2020年10月29日木曜日

のどの老化

 かすれ声は老化のサイン?

 自分の声が、昔と違ってかすれていることに気づいたことはありませんか? 声は30代から衰え始めます。声帯とその周りの筋肉が衰えていくのが主な原因です。

 声帯周りの衰えは、転倒リスクや肺炎リスクにもつながります。声帯には息を吸う、声を出す以外に気管をふさぐ役割もあるからです。気管を閉鎖して肺に息をため込めることで胸郭が安定し、上半身がぶれず身体の全体に力が入ります。できないと、つまずいたときに踏ん張れません。また、食べ物が気管に入って誤嚥性肺炎を起こす恐れもあるのです。

 中高年になると、男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンの分泌低下で、声帯と声に男女逆の現象が起きる傾向があるそうです。男性は声帯が萎縮し声が高くなり、女性は血流が悪くなって声帯がむくみ、声が低くなります。弦楽器の弦が細いと高音、太いと低音になるのと同じです。

 ホルモン分泌のコントロールは難しいですが、声帯とその周りの筋肉を鍛えることは、何歳からでもできます。有効なのは歌うことです。歌う習慣で声帯が衰えにくくなります。ただし、叫んだり、キーが高すぎるまま歌い続けたりするのは、逆にのどを痛めます。

 専門家が勧めるのは呼吸、声帯の振動、共鳴が総合的に鍛えられる発声法です。口を小さくすぼめ『のー』を低音から高音まで、鼻に抜けるように発声します。そして『のー』を高音から徐々に低くしていきます(10回1セット×1日3セット)。

 声帯の振動には粘膜の潤いが必要です。加齢による粘液の減少で声帯の劣化が進みます。声をよく使う場面では、意識して、こまめに水を飲みましょう。水を飲むと副交感神経が優位になり、脳から指令が出て声帯が潤います。

 口呼吸は声帯を乾燥させるので鼻呼吸を心がけます。たばこも控えましょう。有害物質が声帯を劣化させます。ファストフードのセットメニューは、のど焼けと声枯れの原因になりかねないので要注意です。脂質の多い食べ物と炭酸飲料の組み合わせは胃酸の逆流を起こしやすく、声帯の劣化につながる可能性があります。    

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■"のど年齢"老化は肺炎を招く

 高齢者の肺炎の7割以上を占めるといわれる誤嚥性肺炎。

 誤嚥性肺炎とは飲食物や唾液などが気道に入り、そこに含まれていた細菌によって起こる肺炎のことです。主な原因菌は上気道にいる細菌、具体的には鼻やのどに棲みついている肺炎球菌や口腔内の常在菌である嫌気性菌などです。近年、高齢者の誤嚥性肺炎が増えており、高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎と考えられます。

 誤嚥性肺炎の原因の一つとして、近年「のどの老化」が指摘されるようになりました。のどの筋力の低下と唾液の分泌が減ることによって、飲み込む力(嚥下反射)や咳をして異物を気道から出す力(咳反射)が衰え、誤嚥を起こしやすくなります。

 実際、のどの老化が進み、誤嚥を起こしやすくなるのを心配する人は少なくありません。では、「のどの老化度」はどうすれば分かるのでしょうか。専門家は、反復唾液嚥下テスト、いわゆる「ゴックンテスト」を試すことを勧めています。

 このテストは実際の診療でも行われています。やり方は非常に簡単。まず水を一口飲んで口の中を湿らせてから、「30秒間に何回唾液を飲み込めるか(空嚥下回数)」を見るだけです。若い人は10回くらいできるのですが、年を取ると筋力が衰え、唾液の分泌も減るため回数をこなすのが難しくなっていきます。

 各年代約50人ずつにゴックンテストをやってもらったところ、平均回数は20代で9.8回、30代で8.8回、40代で7.8回、50代で7.0回、60代で6.1回、70代で5.2回という結果が出ました。

 このゴックンテストをやれば、おおよその自分の「のど年齢」が分かります。のど年齢が70代以上、つまり30秒間で5回以下になると誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。実際、高齢になると食事中にむせることも増えていきます。自分で気付かない誤嚥(不顕性誤嚥)も同じように増えるのだと考える必要があります。

