2014年9月27日土曜日

食欲不振

その食欲不振、病気が原因かも?

味覚の秋、脂がのった魚など旬の食材に舌鼓を打つのを楽しみにしている人も多いと思います。しかし、好物を目の前にしても食欲がわかない、近ごろ食が細くなったなどと悩む人もいます。
 食欲不振の原因はさまざまで、心身が疲れていたり、病気が隠れていたりします。原因を突き止め、障害を取り除くことができれば、食を楽しめるようになります。

 食欲は人間の基本的な欲求で、健康のバロメーターです。食が進まない場合、何らかの不調を抱えているかもしれません。食欲不振では「食べたい気持ちはあるのに食べられない」「食べたい気分にならない」といった状態が続きます。

 食欲は脳の視床下部という場所で調整されています。食べるのを促すのが摂食中枢で、満腹になると満腹中枢が働いて、それ以上食べるのをやめさせます。この調整がうまくいかなくなると、食欲低下などにつながるのです。また、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスの乱れから食欲不振になるケースも多いようです。

 食欲不振の原因はさまざまですが、悲しい出来事や緊張感、疲れなどによって、食事が進まなくなったという経験は誰にでもあるものです。この場合、数日たてば食欲が戻るケースが大半で、あまり心配はいりません。

●腹部の異常やうつ

問題なのは、何らかの病気がもとになって食欲不振を招いている場合です。代表的なものでは胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど消化器系の病気のほか、腎不全、甲状腺機能低下症などがあります。

 風邪やインフルエンザなどで食欲が減退するのもよく知られています。東都クリニック所長の野本一臣医師は「食欲不振がしばらく続いたら医療機関を受診した方がよい」と助言します。

 うつ病統合失調症などの精神的要因も考えられます。
 東京都内に住む40代の男性会社員のAさんは日常的に残業するなど多忙な日々を送っていました。次第に食事のときに腹痛を感じるようになり、食事の量が減ってしまいました。さらに寝付きが悪くなり、早朝に急に目が覚める症状も現れたのです。
 Aさんは病院で腹部の検査などをしましたが、異常は見つからず、いろいろ調べてもらったところ、軽いうつ状態と診断されました。抗うつ剤を服用しながら、仕事や生活スタイルを見直したところ、食欲も少しずつ戻ったといいます。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の安藤哲也ストレス研究室長は「個人差や状態にもよるが、食欲不振や体重減少のほか、憂鬱な気分、意欲の低下、睡眠障害などが続くとうつ病を疑う」と話します。こうしたケースでは、早めに治療を始めることが重要です。

 病気でなく日常の生活スタイルでも食欲不振は起こります。原因となるのは精神的なストレス運動不足過労睡眠不足飲み過ぎなどです。
 野本医師は「年を重ねると足腰が弱ったり、食べ物をかみ砕く能力が低下したりする。独り暮らしで孤独を感じてストレスが増す人もいる」と、特に高齢者に対して注意を促しています。

 一方、女性は妊娠初期のつわりでも食欲が落ちやすくなります。また、“やせたい”との思いから、自分がやせすぎだと認識できない、体重増を恐れて食べられなくなる、といった摂食障害が思春期などに出やすいものです。最悪の場合は死に至ることもあります。

●規則正しい生活を

それでは、日常生活でできる食欲不振対策にはどんなものがあるのでしょう。まずは不要な夜更かしなどをせず、できるだけ規則正しい生活を心がけることです。適度に運動し、酒は適量に抑えることが大切です。

 ただ、ストレスをなくすのは難しいことです。酒でストレスを発散する人も多いですが、趣味など酒以外で自分なりのストレス解消法をみつけることが重要です。悩みを抱えたときに相談できる相手がいると心強いものです。

 食べ方の工夫も有効です。消化がよく食べやすい物などを少しずつ食べるとよいでしょう。野本医師は、豆腐サンドイッチヨーグルト果物などを勧めます。
 国立健康・栄養研究所の高田和子栄養ケア・マネジメント研究室長は「消化器に問題がある人は、消化吸収のよいものを第一に考える。刺激物を避け、煮物でもいつもより軟らかめにするといった工夫をしてほしい」と提案しています。

 最近はゼリーなどの栄養補助食品や飲料タイプの流動食もあるので、利用するのもよいでしょう。ただし、吐き気があるときは無理をしないこと。また、東海大学の新井信准教授は「漢方は胃腸の具合を整えるのに向いている」と話します。必要なら漢方に詳しい医師などに助言を求めるのもよい方法です。

 食欲が低下すると、活力や行動するためのエネルギーも落ちて悪循環に陥りやすくなります。何かおかしいと思ったら、早めの対処が重要です。
2014/9/21 日経新聞

■ 病気が隠れている食欲不振

食欲不振になる原因は、食道や胃、腸のように直接食べたものが通る場所の病気だけでなく、肝臓や膵臓などの消化器の病気、慢性腎不全、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患など腎臓、心臓、呼吸器の病気、脳血管障害などの脳や神経の病気、甲状腺機能低下症などのホルモンの病気、関節リウマチなどの膠原病、糖尿病、さまざまな感染症(結核や肺炎など)、悪性腫瘍など、体のあらゆる部位の病気によって、食事が進まない症状になることがあります

