2021年12月23日木曜日

酵素と微小循環

 人間を“健康にする食品”

 巷にあふれる食品・食材‥‥。その中で健康になる食物の条件を挙げてみましょう。

 まずは、血液がサラサラと流れる「血流が良くなる食物」です。全身に栄養素も酸素も潤沢に送り届けられます。次に「腸内腐敗の少ない食物」です。腸内腐敗は病気の原因であり、微小循環も悪化させます。「便通をよくする食物」も腸内環境を整えます。また「抗酸化力や抗炎症作用の強い食物」も大事です。健康の大敵、活性酸素を除去します。これも人間が健康に生きていくのに必要な要素です。さらに、しっかりと「エネルギーを作り出す食物」であることも重要です。

 こうした条件にピッタリなのが、生野菜、果物、海藻、芋、豆、穀類、そして発酵食品です。中でも、発酵食品の黒酢と梅干しはお勧めです。生の野菜と果物には、体の健康を維持する栄養素が満載されています。食物繊維も、ビタミンも、ミネラルも、ファイトケミカルも、酵素もあります。

 人間の体を構成する元素は酸素、炭素、水素、窒素などですが、驚くことにその65%が酸素なのです。人間は酸素がなければ生きていけないことがよくわかります。また、人間の細胞を構成する要素は70%が水です。この組成が大きく変わることはありませんが、脂肪を摂りすぎると脂肪の比率がどんどん上がり、細胞自体も大きくなります。これが、肥満=太るということですが、その時も水の割合は変わりません。最も水を必要とする細胞は脳細胞で、なんと85%(図表参照)です。この水分が減ると人間はおかしくなります。84%くらいでもうボケてきますし、また命に支障も出ます。酵素も水がなければ働けません。それくらい人間に水は必要なのです。生の野菜や果物からは、この酸素をタップリと含んだ水を十分に摂収できます。

 このように、日常の食生活の中で、これら生のものをたくさん摂ることが健康への近道です。焼いたお肉や野菜の煮物、野菜炒めだけではダメなのです。


■酵素と微小循環

 酵素(エンザイム:enzyme)を多く含んだ食品を摂ると、なぜ体に良いのでしょう。まず一つは、消化が良く栄養素がスムーズに吸収できることです。そのために、食べたものがすぐにエネルギー源となり、行動力、活動力がアップします。体内酵素(潜在酵素)を消化に回す分が少なくて済むので、その分を代謝酵素に使えます(代謝がスムーズになります)。第二に、腸内腐敗を減らし「腸管免疫」の向上につながることです。免疫機能増強の最大ポイントである「短鎖脂肪酸」の生成を行なう力となります。

 そして特に強調したいことは、酵素を多く含む食品を摂ると血液がサラサラになり、微小循環(毛細血管の血流)に好影響を与えることです。この微小循環が良いことは、人間の健康にとても大きな意味を持ちます。


重要な役割を持つ血液と毛細血管

 血液は心・血管系の中を循環する液体で、生命の維持にきわめて重要です。その主な役割は、酸素や栄養素の「運搬」、pH・ホルモン・体温などを一定に保つ「緩衝」、そして病原体や異物などから体を守る「防御」です。人間の心臓から送り出された血液は、総延長なんと10万km(地球2周半)におよぶ血管の中を流れていきます。その気の遠くなるような距離を巡りながら、体中の細胞に酸素を供給し、アミノ酸・ブドウ糖・脂肪酸・ビタミン・ミネラル・酵素など大事な栄養物を送り込んでいきます。戻る時には、二酸化炭素や体内の老廃物を持ち帰ります。この大事な役目を担っている血管の93%が毛細血管です。この毛細血管=微小循環という組織こそが、細胞の代謝を支えているのです。


微小循環不良は万病のもと!

 血漿内が高たんぱく状態になったり、酸化油脂などの悪い油や糖化たんぱくが増えたりすると、赤血球の間にそれらの物質が入り込み、糊の役目をして、赤血球同士をつなげてしまいます。これをルロー(連銭形成)と言います(図参照)。赤血球は2個つながっただけでも極細血管には入れません。微小循環が悪化し全身に酸素も栄養素も回らないと、組織は飢餓状態になります。この微小循環不良は、病気を引き起こす原因の最終段階です。特に目、腎臓、脳、子宮、卵巣など血液循環が重要な臓器は、より大きなダメージを受けます。ほとんどの病気が微小循環不良から起こるといっても過言ではありません。がんもその一つです。がんは、まず酸素のないところに生じるのです。

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霊芝と酵素食品で微小循環の改善を

 赤血球のルローを解く力は酵素にしかありません。これは代謝酵素の役割ですが、実は食物酵素も体内で吸収され、血中でルローを解きます。微小循環を改善する薬はまだありません。現状唯一の方法は「HM-3000(特系霊芝)」です。そして“酵素を摂る食事”、つまり加熱していない「生」の食物と「発酵物」です。


いつもありがとうございます。愛・感謝 村雨カレン

2021年12月17日金曜日

貧血

 男性の貧血は要注意!

“女性の20%が貧血患者”と言われるほど、貧血は女性に多く、そのほとんどは体内の鉄分不足が原因の鉄欠乏性貧血です。一方、男性でも貧血になる人は多くいますが、男性は鉄欠乏性貧血患者は少なく、より重い病気のサインとなっているので注意が必要です。

 貧血は血液の赤血球の中にあるヘモグロビンという血色素が減少したために起こります。ヘモグロビンは身体の組織に酸素を運ぶなど、重要な役割を担っているため、減少すると様々な組織が酸欠状態になります。結果、「顔色が悪い」「全身倦怠感」「立ちくらみ」「胸痛」「動悸」「息切れ」などの症状を起こします。

 女性に貧血が多いのは、月経や婦人科系の病気(子宮筋腫、子宮内膜症など)で出血が多くなることがあるからです。そのため、前述のように女性の貧血のほとんどは鉄欠乏性貧血ですが、ほかにも再生不良性貧血や溶血性貧血といった深刻なケースもあるので、貧血がよく起きるという方は、一度診断をしっかり受けましょう。

 男性が貧血になる場合は、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなどの可能性が高く、それらによって体内で出血が起こると貧血を引き起こします。事実、大腸がん専門医が、貧血症状のある患者から大腸がんを発見することはかなりあるようです。ほかにも、貧血症状によって重い病気をダブルで発見したりするそうです。「“早期の胃がん患者を見つけた”と消化器内科医から患者を紹介されたので検査を進めたときのこと、その患者は貧血の度合いが強かったので、患者に了解を得て大腸の検査を加えた。すると、上行結腸に進行がんを発見した。『他臓器重複がん』だった」(大腸がん専門医)

 このようなことにならないためにも、貧血の症状がひどくなったという自覚がある人で、特に40歳以上の人は便潜血検査を受けましょう。40歳以上でなくても、便の色が変だったり、便に血が付着したりすることがある人は、すぐに内科を受診すべきです。変な便の色というのは「黒色の便」または「赤褐色から鮮紅色の便」です。

 黒色の便は食道、胃、十二指腸など上部消化管からの出血が考えられます。いわゆる、コールタール状のタール便です。血液が胃酸や消化酵素によって黒くなり、それが便とまざってタール便となって排せつされているのです。

 赤褐色から鮮紅色の便は大腸の、特に肛門に近いところからの出血が便にまざっていると考えられます。このようなとき、軽い病気や痔だと思い込もうとする傾向があるようですが、それでは重大な病気を見逃してしまいかねません。血便がでていると貧血の恐れもあります。必ず精密検査を受けましょう。

 男性は女性以上に“たかが貧血”と考える傾向がありますが、それは命とりになるので要注意です。 しっかり検査を受けることが、重大な病気の発見に結びつくのです。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■赤血球に関わる貧血対策

 貧血は、鉄欠乏性貧血の他にも起ります。赤血球の数や質に異常が起こることでも貧血になります。赤血球の主要な構成物質であり、酸素運搬を担うヘモグロビンが、血液体積あたりで減少し、血液の酸素運搬能力が低下します。すると、多臓器・組織が低酸素状態に陥り、様々な諸症状や機能不全が現れます。


赤血球が減少する原因

 赤血球減少の原因は大別すると、「赤血球産生低下」または「赤血球の破壊・喪失」の進行が考えられます(両方が同時に起きることもあります)。

【赤血球産生の低下】 

● 造血細胞の減少:造血細胞の数が減少し赤血球産出能力が低下する。

● その他:造血因子の減少や低栄養(鉄欠乏性など造血細胞の意欲が低下)

【赤血球の喪失】 

● 出血:出血では赤血球と血漿(水分)を同時に失う。血漿量は短時間で回復するが赤血球の回復には時間がかかるので血液が薄くなる。

● 溶血:何らかの原因で赤血球が破壊される。(溶血性貧血など)


多能性造血幹細胞

 赤血球・白血球・血小板は、全て骨髄で造られます。これらの元になる細胞は骨髄中の多能性造血幹細胞です。まず初めに、多能性造血幹細胞が、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分化します。このうち骨髄系幹細胞が、赤血球・好中球・単球・好酸球・好塩基球の出発点となる各々の前駆細胞に分化し、増殖成熟過程を経てそれぞれの成熟した細胞の集団が形成されます。

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 康復医学学会の研究素材「黒米」を基に製品化された「黒米エキス加工食品」には、鉄分が豊富に含まれていますので、造血効果が期待できます。その他、黒米エキスは多くのミネラルも含み、糖質や脂質の代謝を助け、鉄分の利用効率を高めます。

 造血機能は加齢や様々な疾患、虚弱体質、投薬などによっても低下します。また、がんの末期などは、貧血を併発し酸欠状態をおこしてQOLを低下させてしまいます。康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、赤血球の柱になる造血前駆細胞に影響を与えるデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年12月8日水曜日

認知症と微小循環

 認知症の前段階、MCI

「MCI(軽度認知障害)」とは「認知機能の低下は見られるが、認知症ではない」という状態で、本人や家族から記憶障害の訴えがあるものの、日常生活は自立している人を指します。日本では400万人いると考えられています。

 MCIには、アルツハイマー病など様々な病気が背景にありますが、そのまま認知症になってしまう人も、あまり悪化しない人もいます。

 2000年代に「アミロイドPET(陽電子放射断層撮影)」という検査法が開発され、脳内に溜まる異常なたんぱく質「アミロイドβ」の蓄積を調べられるようになりました。するとMCIの中にアミロイドβが溜まっている人と溜まっていない人がいました。さらに、アミロイドβが溜まっている人は症状が悪化しやすく、溜まっていない人は悪化しにくいことがわかったのです。日本では、アミロイドβが蓄積しているのは、MCI全体の約4割と考えられています。

 アミロイドβが蓄積しているMCIの人は、将来認知症になる可能性が極めて高いと言えます。逆にアミロイドβが蓄積していない人は認知症になる確率は低いのですが、蓄積していなくても2割程度の人は認知症に進行します。これはレビー小体型などアルツハイマー型以外の認知症である可能性が考えられます。

 フィンランドでMCIの人を対象とした2年間の「FINGER」という有名な研究調査(2015年発表)では、運動や食事、認知トレーニングなどに取り組んだMCIの人に認知機能などの改善が見られ、アミロイドβが蓄積している人でも改善効果が認められています。

 最近は、認知症を生活習慣病と同じように考えるようになってきました。例えば、糖尿病は診断された段階では、何の症状もないことが多いと思います。症状がない時は、本人は何も困ることはありませんが、放っておくと心筋梗塞や脳卒中を起こしたり、目が見えなくなったりして、取り返しがつかなくなります。高血圧もそうです。認知症に関しても、症状がなくても脳内に溜まる異常なたんぱく質、アミロイドβの蓄積がまだ少ない時から介入し、MCIにすらならないとか、MCIになる時期を大幅に遅らせることができるようになれば、メリットは大きいでしょう。そのような理由から、MCIや症状のない人たちに関する研究が増えているのです。

 今MCIと診断されたとしても、現段階では国内に治療薬はありません。「あなたはアルツハイマー病があるから何年か後に認知症になります」と言われても、「薬もないのに困るだけだ」と思う人もいるでしょう。本人が「どこまで知りたいか」も重要になります。

(出典:毎日新聞「くらしナビ」)


■米国が承認した認知症新薬

 6月、アルツハイマー型認知症の治療薬として米国で新薬「アデュカヌマブ」(製品名ADUHELM)が、十分なエビデンスが示されないまま承認され、波紋が広がっています。