 このほか、声帯の筋力と息を吐く力を調べる『あー』テストでチェックする方法もあります。息を思い切り吸い込んでから、『あー』と声を出して何秒間続けられるかを計ります。男性で15秒以上、女性で10秒以上できれば大丈夫ですが、それ以下だと問題があります。発声と嚥下はほぼ同じ筋肉を使っているので、声を出す力が弱くなると飲み込む力も弱くなります。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年10月22日木曜日

血管の老化

 強い血管をつくる運動習慣

 体を動かすのに最適な季節になりました。適度な運動は、全身の健康づくりに不可欠ですが、実は血管の健康にも大きな影響があります。

 運動をすると自然と体が温まることからもわかるとおり、適度な運動は全身の血行を促進します。血管の内側にほどよい刺激が加わり、内皮細胞が活性化され、その結果として(血管の健康を保つ一酸化窒素などの放出により)血管自体が強くしなやかになり、血管壁が広がって血圧が下がります。そして、血流が改善されて、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓ができにくくなっていくのです。

 もちろん、こうした直接的な血管への影響だけでなく、運動によって消費エネルギーが増えることで、肥満の予防や解消にもつながり、血圧や血中脂質、血糖値などが正常に保たれやすいなど、たくさんのメリットがあります。

 運動習慣のない人や忙しい人にお勧めなのが、いつでもどこでもすぐに取り組める「ウォーキング」です。ウォーキングは、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や肥満の予防・改善に役立つ有酸素運動であり、かつ、急激な血圧の上昇を起こさないので、体にやさしい運動といえます。まずは、普段の生活で自分がどのくらい歩いているのかを具体的に把握することから始めてみましょう。最近では、スマートフォンに予め歩数計が内蔵されているなど、比較的容易に自分の歩数を計測できます。


 厚労省では、1日の目標歩数が右表のように設定されていますが、現在の日本人の1日平均歩数は、男女ともこの数値に1,000~1,500歩ほど足りていません。

 足りない場合は日常生活の中で補ったり、ウォーキングの時間を設けて意識的に確保していきましょう。

 ウォーキングに加え、より軽度の運動として気軽に行える「ストレッチ」や「筋力トレーニング」を行うことも、強い血管をつくる運動習慣としてお勧めです。ストレッチは筋肉の柔軟性を高める運動なので、ウォーキングの前後に行うと効果が増します。

 筋力トレーニングは、年齢とともに衰えがちな筋肉を鍛えることで運動機能と血流が高まります。階段の上り下りやスクワット等、きつすぎない、息の上がらない程度の筋トレになる運動を、少しずつ取り入れてみましょう。

 なお、運動習慣がない人にとって、瞬間的な力を要したり、激しい動きを伴う運動(球技など勝敗を競うようなスポーツ)は、血圧の急上昇に注意が必要です。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症の人など、動脈硬化の進行が疑われる人や治療中の人は気を付けましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■血管を老化させる要因:酸化と糖化

超悪玉コレステロールsdLDL

 血管の老化の中でも、病気に直結するのが、血管壁の硬化により血管が狭くなる動脈硬化。酸化されたLDLコレステロールによる血管壁の硬化が引き金とされます。さらに近年、中性脂肪が高いと、LDLコレステロールの粒子の小さいもっと悪玉のsdLDLに変わり、血管の奥まで入り込んで血管壁の硬化を促進することが判明しています。sdLDLは、血中滞在時間が通常のLDLより長いため、血管内皮と長時間接触し、血管内皮細胞の間隙を通過して動脈壁に浸透するので、血管壁の酸化変性を受けやすいのです。

酸化を防ぐ抗酸化酵素

 体内では悪玉コレステロールの酸化を防ぐためのしくみを持っています。酸化を防ぐ物質、酸化還元酵素(GSH-Px、SOD、CAT)の働きで酸化を防ぎます。

 酸化還元酵素は人間の体内で作られる酵素ですが、加齢と共に産生能力が低下します。そして、生活環境や習慣などの影響で過剰になった活性酸素を除去しきれなくなり、動脈硬化が進み、老化の進行や生活習慣病、がんなどの原因になります。

血管老化による糖尿病・肥満の悪循環

 糖尿病で合併する血管障害は、糖尿病の病態の結果と考えられていました。しかし、血管の老化が筋肉などのほかの組織で、エネルギー代謝に作用して糖尿病を悪化させるという、新しい可能性が示されています。