心理的ストレスも原因に

心理的なストレスが長く続いたり、葛藤が解決されないままでいたりすると、心身症として睡眠障害や疲労の症状とともに食欲不振が現れてくることがあります。 また、うつやアルコール、薬物依存、認知症などの精神疾患でも食欲不振の症状がみられることもあります。

心理的な食欲不振は自律神経の乱れが原因

自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経があります。交感神経と副交感神経は対照的な働きをもっていて、ほとんどの器官はこの2つの神経が働くことで維持されています。しかし、ストレスがかかると交感神経の活動は亢進しますが、逆に副交感神経の活動は低下します。消化器系の臓器(食道・胃・小腸・大腸)は、全て副交感神経の支配によって働くので食欲不振の症状が現れるのです。

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 交感神経と副交感神経のバランスが体の恒常性を維持しています。このバランスを保つのがセロトニン神経です。セロトニン神経から分泌される神経伝達物質・セロトニンは、同じ神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンをコントロールし、交感神経と副交感神経のバランスを整えます

 康復医学学会の研究テーマ素材「ラフマ」には、セロトニンの分泌を促進する働きに関するデータがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年9月24日水曜日

「頭痛」

放っておいたら危ない頭痛の症状 

朝起きると頭痛がする、市販の頭痛薬を飲んでも治らない・・・・。
 何か脳の重大な病気ではないかと不安を抱え、「頭痛外来」に駆け込む中高年が多いそうです。

 東京医科歯科大大学院・神経内科学の横田隆徳教授は言います。「頭痛には緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛といった慢性的に起きる一次性頭痛と、脳梗塞や脳腫瘍といった病気が原因で起きる二次性頭痛があります。頭痛の大半は命にかかわらない一次性頭痛で、緊張型頭痛と片頭痛が多い。この2つは日本人の約6~7割が経験するといわれています」
  実は、朝からなんとなく「締め付けられるように」頭が痛いというのはほとんどが緊張型頭痛。全体的にジワジワと痛く、左右差はないのが特徴です。
 「その原因は精神的、肉体的ストレスであることが多く、心配事が解決したり、旅行などでストレス解消すれば軽快するケースもあります」

 緊張型頭痛の中には寝ている間の姿勢や噛み合わせが原因の場合もあります。
 「枕が高すぎて、首や肩の筋肉が緊張することで起きることもあります。また、人は寝ている間に誰でも歯を食いしばりますが、それが過度の場合は緊張型頭痛を引き起こします」
 ほかに頚椎捻挫、交通事故の後遺症でのむち打ち症、蓄膿症、睡眠時無呼吸症候群などでも緊張型頭痛を引き起こしますが、適切な治療を受ければ、改善する場合もあります。

※片頭痛に関しては、後半で詳しく解説します。

 問題は、命に関わる病気の進行が原因で起る「二次性頭痛」のケースです。
 「例えば脳動脈解離を伴い、血栓が末端の動脈をふさいで脳梗塞になる場合です。前兆としてドーンと頭痛が出て、まれに朝から頭痛というケースもあります。痛みは10日間続くことも。頭痛とともに手の麻痺、箸を落とす、言葉が出にくい、手足のしびれなどの症状も伴います。それらの症状に気づいたら即MRI検査で患部を把握、治療を受けることです」

 転倒や衝突などで頭を打った後、2週間から3カ月後に頭痛が出現したら、「慢性硬膜下血腫(SDH)」を疑う必要があります。
 「脳を包む硬膜と脳の間に血腫ができる病気で、頭部打撲から数週間から数カ月かけて血腫ができ、その圧で脳の働きが低下します。頭痛だけでなく、ふらつきや認知症状、失禁などの症状が加わって、放置すると麻痺や意識障害が生まれ、最後は脳幹などを圧迫して呼吸を止めてしまいます」(すべて横田教授)
 70代の男性は、「朝から片頭痛らしき頭痛がする」と来院。診察したところ、まっすぐに歩けない。聞くと1カ月前に、テニスでフェンスに激突し、頭をぶつけたといいます。MRIをとると硬膜と脳の間に血液がジワジワとたまる静脈性出血を起こしていました。
 「幸いこの男性は手術で血液を除去し回復しましたが、放っておいたら危なかった。50歳を過ぎると畳に軽く頭を打っただけでSDHになる場合があります。朝からの頭痛、物忘れ、歩行障害、失禁などの症状があり、頭を打った記憶があれば病院で診てもらうことです」

 頭痛は頭痛以外の異変に注意することが重要なのです。
(2014.09.23 http://www.nikkan-gendai.com/)