 アデュカヌマブは、米・バイオジェン社がスイスNeurimmune社から導入し、アルツハイマー病を対象にエーザイと共同開発してきた抗アミロイドβモノクローナル抗体です。アルツハイマー病の発症機構は完全には解明されていないものの、認知症を発症する約20年前から脳内にアミロイドβやタウたんぱく質が蓄積され、脳神経が変性・脱落して認知機能の低下などを来す神経疾患です。アデュカヌマブはアミロイドβを標的とした抗体医薬で、静注で投与して脳内に蓄積したアミロイドβを除去することを企図して創製されました。

 患者や家族にとって、新しい薬への期待は非常に大きく、今回のような新薬の登場は素晴らしいことです。ただし、米国で承認されたアデュカヌマブが日本国内で承認されたとしても、現在、認知症の人の多くは対象とならない可能性が高いと言わざるを得ません。アデュカヌマブの対象は、MCIや軽度認知症の人だからです。今後、新しい薬が出てきても、同じように対象にはならないかもしれません。

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微小循環血流の改善で老廃物を回収する

 認知症の症状軽減や治癒には、脳血管血流を含めた全身の微小循環血管の機能改善が前提となります。全身の組織や末端の部位にまで酸素と栄養素を運び、不要な老廃物や二酸化炭素を回収するという血管内外の物質交換が起こるところは微小循環以外になく、微小循環血管が生理学的には「交換血管」とも呼ばれる所以です。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、微小循環の改善と認知症の症状軽減・機能改善に関わるさまざまな実証例とデータがあります。


認知機能障害改善用組成物
に関する特許症
認知症における康復医学学会の研究

 脳は脂質成分が多いため酸化されやすく、円滑な血流が必要な組織です。そのため、脳の酸化を抑え、血流を良くすることが、認知症予防につながります。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」による脳血流の改善作用は、早くから認知症患者の症状改善の実証例を積み重ねてきました。2018年には、微小循環研究所の森昌夫所長(当学会理事長)が、長年研究してきた"認知症患者向けのサプリメント"に関わる特許を取得いたしました。この特許技術は、HM-3000を基に様々な成分を独自配合し、和漢生薬研究所によって製品化を実現しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年12月2日木曜日

一酸化窒素(NO)

 日光が体重増加を遅らせる!?

 紫外線(UV)が健康へ及ぼす悪影響が明らかになり、現在では出来るだけ日光を避けるようにする人も増えてきました。しかし、常に日陰で過ごしている人よりも、太陽の光を好んでいる人のほうが大まかに見て長寿であることは、統計的に知られていることです。

 このところ、"日陰もの"の様相が強い日光ですが、西オーストラリア大学らによる研究によって、日光が「肥満」や「糖尿病」の予防に役立つ可能性が明らかになりました。

 この報告は、マウスによる実験に基づいたものです。食べ過ぎの状態にしたマウスに、紫外線を当てると、体重の増加が緩やかになり、更に糖尿病に関連するインスリン抵抗性や、血糖値の上昇も抑えられていたのです。

 研究によると、日光に反応して体が生成し、健康に良いと称賛されるビタミンDに関しては、サプリを使った実験でも、体重管理や糖尿病のリスク軽減を証明することが出来ませんでした。それでは、この効果はどのようにして生まれるのでしょうか?

 紫外線の有益な効果は、日光に晒された後に皮膚から放出される“一酸化窒素(NO)”と呼ばれる化合物に関連していました。

 マウスに一酸化窒素を含むクリームを塗ると、紫外線に晒されるのと同じ効果で体重増加が抑制され、糖尿病リスクも低くなることが発見されたのです。

 これまでの研究では、紫外線の照射によって放出される一酸化窒素が血圧を下げることがわかっていました。

 今回の結果はさらに、皮膚から放出される一酸化窒素の量が、心臓や血管だけでなく、私たちの体における代謝の調節にも有益な効果をもたらす可能性があることを示しています。このことは、適度に日光を浴びることが、たくさんの運動と健康的な食事とともに、子供の肥満の発症を防ぐのに役立つかもしれないことを示唆しているのでとても重要です。

 日光を求める人は日陰で生活する人よりも長生きすることは、疫学研究からもわかっていますが、このような研究は、日光が私たちにとってどのように良いかを理解するのに役立ちます。皮膚がんなど健康へ及ぼすデメリットだけではなく、おそらく日光を浴びることのメリットとのバランスをとって考えることが必要です。 

 研究チームは、「毛皮に覆われたマウスで見られた現象を、ヒトに対してそのまま当てはめるわけにはいかないものの、今後研究を進めて、生活習慣病の予防に役立てられるかを検証する価値は十分ある」としています。

 紫外線の害を過度に恐れることなく、適度にお日様のもとに出るようにすることが、健康管理に役立つかもしれません

(出典:http://www.qlifepro.com/)


■血管の老化 ⇒ 肥満や糖尿病を悪化

 2014年、新潟大学と千葉大学の共同研究で、高カロリー食投与によって引き起こされた血管老化が、骨格筋(筋肉)におけるエネルギー消費を阻害することが発見されています。

 通常筋肉では、血流から糖(グルコース)を取り込んで、細胞内のミトコンドリアと呼ばれる小器官でエネルギーを作り出します。しかし、高カロリーの食事を投与された糖尿病患者では、血管細胞が老化することで、筋肉への糖輸送や、筋肉におけるミトコンドリアの合成能が障害されることがわかりました。この障害によって余剰となったカロリーが内臓脂肪として蓄積し、肥満や糖尿病がさらに悪化すると考えられます。

 これまで、糖尿病で合併する血管障害は、糖尿病の病態の結果と考えられていましたが、血管の細胞老化によって肥満や糖尿病がさらに進行する悪循環を引き起こしている可能性があるのです。

 細胞は過度のストレスを受けると、細胞老化と呼ばれる増殖停止状態が誘導されます。この現象は、遺伝子が障害を受けて細胞ががん化することを防ぐためと考えられていますが、身体全体の老化にも影響し、様々な加齢関連疾患の発症にも関与しています。

 現代社会の生活習慣により、社会問題となりつつある糖尿病やメタボリックシンドロームは、心臓病や脳卒中・腎不全など多くの合併症を引き起こす疾患です。そして、これらの合併症の多くに血管病変が関与しています。血管病変に基づく糖尿病の合併症として、糖尿病網膜症や糖尿病腎症などがよく知られています。また、この血管病変において、血管の細胞が老化していることが近年分かってきました。そうした血管の細胞老化が肥満・糖尿病といった慢性の代謝性疾患に対し影響を及ぼしていたのです。

 これまで、一般に糖尿病でしばしば合併する血管障害は、糖尿病の病態の結果と考えられていました。しかし、血管の細胞老化が筋肉というほかの組織でのエネルギー代謝に作用して糖尿病を悪化させるのです。細胞老化の鍵因子p53はがん抑制遺伝子でもあるため、p53そのものを治療標的とすることは難しいですが、「血管老化から肥満や糖尿病の進行へ」という悪循環を断ち切るための新たな治療法開発に役立つ可能性があります。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血流の改善に大きく関わる一酸化窒素(NO)を産生・増加させる作用が確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年11月25日木曜日

アテローム性動脈硬化症

 ストレスと高血圧リスクとの関連

 ストレスが多い人は、血圧や心臓の健康に注意した方がいいようです。血圧が正常でもストレスホルモンのレベルが高い人では低い人に比べて、6~7年以内に高血圧になりやすいとする研究結果が報告されました(京都大学大学院医学研究科による研究)。

 近年、「心と心臓と体のつながり」(mind-heart-body connection)に関する研究報告が増えています。これは、心のあり方は心血管リスクにポジティブにもネガティブにも影響を与えるという考え方のこと。これまでの研究では、高血圧患者のストレスホルモンレベルと高血圧や心血管障害との関係に焦点が当てられてきましたが、高血圧でない成人を対象にした研究は十分に行われていませんでした。

 研究者らは今回、米国のアテローム性動脈硬化症に関する大規模研究(MESA)に参加した、高血圧でない412人(48~87歳)を対象に、ストレスホルモンレベルと、高血圧や心血管障害の発生との関連について調べました(平均年齢61.2歳、男女比1:1)。

 対象者は夜間の12時間の蓄尿により、ストレスホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン、コルチゾール)レベルを測定。ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンはカテコールアミンと総称され、心拍数や血圧、呼吸を調節する自律神経系に関連しています。一方、コルチゾールは心身がストレスを感じると分泌が促されます。研究者は、「これらのホルモンは全て副腎で産生されるが、それぞれ異なる役割とメカニズムで心血管系に影響を与えるため、高血圧や心血管障害との関係を個別に調べることが重要」と強調します。

 対象者を6年半の間追跡した結果、4種類のストレスホルモンレベルが2倍になるごとに、高血圧を発症するリスクが21~31%増加することがわかったのです。この傾向は、60歳未満の人で60歳以上の人に比べて強く、ドーパミンとコルチゾールでより顕著でした。

 また、11.2年間追跡したところ、コルチゾールレベルが2倍になるごとに心血管障害の発生リスクが90%増加することが判明しました。しかし、カテコールアミンと心血管障害の発生リスクとの間には、関連が認められていません。

 この結果を受けて研究者は、「ライフイベント・仕事・人間関係・経済状態等からのストレスが増えるとストレスホルモンの分泌が促進される。今回の研究で、ストレスが高血圧や心血管障害のリスクを上昇させる重要な因子であることが確認された」と語っています。ただし、この研究の限界についても認識しており、例えば、高血圧のある人が対象者に含まれていなかった点や、ストレスホルモンの測定手段として尿検査しか使われていない点です。

 研究者は、「ストレスが一般成人に与える影響を調べる必要がある。そうすれば、高血圧や心血管障害の予防策として、ストレスホルモンの定期的な測定が有効かどうかの情報が得られるだろう」との見通しを示しています。     

(出典:https://www.carenet.com/news/)


■アテローム性動脈硬化

 コロナ禍の影響で、仕事や家庭でのストレスが溜まりがちになっていませんか? 過剰なストレスは、交感神経が過度に刺激され、血圧を驚くほど上げることがあります。それをきっかけに脳卒中や心臓病などの発作が起こることもあります。また、ストレスが慢性的に長く続くことは、交感神経の高ぶった状態が続くということです。循環器系の基礎疾患がある方は特に注意が必要です。


ストレスリスクが大きいアテローム性動脈硬化

 ストレスが血管に及ぼす障害のリスクを高めてしまうのがアテローム性動脈硬化です。

 動脈は、3層(内膜、中膜、外膜)でできています。内膜の内皮細胞は血液の凝固予防、血管の拡張など、動脈硬化を防ぐ様々な働きを持っていますが、高血圧や糖尿病などで血管に負担がかかると、血管の内皮細胞が傷つき動脈硬化を防ぐ働きが失われます。すると血液中の悪玉コレステロール(LDL)が内膜に入り込み、酸化して酸化LDLに変化します。それを処理するために白血球(単球)も内膜へと入り込み、マクロファージに変わります(上図)。マクロファージは酸化LDLを取り込んで、やがて死んでいきます。この結果、内膜に、LDLに含まれていたコレステロールや脂肪が、お粥のような柔らかい沈着物となって溜まっていき、内膜はどんどん厚くなります。こうしてできた血管のコブをプラーク(粥腫)と言い、プラークができた状態をアテローム(粥状)動脈硬化と言います。そして、ストレスによりこのプラークの発生が進行してしまうのです。冠動脈内のプラークが破綻すると、その部位に血栓が形成され、不安定狭心症や心筋梗塞の発症を引き起こすことになるのです。

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 ストレスにより血流が低下している微小循環に対して、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血流改善・血栓形成抑制・血管内皮細胞の改善を促すため、アテローム動脈硬化対策に期待が持てます。また、ストレスへの対応として脳内セロトニンが働きますが、当学会の研究素材「ラフマ」には、セロトニン神経を活性しセロトニン分泌を促進するというデータがあり、ストレスが影響する高血圧への対策には最適です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年11月11日木曜日

世界糖尿病デー

 藤原道長と糖尿病

 11月14日は「世界糖尿病デー」です。世界各国でイベントが催されるようですが、平安時代中期に摂政・太政大臣を務めた藤原道長が糖尿病だったことはご存知でしょうか。

 平安時代の華やかな貴族文化を象徴する権力者として有名な藤原道長ですが、万寿4年12月4日(西暦1028年)に62歳でこの世を去りました。当時の平安貴族の一般的な寿命から考えれば決して短命ではありませんが、記録が残るうちで日本最古の糖尿病患者といわれており、糖尿病が原因で亡くなったという説が濃厚です。

 現代では主に血液検査で糖尿病を診断します。しかし、平安時代に検査はありませんし、糖尿病という概念自体が確立していませんでした。では、なぜ道長が糖尿病だったと考えられているのでしょうか。実は道長が訴えていた不調が、まさに糖尿病の症状そのものだったのです。その症状が藤原実資(さねすけ)の遺した日記『小右記(しょうゆうき)』や、道長自身の日記『御堂関白記(みどうかんぱくき)』に記されています。

藤原道長
【道長にみられた症状】

 ●喉が乾いて大量に水を飲む 

 ●痩せてきて体力がなくなった

 ●目が見えなくなった 

 ●背中に腫れ物ができた

 なぜこれらの症状が糖尿病によるものだと考えられるのかは、次項で解説します。


道長が糖尿病になった理由は?

