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の分泌を促進し、血液粘度の適正化、赤血球の凝集予防、毛細血管の拡張など血流改善のポイントから低酸素ストレスに対処します。また、活性酸素による酸化ストレスに対しては、抗酸化酵素「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化データがあります。


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愛・感謝 村雨カレン 

2024年3月13日水曜日

たんぱく質の重要性

 中年のたんぱく質摂取が寿命を延ばす

 世界中で高齢化が進む中、健康寿命を延ばすことが求められており、栄養はその中の重要な要素です。中でもたんぱく質は身体の健康維持に大きな役割を果たしますが、中年期にたんぱく質を多く摂取した人ほど、疾病なく健康的に加齢する可能性があることが新たな研究でわかりました。米国・タフツ大学の研究者らによる本研究の結果はアメリカ臨床栄養誌オンライン版2024年1月17日号に掲載されました。

 研究者らは、Nurses'Health Study(NHS:看護師健康調査)コホートの女性参加者を対象とし、登録時の年齢が30~55歳の12万1,700人に対し、ベースライン時およびその後2年ごとに追跡調査を実施(該当疾患のない48,762人が対象)。

 調査票から総たんぱく質、動物性たんぱく質、乳製品たんぱく質(動物性たんぱく質のサブセット)、植物性たんぱく質の摂取量を調べました。「健康的な加齢」は、11の主要な慢性疾患がなく、精神状態が良好で、認知機能または身体機能のいずれにも障害がないことと定義しています。ライフスタイル、人口統計学、健康状態を調整した多変量ロジスティック回帰を用いて、健康的な加齢に関連するたんぱく質摂取量のオッズ比(OR)*と95%信頼区間(CI)を推定しました。主な結果は以下のとおり。

●ベースライン時の平均年齢は48.6(6.3)歳、38.6%がBMI値25以上、22.9%が現在喫煙者、88.2%が既婚者であった。

●総たんぱく質摂取量の平均値(エネルギー百分率)は18.3%であり、内訳は動物性たんぱく質13.3%(うち乳製品たんぱく質3.6%)、植物性たんぱく質4.9%であった。

●3,721/48,762人(7.6%)が健康的な加齢の定義に合致した。たんぱく質の摂取は、健康的な加齢のORと有意に関連していた。エネルギー3%増加あたりの健康的な加齢のORは、総たんぱく質1.05、動物性たんぱく質1.07、乳製品たんぱく質1.14、植物性たんぱく質1.38であった。

●植物性たんぱく質の摂取は、身体機能の制限がないことや精神状態が良好であることのOR上昇とも関連していた。動物性または乳製品たんぱく質、炭水化物、または脂肪を植物性たんぱく質に同等のカロリーで置き換えた場合、健康的な加齢との有意な正の関連が観察された。

●主な植物性たんぱく源は、パン、野菜、果物、ピザ、シリアル、焼き菓子、マッシュポテト、ナッツ類、豆類、ピーナッツバター、パスタであった。

 研究者らは、女性看護師の大規模コホートにおいて、中年期の食事からのたんぱく質摂取、特に植物性たんぱく質摂取は、健康的な加齢の高いORおよび健康状態のいくつかの領域と関連しているようだ、と結論付けています。

(出典:https://www.carenet.com/)

*オッズ比(OR)とは:オッズとは、「見込み」のことで、ある事象が起きる確率(p)の、その事象が起きない確率(1ーp)に対する比を意味する。オッズ比とは二つのオッズの比のこと


■健康ボディはたんぱく質が作る!

 たんぱく質を栄養源として細胞分裂や修復作業が活発に行われることで、基礎代謝はアップし、脂肪の燃焼と同時に太らない体質作りにも期待ができます。

たんぱく質で水太り解消!

 血中にたんぱく質が少なくなると、血中濃度を保つために、血液中の水分は交換血管(微小循環血管)を通して血管の外へ追いだされます。これが組織間にたまり、むくみになります。食事制限をしている女性の脚がむくみ、脚ばかりではなく、余分な水分が体内に保持され、それだけ体重にも響くことにもなります。そして「水を飲んでも太る」と思いこみ、水分摂取を控える傾向になり悪循環に陥ります。

たんぱく質でリバウンド防止!

 脂肪だけが減ればいいのですが、気をつけないと重要な筋肉も落としてしまいます。特に体重減ばかりに気をとられていると、こうした失敗に陥ります。筋肉が減少すると基礎代謝率も低下しますので、リバウンドしやすい、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。

たんぱく質は体を構成している主たる成分であり、中でも筋肉はたんぱく質の塊のようなものですから、たんぱく質不足はその影響大です。

たんぱく質が酵素を作る!

 さらに重要なことは、食物の消化や体内の代謝など、あらゆる生命活動に必要な2万種類以上の「酵素」の全てがたんぱく質(ペプチド結合)だということです。たんぱく質不足ではその酵素がまともに作れません。脂肪燃焼や水分代謝はもちろん、あらゆる消化・代謝機能にトラブルが発生し、体内の解毒や排泄に関わっている肝臓や腎臓も正常に働きません。これではスリムな健康ボディは期待できません。また、健康維持のため外部から抗酸化栄養素を補給しても、たんぱく質不足では体の抵抗力そのものが落ちてしまいますから、せっかくの栄養素も十分に効力を発揮できず、活性酸素の猛攻撃には対抗できません。

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 普段の食生活でたんぱく質を摂取しても、きちんと吸収され、体内で有効利用されているかは別問題です。いかに良質なたんぱく質を手軽に摂取・吸収できるかがポイントです。そのためにサプリメントを利用するのも一つの方法です。

 康復医学学会では、魚由来の「ペプタイド型コラーゲン」や、薬食同源のだし生活を応援する「三種混合だし」、そして、たんぱく質にHM-3000(特系霊芝)を加えた「天然たんぱく質食品」など、良質なたんぱく質サプリメントを開発して製品化につなげています。どれも吸収効率の高い水溶性低分子ペプチドタイプの天然たんぱく質原材料を使用しています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年3月6日水曜日

寝言

 危険な寝言とは

 寝言は、日本人の約66%の人が1度は経験しています。原因は様々で、寝苦しいなどの外的要因もあれば、夢が影響していることも多いといいます。

「通常、夢を見るとされるレム睡眠中は脳から全身の筋肉に"動くな"という指示が出ている。そのため、夢の中で話し体を動かしても実際には言葉を発することもなく、身体も動かない状態が維持される。しかし何らかの原因でこの機能が崩れると、夢に合わせた寝言や体の動きが現れる。この代表的な病気が『レム睡眠行動障害』。この障害は年齢や神経系の病気の影響があり、50歳以降の男性に多い」(睡眠ストレスクリニック院長中村真樹氏)