 血管細胞で血管の老化を引き起こす鍵となるたんぱく質が、糖の消費を抑え一酸化窒素(NO)の産生を低下させることにより、筋肉細胞でのミトコンドリアの合成を阻害します。また、ミトコンドリアへの糖の輸送が低下して筋肉細胞への糖の取り込みを妨げエネルギー消費が低下し、血管老化が進行して、さらに糖尿病・肥満を悪化させる悪循環に陥ります。

血管を老化させる糖化

 血管を作っているコラーゲンは、血管の強度や弾力性に大きな役割を担っています。しかし、たんぱく質であるコラーゲンが過剰な糖によって終末糖化産物(AGE)化されると、血管の老化を進行させます。

「血管の老化から肥満や糖尿病の進行」へという悪循環を断ち切るためには、酸化・糖化による微小循環の環境及び血流の低下への対策が必要です。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、酸化還元酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化に関するデータや、血液粘度の適正化・赤血球の凝集予防・毛細血管の拡張など、微小循環の環境血流の改善に関するデータを持っています。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年10月15日木曜日

老化予防

 加齢より影響大きい肌老化の原因

 肌の老化は年齢を重ねることでも進みますが、加齢による影響は2割程度。実は太陽光線による「光老化」の影響が8割を占めているのです。

「光老化」とは、太陽光線を長期間無防備に浴び続けることにより、皮膚にシミ、シワ、たるみなどが現れる老化現象のこと。「例えば、お尻や内腿など日光に当たる機会が少ない部位の皮膚には、高齢者でもシミやシワはほとんどできない。このことからも肌の老化においては太陽光線の影響が大きいことが分かる。また、皮膚がんの8割程度は、日光に当たる部位に発症することが知られている」(東京女子医科大学 川島眞名誉教授)。

 肌の老化に影響する太陽光線というと「紫外線」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は肌にとって脅威なのはそれだけではないようです。

 太陽光線は、波長の短い方から紫外線(UV)、可視光線、赤外線の3つに分かれ、紫外線にはC波(UVC=短波長)、B波(UVB=中波長)、A波(UVA=長波長)があります(UVCは波長が短いため、上空のオゾン層に遮られて、地上にはほとんど届いていない)。

 太陽光線は波長が長いほど、皮膚の奥深くまで届く性質があり、中波長のUVBは皮膚の一番外側にある表皮に、長波長のUVAは表皮の下の真皮に、それより波長の長い近赤外線は皮下組織まで届きます(図)。

 UVBが表皮に与えるダメージで分かりやすいのは日焼けです。強い日差しに1時間も当たっていると、皮膚がヒリヒリしたり、赤くなったりしてきますが、これはUVBを防御するための即時型の反応によるもの。このUVBによる表皮へのダメージが蓄積すると、シミの発生につながります。UVBが表皮細胞に当たると、細胞を守るために幹細胞因子のSCFやエンドセリンが放出されて、色素細胞のメラノサイトを活性化して、シミのもとになるメラニンの生成を促すのです。

 一方、UVAによるダメージはシワを作る原因になります。UVAが届く真皮には、皮膚のハリや弾力を保つ膠原線維(コラーゲン)と弾性線維(エラスチン)が張り巡らされていますが、UVAによるダメージが蓄積すると、その構造が損なわれることでシワができるのです。

 近年ではさらに、近赤外線が皮膚の土台となっている皮下組織にダメージを与えることで、たるみが生じることが指摘されているといいます。

 紫外線が強い時期や時間帯だけ対策をすればいいというものではありません。冬や曇りの日でも、線量は少ないものの太陽光線は常に降り注いでいるので注意が必要です。

(出典:https://style.nikkei.com/)


■内から外から老化予防

 現代の食生活では、いわゆる消化不良が慢性的に起こりやすいといわれています。たかが消化不良と思うかもしれませんが、肩こりがひどい、頭痛がする、だるい、めまいがする、お肌が気になる、などの体の不調の原因のひとつに消化不良があるのです。

 また、体内に取り込まれた酸素が変化してできる「活性酸素」は、皮膚を酸化させることで真皮のコラーゲンは硬くなり、肌の弾力は失われ、肌老化を早めてしまいます。内側からだけでなく、外からの老化予防対策も重要になってきます。