 糖尿病は生活習慣から起こりやすくなることが分かっている病気です。具体的には「過食」「運動不足」「過度の飲酒」などがこれにあたります。

 これを踏まえると、道長が糖尿病になってしまった背景についても記録から読み解くことができます。『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』や『延喜式(えんぎしき)』など平安時代の記録によると、平安貴族は山盛りの白米を食べ、糖度の高い日本酒を飲み、中国風の揚げ菓子や芋がゆ、そして果実などをデザートとして食べていたようです。仏教や陰陽道の影響で獣肉食が避けられる傾向にもあったようで、かなり糖質に偏った食生活になっていたと推測されます。

 また、歴史書『大鏡(おおかがみ)』によれば、道長の弓の腕は良かったようですが、平安貴族の数少ない運動機会である蹴鞠(けまり)については、道長に関する記録があまりありません。このことから、運動不足だった可能性が考えられます。

 糖尿病のほとんどを占めるタイプの2型糖尿病は、遺伝的要因がかなり大きいといわれています。道長の伯父:伊尹(これただ)、兄:道隆(みちたか)、甥:伊周(これちか)なども「飲水病」であったと記録があり、道長は糖尿病家系であったようです。道長が糖尿病にかかってしまったのは遺伝の要素も大きかったと考えられます。

(出典:https://medley.life/)


■糖尿病で表れる主な症状

 前項で紹介した、藤原道長に表れた症状を見てみましょう。

〇 喉が乾いて大量に水を飲む

 糖尿病はインスリンの効きの悪化、あるいはインスリンの量の不足が原因で起きる病気です。インスリンの効きが悪くなるとブドウ糖を細胞内にうまく取り込めないため、血中のブドウ糖濃度(血糖値)は高くなり、尿にもブドウ糖が漏れ出します。尿中の糖は浸透圧の原理で体の水分を奪い、多くの尿が出るので、喉が乾いて多くの水を飲むようになります。道長に関する記述にも「日夜を問わず水を飲み、口は乾いて力無し」とあります。平安時代には「飲水病」として恐れられたそうです。

〇 痩せてきて体力が落ちた

「太っている人がかかる病気」というイメージがあり、確かに糖尿病の原因の一つは肥満です。肥満はインスリンの効きが悪化します。しかし、糖尿病になるとブドウ糖をうまく取り込めなくなるので、次第に痩せてくることがよくあります。

〇 目が見えなくなった

 高血糖値の状態は全身の血管にダメージを与え、以下の「三大合併症」を引き起こします。

①神経障害(足先の感覚の鈍り、立ちくらみ、下痢や便秘、勃起障害など) ②網膜症(視力低下、失明など) ③腎症(むくみ、だるさ、皮膚のかゆみなど)

 これらの三大合併症は糖尿病になって数年以上かけて現れてきます(神経障害→網膜症→腎症の順に出ることが多い)。糖尿病網膜症は現在でも失明の原因としてとても多い病気であり、道長も網膜症により視力が低下した可能性が高いと考えられます。また、糖尿病では眼の水晶体が濁ってくる白内障も起こりやすくなります。

〇 背中に腫れ物ができた

 道長は亡くなる数日前から背中の大きな腫れ物で苦しみました。糖尿病では免疫細胞の機能異常が起きるため、感染症にかかりやすくなり、皮膚でもしばしば障害を起こします。また、合併症の神経障害で痛みを感じにくくなって皮膚のトラブルに気づかず、悪化するまで放置してしまいがちです。道長の背中の腫れ物も何らかの菌が全身に回ってしまったのかもしれません。糖尿病は「がん」にもなりやすいので、皮膚がんだったかもしれませんし、他の臓器から皮膚に転移したがんだった可能性も考えられます。

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「HM-3000(特系霊芝)」の産生物の一つ「2,3-DPG」は、酸素を効率よく細胞に供給する役割のほかに、糖化ヘモグロビン(HbA1c)生成の阻害作用も確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年11月2日火曜日

健脚習慣

 座りっぱなしは“とてつもなく危険”

 新型コロナウイルスの影響で、テレワークを経験した方は多いでしょう。通勤時間がなくなったのでラクになったかと思いきや、実は体調不良を訴える人が増えています。実はこれはとても危機的な状況なのだと専門家は言います。

 新型コロナウイルスの蔓延はここにきて収束の様子を見せていますが、医師の多くが指摘しているのが、運動量の減少により体調不良を訴える人の増加です。特に目立つのが「体重増加」「筋肉量の低下」。普段からトレーニング習慣のある人でも、自宅にこもってしまうと、2kgも筋肉が減ってしまいます。この状態が続くと股関節や膝が痛みだし、血糖値が上昇します。その結果、多くの人が高血圧症になりかねません。筋肉を動かすことで体は糖を消費しているので、運動をしないと糖尿病のリスクも抱えてしまうのです。

 実はテレワークは、重大な危険性をはらんでいたのです。

 必要なのは、何より全身のトレーニング。筋トレや有酸素運動、ストレッチをバランス良く行うことが必要です。まずは脚の筋肉量を確保するために、習慣的にスクワットすることをおすすめします。ウォーキングは、運動の導入時期としては良いですが、できればもう少し強度の高いランニングが効果的です。ウォーキングをする場合は、筋トレも組み合わせて行いましょう。

 スポーツ庁では、こういったテレワーク下の体調不良を「健康二次被害」と名付け、解消に乗り出しています。

 実は、1日に11時間以上座っている人は、4時間未満の人に比べて、死亡リスクが40%も高まるとの調査もあるのです。自宅でも頻繁に立ち上がって歩くといった“運動習慣”が重要なポイントです。

 この問題に取り組み始めた企業も多いようです。ある会社は昨年3月から完全テレワークに移行しており、出勤の必要がなくなったため、不調を訴える社員が増えています。

「現在、全ての社員が自宅で作業をしているのだが、8時間近く椅子に座り続けるため、不調になる社員が目立つようになった。疲れやすくなった、眠りが浅い、寝ても疲れがとれない。こんな悩みをよく耳にする。このままにしておくと、仕事にも影響を及ぼすようになり、パフォーマンスが下がる可能性がある。弊社はシステム開発が基盤となっているので、社員の不調は経営全般にも大きく響いてしまう」(同社マーケティング担当者)

 そこで同社が取り入れたのが、トレーニングジムが提供しているサービス。様々なプログラムを実践して社員の健康の改善に取り組んでいるそうです。従来はスポーツ選手に対して行っていたサービスですが、一般企業が採用するケースは、まだ珍しいとのことです。

(出典:https://diamond.jp/)


■健脚習慣のすすめ

 かつてないほど寿命が長くなった今、いつまでも健やかでいたいもの。そこでおすすめなのが歩くこと。いつでもどこでも手軽にできる有酸素運動です。

 コロナ禍で自粛生活が長期化して活動量が減り、健康への影響が危惧されています。実際、足腰が弱くなり、わずかな段差に足を取られたりして転倒する人が急増しています。


正しく歩くことでうれしい効果がたくさん!

■気分スッキリ:身体を動かすこと自体が爽快感をもたらします。景色を眺め季節を感じながら歩けばさらに楽しい気分に。 

■心肺機能の向上:下半身の静脈血を心臓に送るふくらはぎの筋肉を動かすことで血液循環が良くなり、心肺機能がアップします。 

■血圧・血糖値の低下:血液循環が改善され、血管の弾力性が増して血圧が安定。インスリンの働きが活発になり血糖値も低下します。 

■肩こりや腰痛の軽減:背筋を伸ばして歩くと腰回りの筋肉が鍛えられます。また、腕振りは肩や胸のストレッチになり、肩こりを改善します。 

■骨密度の低下を予防:かかとの骨に適度な負荷がかかるので骨が丈夫に。日光を浴びて歩くと、骨の健康を保つビタミンDも作られます。 

■脳の活性化:歩くことで筋肉や腱、関節などにある感覚器を刺激し、脳を活性化。血流が促進され、脳に新鮮な酸素が供給されます。 

■睡眠の質が向上:歩行などの適度な運動をした後は、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります。

■便通の改善:歩く動作は腸を刺激するので便秘予防の効果が期待できます。またリズミカルな動作が、腸の動きを支配する自律神経を整えます。 

■体が引き締まる:糖質や資質を燃焼する有酸素運動なので、体型が整い、体幹が強化します。継続することで体全体が引き締まります。 

■姿勢が良くなる:歩くということは、立った姿勢をそのまま前へ運んでいくこと。正しい歩き方をすれば自然と姿勢が正されます。


「霊芝」との併用で効果倍増!

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血液中の酸素供給力を高める糖化ヘモグロビン(HbA1c)の生成を阻害する血管の修復・弾力性の維持抗酸化作用により生活習慣病を予防‥‥などが期待できます。歩くこととの併用で、より健康的な生活を!


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年10月27日水曜日

体たんぱく質

 筋トレ後のお酒は、効果を下げる?

 お酒が好きな人の多くは、運動後のビールやハイボールが楽しみのようです。しかし、筋トレ後に飲酒すると、せっかくの筋トレの効果に悪影響があるという研究があります。

 立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授は、「筋トレ後にアルコールを飲むと、筋肉の合成に悪影響を及ぼすという研究結果がある。ちなみに筋トレ前に飲んでも、血中のアルコール濃度は急激には下がらないので、結果はあまり変わらない」と解説します。

 なぜ、筋トレ後のアルコールは筋肉の合成に悪影響を及ぼすのでしょうか。

「筋トレを行うと、筋肉を合成する生理作用が高まる。その際、筋肉の合成を高めるスイッチとなるmTOR(エムトール)という酵素が細胞内で働き、たんぱく質の合成が活性化される。mTORを作用させるには、筋トレ以外に、たんぱく質を摂取して血中のアミノ酸の濃度を高めることが有効です。ところが、筋トレ後にアルコールを飲んでしまうと、このmTORの作用が抑制され、筋肉の合成率が3割程度も減るという研究結果が出ている」(藤田教授)

 豪・RMIT大学で行われた研究では、トレーニング後に、①プロテインのみ摂取、②アルコール+プロテインを摂取、③アルコール+糖質を摂取という3パターンを比較しました。その結果、②のアルコール+プロテインでは、プロテインのみ摂取した場合より、筋肉の合成が24%減少し、③のアルコール+糖質では37%減少することが分かりました。

「筋トレ後のアルコールの影響は、女性に比べ男性のほうが大きい。飲酒すると、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が抑制される。テストステロンは筋肉の合成と深い関わりがあるため、それゆえに男性のほうが筋肉の合成の落ち込みが大きいのではないかと考えられる」(藤田教授)

「上記の研究では、体重1kg当たり1.5gのアルコール摂取と、かなり多めの量を飲んでいる。体重が80kgの被験者が120gのアルコールを摂取しているということなので、ウォッカ60mLで4杯。現在、どれくらいの量なら問題ないか、というデータはない。ただ、筋トレから十分に時間を空ければ、ビール(350mL)1~2缶くらいであれば影響が少ないかと思う。夜にお酒を飲むのであれば、筋トレは朝に行うなど間隔を空けるように」(藤田教授)

 お酒の種類はあまり関係なく、トータルのアルコールの量が問題になるようです。そして、血中のアルコール濃度が急に上がらないようにするのがポイント。ワインのように食事とともにゆっくり飲めるお酒か、低アルコールのお酒を選ぶようにするのがいいそうです。          

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp)


■カラダを構成するたんぱく質

 ヒトのカラダは、水分と脂質を除くとほとんどがたんぱく質でできています。筋肉や骨、臓器、皮膚、爪などの主成分もたんぱく質です。筋肉は水分を除くと約80%がたんぱく質です。筋肉を必要とするスポーツ選手にとっては、特に欠かせない栄養素です。

 摂取したたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。その利用のされ方は、筋肉や内臓を構成する体たんぱく質となるもの、ホルモンや抗体となるもの、脂肪として蓄積されるもの、エネルギーとして使われるものなど様々です。