■男性より女性に多い「片頭痛」

片頭痛の症状は、周期的に生じる片側性の頭痛で、ズキンズキンと脈を打つように拍動する痛みが特徴です。若年期に発症することが多い傾向にあります。
 頭痛発作の前日ないし数日前に、気分の変化、口が渇く、飢餓感、あくび、眠気などの症状がでる場合があります。特に治療をしなければ、頭痛は数時間から数日程度持続します。片頭痛の頻度は男性より女性に多く女性で20%、男性で6%という報告もあります。また、女性では月経前に生じやすいという特徴があります。

朝から痛むのは、片頭痛ではない

起床時の頭痛は片頭痛だと思い込んでいる人も多いのですが、東京医科歯科大大学院・神経内科学教授は、それは間違いだと指摘します。
 「片頭痛はセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため、いったん脳の血管が収縮したあと、頭部の血管が逆に拡張したり、何らかの刺激によって三叉神経などが刺激され痛みを起こす病気と考えられている。痛みが出る前に目の前がチカチカする閃輝暗点症状などの前駆症状があるのが典型で、多くは拍動性のズッキンズッキンという痛みの特徴があります。しかし前駆症状があるとは限らず、起床時にきまって起きることはめったにありません

 つまり、朝からの頭痛の大半は、片頭痛の薬を飲んでも無駄なのです。

セロトニンの異常分泌

睡眠障害やストレス、生活習慣など様々な要因で神経伝達物質のセロトニンの分泌に異常が起ると、脳内の血中にセロトニンが一時的に増えます。すると血管が収縮します。収縮した血管からセロトニンが急激に減少すると今度は血管が拡張します。このことで血管の透過性が亢進し、炎症物質が産生され血管壁が炎症や浮腫を起こします。これが痛みとして伝達されて片頭痛の発作が起こると考えられています。

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 頭痛薬は、初期の段階では有効な時もありますが、長期連用や飲み過ぎは、頭痛をさらに発症させることにつながるので注意が必要です。また、慢性的な頭痛や片頭痛などに対しては、軽い抗うつ薬や抗不安薬が処方される場合もあります。
 ストレスや疲労、不摂生な生活習慣などでセロトニン神経の機能が低下するとセロトニンの代謝異常がおこり、片頭痛の原因になります。

 康復医学学会の研究テーマ素材「ラフマ」には、セロトニン神経を活性させて正常に戻し、セロトニン分泌を促進するデータがあります。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ


2014年9月22日月曜日

人工甘味料の危険性

ノンカロリー甘味料は血糖値を上げる?

何百万という人が摂取しているダイエット用炭酸飲料やヨーグルト、その他の食品に入っている人工甘味料が血糖値を下げるのではなく押し上げることもあることが、マウスと人間による実験で明らかになりました。

「サッカリンやスクラロース、アスパルテームといったノンカロリー甘味料は腸内細菌の種類や数を増減させ、糖尿病のリスクファクターである血糖値を高めたりする、望ましくない変化の引き金になり得る」とするこの研究論文は、17日に英科学誌「ネイチャー」に掲載されました。
 この論文の筆頭著者であるイスラエルのワイツマン研究所の免疫学者で医師のエラン・エリナブ氏は「われわれの発見が人工甘味料の大量消費に対する見直しのきっかけになる」と述べています。

 実験では、サッカリン、スクラロース、あるいはアスパルテームを含んだ餌を食べたマウスは、砂糖を含んだ餌や全く糖分を含まない餌を食べたマウスに比べて、血糖値が非常に高くなったことが分かりました。研究チームは次に、甘味料がマウスの腸内細菌のバランスを変えることによってこの代謝の変化が引き起こされたのかどうかを確かめました。甘味料を摂取したマウスあるいは砂糖を食べたマウスから採取した細菌を、自分の腸内細菌をに持たないように育てられ、かつ甘味料を摂取したことのないマウスに移植しました。その結果、甘味料マウスから細菌を移植されたマウスは血糖値を上げました。これは腸内細菌が、甘味料を摂取したマウスの血糖値を高めたことを示唆しています。

そして、人に対する実験では、イスラエルの380人を対象とした調査で、人工甘味料を多く摂取する人は摂取しない人に比べ、体重や腹囲の増加に加え、血糖値や糖尿病に関係する血液指標の上昇がみられるのを確認しました。少人数のグループやマウス実験の調べでは、人工甘味料の摂取量が多いと、消化や代謝に関わる腸内細菌のバランスが変化し、血糖値が下がりにくい、糖尿病と似た状態になることが分かりました。

 人工甘味料は砂糖の数百倍の甘味があり、ダイエット飲料朝食用シリアル砂糖を使わない菓子などに広く使われています。健康への影響をめぐっては、血糖値に影響しないとの研究がある一方、糖尿病リスクを指摘する報告もあり、議論が分かれていました。
 アルバート・アインシュタイン医科大学の栄養学者で、AHAとADAの広報担当者でもあるジュディー・ワイリーロゼット博士は「甘味料を摂取している人が必ずしも減量できないのはなぜなのか不思議に思っていた」とし、「この研究は腸内細菌に初めて着目した点で非常に興味をそそられる」と述べています。
The Wall Street Journal(2014.09.18)

■糖類ゼロは要注意! 食品の成分表示

数ある人工甘味料の中には、逆に血糖値を上げてしまうものがあることがわかりましたが、食品や飲料などに「糖類ゼロ」と表記されてあっても、人工甘味料が使われている場合があるので注意が必要です。

糖類ゼロでも糖質が含まれている!

 糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもので、「糖類」「多糖類」「糖アルコール」などの総称です。糖類はあくまでも“糖質”の一部なので、「糖類ゼロ」と表示されても、その他の“糖質”が含まれています。そして、糖質量も100g当たり糖類0.5g未満なら「無、ゼロ、ノン、レス、フリー」という表示することができ100g当たり糖類5g以内、1000ml当たり糖類2.5g以下なら「低、ひかえめ、ライト、ダイエット」などと表示することが可能なのです。

人工甘味料は血糖値以外にも要注意

消費者の健康志向やCMなどの影響で、多くの方が体に良いと信じている「カロリーゼロ商品」。実はこれらに使われている人工甘味料には、血糖値を上げてしまうということ以外にも、有害性が指摘されている人工甘味料があるので注意が必要です。

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人工甘味料は、甘みのある清涼飲料水や食品だけでなく、ケチャップ、ドレッシング、ビール、ベーコン、市販のソース、冷凍食品などにも使用されています。
 また、実際の使用量は表示だけでは分からないことが多いので「表示ゼロだから大丈夫」ではなく、「表示ゼロでも適量使われている」と認識したほうがよいでしょう。 


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年9月17日水曜日

動脈硬化と一酸化窒素

心電図じゃ見つからない心疾患

健康診断や人間ドックで「心臓は異常なし」と言われていても、安心してはいけません。 通常の検査では、心臓の病変を完全には見つけられないのです。
 健康診断はもちろん、「心臓が心配なので診てほしい」と受診した場合の検診でも、一般的に行われるのは心電図胸部レントゲンです。

 心臓の画像診断を専門にする、心臓画像クリニック飯田橋の寺島正浩院長は言います。
「これらは不整脈や心不全の診断には有効ですが、心臓そのものを視覚化することができず、心臓の血管の状態を見るには向いていません」

 心筋梗塞が起こる原因の脂質沈着、狭窄、プラーク付着といった血管の動脈硬化による変化は、心電図と胸部レントゲンではチェックが不可能です。できれば、MRI(Magnetic Resonanse Imaging)での検査が理想です。

「MRIでは、磁石と電波を使って心臓の細かい断層写真を撮り、3Dで立体表示します。これによって、血管の詰まり具合を初期の段階から調べられる。CTでももちろん可能ですが、X線の出力が大きく放射線被曝が問題になる上、副作用のリスクがあるヨード造影剤が必須なので、患者さんへの負担を考えると、ベストはMRIです」
 しかし、心臓のMRIを普通に行う医療機関はほとんどありません。心臓のMRIは1回撮るのに1時間ほどかかります。MRI装置は非常に高額なので、次々と検査を行わないと、病院の経営にかかわります。これらの理由から、狭心症や心筋梗塞が高い確率で疑われる時を除いて、「まず行われるのは心電図と胸部レントゲン」というのが現状なのです。

「ところが、心筋梗塞は何の前触れもなく起こる。米・国立衛生研究所が何万人ものデータを解析した結果では、心筋梗塞の50%が最初の発作で死亡しています。米国人に比べて日本人は心筋梗塞死が人種的に少ないですが、それでも約30%が最初の発作で亡くなっている。これを回避するには、発作を起こす前に、自分の心臓の状態を正しく知ることなのです」(すべて同教授)

 心臓の血管は、50%程度詰まっていても、自覚症状がなく、心電図やレントゲンでは分かりません。家系に心臓病や突然死の人がいる、肥満、メタボ、喫煙経験があるという人は、心疾患に対する予防策が必要です。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/147768

■動脈硬化と一酸化窒素(NO)

心臓疾患は、心臓の冠動脈の血管が徐々に狭窄する狭心症、詰まってしまう心筋梗塞などがあり、その原因の大半が動脈硬化です。

血管内皮細胞の損傷→動脈硬化

血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。下図のように損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし血管が狭くなり、その結果動脈硬化となってしまいます。


血管内皮機能を調整しているNO

血管内皮細胞から産生されるNO(一酸化窒素)には、中膜の筋肉層に働きかけ血管を柔らかくし拡張させる血管拡張作用血小板凝集抑制作用単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤するのを防ぐ作用などがあります。
 しかし、血管内皮細胞が損傷するとNOは減少し、血管内皮細胞の機能低下、動脈硬化も進行します。