消化酵素と代謝酵素の不思議な関係

 人の体は、体内で生産された酵素を消化と代謝の作業に振り分けています。消化酵素は摂った食物を消化する酵素です。そして、消化酵素以外の酵素がすべて代謝酵素になります。「代謝」とは、すなわち同化(消化、吸収)と異化(エネルギー消費、排泄)など、生命維持にために有機体が行う一連の化学反応のことです。

 体のすべての器官、組織の中には、各々独自の働きをする代謝酵素が存在します。実は、老化を抑え、健康体でいられるのも、各器官に存在するこれら代謝酵素のおかげです。

 重要なことはこの二つの酵素のバランス関係です。もともと体内で作り出される酵素(潜在酵素)は、「消化」「代謝」の二つの機能を持ち合わせています。一生涯で生産される酵素の量は決まっているので、一日の生産量も、ほぼ決まっていると考えられています。一日に生産された一定量の酵素のうち、「消化酵素」の使用が少量ですむならば、大半が「代謝酵素」に充てられるわけですから、人は健康な状態を保っていると言えます。


"不老長寿の妙薬"と呼ばれた「プラセンタ」

 プラセンタとは哺乳動物の胎盤のことで、胎児の生命を維持し、成長を促す大切な働きを担っています。ですから、生体に働きかける多彩な作用が期待できるのです。

 さらに、抗炎症作用、抗ストレス作用、基礎代謝向上作用、内分泌調整作用、自律神経調整作用、免疫賦活・調整作用、強肝・解毒作用などさまざまな薬理作用から漢方の世界だけでなく現代医療の世界でも幅広く使われるようになりました。

 そして今一番注目されているのが、プラセンタの「美肌作用」です。プラセンタには、たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルなど美肌の素となる5大栄養素が豊富に含まれており、"エイジングケア"や"シミ対策"、"肌質改善"などにも有望とされています。

 年齢を重ねても若々しく美しい肌を保ち続ける上で重要な要素が「血行促進作用」「抗酸化作用」そして「線維芽細胞増殖作用」の3つ。プラセンタはこの3つの要素を全て兼ね備えた、まさに肌老化予防の美薬といえるのです。

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 当康復医学学会では、パパイヤ末と霊芝黒焼末を配合した本物の消化酵素製品や、酵素分解法を用いた良質プラセンタエキス配合の化粧品を開発しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月8日木曜日

過敏性腸症候群(IBS)

 お腹の不調、気になりませんか?

 慢性的なお腹の張りや痛み、下痢や便秘が続くなど、お腹の不調に悩んでいませんか?

 下痢の場合、食べ物や飲み物が原因かもしれません。辛い食事や脂っこい食事、いつもと違う食事で、便がゆるくなり、下痢になる場合があります。下痢を起こしやすい飲み物としては、牛乳やアルコールがあります。牛乳に含まれる「乳糖」によって、「乳糖不耐症」の人が牛乳を飲むとお腹がゆるくなります。アルコールは腸のぜん動運動を活発化させるので、飲み過ぎると下痢をしやすくなります。

 慢性的な便秘の原因は右の3つで、日本人に最も多いのは「弛緩性便秘」です。朝食の欠食や不規則な食事・生活、食物繊維や水分の摂取不足、運動不足などの不健康な生活習慣が原因である可能性が考えられます。

 近年、多いお腹の病気に「過敏性腸症候群(IBS)」があります。検査では腸に炎症や腫瘍などの異常はないものの、ストレスや自律神経失調などが原因で腸が刺激に対して過敏な状態になり、数ヵ月以上の便通異常を繰り返すこともあります。

 IBSの症状は、①下痢型、②便秘型、③下痢と便秘を繰り返す混合型、④その他の分類不能型 の4タイプがありますが、男性は下痢型が、女性は便秘型が多い傾向にあります。症状が起こる際に腹痛を伴うこと、排便により症状が軽減すること、不安や緊張などストレスがかかる状況で症状が悪化すること、などが特徴です。

 日本人の約10人に1人はIBSであるといわれ、20~40代の若い世代に多く発症しますが、症状があっても病気であるという認識が薄く、医療機関を受診していない人が多いようです。また、IBSと似た症状に、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなどがあります。

 お腹の不調の改善には、食事・運動・睡眠を見直し、規則正しい生活を送ることが大切です。十分な睡眠や適度な運動の習慣化が、ストレス解消や腸の働きの改善に役立ちます。ストレスをためないように、自分なりのストレス解消法を見つけて実践しましょう。