 子供は、睡眠をコントロールする脳のシステムが未発達のため、寝言を発する子も多いそうですが、成長とともに脳のシステムも発達し、だいたい25歳までには、寝言・寝ぼけは自然になくなっていきます。しかし、年齢に関係なく、生活習慣の乱れや強いストレス、寝る間際のアルコールやカフェインの摂取が原因で眠りが不安定になると、寝言が出ることがあります。また、テレビやネットなどで見た衝撃的な内容が記憶に刻まれ、夢の内容として追体験されることで夜中にうなされたり、寝言を発したりすることもあります。

 日頃穏やかな父親が、就寝中の夜中に「聞いたこともないような暴言を吐いて怒り出した」という例もあるそうですが、当の本人は「怒鳴っていた記憶もないし、どんな夢を見ていたのを覚えていない」とのこと。

「夢を見るレム睡眠から深い眠りのノンレム睡眠に移行すると、直前のレム睡眠時に見ていた夢を忘れてしまう傾向にある。そのため、寝言を言っていた本人は朝起きた時に覚えていない。また、睡眠時は理性が働かないため、日中我慢していることが夢で出てしまったときに、意外な一面性が寝言に現れることもある。大抵の寝言は数分でおさまるが、うなされてあまりにも苦しそうならば、起こして夢をリセットしてあげてもいい」(中村氏)

 中には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)・不安障害など、過去の強烈なストレス体験がもとになって毎晩悪夢にうなされるという人もいます。

「PTSDの場合、不安・恐怖に慄き、助けを求めるような寝言が多く認められる。他には、てんかんの発作や睡眠時無呼吸症候群などの場合、唸るような声をあげることも。脳機能障害がある人や、70歳以上の高齢者には『せん妄』という意識障害の症状として寝ぼけ・寝言が認められることもある。寝言が起きている状況、寝言に伴う異常な行動、合併症の可能性など、精密に調べた方が良いケースもある」(中村氏)

 20~30代で、数分程度ぶつぶつ言ったり、身体が少し動く程度であれば病気の可能性は低いですが、寝言・寝ぼけに伴う身体の痙攣や、悪夢が何日も続く場合は、何らかの病気が隠れているかもしれません。睡眠障害を専門にする医師に相談しましょう。

(出典:https://www.nishikawa1566.com/)


■病気が原因の寝言

病気が原因で起きる寝言もありますので、注意が必要です。普段あまり寝言を言わない人でも、インフルエンザなどで高い熱が出ると寝言を言うことがあります。また、ストレスも寝言の原因になります。強いストレスにさらされると、寝言の回数や程度が増えます。

寝言に関わる主な病気

 睡眠時無呼吸症候群  

:中高年に多い「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言がみられます。うめき声やあえぎ声のことが多く、はっきりした単語はあまり聞かれません。寝言にいびきや呼吸停止を伴うときは、この病気が疑われます。

 レム睡眠行動障害  

:この病気は、夢の中での動きをそのまま現実世界でもやってしまうもので、初老期以降の男性が時々かかります。本人や隣で寝ている人がケガをすることがありますから、注意が必要です。

 ナルコレプシー  

:睡眠障害の一種で「居眠り病」とも呼ばれています。覚醒させる神経システムが弱くなるため、一日に何度も急に耐え難い眠気に襲われて眠り込んでしまいます。 寝言の内容は感情的なものが多く、しばしば悪夢を伴います。若い頃に発症し、笑ったり怒ったりすると急に体の力が抜けたり(情動脱力発作)、寝入りばなに幻覚を見たり(入眠時幻覚)、金縛りにあったり(睡眠麻痺)などの症状が表れます。

 パーキンソン病  

:パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンの減少で発症します。手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害等の症状が特徴で、日本では20万人も患者がいるといわれています。ドーパミンが減少する前に、まず脳幹という部分の辺りに何らかの異変から、睡眠を調節する神経に障害が起きて「寝言」を発すると考えられています。

 PTSD  

:心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの強度のストレス下では、毎夜続く悪夢とときに寝言がみられます。 悪夢を伴う寝言の場合は、助けを求めるような叫びや悲鳴など、感情的色彩が強く感じられるものが多いようです。

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 寝言が関わる病気は、脳内ホルモン(神経伝達物質)の分泌異常が影響し、睡眠の質の低下から進行することがあります。睡眠の質に関わる数種類の神経伝達物質は分泌のバランスが重要で、そのバランスを調整しているのがセロトニンです。

 康復医学学会の主要研究素材「ラフマ葉エキス」には、セロトニンの分泌を促進し、セロトニン神経通過性の安定に関するデータがあります。

 また、当学会では、アミノ酸の一種である「グリシン」の研究から"甘味調味料"を開発し、製品化につなげていますが、グリシンの「深部体温を下げる作用」により、睡眠障害改善剤としての働きがあることもわかっています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年2月28日水曜日

老衰死

 意外な死因(2022年最新版)

 人によっては残りの人生を思い浮かべ、自身の最期を考える人もいるでしょう。しかし、心がけ次第では予防できそうな、ちょっぴり残念な「死因」で最後を迎える人もいます。今後の振る舞いを考えるうえで、死因は大いに参考になります。以下は昨年(2023)に発表された最新の政府統計から2022年に亡くなった156万9050人の死因を調べたものです。

 太り過ぎ 

:肥満は、心臓病、脳梗塞、がん、関節症などに関係し、健康に重大な影響を与える。日本で2022年に「肥満症」が死因となった人は90人(男46、女44)。このうち肥満による低酸素死は36人(男13、女23)。2017年は81人(男33、女48)、2012年は73人(男25、女48)だったことからも、日本でも肥満症が着実に増えていることがわかる。世界保健機構(WHO)によると、肥満患者数は2018年から2倍以上に増えていて、肥満もしくは過体重による死因は世界で上位5番目だという。WHOは体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出する「体格指数(BMI)」が25以上を過体重、30以上を肥満症と定義。比較的、肥満が少ないとされる日本では25以上を肥満症としている。

 お酒の飲み過ぎ 

:健康志向で"酒飲み"が減っている今の時代だが、長年の飲酒が原因で亡くなる人は少なくない。最も多いのはお酒が原因の肝臓の病気で、アルコール性肝疾患6,296人(男5,437、女859)。これは肝臓の病気18,896人(男12,431、女6,465)の33%にあたる。ほかに、アルコール性急性膵炎35人(男32、女3)、アルコール性慢性膵炎31人(男28、女3)がある。また、554人(男501、女53)がお酒による行動や精神障害で亡くなっている。このうち369人(男331、女38)が依存症だった。

 自宅で凍死 

:「山での遭難ならわかるが、家で凍死なんて‥‥」そう思う人も多いだろうが間違いだ。凍死は死因分類上「自然の過度の低温への曝露」となり、2022年は1,450人(男845、女605)で、このうち家や庭での死は613件もあった。一方、熱中症による死亡にあたる「自然の過度の高温への曝露」は1,477人(男881、女596)だった。

 餓死 

:飽食の時代と呼ばれる現代において信じられない話だが、死因が「食糧の不足」が15人(男12、女3)いた。年齢別では、45~49歳1人(男)、55~59歳2人(男)、60~64歳2人(男1、女1)、65~69歳3人(男2、女1)、70~74歳3人(男)、75~79歳2人(男1、女1)、80~84歳1人(男)、85~89歳1人(女)。

 氷や雪による転倒死 

:転倒・転落・墜落による死亡は11,569人。うちスリップ・つまずき、よろめきによるものは9,687人(男4,514、女5,173)、氷や雪による転倒は9人(男8、女1)。他人との衝突又は他人に押されるなどしたことによる転倒は3人(男)。ベッドからの転落81人(男49、女32)、階段やステップからの転落転倒は593人(男401、女192)となっている。驚くのは「はしごからの転落又はその上での転倒」により死亡した197人(男185、女12)の年齢だ。1人を除いてすべて40歳以上。うち70歳以上が149人で、女性は10人だった。

 梅毒 

:近年、20代の女性を中心に全国的に流行している梅毒だが、2022年は晩期梅毒で10人(男8、女2)が亡くなっている。70~74歳が4人(男)、65~69歳2人(男)、75~79歳2人(男1、女1)、80~84歳1人(男)、85~89歳1人(女)だった。ちなみに母子感染による先天梅毒は0歳の女子1人が記録されている。

 孤独死 

:立ち合い者のいない死亡、つまり「孤独死」として記録された人は4,231人(男3,314、女917)。年齢別で見ると最も多いのは70~74歳の881人(男734、女144人)。次いで75~79歳の609人(男458、女151)、65~69歳の581人(男503、女78)だった。孤独死は圧倒的に男性が多い。女性は男性よりコミュニケーションに長けていて、家族がいなくても居住地でのネットワークを築いている人が多いことが要因かもしれない。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■高齢者にみられる"老衰"の定義

 厚労省は老衰の定義を「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」としています。

 2022年の死因は「老衰」だけを見ると、2016年5位、2017年4位、2018年から5年連続3位とアップ、また、構成比率も拡大しています。

 外傷などが原因での死亡や、延命治療の末の死亡は老衰とはいえません。加齢で身体機能が自然に衰えて死亡したと判断されたときに、死亡診断書に「老衰」と記載されます。

 老衰による死亡率が増加している背景として公的介護保険制度の普及があります。これにより高齢者の死亡場所が変化しています。厚労省によると2000年時点で全体の約1割だった介護施設で最期を迎える方が、2020年になると約5割に増えています。一方で、病院での死亡率は2000年の約8割から、2020年には約7割に減っています。病院で亡くなる場合、直前まで治療されるので、基本的には死亡診断書に病名が記載されますが、介護施設で亡くなる場合、延命治療が施されないことも多く「老衰」との記載が多いです。90歳以上なら、老衰死と判断する医師が多いようです。

老衰死の前兆

 老衰の原因は、生物学・医学的に細胞や組織の機能が老化に伴い機能の維持が難しくなるためと考えられ、最終的には代謝、免疫、回復能力の不全により老衰死に至ります。

【睡眠時間が増加する】:常に眠たそうで、なかなか目を覚まさないほど深い眠りに落ちるようになり、最終的には脳機能の低下により一日のほとんどを眠って過ごすようになります。そうなると口から栄養を摂取する機会が減るため、身体機能や脳機能はさらに低下します。

【身体機能の低下】:筋肉や臓器の萎縮による身体機能の低下も挙げられます。臓器が萎縮する理由は、老衰で自然に細胞が減少するからです。臓器が萎縮して正常に機能しなくなるにつれ、身体に様々な不調が現れ、筋肉の働きも衰えていきます。筋肉が萎縮して筋力が低下すると、転びやすくなり、階段の上り下りが難しくなり、日常生活に支障をきたします。

【体重が減少する】:老衰で自然に細胞が減少していくと十二指腸や小腸等の消化器官が萎縮して正常に機能しなくなります。消化器官の働きが衰えると、食事から栄養を吸収しにくくなるため、体重が減少し見た目からも分かるほどに痩せ細ります。また、栄養不足は睡眠時間の増加や身体機能の低下をはじめ、その他の老衰の症状に拍車をかけます。

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 老衰の進行ペースをできるかぎり緩やかにするためにも、康復医学学会の考える「健康の3本柱(①血流 睡眠・ストレス 体力)」に気を配ることが大切になってきます。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年2月21日水曜日

筋肉

 万病予防には筋肉の維持が不可欠!

 ポッコリ出たお腹が気になり、年初に「今年こそ減量して肥満を解消するぞ!」と意気込んだ人、頑張っていますか? ご存じの通り、肥満はあらゆる病気を引き起こす万病のもとです。肥満気味の人は、引き締まった体を目指して対策を講じたいところでしょう。

20歳からの筋肉量の変化率
 その一方で、「自分は若いころから体重が変わっていないから大丈夫」と思っている人もいるかもしれません。しかし、安心するのは早計です。昔と変わらぬ体重でも、運動習慣がなければ脂肪が増え、筋肉はゴッソリ落ちている可能性があります。

「体重は増えていなくても、脂肪や筋肉の割合が悪い方向に変わっていることがある。大事なのは"筋肉をどれくらい維持しているか"であり、体重の維持ではない。体重に関わらず、筋肉が減ることが大問題なのだ」とは、筑波大大学院スポーツ医学専攻の久野譜也教授。

 筋肉の減少は、体に様々な負の作用をもたらします。歩く、走るといった基本的な動作が衰えるのはもちろん、その影響は内臓器官にも及びます。例えば、筋肉は体のエネルギー源である糖の貯蔵や消費という役割を果たしています。そのため、筋肉が減ると体内の糖がエネルギーとして使われにくくなり、体重や体形に関係なく、糖尿病に発展しやすくなります。

 糖尿病は体内で消費・貯蔵しきれなくなった糖が血液中に増えてしまう病気。進行すると、全身の血管が傷み、腎臓や目などに合併症を引き起こします。"糖尿病は太った人の病気"というイメージを抱きやすいですが、実際はやせていても発症します。こうした人たちの背景には筋肉量の減少などがあることが、近年の研究で分かってきました。

 筋肉は、脳と同様に様々なホルモンを分泌する器官でもあります。そのホルモンの中には、認知症やがん、動脈硬化などの病気を予防する効果が期待できるものもあります。筋肉を維持することは、全身の健康に直結するのです。「そのため、自分の体形に目を向けるときは、体重よりも"体組成"に着目して、筋肉を維持できているかどうかをチェックする必要がある」(久野氏)。体組成とは、全身の筋肉や脂肪、骨、水分などの割合のこと。一般に、肥満度の指標としてはBMI(体格指数)が広く用いられていますが、残念ながらBMIでは筋肉の割合までは分かりません。そこで久野氏が勧めるのが、「体組成計」で筋肉の量を測り、その変化を見ていくこと。最近は、家庭用の体組成計が数千円で購入可能です。スポーツジムや公共施設、医療機関など、体組成計を設置している場所も増えているので、定期的にチェックする機会をつくるといいでしょう。

 何もしなければ、筋肉は加齢によってどんどん減っていきます。筋肉量は20代をピークに年1%の割合で減少し、50代で30%、60代で40%も落ちます。一方、「簡単な筋トレを普段の生活に取り入れれば、たとえ80、90代でも、筋肉を増やすことはできる」(久野氏)。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■脂肪と筋肉のコントロール

 脂肪は燃やして減らします。脂肪を燃やすには有酸素運動が有効とされています。一方、筋肉は鍛えて増やします。運動→休息→栄養を繰り返すことで、徐々に筋肉が付いていきます。過剰な栄養(カロリー)摂取を控えた上で適度な運動を行なえば、脂肪を減らし筋肉を増やすことができるのです。

筋肉が増えれば、基礎代謝量も増やすことができて、より痩せやすくなるので一石二鳥です。そしてより効率的に筋肉をつけるには、「たんぱく質」を摂ることが大切です。

 私たちのカラダは水分が60~70%、たんぱく質が約20%、その他が約20%を占めます。筋肉や臓器、皮膚といった組織から酵素やホルモン、血液まで、そのほとんどを作る上でたんぱく質が必要です。水分以外は、たんぱく質でできていると言っても過言ではありません。

体づくりのゴールデンタイム

 運動の直後~1時間後(アミノ酸が筋肉に送られる量が通常の3倍になる)と、就寝の1~3時間後(成長ホルモンの分泌が盛んになる)は「筋肉づくりのゴールデンタイム」といわれ、この時間になると成長ホルモンの分泌が盛んになり、筋肉の修復が行われます。

 そのタイミングで筋肉の原料となるアミノ酸が豊富にあると筋肉の修復がうまくいき、筋肉づくり・疲労回復につながります。だから運動直後や就寝前に水分補給と共にアミノ酸・ペプタイドサプリを摂るのが有効なのです。

 ペプタイドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化・吸収に3~4時間かかりますが、ペプタイドでは30~40分で吸収されていきます。中でも、魚は、人の体をつくる20種のアミノ酸をバランス良く含み、ペプタイド状にしているので吸収効率に優れています。

高齢者と体組成

 高齢者の間では、筋肉量低下による運動障害や転倒事故が増えています。高齢になるにつれて運動習慣が減ったり、たんぱく質の摂取量が低下したりして、筋肉量が徐々に減少してしまいます。実際に20代の方と80代の方では、全身の筋肉量が男性で16.8%、女性で11.0%も減少してしまうというデータもあります。まだまだ元気!と感じている60代、70代のうちから運動習慣とたんぱく質摂取を心がけて、現在の筋力を維持し続けることが大切です。

 そのためにも、現在の筋肉量を体組成計などで測定し、確認しておくことが大切です。今はまだ充分にあるのか、既に減少が始まっていて増やさなくてはいけないのか。さらにどこの筋肉が少ないのかが分かれば、そこを重点的に鍛えることで対策がとれます。

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 康復医学学会で開発した「コラーゲン製品」「霊芝配合の天然型高吸収たんぱく加工食品」は、魚由来のペプタイドを使用しており、高い栄養吸収率を実現しています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年2月14日水曜日

ウイルス性食中毒

 チャーハン症候群

 チャーハンやパスタをちょっと作りすぎた時に、そのまま室温で放置していませんか? あるいは、時間差で後から食べるご主人やお子さんのごはんを、ラップをかけてそのまま食卓に置いておく‥‥なんてこと、よくあるのではないでしょうか?

“チャーハン症候群”(Fried Rice Syndrome)という言葉が、海外のSNSを中心に話題になっています。チャーハン症候群とは正式な名称ではなく、SNSによる造語で、チャーハンやパスタなどの料理を室温で長時間放置したときに起こる「セレウス菌(Bacillus cereus)」による食中毒のことを意味しています。昨年の秋ごろ、5日前のトマトソースパスタを食べた後に急死した20歳の男性に関するTikTok動画に対し、医師が反応したことからこの言葉がトレンド入りしたようです。

 報告書によると、その男性は常温保存で5日も経ったパスタを電子レンジで温め直して食べてしまいました。その際、「いつもと味が違う」と感じていたようなのですが、パスタに新しいブランドのソースを使ったため、料理に異変が起きているとは思わず、そのまま食べ続けたといいます。結果、食後30分以内に吐き気、腹痛、頭痛に見舞われ、最後は下痢と嘔吐を繰り返しました。そして、男性は就寝後のおそらく午前4時ごろ、食事を取ってから約10時間後に死亡したことが判明しました。ちなみにこの男性のニュースは、2008年にベルギーのブリュッセルで起こった出来事です。

 セレウス菌による食中毒は、チャーハンやピラフ、スパゲティや焼きそばなどが代表的な原因食品として挙げられます。セレウス菌は、調理後に室温で長時間放置することで増殖します。厄介なのは、食品においてセレウス菌が増殖し、いわゆる腐った状態になっても見た目やにおいの変化がないことです。しかも、セレウス菌は90度で60分の加熱にも耐える芽胞(熱に強い殻のようなもの)を形成し、生き残ります。

 発症は食後30分から最大15時間後とされており、一般的に吐き気、嘔吐、下痢、腹痛を引き起こします。通常は短期間で治り、治療も水分補給のみですが、重症例には点滴を投与するケースもあります。セレウス菌が産生した毒素による食中毒なので、抗生物質の投与は効果がありません。

 セレウス菌による食中毒は夏場に件数が多いのですが、どの季節においても調理した食べ物を室温で長時間放置しないことが大切です。調理後に小分けにして、速やかに冷蔵庫で保存しましょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■冬に多発、ウイルス性の食中毒

 食中毒というと、夏場に多く発生する病原性大腸菌やサルモネラ菌などによる「細菌性食中毒」をイメージするかもしれませんが、冬場も夏場と同じように注意が必要です。冬場に多く発生するのはセレウス菌などの細菌性食中毒よりも「ウイルス性食中毒」です。代表的なものが11~2月にピークを迎えるノロウイルス。年間を通して食中毒にかかった患者数が最も多いのがノロウイルスによるものです。また、ウイルス感染という特性から、発端は食中毒であったとしても感染する力が極めて強く、学校や病院等で発生した集団感染の大半は誰かがまずノロウイルスに感染し、ヒトからヒトへ感染して広がっていきます。大規模になりやすいので、発生した場合は適切な対処をして感染拡大を防ぐことが大切です。

ウイルス性食中毒の感染経路と予防法

 ノロウイルスの主な原因食品は牡蠣、アサリ、シジミなどの二枚貝ですが、ウイルス性食中毒の感染は食品からだけでなく、ヒトや食器などからも経由して拡がります。少量でもウイルスが体内に入ると腸内で増殖して、吐き気やおう吐、下痢、腹痛などを引き起こします。幼児や高齢者、病気治療中の人は、症状が重くなる場合もあります。症状が出たら脱水症状を防ぐために十分な水分と栄養を補給しましょう。また、医療機関を受診する際は、感染拡大を防ぐために事前に電話を入れ、医療機関の指示に従って受診するようにしましょう。

 ノロウイルスの食中毒は、ウイルス感染です。食品の管理、衛生面に注意しましょう。

 日常生活で気をつけるポイント 

▼帰宅直後、調理の前後、食事の前、トイレの後などこまめに石けんを使って、指の間、爪の内側までていねいに手洗いをする。

▼魚介類を調理するときなど、「生食用」と表示のないものは中心部分を1分間85度以上で加熱する。

▼まな板やふきんなど台所の調理器具は水で薄めた家庭用塩素系漂白剤で消毒する(表示されている使用方法を確認すること)。

▼体調不良になるとウイルスに対する抵抗力が低下するので、普段から適度な運動を行い、栄養や睡眠などを十分にとって体調を管理すること。

 感染拡大を防ぐポイント 

▼便や吐瀉物を片付けるときは、使い捨ての手袋やマスク、ペーパータオルを利用し、処理後はビニール袋に密封し、塩素系漂白剤など消毒液を加えて捨てること。

▼汚れた床や家具、衣類、調理器具、食器などは水で薄めた家庭用塩素系漂白剤で消毒する(表示されている使用方法を確認すること)。

▼処理後は自分の手をていねいに洗う。

食生活で食中毒を予防しよう

 食中毒の予防には、ウイルスに対する抵抗力、免疫をアップさせる食生活が重要です。多品目を1日3回の食事でバランスよく摂ることが大切です。ヨーグルト、オリゴ糖など、腸内の善玉乳酸菌を増やす食品を積極的に摂り、腸内環境を整えましょう。また、抗菌作用のある、におい成分が強い野菜、ハーブ、薬味などを利用したり、タマネギ、梅干しなどの殺菌、解毒作用のある食品を積極的に摂りましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年2月7日水曜日

がんと免疫

 乳がんは思春期の遺伝子変異だった!

 日本人女性のがんの中で最多の乳がんは40代以降の発症が多いのですが、その大本となる乳腺細胞の最初の遺伝子変異は数十年前の思春期前後に起きていることを、京都大大学院医学研究科腫瘍生物学講座の小川誠司教授らの研究グループが世界で初めて突き止め、昨年12月27日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表しました。早い段階での乳がん予防につながる可能性があるとしています。

 がんは、細胞内の遺伝子の変異が何段階も積み重なり、正常な細胞ががん細胞に変化することで発症することが知られています。

 研究チームは、増加の一途を辿っている乳がんについて、41歳から48歳の閉経前の乳がん患者5人の乳腺の細胞を採取。最先端のゲノム(全遺伝情報)解析技術を詳しく解析することで、思春期前後に生じた最初の変異の獲得から数十年後の発症に至るまでの全経過を明らかにすることに、世界で初めて成功しました。がん化につながる遺伝子の変異が最初に起きた時期を調べたのです。

 その結果、最初の遺伝子変異は4・4歳から16・9歳(平均9・7歳)という非常に早い段階で起きていたことが判明。その後、数十年かけて変異が積み重なって一部ががん化し、発症することが分かりました。

 チームでは、乳腺細胞の遺伝子の変異に、第2次性徴以降に増加する女性ホルモンが影響している可能性があるとみています。最初の遺伝子変異が思春期前後に起き、その後、数十年にわたって変異が積み重なるのだということです。閉経後は女性ホルモンが減少し、新たな変異が起きにくくなります。

 京都大の小川誠司教授は「発がんの詳細な歴史が明らかになった。これを手がかりに、乳がん発生のメカニズム解明に取り組む。がん化につながる変異を早い段階で検知すれば、乳がんの予防につなげられる可能性もある」と話しています。

(出典:産経新聞 https://www.iza.ne.jp/)


■がんと免疫機能

 今やがんは2人に1人が罹る、とても身近な病気です。そもそも、なぜ、がんができてしまうのか。そこを知らないと「防ぐ」ことも「治す」こともできません。

 なぜ、がんができるのか 

 がんは、細胞の異常⇒がん細胞の生成から始まります。早期発見と言われている大きさは1㎝ほど(1㎝になるまでに10~15年)。そこから急速に大きくなり、数年で命に関わる大きさに増殖。大きくなったがんは、周りの正常な細胞が必要とする栄養分を横取りしたり、臓器を破壊したりして、次々と体の機能に障害を起こします。

 細胞に異常が起こる原因でよく指摘されるのは「生活習慣」です。食生活の欧米化(高カロリー・高脂肪食)や運動不足、肥満、睡眠不足、精神的ストレスなどがあります。また、直接細胞の遺伝子を傷つける"発がん性物質"も原因の一つです(タバコや農薬などの有害化学物質、自然界の放射線や紫外線、ウイルスや細菌など)。

 免疫の働きでがんを倒せるのか 

 実は、健康な人でも毎日数千個ものがん細胞が生まれています。しかし、私たちの体には出来たばかりのがん細胞を退治する機能が備わっています。それが"免疫機能"です。具体的には、血液の成分のひとつである白血球やリンパ球の働きを指し、これらは"免疫細胞"と呼ばれます。

 なぜ、免疫が働くのにがんになるのか 

 免疫細胞は全身に2兆個もあります。ただし、がんを退治できるのはごく一部で、ウイルスや細菌を退治する免疫細胞と、がん細胞などを退治する免疫細胞の種類は異なります。免疫細胞の中でがんを攻撃する免疫機能を高めるのは、「キラーT細胞」や「NK細胞」であることが知られています。

●初期:免疫機能の低下や、がん細胞数の増加で、免疫細胞が対処しきれなくなると、生き残ったがん細胞はひっそりと増殖を始めます。検査で発見できる前の状態です。

●中期以降:がん細胞の増殖後、最も恐ろしいのは、がん患者の免疫の働きが無力化してしまうこと。具体的には、免疫を無力化する「免疫抑制細胞」をがん細胞の周囲に増やします。免疫抑制細胞は、免疫ががん細胞を攻撃することを邪魔します。そして、がん患者の体の中で免疫機能が働きにくい免疫抑制状態を作ってしまうのです。

 がんに勝つ方法は 

 一般的に免疫機能を高めるには、バランスの摂れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、規則正しい生活で体調を整えることが大切だと言われます。しかし、がんが大きくなると免疫抑制細胞が増えて免疫を無力化、免疫機能を高めることが難しくなります。この免疫抑制細胞は、がん細胞の周りに集まり免疫機能を低下させるのです。がんになってから免疫の働きを高めるには、免疫抑制細胞を減少させることがポイントになります。

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 康復医学の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」の、免疫の調整機能悪液質の改善機能細胞への酸素供給促進機能は、体内環境を整え、がん対策にも有効です。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年1月31日水曜日

ラクナ梗塞

 片足立ちと脳血管疾患

 片足立ちで20秒以上バランスをとるのが難しい高齢者では、臨床的症状がなく健康な人でも、脳内の小血管の損傷や認知機能の低下が起きているおそれがある―― これは2014年、京都大学付属ゲノム医学センターの田原康玄氏らによる研究で明らかにされています(米国心臓学会が発行する医学誌「Stroke」に発表)

 片足でバランスをとる能力は、脳の健康の重要なテストとなることがわかり、バランスのとりにくい人は、脳疾患や認知機能低下のリスクが高いので、要注意とのこと。

 この調査は、愛媛大学病院抗加齢センターで実施している「抗加齢ドック」に参加した平均年齢は67歳の健康な中高年者1,387人を対象に行われました(目を開いたまま片足を上げ、片足で立つことのできる時間を測定)。また、参加者の脳の小血管の状態を検査、ラクナ梗塞と微小出血などの、症状の出ない小梗塞である脳小血管疾患について調べています。

 その結果、20秒以上の片足バランスができない人では、脳小血管疾患や認知機能低下のリスクが高まることが明らかとなったのです。

 片足立ちのバランスをとりにくいのは、以下のような人でした。

▼2つ以上のラクナ梗塞病変があった人の34.5%。▼ラクナ梗塞病変が1つあった人の16%。▼2つ以上の微小出血があった人の30%。▼微小出血が1つあった人の15.3%。

 脳小血管疾患のあった人は全体として高齢で、高血圧があり、頚動脈が厚く動脈硬化が進行していました。脳小血管疾患があった人は、片足立ちの時間が短かく、認知スコアの低さとも関連していました。

 片足で立つことの難しさと加齢に強い関連があることも判明。年齢が60歳以上になると、片足立ちの時間が明らかに短くなっていました。

 研究チームは、片足出しテストは、一見健康そうな人であっても早期の脳梗塞などの病理学的変化と認知機能の低下を予測する簡単な方法です。姿勢の不安定性がみられる高齢者には、よりいっそうの注意を払うべきだとの見解を示しています。

 高齢者が機能障害や要介護に至るのを予防するために、生活機能障害をまねく「フレイル」(虚弱、衰弱)が近年注目されています。多くの高齢者はフレイルな状態を経て寝たきりや要介護に移行しますが、フレイルとは不可逆的な虚弱・老衰状態を指すのではなく、適切な介入によって回復し得る状態をいいます。

 片足立ちテストはバランス能力の衰えをみるのではなく、潜在的な脳小血管疾患を調べるためのものですが、サルコペニア、立位動揺性、動脈硬化性疾患といった高齢者に多いフレイルティとも関連しているとしています。

(出典:https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/)


■細い血管で起こる“ラクナ梗塞”

 ラクナ梗塞は、他の種類の脳梗塞と違い、大きな発作が起こることはありません。ラクナ梗塞の症状は「ラクナ症候群」といい、運動麻痺やしびれなどの感覚障害が主に起こりますが、梗塞する部分が小さいので、症状が出ないことがあります。これを「無症候性脳梗塞」といいます。

遺伝的に日本人に多く発症する

 脳の血管の細い動脈に、直径1.5cm未満の小さな梗塞が起きた状態を「ラクナ梗塞」といい直径1.5cm以上の大きなものはラクナ梗塞とは呼びません。日本人に多く、脳梗塞全体の約35%を占めています。また、日本人は遺伝的にも細い血管が動脈硬化になりやすいとも言われています。

原因は、高血圧・動脈硬化

 ラクナ梗塞は、「高血圧」により細い動脈に発生する動脈硬化が最大の原因です。高血圧は、血管の内側の壁に強い圧力を加えます。そのために血管の内側の壁が傷き、どんどんと硬くもろくなって、動脈硬化を発症してしまいます。動脈硬化が起こると、血管の血液が通る部分が狭くなって血流がとだえてしまい、脳梗塞を引き起こすことになるのです。

ラクナ梗塞の症状・発作

 ラクナ梗塞は、梗塞する部分が小さく症状が出ないこともあることから、「かくれ脳梗塞」とも呼ばれます。しかし、発作がない状態のまま少しずつ症状が進行して、ラクナ梗塞が脳のいろいろなところに発生すると、「多発性脳梗塞」になってしまいます。こうなると、言語障害、歩行障害、嚥下障害(食べ物を飲み込みづらくなる)などの症状や、認知症の症状が表れることもあります。

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 脳内の微小循環は、脳神経細胞へ酸素・栄養素を供給する重大の役目を担っています。脳血管障害の対策としては、血流の改善、血管内皮細胞の保護、修復などが有効です。

 そして、これらに期待できるのは、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」です。脳血管の血流・血管内皮細胞の修復は、脳血管障害における病床後の健康回復・社会復帰・再発防止に重要な役割を果たします。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年1月24日水曜日

冬バテ

 冬バテってなんだ?

 最近、ネットやSNSで「冬バテ」という言葉を目にすることが多くなりました。

暑い日が続くと「食欲が出ない」、「身体がだるい」、「なかなか眠れない」といった症状が現れます。私たちはこの体調不良を「夏バテ」と呼んでいます。最近では夏バテに加え、秋に起こる体調不良を「秋バテ」、冬に起こるのを「冬バテ」と呼ぶこともあるようです。今回は冬バテの正体とその対処法についてお伝えします。

 私たちの身体は暑いと汗をかき、体内の熱を外に出すことで体温を一定に保つようにできており、この体温調整機能は自律神経(交感神経と副交感神経)が担っています。

 気温が40度近くなる夏の日中に、仕事や買い物のために外出し、クーラーがきいた室内に入って体温を冷まし、また外に出たり室内に入ったりして室内と室外の温度差を繰り返し感じると、自律神経の働きがおかしくなってしまいます。この自律神経の不調によって、食欲の低下や身体のだるさといった症状が生じるのが「夏バテ」です。

 冬バテも夏バテと同じで、室内と室外の気温差(寒暖差)によって起こる自律神経の乱れが原因と考えられます。

 夏よりも冬のほうが日中と夜間の気温差が大きいのに加え、暖房によってさらに気温差が生じるために自律神経が乱れ、体調が崩れやすくなるのです。さらに、仕事や人間関係のストレス、生活習慣の乱れなどで自律神経の機能が低下している方がいることから、冬に体調を崩す人が近年増えてきたと考えられます。

 冬バテの主な症状として、寝つきが悪くなったり、ちゃんと寝ているのに疲れが取れなかったり、頭痛、肩こりなどが起こったりします。冬バテが長引くことによって免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどに感染する可能性も高まります。

 冬バテをしないためには、自律神経の機能を整えることが重要です。気温差が激しい生活をしている人や、ストレス過多の人、運動不足の人は冬バテを起こしやすいと考えられます。朝夕にストレッチをしたり、毎日続けられる程度の軽い負荷をかけた筋肉トレーニングを行ったりしてみましょう。また、家に帰ってきたときや出かけるときはどうしても急な気温差が発生してしまうので、服装や温熱カイロで体温調節を行いましょう。

 近年、季節の変わり目に気温の急激な変化が起こりやすくなっています。このようなときに体調を崩しやすい人は、日頃から運動を行ったり、生活習慣を整えたりして、冬バテ・夏バテを予防しましょう。

(出典:https://www.tokyo-hospital.com/)


■漢方医学から見た冬バテ

 漢方は、古代中国から伝来した医学をもとに、日本の気候や日本人の体質などに合わせて、独自の伝統医学として発展したもので、現代医療の現場でも、漢方医学や漢方薬は用いられています。漢方の世界で冬は「閉蔵」といい、万物が納まり隠れるとき。人もこれに従い、内臓を養い、よく眠り、暖かくして、元気を逃がさぬよう春に備えることが大切だと考えます。冬バテは、西洋医学的には検査結果に異常がなく、病名の診断はつきません。しかし、漢方では「未病」といって病気の前段階と捉え、ここでの対策が重要と考えられています。

自律神経(交感神経と副交感神経)のはたらき

「未病」の対策には、自律神経を整え、養生することが大切です。養生とは、日常生活に注意し、健康の増進を目指すこと。

 薬やサプリメントに頼るのではなく、まずは自分の生活を見直しましょう。そうすることで、環境などの変化に負けない心と身体を作ることができます。大切なことは、①食事、②睡眠、③運動です。

(1)食事:

「時間がきたから食事を摂る」という方は、空腹を感じないままに食事を続けることで、本来身体が欲していない食事をし、胃腸に負荷をかけている可能性があります。また、夕食の食べ過ぎや、食事時間が遅いなどの理由で、胃腸に負担がかかっていることもあります。前日の食べ過ぎで空腹を感じない場合などは、一食抜いて胃腸を休めましょう。

(2)睡眠:

 睡眠は、漢方でいう「氣」を養うための重要な行為です。眠りの質が悪いと十分な機能が発揮できないうえ、疲れやすい、だるいなどの不調が起こり、集中力や注意力も低下してしまいます。不眠の原因は、ストレス、生活リズムの乱れ、寝る環境の問題などです。身体が睡眠に向かっていけるように、交感神経を活発にさせるスマホやゲームは極力避け、副交感神経の働きを優位にすることが大切です。身体が温まると副交感神経が優位になるため、お風呂は湯船に浸かって体を温め、リラックスするように心がけましょう。

(3)運動:

 自律神経を鍛えて氣の巡りをよくするためには、運動が重要です。個人の運動習慣や身体の状態に合わせて行ないます。目安としては、軽く汗をかく程度のもので、週1回でも続けていけるものがいいでしょう。ストレッチや運動をするときに腹式呼吸を取り入れることで、副交感神経の働きを優位にすることもできます。

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 当学会では、微小循環の改善(HM-3000(特系霊芝)睡眠の改善(ラフマ葉体力の維持・向上(Co-Q10を基本に整体調整をして、冬バテ・夏バテに対処することをお勧めしています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年1月17日水曜日

身体の酸化

 体内で起こる“酸化”を防ぐには

 平均寿命も、健康で自立した生活を送ることのできる健康寿命も、延伸傾向にあります。しかし、平均寿命と健康寿命には、女性12.19歳、男性8.79歳の差があります。この差は縮小傾向にあるとはいえ、自立生活を送れず介護を受ける期間が一定期間存在しているのが現状です。健康寿命を延ばしこのギャップをできるだけ短くすることが重要課題となります。愛媛大学大学院抗加齢医学講座教授で循環器内科医の伊賀瀬道也氏は、「健康寿命を延ばすためには血管年齢を若くすることが重要」と指摘します。

 通常、サビとは金属表面の不安定な金属原子が、酸素や水分などと酸化反応を起こして生成される腐食物のことです。このサビが私たちの体内で生じるとき、大きく関わるのが細胞内に存在するミトコンドリアです。ミトコンドリアは、呼吸によって体の中に取り込まれた酸素の約90%を使ってエネルギーを産生する工場のような位置づけにあります。

 ミトコンドリアではアデノシン三リン酸(ATP)という物質が作られ、そこからアデノシン二リン酸、一リン酸と、リンが分解されて少なくなっていきます。この過程で作られるエネルギーは、筋肉や神経活動、DNAの合成などを行うときに使われます。しかし、ミトコンドリアが使う酸素の約2%は、どうしても不安定な状態になってしまいます。それが活性酸素です。活性酸素はたんぱく質や脂質などと反応し、細胞を酸化させます。つまりサビつかせて老化させる物質なのです。同じ現象が血管で起これば、血管の老化につながります。

 活性酸素はとかく悪いイメージを持たれがちですが、大切な役目も持っています。白血球の中に存在する活性酸素(過酸化水素など)は、体に侵入した細菌やウイルスを撃退するための感染防御機能を担っています。女性の体の中では、排卵時の卵胞破裂や、受精など、細胞の分化においても重要な位置づけにある物質です。

 活性酸素が問題となるのは、体の中で増え過ぎた場合で、酸化によってDNAや細胞が傷つき、がんや血管の病気が増えてしまいます。そのため、活性酸素が増え過ぎないように注意する必要が出てきます。①ストレス ②揚げ物をよく食べる ③賞味期限切れの食品・調味料などの使用 ④喫煙、などが活性酸素を増やす要因とされます。

 活性酸素を減らす、つまりサビを防ぐ「抗酸化作用」を持つ食品で、特に取り入れやすいのが、右表のようなものです。α-ヒドロキシ酸を多く含むのはパイナップル、ビタミンCならアセロラ、ビタミンEならアーモンドなどのナッツ類、ビタミンAならニンジンが代表例です。オリーブオイルは、ビタミンCの約10倍の抗酸化作用を持つと言われています。加齢によって増える肌のシミのもと『メラニン』の生成抑制作用はビタミンCの25倍もあります。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■活性酸素と酸化ストレス