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血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする血管を円滑に維持しています。NOの産生が低下すると、血管が収縮して炎症が起こりやすく、動脈硬化になりやすい血管になります。また、生活習慣などの影響で、過剰な活性酸素が起こす酸化ストレスにより、動脈硬化も進行します。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、NOの産生促進だけでなく、酸化ストレスに対し、酸化還元酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化に関するデータがあります。


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2014年9月13日土曜日

骨とコラーゲン

美肌だけじゃない、丈夫な骨を作る「コラーゲン」

今や、健康や美容に関心がある人なら、誰でもコラーゲンをご存じだと思います。多くのサプリメントやドリンク商品が店頭に並び、さらに化粧品にも入っています。
 コラーゲンは、美肌成分として女性にはおなじみの存在ですが、体の中のコラーゲンは、肌以外でもしっかり働いています。では、コラーゲンは体の中のどこにあるのでしょうかと尋ねられたら、何と答えますか? 「肌」と答える人が多いと思いますが、実はもう一つ、とても大きな働きをしている場所が“骨”なのです。

「骨の中には大量のコラーゲンがあります。丈夫な骨を作るうえで欠かせないのです」
 こう話すのは、骨コラーゲンの研究をする東京慈恵会医科大学准教授の斎藤充氏です。
 人間の体には約200個の骨があります。全部合わせた重量は体重の15~20%ほどで、体重50kgの人なら7~10kgぐらいが骨の重さです。骨の素材としてすぐ思い浮かぶのはカルシウムですが、斎藤准教授は「カルシウムなどのミネラルは、骨の重さの80%。一方、コラーゲンを中心とするたんぱく質は20%。これだけ見るとミネラルが圧倒的に多く思えますが、実はそうでもないのです」といいます。
 80対20という数字は「重さ」の比率です。「体積」で比べると、ミネラルとコラーゲンは50対50でほぼ同量なのです。

「鉄筋コンクリートの壁を想像してください。中の骨組みに相当するのがコラーゲンで、コンクリートがミネラルです」(斎藤准教授)
 鉄筋コンクリートを作るときは、先に鉄骨を組んでから周りをコンクリートで固めます。実は骨も同じ順番で、まずコラーゲンの骨組みができて、その周りにミネラルがくっついていきます。
「骨組み作りで大事なのが、コラーゲン分子同士をつなぐ“架橋”と呼ばれる構造です」と斎藤准教授。コラーゲンは、繊維状の細長いたんぱく分子。この周りをただカルシウムで塗り固めても、強い骨にはなりません。“筋交い”に当たる、コラーゲン同士をつなぐ構造が必要なのです。それが架橋分子です。もとになるコラーゲン分子は、肌にあるものと全く一緒でが、架橋という構造で強度を高めることで、骨のような強い組織になるのです。

■骨粗鬆症とコラーゲンの関係

骨がもろくなる「骨粗鬆症」という病気は、今まで骨の中のミネラル不足と考えられてきましたが、最新の研究では、コラーゲンの側の問題で骨が弱くなるタイプもあることがわかってきました。

高齢者だけでなくメタボ気味の人でも要注意

骨粗鬆症に関して、問題が起きるのは右図のようにコラーゲン分子でできている架橋の部分です。本来はピリジノリンという分子が弾力性に富んだ強い骨の善玉架橋を作るのですが、高齢者やメタボ気味の人では、ペントシジンという悪玉架橋の鉄筋のサビとなります。ペントシジンは、動脈硬化などと同様に、体の中の活性酸素が原因で増えてしまい、これが増えた人の骨は、もろくて折れやすくなります。

AGEで骨の柔軟性が低下する

骨の架橋に必要なコラーゲン分子は、AGE(終末糖化産物)(参照:http://hontotsutae.blogspot.jp/2013/02/age.htmlからも影響を受けて骨の柔軟性を低下させてしまいます。外部から骨へ伝わる力の吸収を低下させるため、骨折などの骨障害の原因にもなっています。
 過去、骨の健康度は骨密度が重要視されてきましたが、近年は鉄筋の役割をしている骨質(架橋)の大切さが重視されています。

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『和漢研コラーゲン』
食品から摂取したコラーゲンが、コラーゲンのまま吸収され、体内で利用されることはありません。口から入ったコラーゲンは、消化酵素でバラバラにされてから小腸で吸収され、最終的にコラーゲンペプチド(単体のアミノ酸)の形で血中に入るのです。

 康復医学学会が和漢生薬研究所と共同開発した『和漢研コラーゲン』は、ペプチド型なので吸収性に優れているうえ、海洋性なので動物系コラーゲンに比べ変性温度も低いので、吸収&即効性に優れています。他のコラーゲン商品を摂っている人にこそ、一度お試しいただきたい商品です。

※商品の詳細は<こちら>から。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

LDLコレステロール:習慣病が重なってリスク倍増!

普通の食生活なのにLDLが高値になる?