 1日3食、栄養バランスのよい食事を心がけ、暴飲暴食、夜間の大食は避けましょう。

 下痢型の場合は、炭水化物や脂質の多い食事、アルコール、香辛料、コーヒーなどを摂ることで腹痛や便通の変化が現れやすくなります。症状を誘発しやすい食品を摂取している場合は、それらの食品を控えましょう。ヨーグルトなどの発酵食品は、症状の軽減に有効だといわれています。便秘型の場合は、食物繊維の多い食品や水分を十分にとりましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■過敏性腸症候群(IBS)

 過敏性腸症候群(IBS=Irritable Bowel Syndrome)は、お腹の痛み、便秘や下痢などのお通じの異常が数ヵ月以上続く状態のときに最も考えられる病気です(大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことが前提)。女性のほうが多く、年齢とともに減ってくることがわかっています。命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛み、便秘・下痢、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。


IBSの起こるメカニズム

 小腸や大腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、不要なものを便として体の外に排泄してくれます。

 これには、食べ物を肛門方向に移動させるための腸の収縮運動と腸の変化を感じとる知覚機能が働いていて、脳と腸の間の情報交換により制御されています。

 ストレスによって不安状態になると、腸の収縮運動が激しくなり、また、痛みを感じやすい知覚過敏状態になります。この状態が強いことがIBSの特徴です。実際に、大腸に風船を入れて膨らませて刺激すると、健康な人は強く刺激しないと腹痛を感じないのに対し、IBSの患者では弱い刺激で腹痛が起こってしまいます。

 IBSになる原因はわかっていません。しかし、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかった場合、回復後にIBSになりやすいことが知られています。

 感染によって腸に炎症が起き、腸の粘膜が弱くなるだけではなく、私たちの腸にいる腸内細菌の変化も加わり、運動と知覚機能が敏感になるためです。

 近年はIBSでみられる腸や脳の機能異常を起こす物質を見つける研究、遺伝子の研究や機能的MRI検査などを用いた脳機能画像の研究が盛んです。

 IBSに対する薬剤以外の治療の代表は、食事療法と運動療法ですが、薬剤でもIBS症状が軽快しにくい場合は、心理療法が有効なことがあります。ストレスマネージメントに加え、リラクセーション(弛緩法)、集団療法、認知行動療法、対人関係療法、催眠療法などがあります。日本では現在のところIBSに対する心理療法を実施している専門医療施設は限られていますが、症状にストレスまたは心理的な変化が大きく関連していると考えられる場合には、心理療法単独または薬剤との併用による治療の効果が期待されます。

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 ストレスの軽減と質の良い睡眠に役立つのが、「ラフマ葉エキス」です。ラフマ葉の抽出物には、抗ストレス作用睡眠改善などが期待できる物質が豊富に含まれています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月1日木曜日

糖の病気

 砂糖の摂取で栄養素が失われる !?

 結論から言うと、「砂糖は食べるな」ということ。砂糖(スクロース)は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖であり、二糖類の一種です。砂糖の摂取によって無駄に消費される栄養素があるのです。まず、砂糖のリスクを見てみると、

▲砂糖でがんになる:フランスの10万人コホート研究「砂糖入り飲料を100ml/日多く摂取することでがん発症リスクが18%上昇、乳がんのリスクは22%も上昇」(BMJ誌.2019) 

▲砂糖の慢性疾患の関係:砂糖入り飲料水は、体重増加、過体重、肥満のリスクを増加させ、2型糖尿病の発症率、高血圧リスク、心血管代謝死等を高める(米国統計、メタ分析) 

▲肥満の増加の原因として異性化糖の摂取が疑われ、使用を制限する運動が世界的に拡大。

▲砂糖の過剰摂取は、体内のビタミンやミネラルの不足を促進(排泄が促進されてしまう)。また、尿細管でのビタミンやミネラルの再吸収を妨害する---などが挙げられます。

 砂糖だけではなく、果糖ブドウ糖液糖(果糖が50~90%)やブドウ糖果糖液糖(果糖が50%未満)にも注意する必要があります。これらは異性化糖とも呼ばれブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあります。夏場の成長飲料水や、アイス、かき氷などには注意が必要です。