 プロテイン(Protein)はたんぱく質を英語にしたものです。一般的には、たんぱく質を主成分とするプロテインサプリメントのことを指す場合が多く、様々な製品があります。ホエイプロテインはBCAA*が豊富で消化吸収が早く利用効率が優れています。

*必須アミノ酸の「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」を総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)といいます。BCAAは、筋肉でエネルギーとなる必須アミノ酸です。


たんぱく質の必要量

 体たんぱく質合成に利用されるたんぱく質の上限は1日あたり約2g/体重1kg程度と言われています。また、摂取すればするほど合成が高まるわけではなく、エネルギーとして消費される量の増加や、体脂肪の増加にもつながります。また、肝臓・腎臓の負担が大きくなる可能性もあります。そのため、量を調整しながら摂取することが重要になるのです。

 3食の食事をしっかりバランス良く摂取することができれば、たんぱく質の必要量を摂取することは十分可能です。大切なのは、「量」ではなく「タイミング」なのです。


たんぱく質は糖質との同時摂取がオススメ

 たんぱく質は糖質と同時に摂取すると血糖値が上昇するためにインスリンが分泌され、アミノ酸合成が促進されます。さらに、糖質がエネルギーとして優先的に利用され、アミノ酸の利用を抑制することができます。運動後には、糖質とたんぱく質を同時に摂取できるゼリー飲料などを上手に活用しましょう。


たんぱく質の摂取タイミング

 たんぱく質は摂取タイミングが重要です。 理想的なタイミングは"運動直後"です。

 運動直後は体たんぱく質の分解が高まりますが、それ以上に合成が活発となり筋肉へのアミノ酸の取り込みが多くなります。運動直後の摂取は、運動2時間後に比べ、体たんぱく質合成が大幅に増大します。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年10月20日水曜日

“産後うつ”とセロトニン

 “産後うつ”は出産1年後でも出現

 東北大学は9月、東北メディカル・メガバンク計画において、3世代コホート調査に参加した妊婦を対象として、産後1年までの産後うつの経過とそれに関わる心理社会的リスク因子の分析を行った結果、産後1か月と同様に産後1年でも同程度となる1割強の母親に産後うつが出現すること、産後1年にうつ症状を呈した母親のうち、約半数は産後1か月時点ではうつ症状を呈していない遅発型であることが判明したことを発表しました。詳細は、情動障害を学際的に広く扱う学術誌『Journal of Affective Disorders』に掲載されました。

 出産後3日以内に悲しさや惨めさなどの感情が出現し、2週間以内に治まるとされるマタニティブルー。しかし、そこから顕著な抑うつ症状が数週間から数か月間続き、日常生活に支障が出ることで、うつ病の診断基準を満たす状態になる場合、「産後うつ(病)」と呼ばれ、出産後、約10~20%の女性に発症すると試算されています。

 これまでの多くの研究が行われ、産後数か月時点での有病率や心理社会的因子などが扱われてきましたが、産後1年が経った時点で、産後数か月時点に比べて有病率が高いかどうかについては、結果が一致していない状況だったといいます。

 そこで研究チームは今回、三世代コホート調査に参加した2万2493名の妊婦のうち、必要項目に対して有効回答が得られた1万1668名を対象とし、産後1年までのうつ症状の有病率およびうつ症状の経過の調査を実施しました。

 その結果、産後1年時点で、12.9%の母親にうつ症状があり、それは産後1か月(13.9%)とほぼ同等であることが判明したそうです。さらに、産後1年にうつ症状を呈していた母親のうち、約半数は産後1か月時点ではうつ症状を呈していない「遅発型」だったことも明らかになりました。

 また、産後1か月と1年のうつ症状の経過から4群に分けたところ、持続群(persistent)が6.0%、回復群(recovery)が7.9%、遅発群(late-onset)が6.8%、正常群(resilient)が79.2%であることが判明したほか、妊娠中の心理的不調が、うつ症状のあるすべての群で有意に関連していることも確認されたそうです。

 なお、研究チームでは、今回の研究成果を踏まえ、産後1年経過してもうつ症状が出現するリスクに注意し、産後直後だけでなく、より長期的な視点に立ってスクリーニングやケアの体制を構築する必要があることを示唆していると説明しています。

(出典:https://news.mynavi.jp/)


■出産に伴ううつ病

 新型コロナウイルスの影響で人と触れ合うことや外出する機会が減り、出産後に孤独感が高まった母親のメンタルヘルスへの影響が懸念されています。

 出産は女性にとって命がけで人生の一大イベント。産後はホルモンバランスの波があり、理由もなく急に涙が出たり、イライラしたりすることも多いもの。また、頻回の授乳などが慢性的な睡眠不足による疲労の蓄積を招き、正常な判断ができず、産後うつになりやすくなるといいます。

 産後うつとはうつ病の一種です。「産褥うつ*」「産後抑うつ症」とも呼ばれます。この症状は10~20%の女性を襲います。産後1ヶ月以内~1年に発症、長期化(25~50%は半年以上続く)、気分が落込む、不眠、不安、イライラ、忘れっぽい、集中できない、罪悪感、日常生活に支障などが起きます。

*産褥(さんじょく):出産を終えたあと、妊娠前の状態に戻るまでの時期を「産褥」といい、一般的に6~8週間といわれています。


産後うつ病の定義

●睡眠障害(不眠または過眠) ●精神運動の興奮または静止 ●自分に価値がないと感じる、または罪悪感 ●疲労感 ●食欲の変化 ●集中力の欠如 ●自殺念慮

▲無関心、または喜びを感じない ▲気分が落込む 

 上記、●の症状のうち5つ以上が2週間以上続き、かつ、▲のうち1つがある場合を「産後うつ症」といいます。


産後うつ病の要因と考えられる状態

○妊娠期の不安が強い ○妊娠中のうつ ○ストレスが強い ○育児困難 ○社会的サポートが少ない ○うつ病の既往 ○赤ちゃんが扱いにくい性格 ○シングルマザー ○望まない妊娠○自尊心が低い ○社会的に不利な状況(貧困など) ○夫との関係がうまくいっていない etc.


女性ホルモンとセロトニン

 女性はセロトニン量が1か月周期で増減します。排卵前後にセロトニン量が一番多く、女性が精神的に最も充実しているのはこの時期です。更年期、生理前や産後はエストロゲン(女性らしい健康的な体をつくるホルモン)が急激に減少し、それに伴ってセロトニンの受容体が少なくなってうつ状態になると言われています。つまり、女性ホルモンの減少が、セロトニン受容体の発現を抑制しているのです。

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 康復医学の研究素材「ラフマ葉」は、脳内セロトニンを増やし、セロトニン神経通過性の安定させる効用が確認されています。精神疲労の改善、うつ症状の緩和が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年10月13日水曜日

オステオカルシン

 骨が分泌する“若返り物質”

 運動により骨に力をかけると、骨を作る細胞が新しくできるだけでなく、「オステオカルシン」というたんぱく質の分泌も促されることがわかっています(2018年岡山大学)。オステオカルシンは、運動による筋肉増強、認知機能の改善、精力のアップなどに関係します。

 骨には、運動などの負荷をかけると強くなり、逆に負荷をかけないと弱くなるという性質があります。骨を丈夫にするために効果的な運動は、衝撃や負荷の大きい運動です。逆に、寝たきりの人や、無重力で過ごす宇宙飛行士などでは、骨密度が急激に減少します。運動の転倒予防の効果は骨折予防のために重要ですが、運動の効果はそれだけではありません。

 骨は単なる体の支柱ではなく、重要な臓器のひとつです。骨の主な成分はコラーゲン線維とそこに沈着しているリン酸カルシウムですが、そのほかにも「オステオカルシン」や「オステオポンチン」などの微量成分が含まれていて、骨の硬さを調節したり、骨の細胞が接合しやすい足場を作ったりしています。最近の研究では、これらの微量成分は、骨から溶け出して全身の臓器に働きかけるメッセージ物質として機能していることが分かってきました。特に骨芽細胞から分泌される「オステオカルシン」は重要な物質で、脳、精巣、筋肉、膵臓などに働きかけ、記憶力、筋力、精力などをアップする「若返り物質」として働くことが知られています。

 また「オステオカルシン」は、インスリン分泌および感受性も促し、全身の糖代謝をコントロールしています。一方、インスリンは、骨芽細胞内のインスリン受容体を介して破骨細胞の骨吸収を活発させます。

 骨に力をかけると、新しく骨を作る細胞が増えてくるだけでなく、それらの細胞が「オステオカルシン」を作るタイミングが早まることが発見されています。運動により若さを保つ方法を発見できる可能性があるのです。

 骨は運動や重力などで力が加わると太く丈夫になり、逆に運動不足や微小重力下では細く弱くなります。骨の継ぎ目(縫合部)を広げるように伸展力を加えると、広がった縫合部を埋めようと、骨を作る細胞が新しくリクルートされてきて急速に骨を作ります。

 ネズミを使った実験で、骨縫合部に伸展力をかけると、引っ張られた方向に新しい骨が急速に作られ、このとき骨を作る骨芽細胞が増えるだけではなく、通常より早いタイミングで「オステオカルシン」を分泌する骨芽細胞が現れることが確認されています。

 運動で骨に力を加えることで、骨の全身に及ぼす働きに違いが出てくることが示されています。今後の研究で、骨と運動という観点から、寝たきりで骨が失われるのを防ぐなど、超高齢化社会を健康で若々しく生き抜くためのヒントがみつかる可能性があるのです。

(出典:http://www.seikatsusyukanbyo.com/)


■骨活でオステオカルシンを増やす

 オステオカルシンは、ホルモンの一種。血液を通して全身に運ばれ、多くの臓器に活性化メッセージを送っています。


オステオカルシンの働き

 オステオカルシンは、その血糖値を下げる働きによって、「糖尿病・メタボの予防」「動脈硬化の予防」「認知症の予防」など、多くの事例が報告されています。さらに、コラーゲン生成もサポートするため、ハリのある美肌づくりにも役立ちます。

 骨は、新たな骨を生成する“骨芽細胞”と、古い骨を壊す“破骨細胞”がバランスよく働くことで新陳代謝を繰り返しており、この新陳代謝が活発なほど、丈夫な骨が形成され、オステオカルシンもよく分泌されます。オステオカルシンの正体は、骨芽細胞から分泌されるたんぱく質の一種です。


オステオカルシンの減少により高まるリスク

●免疫力が低下する:オステオカルシンには、免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えるという研究結果がある

●寝たきり生活のリスク:オステオカルシンは筋肉を増やす働きもあるため、減ると筋肉が衰えて運動能力が低下し、寝たきり生活のリスクも高まる

●太りやすくなる:オステオカルシンが不足すると血糖値が上昇しやすく、太りやすい体質に。急上昇した血糖値がガクンと下がり、甘い物を欲するようになる

●認知症のリスクが増す:脳にも働きかけるオステオカルシン。ニューロン(神経細胞)を活性化させ、記憶力や認知機能を高める

●しわやたるみが増える:骨がやせて縮小すると、皮膚が余ってしわやたるみの原因に。良質のコラーゲンを生成するオステオカルシンが不足すると、ハリのない肌に。


骨活は下半身の運動と食事から

 オステオカルシンは、下肢の骨からたくさん分泌されるので、下半身に刺激を与える軽い運動がお勧めです。効果的なのは「かかと落とし」と「ミニジャンプ」。

■ かかと落とし :背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、両足のかかとを高く上げてつま先立ちに。全体重をかかとに伝えるようなイメージで、ストンとかかとを落とす(右図)。1日30回を目標に。

■ ミニジャンプ :高さ10cmくらいの台の上から両足でストンと飛び降りる。体重の何倍もの負荷がかかるので、かかと落としより刺激は強い。台がなければその場でジャンプも可。

※ 食事も大事 :骨ごと食べられてカルシウムが豊富なさば缶や、骨の生成に役立つビタミンD、ビタミンKを豊富に含む納豆やきのこ、豆苗などの食材を積極的に摂りましょう。

 美と健康のためのスーパーホルモン・オステオカルシンを増やすために、食事、運動で毎日の生活を心がけましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年10月6日水曜日

睡眠不足と肥満

 睡眠不足は肥満のもと

 最近の研究報告では、睡眠不足が肥満を助長し、生活習慣病を引き起こすことがわかってきました。睡眠をきちんととることは、生活習慣病を予防・改善するもっとも簡単で効果的な方法といえます。日ごろの睡眠を見直して、健康的な生活をめざしましょう!