脂っぽい肉類を毎日ガッツリ食べていると、悪玉といわれるLDLコレステロールは上がりやすくなります。しかし、健康に注意した食事を心掛けているのに、脂質異常症の診断基準LDL値が、140(mg/dl)以上の人がいます。このような人は単なる体質ではなく、遺伝に関わる身体異常でLDLが上がりやすくなり、若い頃から心筋梗塞などのリスクも高くなってしまいます。

LDL値の遺伝に関わる病気としては、「家族性高コレステロール血症」が代表格です。肝臓には、血中のLDLを取り込んで処理する≪LDL受容体≫がありますが、遺伝子変異によりLDL受容体の働きが半分程度に低下してしまいます。それが、家族性高コレステロール血症です。一般的に遺伝的な病気は、発症率がまれなことが多いのですが、家族性高コレステロール血症の発症率は意外に高いのです。

 脂質異常症治療のスペシャリスト、帝京大学医学部附属病院内科の木下誠教授は説明します。「遺伝子の染色体は、2本で1組の対になっており、多くの遺伝子の病気は、2本とも変異したときに発症します。だから発症率は低くなります。しかし、家族性高コレステロール血症は、1本だけの変異で発症するのです。国内での発症率は500人に1人。最近は、300~400人に1人との意見もあります。いずれにしても、LDL値は異常に高くなるため、若い頃の心筋梗塞などのリスクも高く、適切な時期に対策を行う必要があるのです」

 一般的に、女性ホルモンにLDLを下げる効果があるため、動脈硬化の進行は女性は男性よりも10~15年遅れるといわれます。そのため、女性の中にはLDLが高値でも良いなどという意見もあるのですが、家族性高コレステロール血症を長年放置すれば、当然のことながら心筋梗塞のリスクアップは避けられません。

 LDLが高値のままというのは、何か理由があります。食生活か、遺伝か、別の病気か‥‥。それを知った上で、症状に合わせた改善策をとる必要があるのです。

■"少し高値"が重なって大血管病リスク高まる

リスクは、1+1=2ではない!

東京女子医科大学病院高血圧・内分泌内科の市原淳弘主任教授は次のように警鐘を鳴らします。
「脂質異常症で、少々値が高い場合の血管病のリスクを『1』とすると、高血圧の少々高値もリスクは『1』です。しかし、2つを足した場合に、リスクは『2』ではなく、『3~4』に跳ね上がります。一般的に微妙な値は放置されがちですが、生活習慣病が2つ、3つと合わさると、リスクの山は一気に高くなるのです。放置してはいけません」
 脂質異常症、高血圧、糖尿病の値が、どれも少しずつ高い場合は、1つだけ高いときと比べて、心筋梗塞や脳梗塞といった大血管病のリスクは6~7倍にも跳ね上がるそうです。ただし、この段階で、食事や運動などの生活習慣を改善すれば、一気にどの値も下げることが可能です。放置していると、いずれの値もやがて高くなり、薬に頼らざるを得なくなってしまうのです。

酸化LDLが増える!

糖尿病は、LDLコレステロールを変性させ、高血糖と変性LDLで、血管に大きなダメージを与えます。では、高血圧はどうでしょうか。

「高血圧では、血管内皮にコレステロールの接着分子が増えて、血管壁にコレステロールを取り込みやすくします。LDLは、酸化変性すると血管壁に入りやすいのですが、高血圧による酸化ストレスで、酸化LDLも増えるのです」(市原教授)

○危険知らせる診断基準でのチョイ高値(重なるとより危険)

脂質異常症/LDLコレステロール140以上
       HDLコレステロール40未満
       トリグリセライド150以上
 高血圧/診察室での測定 上(収縮期血圧):140以上
       下(拡張期血圧):90以上
 糖尿病/空腹時血糖値126以上
       HbA1c 6.5%以上
 ※脂質異常症と糖尿病の単位はmg/dl、血圧の単位はmmHg

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 脂質異常症と高血圧が合わさると、変性したLDLが血管壁にたまりやくなり、そこに高血圧の圧力が加わることで、心筋梗塞脳梗塞などが起こりやすくなります。糖尿病が加わると、この状態はさらに加速するので、1+1+1=3ではなく、リスクは6~7倍に跳ね上がるのです。

 血管壁にコレステロールがたまり動脈硬化が進んでも自覚症状は感じにくく、発見が遅れ大血管病に至る恐れがあります。日頃の注意が必要です。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年9月6日土曜日

野菜の食中毒に注意!

意外に多い、野菜で食中毒!

静岡市で7月末に開かれた花火大会で、腸管出血性大腸菌O-157による集団食中毒が発生しました。
 市の調査によると、患者はいずれも露店で売られていたキュウリの浅漬けを食べていました。浅漬けは、会場近くに止めたワンボックス車の中で調理。露天商の男性ら6人が、キュウリのへ夕を切り落として皮をむき、直径60㎝、深さ80㎝の容器に市販の浅漬け液を入れて浸したということです。漬けた時間は2~3時間で、その間、車のドアは開け放たれていました。当日午後6時の気温は31.3度、湿度66%。真夏の蒸し暑さが辺りを覆っていました。対策を迫られた静岡県は「何らかの原因で浅漬け液に菌が入り、キュウリを漬け込んでいる間に増殖した」とみて、イベントを主催する関係団体に、露店での冷やしキュウリの加工販売を自粛するよう要請しました。

 野菜が原因のO-157集団感染は全国で起きています。家庭で浅漬けを作る場合でも、菌が繁殖しやすい条件がそろえばリスクが高まるのです。

「漬物は乳酸発酵によって食中毒菌の増殖が抑えられるが、浅漬けは乳酸発酵しないため、食中毒菌があると増えてしまうんです」。札幌市保健所食の安全推進課の細海(ほそみ)伸仁課長は、雑菌を適切に処理せずに浅漬けを作ることの危険性を指摘します。

札幌市では2012年8月、市内の食品業者が出荷した浅漬けが原因でのO-157の集団感染が発生し、高齢者を中心に計8人が亡くなりました。この惨事を教訓にしようと、市は「生野菜や浅漬けを安全に食べるためのポイント」をまとめました。▽白菜やレタスなど葉物野菜は、一枚ずつばらばらにして洗う ▽ニンジンなど土のついた野菜は、たわしなどでこすり洗いをして土をしっかり落とす ▽へたの周りやくぼみには汚れがたまりやすいのでしっかり洗う――など、野菜の種類ごとに具体的な方法を紹介しています。

 衛生管理の普及啓発を行う日本食品衛生協会(東京)によると、土で育つ野菜には本来さまざまな菌が付いているもので、野菜に食中毒を引き起こす菌が付いていなくても、調理をする自分の手に菌が付いていたり、他の肉や魚といった食材から菌がうつったりたりする恐れもあります。担当者は「無菌で育っていないからといって神経質になりすぎる必要はないが、食中毒を防ぐ基本方法を心掛けることが大切」と話します。

【生野菜の衛生管理のポイント】

▽ 肉や魚を切ったら、まな板や包丁を洗って熱湯をかける。
▽ 肉や魚の汁が野菜に付かないように冷蔵庫で保存する。
▽ ラップして売られている野菜やカット野菜もよく洗う。
▽ 野菜は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管する。
▽ レタスなど葉物野菜は一枚ずつはがして流水で十分に洗う。
▽ ホウレンソウや水菜などは、水を張ったボウルに入れて水を流しながら根元の土を丁寧に洗い落とす。根は切り取る。
(厚生労働省、札幌市のHPを基に作成)

 いずれもすぐに取り組める基本ばかりなので、食中毒の危険が高い季節には参考にしましょう。
東京新聞2014/09/04

■家庭に潜む食中毒の危険性

食中毒は、レストランや旅館などの飲食店での外食が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生する危険性がたくさん潜んでいます。特に生の野菜やサラダなどが原因になることが多々あります。

サラダ及び生野菜を摂取することで感染しやすい主な病因物質

●腸管出血性大腸菌

 症状は、腹痛・水様性の下痢(後に出血性となる)。特徴は、O-157が代表的な出血性の下痢を引き起こす菌。ヒトからヒトに感染する、熱に弱い。
 予防は、食品の不衛生な取り扱いをしない、食品を扱う前後に手指をよく洗い、又扱った後には調理道具をよく洗うことで二次汚染を防止する。

●病原大腸菌

症状は、発熱・腹痛・下痢・嘔吐。特徴は、ヒトの常在菌、ヒトからヒトに感染する。
 予防は、食品は低温保存し、食品を扱う前後に手指をよく洗い、又扱った後には調理道具をよく洗うことで二次汚染を防止する。

●カンピロバクター属菌

症状は、頭痛・倦怠感・発熱の後に腹痛・激しい下痢・嘔吐を引き起こす。特徴は、人畜共通感染菌、ブタ、ニワトリ、ネコ、イヌ、鳥類、ネズミ等動物の腸内常在菌。
 予防は、生肉を扱う前に手指をよく洗う、又生野菜を扱う際には、生肉に触れた手と調理道具を完全に洗浄するなどして二次汚染を防止する。ペット等の動物に触れたり糞を扱った後は、よく手を洗浄する。

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 腸管出血性大腸菌(O-157)などは、たいへん強い感染力です。酸性条件でも比較的強く、口から入った場合、胃酸で死滅しません。低温状態にも強く、家庭の冷蔵庫の中でも生き残る菌なのです。
 しかし、感染経路は経口感染に限られているため、感染しているものを口にしなければ感染しません。感染経路を絶つには徹底した洗浄です。

 康復医学学会が勧める対策は、「貝殻焼成カルシウム」です。pH12.4の強アルカリ性作用だけでなく、焼成カルシウム特有の効果も認められています。しかも天然素材なので安心・安全です。粉末タイプの野菜洗浄剤『安心村(R)や、新製品『ノロアタック(R)の水溶液・スプレータイプ(すべて㈱和漢生薬研究所)で家庭内感染対策をしましょう。
 帰宅時の手洗いはもちろん、流し台・ドアノブ・トイレ・浴室・ペット・子供のおもちゃ・寝具・靴やスリッパなどにスプレーしたり、野菜をはじめとする食材は粉末タイプや水溶液タイプを使って洗浄するなど、家庭内や職場、作業場などでの積極的な感染対策を進めることが重要です。
※日本食品衛生協会 http://www.n-shokuei.jp/food_safety_information_shokuei2/index.html


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2014年9月4日木曜日

エボラ出血熱だけでない身近な「DIC」

エボラ出血熱で発症するDIC

今世紀最大の感染症で感染者の5割が死に至る「エボラ出血熱」は、西アフリカで猛威を振るっています。

 世界保健機関(WHO)のまとめによると感染者は疑い例を含めて3,069人に上り、そのうち1,552人(7月26日現在)の死者を出しています。

 エボラ出血熱の大きな問題は、感染力が強いのに加え、治癒する可能性が低いことです。致死率は最高で90%とされ、今回の流行でもおよそ50%の人が亡くなっています。

 WHOは6~9ヶ月での収束を目指すとしながらも、感染者は最終的に2万人を超える恐れがあるとの見解を明らかにしています。

 エボラ出血熱は、体内に侵入したウイルスが細胞内で急激に増殖、次々に細胞を破壊します。そして、壊された細胞の断片が刺激となり、全身の血管で血小板が凝集し、止血に必要なフィブリノゲンというたんぱく質も固まってしまいます。その結果、血液中の未使用の血小板やフィブリノゲンが極端に減少、止血する力を失います。これが原因で消化管や口腔、目、鼻、耳などから出血し死に至ります。この現象を「播種性血管内凝固症候群(DIC:disseminated intravascular coagulation)」といいます。

 このDIC、エボラ出血熱のようなウイルス感染症だけでなく、身近な事でも発症することは意外に知られていません。DICは、細菌感染、熱傷、外傷、妊婦合併症、がんなどでも起こることがあり、対策を怠ると命取りにもなります。
 熱傷、外傷では破壊された組織が原因となり、がんではがん細胞が一気に壊れて起こります。妊娠では胎盤早期剥離などで、胎盤成分が血液中に入ることが引き金となります。そして、これらの状況が進行し各臓器への血流が悪化し、多臓器不全へと進みます。
 普段は血液の凝固と溶解の絶妙なバランスの上に成り立っている血液の流れは、ひとたび崩れると現代の医療でもコントロール不能な状況になるのです。
 DICの予防対策としては、その原因となる疾患の対処はもちろんですが、微小循環血流に対するケアも怠ってはなりません。
(東京新聞2014/09/02)

■DIC(播種性血管内凝固症候群)

播種性血管内凝固症候群(DIC)は、全身の細小血管内で微小血栓が多発して、臓器不全、出血傾向のみられる予後不良の病気です。さまざまな重症基礎疾患が原因で血液凝固反応が活性過剰となり、生体内の抗血栓性の制御能が十分でなくなることで起こります。

制御不能の凝固促進物質

急性前骨髄球性白血病・前立腺がん・肺がんなどの悪性腫瘍、前置胎盤早期剥離・羊水塞栓などの産科的疾患、その他、敗血症・熱傷・外傷などの基礎疾患が悪化すると、生体内の抗血栓性の制御をはるかに超える大量の凝固促進物質(組織因子)が血管内に流入(出現)してしまうことがあります。これがDICの原因と考えられています。

虚血性循環障害から臓器障害

DICでは、全身に多発する血栓形成に伴って血小板や凝固・線溶因子(出血を止めるために生体が血液を凝固させる一連の作用)の消費・欠乏状態を起こして、右写真のような皮膚の紫斑や点状出血、下血、血尿など全身の出血傾向を生じます。
 また、多発する微小血栓のために虚血性循環障害を生じ、さまざまな臓器症状(腎臓での乏尿、無尿、肺での呼吸困難、消化管では急性潰瘍による下血、中枢神経系では意識障害など)を生じ、進行すると多臓器不全に至ることもまれではありません。

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 DICに対する医療現場での対処としては、原因となる基礎疾患の治療が極めて重要になってきます。しかし、基礎疾患の除去は容易でなく、しかも時間のかかる場合が多く、実際には抗凝固療法などでDICをコントロールしつつ、基礎疾患の治療を行うことが基本になっています。
 正常な血管内では、本来、血管内皮の抗血栓性や血液中の抗凝固因子の働きにより“血液は凝固しないような仕組み”があり、良好な血流を保ち微小循環の環境を維持しています。しかし、脂質異常症や糖尿病、高血圧、ストレスの蓄積、喫煙、加齢などが血流の低下を招き、微小循環の環境を低下させます。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、医薬品のように血栓そのものを溶かすのではなく、形成し始めると次から次へと形成が続く血栓に対しての抑制作用があります(データあり)。また、抗血栓の働きを持つ“血管内皮細胞の活性”に必要な一酸化窒素の分泌促進に関するエビデンス(科学的根拠)があります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