 生物は、大気中に約20%含まれる酸素を利用し、生命活動を維持しています。酸素は外部からの様々な刺激を受け、「活性酸素」に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰になると細胞を傷害し、がん、心血管疾患、生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。

活性酸素と抗酸化能力

 生命活動を営む上で酸素の利用は必須です。活性酸素とは、呼吸で体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になったものです。ヒトを含めた哺乳類では、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。活性酸素は、体内の代謝過程で様々な成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらします。

 活性酸素は、過剰な産生や酸化ストレスによる老化、がん、生活習慣病発症との関連が注目されがちですが、白血球から産生される活性酸素(スーパーオキシド・過酸化水素等)は、体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担います。また細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、細胞の分化・アポトーシスなどの生理活性物質としても利用されています。したがって、活性酸素を消去すれば良いという安易な考え方は禁物です。

 活性酸素が体内で常に産生されているのに、私たちが体内の恒常性を維持できるのは、自己を防御する抗酸化防御機構が備わっているからです。抗酸化防御機構は、活性酸素の産生抑制、ダメージの修復・再生を促す働きを有しています。

 抗酸化防御機構には、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)などの内因性の抗酸化酵素に加え、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類など外因性の抗酸化物質もあります。活性酸素の産生と抗酸化防御機構が複雑に作用し合いながら生体内の活性酸素の産生と抗酸化防御機構の状態が決まります。

酸化ストレスを予防する生活習慣

 活性酸素の産生が過剰になり、抗酸化防御機構のバランスが崩れた状態を「酸化ストレス」といいます。通常、私たちの生体内では活性酸素産生と抗酸化防御機構のバランスが取れていますが、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤、酸化物質の摂取などにより酸化ストレスが引き起こされます。また、過度な運動やストレスも活性酸素の産生を促し、酸化ストレスの要因です。日ごろからバランスのよい食事、適度な運動習慣、良質な睡眠によって抗酸化防御機構を良好に保つことが、酸化ストレスを防止するためにも重要です。

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 康復医学学会がお勧めする「HM-3000(特系霊芝)」は、強力な抗酸化酵素であるGSH-Pxの増加作用が認められています。また、それ自身がビタミンCやビタミンE以上に強い抗酸化物質である「コエンザイムQ10」もお勧めです。


いつもありがとうございます。愛・感謝 村雨カレン

2024年1月11日木曜日

排尿と前立腺

 排尿健診の重要性

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、今年最初にお届けするのは「排尿は健康のバロメーター」というテーマです。

 一般的に「夜間排尿3回は、年のせい」と言われていますが、6000人以上の調査で、夜間に3回以上排尿に行く男性の場合、死亡率が1.9倍になるとの報告もあります。

 年をとると男性は前立腺肥大症で頻尿を起こしやすく、夜間のトイレ回数は増えたり、またオシッコの切れが悪くなったりします。しかし、「年のせいだから」と放置していると、男性ホルモンのテストステロン値まで下し、男性力が下がってしまいます。

 テストステロンの減少だけでも筋力や活力は低下しますが、頻尿や残尿感で外出もままなくなると足腰は弱り、筋肉が脂肪に置き換わって身体能力が低下するサルコペニック肥満、心身虚弱のフレイルへとつながり、将来の寝たきりリスクを上げることにもなるのです。

 それを防ぐためにお勧めしたいのが「排尿健診」です。排尿の状態が健康のバロメーターになることを多くの人に知っていただきたいと思います。

 順天堂医院・泌尿器科准教授の斎藤恵介先生は、「私は長年、大学病院で排尿障害の研究を行う一方、手術も多く手がけてきました。並行して泌尿器科在宅クリニックの設立を手掛け、常に100人程度の地域の患者さんをつぶさに診てきました。この経験で、排尿障害の改善が健康長寿に役立つことを痛感したのです」と言います。

 いつまでも健康で元気に過ごすには、正常な排尿がとても大切です。しかし、一般の健康診断には排尿健診はありません。排尿障害は全身の健康を損ない、病気の後押しをするのですが、その意識がないからかもしれません。

 尿検査では、尿蛋白などで腎機能の状態はわかっても、膀胱の機能の状態を知ることはできません。排尿に関係する体のホルモンバランスも調べられることはありません。だから、前立腺肥大症で夜間頻尿を抱えている人は、膵胱機能が低下する認識が薄い状態が続いています。

「尿の排出力(尿流量測定)、残尿測定、筋肉量測定、骨年齢、血管年齢、男性ホルモンのテストステロンなど排尿に関係のある各種のホルモン採血も行います。生体年齢もわかります」(斎藤先生)。

 排尿障害の原因だけでなく、関連する病気や身体状態を知ったうえで、個人差のある排尿障害を改善し、それをアンチエイジングにもつなげていくことが求められます。排尿力は若さや男性力を維持するために欠かせません。もっと排尿を意識して、健康的な排尿を維持するようこころがけましょう。

(出典:夕刊フジ)


■前立腺の働きと前立腺肥大症

 前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりする役割を持っています。

 前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わる様々な症状が出現します。

 一般的な成人男性の前立腺の大きさは、体積で表すと20ml以下と言われ、「クルミぐらいの大きさ」と例えられます。前立腺が肥大すると、卵やみかんの大きさになります。

前立腺肥大になりやすい人

 組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%にみられますが、そのすべての方が治療を必要とする症状を伴うわけではありません。前立腺の肥大と排尿症状を伴い、治療を必要とする、いわゆる前立腺肥大症の頻度は、その1/4程度と言われています。

 肥満、高血圧、高血糖および脂質異常症と前立腺肥大症の関係が指摘されており、メタボリック症候群との関係についても、検討されています。野菜、穀物、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症抑制効果があることが指摘されていますが、喫煙やアルコール、性生活との関係は明らかではありません。

原因と症状、合併症

 前立腺肥大の原因は、まだはっきりと解明されていません。しかし「男性ホルモンの働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。前立腺肥大症では、排尿症状(排尿困難)、蓄尿症状(頻尿)、排尿後症状(残尿感、排尿後尿滴下)がみられます。

 前立腺が肥大しても必ずしもすべて治療が必要になるわけではなく、症状の程度や、どれくらい生活の支障となるかが重要です。また、一般的には加齢とともに徐々に進行しますが、大きさや症状が全く変わらないことも少なくありません。しかし、前立腺肥大症が進行すると、症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。

【肉眼的血尿】:前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなる。

【尿路感染】:排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようになると、尿路感染が起こりやすくなる。

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 九州大学の研究(2007~2009)により、「霊芝」前立腺肥大症、前立腺がんの予防・症状改善抗男性ホルモン活性などに有効な機能を有することが見出されています。


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