(1)睡眠と肥満の関係

 私たちの体には生命活動を支えるシステムが備わっており、相互に作用し合って健康状態を保っています。睡眠不足が続くと、自律神経系、内分泌系の調節機能が乱れ、消費エネルギーの低下や食事摂取量の増加を招き、肥満の原因になります。また睡眠不足は、昼間の眠気⇒集中力低下⇒日中の活動意欲の低下を招きます。その結果運動不足となり、肥満が助長されていくのです。

 ★自律神経系の働きと乱れ★ 

 自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という二つの神経があり、相反する働きをしています。交感神経は活動モード、副交感神経は休息モードといえます。日中は主に交感神経が優位となり活動的に、夜間は体を休ませるために副交感神経が優位となって毎日の体のリズムを作っています。睡眠不足になると、その切替がうまくいかなくなります。日中でも交感神経が十分働かなくなり、日中の代謝が悪くなり、消費エネルギーが低下します。その結果、太りやすくなります。

 ★内分泌系の働きと乱れ★ 

 ホルモン系では食欲の変化が大きく影響します。食欲を調整している代表的なホルモンにレプチンとグレリンがあり、この二つのホルモンは脳の視床下部に働いて食欲をコントロールしています。レプチンは食欲を抑制するホルモン、グレリンは食欲を亢進するホルモンといえます。睡眠不足になるとグレリンの分泌が増加、レプチン分泌が低下して、空腹感が強くなり食べ過ぎてしまいます。


(2)睡眠と糖尿病との関係

 睡眠不足が血糖を下げるホルモンであるインシュリンの働きを悪くするために糖尿病を起こしやすくするともいわれています。最近の調査では糖尿病の人の40%に不眠があり、不眠症状がある人は将来糖尿病や高血圧になる確率が、症状のない人より2~3倍高いという報告があります。


本来私たちの体に備わっている調節機能をきちんと働かせるためにも、食事や運動に心がけると同時に、日ごろの睡眠も見直して、生活習慣病を予防していきましょう!

(出典:https://www.sonykenpo.or.jp/)


■睡眠不足による肥満とその対策

 統計上、6~7時間の睡眠が、内臓脂肪が最もたまりにくいとされ、寝不足はもちろん、寝過ぎもよくありません。長い時間睡眠をとることは、日中の活動量の減少を招き、ひいては基礎代謝の低下をもたらします。

睡眠は、時間を確保するだけでなく、ぐっすり眠ることにも気を配ることが大切です。同じ睡眠時間でも質が悪いと、レプチンや成長ホルモンが十分に分泌されないからです。


就寝前に注意したいこと

●食事

 寝る前に食事をすると、胃腸の動きが活発になり、眠りが浅くなりがちです。眠っている間は食べた物が脂肪になりやすいため、寝る前の食事は体重を管理するうえでマイナス要素が大きいのです。

●運動

 お腹のでっぱりを気にする人がよくやるのが、"就寝前の腹筋運動"。これも、交感神経が刺激されて体が覚醒してしまうので、睡眠にはよくありません。ただし、交感神経をあまり刺激しない軽い運動なら問題ありません。

●飲酒

 眠れないからといって、アルコールに頼る人もいます。寝酒をあおると確かに寝付きはよくなります。しかし、眠りが浅くなり、睡眠の質の向上にはつながらないため、好ましくありません。

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 睡眠・覚醒のサイクルに関係する神経伝達物質「メラトニン」が減少するのは、メラトニンの原料である「セロトニン」が慢性的に不足しているからです。

 康復医学学会の主要研究素材「ラフマ」(羅布麻)は、中国北部・西部原産の多年生宿根本草植物(紅麻)で、その葉のエキスには脳内セロトニンの分泌を促進する働き、およびセロトニン神経通過性を安定させる薬理作用が確認されています。ラフマ葉エキスは、精神疲労を軽減させ、睡眠・覚醒のサイクルを整えて「質の良い睡眠」が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年9月30日木曜日

歩行と健康

 歩く時間10分増で死亡リスク28%減

 米国心臓協会は、成人向け運動ガイドラインで、週にウォーキングなどの中強度の運動を150分以上、あるいはランニングや水泳などの高強度の運動を75分間行うことを推奨しています。しかし近年、日常的に使えるスマートフォンの健康アプリやウェアラブルデバイスが登場したことで、ウォーキングの歩数や様々な体の動きを測定できるようになり、さらに一歩踏み込んだ運動に関する研究結果が発表されています。

 参考になるのが、2011年から15年にかけて、60歳以上、平均72歳の女性1万6732人にウェアラブルデバイスを身につけてもらい、週4~7日間の身体活動を追跡した調査報告(米ノースカロライナ大学)。そして短い時間での身体活動の内容を「中断の少ない10分以上のウォーキングなどの運動」「掃除や洗濯などの家事、階段の昇降、車まで歩くなどの日常での移動や運動」の2種類に分け、さらに19年まであらゆる原因による死亡について調査しました。すると、1日2000歩以上の人は死亡リスクが32%減少したのですが、特に運動をしていなくても1日の歩数を1000歩増やすだけで、歩数が少ない場合に比べて死亡リスクが28%減少。長生きするには1日4500歩増やすと最高とのことですが、何もそれはウォーキングのような「中断の少ない10分以上の運動」でなくてもよいとの結果でした。

 カリフォルニア大学の研究でも同様の結果が出ています。同大学の学生を対象にしたこの研究では、長時間座っていると、心臓病、がん、うつ病、2型糖尿病、肥満などのリスクを高め、1時間に1回は立ち上がって体を動かすと、そのリスクが低くなるとのこと。

 1日の歩数を1000歩増やそうと思ったら、10分くらい歩けばいいといわれています。10分=1000歩。それも、10分間歩き続けなくてもいいのです。1回買い物に出掛ければ、家から店までの往復と、店内を見て回る時間とで、10分なんてすぐです。「1日1000歩増」は、日常生活の中ですぐに実現できてしまう目標設定なのです。

 1分でもいい。立ったり動いたりする回数をできる限り多くする。必要なのは「体を動かそう」という気持ちだけ。在宅勤務で毎日通勤しなくなった人は、歩数獲得の貴重な機会がなくなってしまいました。コロナ感染拡大が言われるようになって1年半足らず、在宅勤務中心の人はその働き方が今後も変わらないでしょうから、歩数減少が将来の身体の健康へ与える影響は想像以上だと考えられます。

 日常生活の中でちょっとだけ活動量を増やすことを習慣化できればベスト。座っている時間を、少し短くするだけでもいい。「1時間仕事したらトイレに行ったり洗面所で歯磨きしたりする」「昼の休憩時間で家や会社の周辺をぐるりと歩く」「駅から自宅までの帰り道、近道ではなくやや遠回りをする」など、自分ができる範囲で行ってみてください。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■歩行と認知症予防

「高齢者は寝たきりになると認知症になりやすい」といいます。逆に、「よく歩くと認知症になりにくい」ことがわかってきました。実際、70~80歳の女性の認知機能テストの成績と日頃の運動習慣の関係を調べると、よく歩く人はテスト成績が良く、1週間に90分(1日あたり約15分)歩く人は、週40分未満の人より認知機能が良いのです(右図)。なぜ歩行が脳の高次機能に影響を与えるのか。それは、脳の働きに欠かせない脳血流がポイントなのです。


脳の血流とアセチルコリン

 脳が正しく働くためには、絶えず十分な血液が流れている必要があります。脳の働きを担う神経細胞は、血流不足にとても弱く、再生能力もありません。高齢者やアルツハイマー型認知症患者では、大脳皮質や海馬(記憶などの高次機能を司る部位)で脳血流の低下がみられます。この大脳皮質や海馬には、大脳の奥から伸びてきてアセチルコリンという化学物質を放出する神経(アセチルコリン神経)が来ています。


無理せずゆっくり歩く

 海馬の血流は、歩行開始直後から増えはじめ、歩行をやめると徐々に元に戻ります。血圧は、「速く」歩いたときには著しく上がりますが、「遅い」または「普通」の速さではほんの少し上がるだけです。「普通」の速さで歩いた時の海馬のアセチルコリン量は増えることがわかっています。つまり、血圧があまり上がらない程度に無理せずゆっくり歩くことにより、海馬のアセチルコリンが増え、年齢に関係なく海馬の血流が良くなるのです。

 また、歩行運動が不可能でも、皮膚や筋、関節に刺激を与えることで、同様の効果が得られます。皮膚刺激により、アセチルコリンを作る神経細胞の活性化し、大脳皮質でアセチルコリンが放出され、血流が増加します。身体のどの部位の刺激でも効果がありますが、特に手足への刺激は効果的です。軽い刺激でも、15分続けると血流がとても増えてきます。

 年相応の物忘れ程度では、アセチルコリンを作る神経細胞がまだ多く残っていますので、身体への刺激によるアセチルコリン増加が可能となります。つまり、歩いたり皮膚を刺激したりすることで、抗認知症薬と同じ効果が期待できるのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年9月24日金曜日

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 騒音もCOPDのリスク因子!?

英語の頭文字をとって「COPD」
 大気汚染は慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクとされています。大気汚染といっても色々なものがありますが、基本的に空気中に漂っているモノは大体アウトという印象です。

 さて、大気汚染だけでなく、“騒音”も健康被害を起こすことが分かっています。騒音ストレスというのは、精神的な影響だけでなく、身体的な影響も大きいとされており、その最たるものが心血管系疾患なのです。また、騒音の高曝露地域では高血圧のリスクが低曝露地域と比較して高いと推測されています。

 では、騒音は呼吸器系に一体どのような影響を及ぼすのでしょうか。一説として、ストレスホルモンとしてコルチゾールが分泌され、これが呼吸器疾患発症の引き金になるというものがあります。

 デンマーク看護師コホート*は、44歳以上の2万8731人の女性看護師を登録した大規模コホートです。ベースライン時の質問票で、喫煙歴、食生活、教育水準、その他生活スタイルなどを調査しました。ICDコード**でCOPDを発症した看護師を抽出し、居住地域の大気汚染(PM2.5、NO2、NOx)、騒音レベル(0-35dB)をリンクさせました。

*コホート:共通した因子を持ち、観察対象となる集団  ** ICDコード:国際疾病分類でアルファベットと数字を用いたコード

 調査対象となった2万4538人のうち平均追跡期間18.6年において、COPDを発症したのは977人でした(粗罹患率10万人年当たり214.4症例)。解析の結果、COPDを発症した人において大気汚染や騒音レベルが有意に高かったという結果でした。ハザード比は、PM2.5 が6.26μg/m3上昇するごとに1.19(95%信頼区間[CI]1.01-1.41)、NO2が8.19μg/m3上昇するごとに1.13(95%CI 1.05-1.20)、時間帯補正等価騒音レベルが10dB上昇するごとに1.15(95%CI 1.06-1.41)上昇しました。相互調整すると、NO2と時間帯補正等価騒音レベルの関連は減衰しましたが、PM2.5で補正しても頑健性がありました。

 これらの結果から、交通に関連したNO2大気汚染と騒音レベルはCOPD発症に独立して関連していることが分かりました。

 この論文の考察では、「騒音により酸化ストレスが誘導され、肺に炎症が引き起こされる可能性がある」と書かれています。また、騒音により睡眠障害になり、これによって身体活動性が低下し、体重増加や肥満を助長し、これが結果的にCOPDのリスクにつながるのではとも書かれています。いずれのストーリーも推察にすぎないとは思いますが、とにもかくにも、騒音がCOPDのリスク因子としてこれから注目されていくかもしれません。

(出典:https://medical.nikkeibp.co.jp/)


■COPDの治療法と対策

一度破壊され変化を起こした肺は元に戻らない!

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で肺胞が壊れ、細気管支に炎症を起こすと肺機能が低下します。残念ながら、一度破壊され変化を起こした肺を元に戻すことはできません。しかし、症状を和らげたり、病気の進行を抑制したりすることは可能です。


6つの治療管理目標

 COPD 治療の管理目標は以下の6項目です。

① 症状とQOL(生活の質)を改善する 

② 運動能力や身体能力の向上させるまたは維持する 

③ 増悪を予防する 

④ 疾患の進行を抑制する 

⑤ 全身併存症や肺合併症を予防する 

⑥ 寿命を延長する

 COPDが進行すると呼吸困難の症状により、運動能力やQOLが低下します。このような状態を改善するために、薬物療法に加えて、運動療法や栄養療法、在宅酸素療法、日常生活の管理などを総合的に行うことになります。このような包括的な治療は「呼吸リハビリテーション」と呼ばれています。COPD は慢性の病気なので、治療は長期間に及びます。患者自身が病気と向き合い、病気とうまく付き合う能力を身につけ(セルフマネジメント)、生涯治療を続けていくことが必要になります。


対策・治療には"完全な禁煙"が必要

 COPD 患者は、症状の急激な悪化(増悪)が命にかかわることがありますので、普段から増悪を起こさない対策が重要です。喫煙は呼吸機能の低下だけでなく増悪を起こす危険や肺がんになる可能性が高いので、すぐに禁煙をする必要があります。

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 人は、肺の中にある3億個の肺胞とその周りに網のように絡みつく毛細血管との間で行われるガス交換によって酸素を得ています。COPD患者の肺は肺胞壁が壊れてガス交換できない肺胞(肺胞死腔)があり、通常の呼吸だけでは全身組織への酸素量が足りなくなります。在宅酸素療法により酸素量を増やす必要があるのです。しかし、体内の血液と血流の働きが正常でなければ酸素が末端の細胞まで届かないのは同じこと。康復医学学会が長年研究を続けている生薬「HM-3000(特系霊芝)」には血液循環に対する様々な作用が認められています。肺胞と毛細血管とのガス交換、および全身への酸素の運搬・配送の改善を促すことも大いなるメリットの一つです。


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愛・感謝 村雨カレン

パニック障害

 TWICEのメンバーが活動中断!パニック障害”とは

 先月、人気女性アイドルグループのTWICE(トゥワイス)のメンバー、ジョンヨンさんが「パニック障害および不安障害の症状」のため活動を中断し回復に専念されることが発表されました。ジョンヨンさんは昨年10月に不安症状を訴え、暫定的に活動を中断。休養に務め、今年2月より活動を再開していました。

 このパニック障害という病気、どのようなものなのでしょうか。

 実は、このパニック障害という病名は、近年使用されるようになったものです。それまで、長らく「不安神経症」と呼ばれていました。1990年代に「パニック障害」という用語が登場すると、そのキャッチーな響きが一般に広まり、短期間のうちに浸透したのです。

 パニック障害は「不安症」の分類の一つで、その症状は、身体的な異常がないにも関わらず、突然の動悸、呼吸困難、発汗、震え、眩暈などのパニック発作を繰り返す、というものです。最も頻度の高い身体的な症状は、動悸と息苦しさです。発作の際には、強い不安や恐怖感を伴います。パニック発作そのものは、数分から数十分で治まります。診察を受けても身体的な異常は見つかりません。それでも発作の最中は「このまま死んでしまうのではないか」「重大な病気にかかっているのではないか」と思うぐらい苦しいものだそうです。

 パニック障害の患者は、「また発作が起きるのではないか」という不安が強く、外出などの行動が制限されることもあります。これを「予期不安」といいます。

 パニック発作は多くの場合、特定の場所や状況で誘発されます。特に、電車や飛行機などの乗り物、エレベーターなどの閉鎖的な空間が誘因となりやすいのです。「パニックを起こしやすい状況」に対して不安を感じ、それを避けるために外出を控えるようになります。

 うつ病と同様に、パニック障害は、出現する頻度の高い一般的な疾患であり、多くの患者さんが存在しています。また、改善率、治癒率が良好で、比較的「良性」の疾患といえます。

 パニック障害に、先天的な要因がないわけではありません。遺伝的な素因が関与しているという報告がいくつもあります。しかし、原因らしいものがないのに発作を起こすこともありますし、ストレスがきっかけになることもあります。

「パブロフの犬」についての研究をご存じの人も多いでしょう。実は、パニック障害も同じような現象なのです。いうなれば「悪い学習」です。満員電車の中で、たまたま動悸と息苦しさが生じ、不安や恐怖感を覚えたとします。すると、「満員電車」と「動悸や息苦しさ、不安や恐怖感」という、本来は関係のない現象が結び付いてしまうのです。その結果、その人は電車に乗るだけで、または駅に近づくだけで、パニック発作を起こすようになるのです。


■パニック障害とその対策

 パニック障害の典型的な症状は、突然生じる「パニック発作」。そして、その発作の再発を恐れる「予期不安」。さらに長期化で、生活範囲を限定する「広場恐怖症」があります。

 パニック発作  パニック障害患者は、日常的にストレスを溜め込みやすい生活環境の人が多く、突然、強いストレスを覚え、動悸、めまいなどの自律神経症状と空間認知による強烈な不安感に襲われる。

 予期不安  パニック発作に強烈な恐怖を感じるため、発作が発生した場面を恐れ、また発作再発の不安を募らせていく。これを「予期不安」という。そして、神経質となりパニック発作を繰り返すようになる。

 広場恐怖症  「もし今何かが起きたら、ここから逃げられるだろうか?」と考えて、人の多い場所や、そこに人だかりのできることを恐れる。また、心の不安が激しくなったときに容易に逃げ出すことができないような場所に恐怖を感じるようになり、外出などを控えるようになる。

ストレス⇒CRH*↑⇒5-HT**↓⇒精神的自覚症状↑

【関連する疾患と症状】パニック障害、うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、緊張性頭痛、偏頭痛、不眠、睡眠障害、心因性多飲多食症、拒食症など。

*CRH:ストレスホルモン  **5-HT:セロトニン

 パニック障害の薬物療法としては、SSRI等の抗うつ作用と抗不安作用がある薬で、脳内神経伝達物質のノルアドレナリンやセロトニンに関する療法が行なわれます。しかし、SSRIでは、飲み忘れ等で服用を中止した数日後に起きる激しいめまい・頭痛などの離脱症状が問題となり、パニック障害に対する安全性・有用性に疑問も呈されています。

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 ストレスホルモンが放出されると、セロトニン放出が抑制されたり、微小循環の血流を低下させ生体反応が表れたりすることが考えられます。

 康復医学学会では、安全にセロトニン活性に影響を与える「ラフマ葉エキス」や、微小循環の血流に影響を与えることがわかっている「HM-3000(特系霊芝)」を推奨しています。さらに、体力の低下による"ストレス耐性"の強化に期待できる「コエンザイムQ10」を一緒に摂ることもおすすめです。


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2021年9月8日水曜日

COVID-19 霊芝への期待

 キノコ素材コロナ禍で需要拡大

 新型コロナ禍で、免疫素材の代名詞とも言えるキノコに注目が集まっています。昨年2月下旬以降、原料サプライヤーへの問い合わせが増加。一昨年より海外でスーパーフードとして人気が高まり、国内でも徐々に再評価されていたキノコ素材にさらなる追い風が吹いています。機能性研究も活発化しており、免疫賦活のほか、コレステロール低下、整腸、血圧抑制、抗酸化、脳機能改善、抗アレルギー、抗ロコモ、抗腫瘍に関するエビデンスが蓄積されています。中でも「エルゴチオネイン」には、国内外から注目が集まっています。また新たな機能性表示食品も登場。免疫分野での届出にも期待が高まります。

 日本では、2000年代初頭のアガリクスショック以降、健食市場でのキノコ素材には逆風が吹いていましたが、海外でのスーパーフードとしての人気に後押しされ、近年市場が回復傾向にありました。こうした中、巻き起こった今回の新型コロナ騒動です。キノコ素材を取り扱う原料サプライヤーには、免疫サポート用途での問い合わせが急増しており、「前年同月130%以上の伸び」「免役対策で商品化を急ぐメーカーからの問い合わせが増えた」「数種類のキノコを組み合わせたプレミックス原料の採用が進んだ」などの声も。ハナビラタケやヤマブシタケなど女性サポート、美肌、脳機能改善分野で近年、利用が進んだキノコ素材も免疫対応素材として再評価されています。国民のセルフメディケーションの意識が急激に高まる現在、免疫賦活作用に関するエビデンスが豊富なキノコ素材への注目が増していることがうかがえます。

 キノコは、β-グルカン、ビタミンD、食物繊維、アミノ酸、多糖類などを豊富に含みます。古くから健康維持を目的に漢方素材として活用され、現在は、サプリメント、健康茶、ふりかけ、ソバなど健康食品から一般加工食品まで幅広く利用されています。一口にキノコといってもその種類は膨大で、日本に生息するキノコは5,000種以上。そのうち約200種が食用キノコとして区分されます。健食用途では、冬虫夏草、霊芝、アガリクス、メシマコブ、タモギダケ、ヤマブシタケ、ハナビラタケ、ベニクスノキタケなどが流通し、大学研究機関、健康食品メーカーが機能性研究に注力しています。免疫賦活をはじめ、コレステロール低下、整腸、血圧抑制、抗酸化、脳機能改善、抗腫瘍―など様々な有用性が明らかとなっています。

 最新の学術研究では、エルゴチオネインに注目が集まっています。東洋大学・加藤和則教授の最新研究では、免疫制御分子の産生抑制効果について、キノコの免疫賦活成分としてよく知られているβ-グルカンとは異なる作用メカニズムが確認され注目を集めました。この研究成果は、今年6 月のアメリカ癌学会でのポスター発表として採択されており、国内外で注目を集めています。エルゴチオネインは免疫賦活作用のほか、認知症改善、美肌などに関する研究も進展しています。

(出典:https://www.kenko-media.com/)


■新興感染症対策、"霊芝"への期待

 2021年8月15日、アメリカの科学誌『米国アカデミー紀要(PNAS)』に一つの研究論文が掲載されました。その内容は「新型コロナウイルスの活性を抑制する潜在力を持つ薬物5種類を発見した」というもので、発表したのは台湾の最高学術研究機関である中央研究院。

 この薬物とは、抗マラリア剤の一つであるメフロキン(Mefloquine)抗HIV(エイズ)薬のネルフィナビル(Nelfinavir)漢方の「霊芝」から抽出した多糖体RF3ミントエキスシソエキスの5つ。研究チームによると、そのうちメフロキンはウイルスの量を10分の1に減らすことができ、その他も60~80%減らすことが分かったそうです。


 一方、中国栄養食品協会は、新型コロナウイルスの予防・治療効果が期待できるものとして、12種類の栄養補助食品を公表しましたが、そのうちの一つに免疫機能を調整する効果が認められている「霊芝」が含まれています。


早くから着目されていた霊芝の抗ウイルス作用

 さかのぼること6年前(2015年)には、九州大学の研究グループが「霊芝から抗インフルエンザ成分を発見」しています。ここでは霊芝に含まれる31種類の化合物(トリテルペノイド類)の中のガノデリン酸TQ及びガノデリン酸TRが、インフルエンザウイルスの増殖抑制に、タミフルの1.5倍の効果があることがわかりました。このことでタミフルが効かないインフルエンザウイルスへの対応にも期待が持たれているのです。


霊芝の免疫の双方向調節作用

 免疫が低すぎると、ウイルスに「侵入」されやすく様々な病気のリスクが高まります。また、免疫機能が高すぎると、体外の物質によって体内の組織細胞に過剰反応を引き起こす可能性があります ⇒ アトピー、アレルギー症、自己免疫疾患(リウマチ・膠原病・SARS・甲状腺機能異常、劇症肝炎 …)、糖尿病など。

 霊芝の持つ免疫の双方向性作用により免疫が改善されると、体の免疫を正常なレベルに戻し、抵抗力を高めて健康を維持します。


2つの強力な抗酸化物質(エイジングケア成分)

 さらに、霊芝が話題の理由は、含まれている抗酸化物質にもあります。霊芝には、特に肌にとって最も強力な抗酸化物質の2つが含まれています。活性酸素消去作用が高い還元型グルタチオンと、さらにその3~30倍の抗酸化作用を持つエルゴチオネインです。高いエイジングケア効果が期待できるとともに、新型コロナウイルス感染患者の20.4%(イタリア:88名中18名)に見られる肌のトラブル("みずぼうそう"の様な皮膚症状)の予防や緩和の効果も期待されています。


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2021年9月2日木曜日

子供の睡眠

 睡眠の仕組みが幼児の知的発達と関連

 北海道大学の大学病院である北海道大学病院、金沢大学附属病院、秋田大学医学部附属病院、東邦大学医療センター大森病院、聖路加国際病院、日本赤十字社医療センター、市立札幌病院の7者は8月4日、睡眠・覚醒制御のメカニズムが乳幼児の知的発達と関連する可能性を明らかにしたと発表しました。

 同成果は、北大病院 周産母子センターの安藤明子医師、同・センター長の長和俊診療教授を中心とした7つの病院・医療センターと3つの大学の総勢25名の医師・研究者らが参加した共同研究チームによるものです。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

 これまで乳幼児の睡眠と知的発達の関係について調べた研究は少なく、統一した見解は今のところ得られていないといいます。また、睡眠と発達についての評価は保護者へのアンケート調査による研究が多く、アンケート調査では主観的な評価になる傾向がある点も課題とされていました。

 そこで今回の研究では、睡眠パターンの基礎が形成される1歳半の早産児101名(男児44名、女児57名)を対象に、睡眠と知的発達の関係をより客観的な手法を用いた調査が実施されることとなりました。2013年から2020年の間に出生した36週未満かつ1500g未満の児が対象で、アクチグラフ(睡眠計)を1週間継続して装着して解析が行われたのです。

 また発達評価には、心理士による「新版K式発達検査」が用いられました。同検査は、子どもが取る行動や反応を同年齢と比較して、発達の度合いが実際の年齢よりどのくらい差があるかを「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3領域で評価するというものです。

 そして調査の結果、起床時刻のばらつきが小さいほど、発達指数が高いことが明らかにされたのです。

 睡眠制御のシステムが正常に機能していると、寝起きの時刻が安定することが、これまでの研究から明らかになっています。覚醒制御の中心は、これまで脳幹・視床下部などに存在することが知られていました。しかし今回の研究では、「知的発達が良好な児(=大脳が成熟した児)」において、「起床リズムが一定(=睡眠制御機能が成熟)である」ことがわかり、発達過程において大脳も睡眠を制御する可能性が示唆されたとしました。

 なお、研究チームは今後も睡眠発達のメカニズムについての検討を続け、乳幼児の発達をサポートする睡眠環境を明らかにしたいと考えているとしています。

(出典:https://news.mynavi.jp/)


■子供の夜型化と生活習慣病

 現代社会が24時間化するとともに生活は夜型化し、睡眠時間は減少する傾向にあります。こうした社会的環境の変化は、子供の生活にも影響を与えています。

「夜10時以降に就寝する子供」の割合は、1歳6ヶ月・2歳・3歳で半数を超えており、子供の生活時間の夜型化の実態が明らかになっています。これは10年20年前に比べて、顕著な増加です。また小・中・高と学年が進むにつれて就床時刻が遅くなり、睡眠時間が減少し、「睡眠不足を感じている児童生徒」の割合が増加しています。特に大都市部に居住する幼児の睡眠習慣は、就寝時刻と起床時刻が遅い傾向にあることがわかっています。

 睡眠不足は、成長の遅れや注意や集中力の低下などをもたらしますが、子供の場合、眠気をうまく意識することができずに、イライラ・多動・衝動行為などとしてみられることも少なくありません。また睡眠不足は将来の肥満の危険因子になることも示されています。

 代表的な子供の睡眠障害に、睡眠時無呼吸症候群があります。子供の睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、アデノイド・扁桃肥大です。3-6歳の児童に最も多く、肥満よりむしろやせ型の子供に多いのが特徴です。症状としては、夜間のいびきや無呼吸・睡眠中の陥没呼吸・起床時の不機嫌などがみられます。この年代は習慣的に昼寝をすることが少なくないので、日中の過眠よりも多動・衝動行為・学習障害などがみられることが多いと言われています。


不眠・睡眠不足と生活習慣病との悪循環

 近年子供の肥満が増加しており、小学校高学年~中学生では肥満に伴う睡眠時無呼吸症候群が多くみられます。子供の肥満は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を合併することが多く、食事や生活習慣を見直し、減量指導が必要となります。

 その他、子供によくみられる睡眠障害には、寝ぼけオネショ(夜尿)があります。寝ぼけは睡眠時随伴症のひとつで、睡眠時遊行症と睡眠時驚愕症が代表的です。5歳以降、週2度以上のオネショがあれば、睡眠時遺尿症と呼ばれます。これ以前のオネショは病気と考えなくても大丈夫。ストレスによって生じたり、悪化したりすることもあるため、対応は「あせらず・怒らず」が基本です。


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愛・感謝 村雨カレン

2021年8月27日金曜日

新型コロナウイルスの変異株とワクチン

 ワクチン接種完了でも感染リスク

 米国疾病予防管理センター(CDC)は7月30日、新型コロナウイルスの変異株であるデルタ株について、ワクチン接種を完了した者であっても、同株に感染した場合に他者に拡散させるリスクを指摘する声明を発表しました。

)各種決められた回数のワクチン接種完了後2週間を経た者が対象で、ファイザー製とモデルナ製は2回、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回の接種でワクチン接種完了とされている。

 CDCが同日に発表した疾病・死亡率週報(MMWR、以下、週報)によると、マサチューセッツ州で7月3~17日に発生したクラスター感染のうち、73.8%(469人中346人)がワクチン接種完了者だったと報告。また、感染者のうち133人のゲノム配列を検証したところ、9割がデルタ株に感染していたとしています。これを受けて、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は「ウイルス量が多いことは感染リスクが高いことを示しており、ほかの変異株と異なり、ワクチン接種完了者であってもデルタ株に感染した場合にはウイルスを伝染させることが懸念される」と声明の中で述べています。そして、今回の発見に基づいて、ワクチン接種完了者が知らないうちにウイルスを他者に拡散させることのないよう、7月27日にマスク着用推奨のガイドラインを変更したとしています。CDCは週報の中でも、ワクチン接種が重症化と死亡を防ぐ最重要の戦略とした上で、感染率が高くない地区でもワクチン接種の有無にかかわらず、屋内でのマスク徹底などの感染予防策の拡大を検討すべきとしています。

 米国では今回の発表の前にも、連邦政府や自治体、大手民間企業が従業員に対してワクチン接種を義務付ける、または接種の有無を確認し、未接種の場合は毎週の検査を受けさせるといった方針を出すなど、デルタ株による感染拡大を受けた対応が取られていました。今回の発表を受けて、今後はマスク着用の方針が自治体や企業において変更される可能性があります。例えば、既に小売り大手のウォルマートとクローガーは7月30日に、マスク着用に関する方針の変更を発表しました。ウォルマートは、CDCの呼び掛けどおり、感染拡大地域では従業員にマスク着用を義務付けるとともに、来客にも着用を推奨します。クローガーは、ワクチン接種の有無にかかわらず、同社の店舗・施設内にいる間、全ての者にマスク着用を強く推奨するとしています。

(以上、出典:CBSニュース7月30日)

★現在、南米などで感染が広がり、日本への上陸も確認されている"ラムダ株"にも変異がいくつかあり、従来株よりも感染力が強くなったり、ワクチンの効きめが弱くなったりする可能性が懸念されています。ただし現時点では、ラムダ株の感染力の強さや、ワクチンの効果に与える影響については、専門家による審査前の論文報告がいくつかあるものの、十分には明らかになっていません。


■デルタ株に対するワクチンの有効性

 感染者の大部分はワクチン未接種の人たちです。しかし、2回の接種完了後に感染する「ブレイクスルー感染」も発生しており、わずかながらこうした感染によって入院、死亡するケースも報告されています。ただ、こうした例はごくまれなものであり、これまでに接種が進められているワクチンは、デルタ株に対しても十分な効果を保っているといいます。

こうした現状とワクチンの有効性について、現時点で分かっているのは、以下の4点です。

1.  デルタ株はさらに危険? 

 現状、デルタ株が従来株(武漢株)やその他の変異株より重症化の可能性を高めているとはみられていません。しかし感染力は武漢株の2倍近くに強まったとされています。これは、デルタ株が変異によってヒトの免疫系から逃れる能力を高めたことが、理由のひとつです。また、デルタ株の感染力が強いのは、感染者の鼻や喉で確認されるウイルス量が大幅に増加、さらに他の人にうつしやすくなっているためです。

2.  ワクチンに問題がある? 

 ワクチンに問題があるとは考えられていません。米国ではこれまでに1億6380万人以上がワクチン接種を完了していますが、そのうちブレイクスルー感染して入院した人は、死亡した人を含めて6000人未満。重症化するのは、高齢者や免疫不全の人が大半とみられており、75%が65歳以上です。ワクチン接種を完了しても再感染して重症化する確率は今のところ非常に低く、米疾病対策センター(CDC)は、ブレイクスルー感染しても無症状だという人を確認するためのデータ収集を停止しています。

3.  ワクチンはデルタ株にどれだけ有効? 

 従来株に対する有効性に比べ、わずかに低下してはいるワクチンもあります。しかし、それでも米国で緊急使用を認められているワクチン(3種類)はすべて、デルタ株に対する高い有効性を保っています。接種を完了していれば、その後にデルタ株に感染しても、重症化や死亡の危険性ははるかに低くなります。7月21日発表の研究結果によると、米ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発したワクチンの接種完了後の有効性は、アルファ株(英国で確認)に対して93.7%、デルタ株(インドで確認)に対して88%でした。ただし、接種が1回終了した時点での有効性は、デルタ株に対しては大幅に低下していました。一方、イスラエルで行われた調査結果などのデータによれば、デルタ株に対するファイザー製ワクチンの(接種完了後の)有効性は、結果的に64%に低下したとされています。

4. 「ブースターショット」は必要? 

 ワクチンの種類によっては、それも考えられます。自社のワクチンに関する分析を継続しているファイザーによれば、時間の経過とともに有効性が薄れていくことが示されており、そのためブースターショット(追加接種)が必要になる可能性があるといいます。米ジョンソン・エンド・ジョンソン(デルタ株に対しては有効性が下がるとの調査結果もある)、モデルナについては、ブースターショットの必要性について判断するだけの十分なデータが得られていません。


いつもありがとうございます。愛・感謝 村雨カレン

2021年8月18日水曜日

爪水虫

 "爪の水虫" 放置で痛み、転倒も

 夏、気温や湿度が上がっていく時期、水虫に悩まされる人が増えてきます。水虫は白癬菌というカビに感染して繁殖する病気。爪にできる水虫(爪白癬)は完治が難しく厄介です。

 爪水虫の患者は意外に多く、日本では10人に1人(日本臨床皮膚科医会)。この数字だと日本で患者は1000万人超えのはずですが、実際に治療を受けているのはそこまで多くありません。受診が少ない理由のひとつに痛みや痒みがなく、気づきにくい点があります。

「足の水虫でも、痒みを感じる人は1割程度。特に高齢者では同年代に爪水虫が増えてくるため、単なる老化現象と思っている人が多い」(東京医科大学皮膚科 原田和俊主任教授)

 爪水虫は元々の水虫から白癬菌がうつるケースが多く、目立つのは爪の先端から白癬菌が侵入するタイプ。爪の根元や表面から菌が入る場合もあります。発症すると爪が白や黄色に濁り、分厚く変形してしまって爪切りの使用が難しくなります。歩くときも靴に当たって痛み、高齢者ではこれが転倒の原因にもなります。

 特に糖尿病の人は要注意。原田教授は「小さな傷から壊疽を起こしやすく、足を切断しなければならなくなる恐れもある」と警鐘を鳴らします。

 背中やお尻など体の他の部分に白癬菌が感染し、いわゆる「たむし」になることもあります。たむしの人を調べてみると、爪水虫があった例は多いようです。生活圏に白癬菌をばらまいてしまい、同居家族にうつす可能性が高くなります。

 現時点では爪水虫を治す市販薬はなく、処方薬を使います。爪が厚くなった、色が濁ってきた、先端がはがれるなど、爪水虫が疑われる場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

 処方薬には塗り薬と飲み薬がありますが、症状が治まったと思って途中でやめると、再発する恐れがあります。薬によっては肝機能障害や胃腸障害などの副作用が出たり、他の薬との併用で問題が起きたりする場合があります。医師や薬剤師の指示に従いましょう。

 予防に大切な一番の方法は、やはり"水虫にならないように気を付けること"です。注意したいのは温泉やスポーツクラブなど不特定多数の人が裸足で歩く場所に行ったとき。白癬菌は触れてから感染までに半日以上かかるとされていますので、帰宅後は、水でよく洗って、乾いたタオルで拭いておくこと。新型コロナウイルス禍で身近になった手指用のアルコールを使うのもよいでしょう。

 他にも、同じ靴を毎日履き続けると白癬菌が繁殖する可能性があります。家ではスリッパを共用を避け、自分専用のものを使いましょう。また、浴室のバスマットは定期的に掃除し、乾燥させます。すでに水虫になっている人は爪水虫になる前にしっかりと治すようにすることが大切です。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■ホタテ貝殻焼成粉末の効能

 従来から水虫の治療薬として各種のものが市販されています。そしてカルシウム分を有する物質について抗菌性があることが知られていることから、炭酸カルシウムなどを含む粉末薬剤とヨード液などの皮膚消毒液とを組み合わせた水虫の治療剤も提案されています。

 康復医学学会では、ホタテ貝殻から得られた素材、ホタテ貝殻焼成カルシウム(酸化カルシウム=CaO)を水溶したものを、水虫の予防と症状緩和・抑制に提案しています。

 ホタテ貝殻は、焼成処理により炭酸カルシウムから酸化カルシウムに変わります。強アルカリ性を示しますが、試薬の酸化カルシウムとは異なり、水を加えても低発熱で安全であり、この焼成カルシウム自体、食品添加物として認可されています。この酸化カルシウム粉分が CaO+H2O → Ca(OH)2で示される反応によって水酸化カルシウムの水溶液となってアルカリ性を示し、そのアルカリ性により抗菌・殺菌効果を奏するものとなります。そのため、水虫患部などの皮膚に塗布することで、その抗菌効果、殺菌効果によって白癬菌の棲息を抑えることができるのです。 

 このホタテ貝殻焼成カルシウム溶液は、東京農工大学や第三者試験機関などの除菌試験により、白癬菌のほか、大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、O-157などに対しても効果が認められています。

さらに毒菌だけにとどまらず、鳥インフルエンザやノロをはじめとする各種ウイルスの不活化も確認されており、特に世界最強種と言われるガチョウパルボウイルスの駆逐をも実証しています。

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新型コロナウイルス対策:マスクへのおすすめ利用法

 貝殻焼成カルシウムの抗ウイルス作用に関しては、北里大学獣医学部人獣共通感染症学研究室が試験をしています(混合液のまま沈殿を除去しないでの試験)。この試験では、貝殻焼成カルシウム1%水溶液(水道水)の場合、60分で抗ウイルス効果が認められており、37℃のお湯で溶かした溶液の場合は5分間で効果が表れたという結果が出ています。

※使用ウイルス:鳥インフルエンザウイルス(H7N1)

 マスクへの応用  

マスクを水溶液に浸ける場合

 水1リットルに1gの割合で溶かした水溶液に1時間浸す。その後、きれいなタオルなどで軽く水分を吸い取って陰干しする。

マスクにスプレーする場合

 ①をさらに3倍希釈したもの(水3リットルに1gの割合)をスプレーする。スプレーノズルの穴が小さいと詰まり易いので注意。

いずれも効果は1日持続するようです。また②の希釈液は、うがいや手洗いにも効果的です。 


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愛・感謝 村雨カレン

片頭痛

 台風の季節は片頭痛注意報?

 台風シーズンの夏から秋にかけて、低気圧の接近とともに片頭痛を訴える人は少なくありません。昔からこうした天気の状態による頭痛は「天気病み」とも呼ばれていました。

「片頭痛」は、頭の片側、もしくは両側が脈拍に合わせてズキズキと痛む頭痛のこと。月に1~2回、多い人では週に1~2回ほどの頻度で数時間から2~3日間、痛みが続きます。日本では約840万人が悩まされています。

 同じ頭痛でも長時間のパソコン作業などで筋肉が緊張して起こる「緊張性頭痛」は体操や体を動かすことで痛みが引くことが多いものです。ところが、片頭痛は動くとかえって痛みが増します。頭痛以外に吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすことがあり、仕事や家事が続けられなくなるなど日常生活の大きな支障になることも少なくありません。

「低気圧によって人の体はむくみがちになる。このむくみが脳血管にも及んで片頭痛が起こりやすくなる」(東京女子医科大学 清水俊彦医師)。夏から秋口にかけて、しばしば台風の接近するシーズンは片頭痛患者にはつらいシーズンとなります。

 片頭痛患者は女性が男性の4~5倍と圧倒的に多く、特に20~40代の女性に集中しています。これはセロトニンが女性ホルモン(エストロゲン)の分泌と密接に関係があるからと考えられ、月経や排卵日前後に片頭痛が起こりやすいのはこのためです。不規則な食生活や過激なダイエットでホルモンバランスが乱れても、片頭痛の原因になることもあります。

 清水医師によると、日本人はがまん強く頭痛に耐えようとする傾向があります。医療機関にかからずに治そうとして、市販の頭痛薬に頼る場合もありますが、片頭痛の根本的な治療薬でないと度重なる服用がかえって頭痛を引き起こすケースもあります。

 また、頭痛に詳しくない医師だと「ただの頭痛で心配ない」と鎮痛剤(頭痛薬)を処方してすませてしまうこともあります。"頭痛は立派な病気"だけに、頭痛専門医がいる病院・クリニックなどで受診しましょう。

 頭痛外来などで専門医が片頭痛患者に処方するトリプタン製剤は、血管のセロトニン受容体に作用し、血管の収縮と炎症物質の放出を抑制します。片頭痛の根本原因に直接作用し、痛みを大幅に軽減できる薬です。

強い光が誘因することもあるので、夏場の外出時にはサングラスと日傘を準備しましょう。家庭内でも蛍光灯やパソコンのブルーライトを避け、できるだけ柔らかい光の照明器具を選びましょう。また、水分補給では硬水のミネラルウオーターがお薦め。脳血管を安定させる作用があるマグネシウムが多く含まれています。

「どうせ治らない痛みだから」とあきらめるのではなく、片頭痛についてくわしく知ることが、症状の改善と予防につながるのです。

(出典:https://style.nikkei.com/)


■片頭痛とセロトニン

 片頭痛発生のメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、三叉神経―血管説が有力です。何らかの原因で脳の血管が拡張し、その拍動に伴い血管周囲を取り巻く知覚神経(三叉神経)が刺激されて、頭がズキンズキンと割れるように痛むのです。片頭痛は天候や睡眠の変化、体内ホルモンの変動、ストレスからの解放など心身のリズムが崩れたときに起きやすいですが、この働きに重要な役割を果たしているのが脳内セロトニンです。

 脳内のセロトニンは大脳深部の中脳で産生され、近接した視床下部により分泌が調節されています。視床下部はセロトニンのほか、自律神経や睡眠と覚醒、情緒、女性ホルモンなどのホルモン調節に関与し、また満腹・空腹の中枢でもあります。人のほとんどすべての感覚は大脳深部の脳の視床に向かい、その情報は直下の視床下部に送られます。

 片頭痛を持つ人は、環境変化や心身のリズム変化、ホルモン異常などに対して視床下部が敏感に反応する体質を遺伝的に持っているといわれています。興奮した視床下部からの刺激を受けて中脳からセロトニンが大量に放出され、やがて脳内のセロトニンが枯渇してしまいます。また視床下部のストレス中枢は興奮すると、脳幹にあるセロトニン神経を直接抑制しセロトニン分泌を低減させます。ストレス状態はセロトニン欠乏脳を生みます。

 セロトニンは知覚神経である三叉神経をコントロールし、また三叉神経終末にはCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が存在しています。このCGRPは受容体を介して血管を拡張させるとともに炎症を起こすことがわかっています。

 セロトニンが減少すると、セロトニンの制御から解き放たれた三叉神経は勝手に興奮し始め、脳血管に向けてCGRPを放出し、脳血管を拡張させ、脳血管周囲に炎症を起こします。その結果、過剰に拡張した脳血管の隙間から炎症物質が漏出、血管周囲に起こった炎症をさらにひどくするとともに、血管周囲の三叉神経を刺激して、痛みが増して脈打つ頭痛が起こります。

セロトニンは臓器に作用し、それぞれの臓器がそれぞれの反応し、セロトニンが作用するセンサーにも様々なタイプがあり、片頭痛を起こす血管だけに作用するセロトニンがあるのではないかと思われていました。その結果、脳の血管だけに作用し、セロトニンに構造が類似しているトリプタンが発見され、現在、片頭痛の治療に広く使用されています。さらに三叉神経から放出されたCGRPをブロックするという抗CGRP抗体が現在、開発されています。

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 康復医学学会の主要研究素材である「ラフマ葉エキス」は、脳内セロトニンの産生を促し、セロトニン神経の通過性を安定させることが確認されています。


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愛・感謝 村雨カレン

夏バテ

 夏バテを防ぎ、暑さを乗り切る!

 いよいよ夏本番。暑い日が続く夏になると、疲れが抜けにくい、食欲がわかなくなる、病気でもないのに身体の不調が続いてしまう‥‥これはいわゆる「夏バテ」の状態です。

 夏バテ対策をしっかり行って、コロナ禍の暑い夏をしっかり乗り切りましょう。


 暑さが元となる夏バテの主な原因は次のとおりです。


 ●体内の水分・ミネラル不足 ⇒ 脱水症状

 ●暑さによる食欲の低下 ⇒ 栄養不足

 ●室内外での暑さと冷えの繰り返し ⇒ 自律神経の乱れ


 とりわけ内臓や血管などの働きをコントロールする自律神経が乱れると、体内の環境を整える機能がうまくいかなくなり、疲労感やだるさ、胃腸の不調といった症状を招きます。また、寝苦しさからくる睡眠不足も自律神経の乱れを招きます。

 夏バテしにくい身体作りは、日頃の生活習慣を整えることから始まります。この機会に見直してみましょう。


夏バテを防ぐ生活習慣

こまめに水分補給をする

 厚生労働省の資料によれば、普通の生活においても毎日2.5Lの水分が身体から失われています。この時期は熱中症予防のためにも、水やお茶をこまめに飲みましょう。なお、スポーツドリンクを含めて、糖質の多い清涼飲料水の飲み過ぎは糖質の分解にビタミンB1を多量に消費するため、疲労感を招きやすくなります。


温度差や体の冷やし過ぎに注意する

 外気温との温度差や体の冷やし過ぎは自律神経の乱れを招きます。エアコンの風が直接当たらないようにして、寒さを感じたら衣類やひざかけ等で調節しましょう。また、冷たい飲み物は胃腸に負担をかけやすく、体の冷えの元にもなります。なお、夕方以降の涼しい時間帯に行うウォーキングなどの軽い運動は、自律神経の働きを整えるうえで有効です。


睡眠をしっかりとる

 暑さによる疲労回復や、自律神経を整えて体調不良を改善するために睡眠は欠かせません。ただし、睡眠中のエアコンのかけっぱなしは身体を冷やし、かえって体調を崩します。就寝時間、起床時間に合わせてタイマー設定を活用しましょう。


1日3食、いつも以上に栄養バランスを心がける

 暑さで疲れやすく、汗でミネラルを失いがちな体はたっぷりの栄養が必要です。少量でも多くの品目を食べられるよう、食事の内容に気を配りましょう。また、きゅうりやトマトなどの夏野菜は水分が多く、ほてった身体を冷やす働きがあります。特に、たんぱく質ビタミンB1アリシンビタミンCは、積極的に摂りたい栄養素です。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■夏バテの医学的メカニズム

西洋医学 : 夏バテは「自律神経の機能低下」がもたらす不調 

 私たちが夏に汗をかくのは、汗とともに体内の熱を放出して体温上昇を抑えるため。この発汗作用をコントロールしているのは自律神経ですが、猛暑の室外で汗をかいた後に室内に入ると冷房で冷えているため、今度は自律神経が体内の熱を逃さないように汗腺や血管を収縮させるという、真逆の仕事をしなければならなくなります。

 夏場はこうした「熱の放出」と「熱の保持」という真逆の体温調節機能が繰り返し酷使されるため、自律神経が疲労してしまい、うまく働かなくなってしまうのです。

 自律神経は食欲や睡眠などもコントロールしています。自律神経が疲労して機能が低下すると、食欲不振や胃腸の不調、不眠なども招くのです。


東洋医学 : 夏バテは「水分とエネルギーが漏れ出る」ために起こる不調 


 東洋医学では、夏バテは「汗と一緒に体内のエネルギーが漏れ出るために生じる不調」と考えます。体の活動エネルギーである『気』は体中を巡って内臓などにエネルギーを供給していますが、汗をかくと、汗と一緒に気も体外へ漏れ出てしまうため、体内の気の量が不足して内臓などの活動が低下し、食欲不振などの症状を引き起こすのです。さらに、汗をかくことによる体内の水分不足も、夏バテの一因と考えられます。

 ほてりやだるさなどは、体内の水分が不足するために熱が過剰にたまって起こる症状です。


夏バテ&熱中症予防のためには汗をかくことも大切

 夏バテになると熱中症にもかかりやすくなります。夏バテとは、発汗による体温調節機能がうまく働かなくなった状態です。そのため、暑くても体内の熱をうまく放出できなくなり、熱中症になることが多いのです。

 夏バテや熱中症を防ぐためには、発汗による体温調節機能がきちんと働くように体を管理することが大切。そのポイントは、「毎日少しだけ汗をかくこと」です。じわっと汗ばむ程度に汗をかく習慣を身につけると、体温調節機能が維持しやすくなり、夏バテや熱中症になりにくくなります。

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 康復医学学会では、「HM-3000(特系霊芝)」「ラフマエキス」「コエンザイムQ10」で、夏の血流、睡眠、体力の維持・改善をお勧めしています。


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愛・感謝 村雨カレン