砂糖で枯渇する6つの栄養素

 ビタミンB1(V.B1) :代謝を促す重要な栄養素。砂糖による栄養妨害はV.B1欠乏症に強く関連していることはわかっています(1938)。特に現代日本人はV.B1不足と言われます。

 マグネシウム(Mg) :エネルギー代謝に欠かせないミネラル。1分子の砂糖を消費するのに28~56分子のMgが消耗されます。日本人はMgも不足しています。砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの精製糖質の摂り過ぎや高血糖は、Mgの排泄量を高めます。

 ビタミンC(V.C) :グルコースとV.Cの化学構造は非常に似ています。V.Cを取り込む輸送体(還元型V.Cの場合はSVCT、酸化型V.Cの場合はGLUT)のうち、GLUTはブドウ糖の輸送体でもあるので、V.Cと競合してしまいます。

 ビタミンD(V.D) :フルクトースの慢性的な摂取により、血清V.D濃度が低下します。高フルクトースはV.Dの分解酵素(24-ヒドロキシラーゼ)の働きを高めてしまうのです。さらにV.Dの合成に必要な酵素(1α-ヒドロキシラーゼ)の働きは低下させてしまいます。

 カルシウム(Ca) :砂糖の高摂取は、骨折のリスクを増加させます。「精製糖質の過剰摂取はカルシウム、マグネシウム、カリウムの尿中排泄が大幅に増加した」

 クロム(Cr) :「精製糖質の高摂取によって通常の10%から300%まで尿中Crの排泄が増加した」。Crは、血糖を調節するインスリンの効果を促進するという糖質の代謝に関わるミネラルです(糖尿病の人はCrが少ない)。

(出典:https://www.youtube.com/watch?v=uvQT9Ba-Th8&t=504s)


■"糖"が起こす病気

 脂質、糖質、たんぱく質。これらは私たちが生きていくために必要な「三大栄養素」とされています。「質の良いもの」であれば、脂質やたんぱく質を摂ることは、体のために必要です。つまりこの二つを語るときに問題となるのは主に「質」であり、それ自体に害があるとは言えません。しかし「糖質」には、脂質、たんぱく質を摂りすぎること以上の、恐ろしい害があるのです。糖は、どのようにして体に害を及ぼすのでしょう。

 思い浮かぶのは肥満糖尿病ですが、それだけではありません。まず挙げられるのは動脈硬化、そしてそこから引き起こされる脳梗塞心筋梗塞です。これらの主な原因は一般的には高血圧や高脂血症とされていますが、血圧やコレステロールが高かろうと低かろうと、脳梗塞や心筋梗塞の発症率に変化はないという研究は無数にあります。血圧コレステロールが高めの方がなりにくいというデータさえあるのです。

 動脈硬化の本当の原因は糖質です。ここで言う動脈硬化とは、いわゆる血液がドロドロで動脈が詰まりやすい状態になっていること、専門的にいえば「粥状動脈硬化」をさします。コレステロールそのものに罪はないと書きましたが、糖がコレステロールと結びつくと問題なのです。また体内のたんぱく質と糖質が結びつくと、AGE(終末糖化産物)という有害物質が作られます。これが体の至るところで細胞を傷つけ、感染症やがん、アレルギーにかかりやすくし、また老化を促進します。

 炭水化物全般までは否定しませんが、「直接糖」に関してはすべて体に非常に悪いと考えてよいでしょう。「糖質は体の大事なエネルギー源なのでは?」と言われそうですが、この直接糖は多くの面で体を害することが様々な医学研究でわかっています。まずは直接糖を避けることです。「自然な形の糖」とは食材のなかに、さまざまな栄養素と一緒に含まれている糖質のことで、「間接糖」と呼ばれます。一方「不自然な形の糖」とは、食材を精製して生まれた、ただの糖の塊になっているもので、これは「直接糖」と呼ばれます。

 砂糖や精製された白米、小麦といった「白い炭水化物」は、いずれも直接糖です。栄養価が高く健康的なイメージのあるハチミツや黒砂糖、三温糖なども、植物から不自然に糖分だけを取り出した直接糖です。これらの直接糖を摂ることは、体にとって有害と言わざるを得ません。そして玄米や全粒小麦などの間接糖であっても、摂り過ぎれば病気になるリスクは高まりますので、注意した方がいいでしょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン